1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/22(火) 01:30:36 ID:rw41.vN6
男「ん…?」

許嫁「考えてみて」

許嫁「幼馴染っていうのは、許嫁と似てるでしょう?」

男「どの辺が?」

許嫁「幼馴染は、昔結婚する約束をしたとか」

許嫁「仲が良くて、いつくっついてもおかしくない関係でしょう」

男「うん」

許嫁「許嫁の方は言うまでもないわね」

許嫁「違いこそあれ、どちらも一種の絆で結ばれているでしょう?」


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3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/22(火) 01:37:54 ID:rw41.vN6
許嫁「この2つに共通するのは」

許嫁「突如現れる邪魔者」

許嫁「突然の新しい出会い」

許嫁「こういった変化球によって、
固いと思われていた関係がどうなるか」

許嫁「そういう部分」

許嫁「分かる?」

男「何となく(分からない)」


許嫁「正直に言いなさい♪」グリグリ

男「いたいいたい何故バレた」

許嫁「長い付き合いだもの、当然よ」グリグリ

男「さすが幼馴染さんいたいってば」 


4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/22(火) 01:42:03 ID:rw41.vN6
男「確かに通ずる物があるけど……
一緒に居る時間的に、むしろ下位互換なんじゃ」

許嫁「甘い」

許嫁「甘過ぎる」

男「しょっぱい評価」 

5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/22(火) 01:46:51 ID:rw41.vN6
許嫁「例えば、可愛い幼馴染の居る男が転校生のコとくっついたとするわ」

男「う…おぇっ…」

許嫁「ちょっと、話を切らないで」

男「ごめ…うぇっ…」

許嫁「どれだけ切ない話が苦手なの、頼りない人」

男「っく…トラウマが…」


許嫁「全く…」

男「ひっ膝枕!?」 

6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/22(火) 01:52:33 ID:rw41.vN6
許嫁「本題に戻るわ」

許嫁「幼馴染は、その男が好きだった」

男「ベタ」

許嫁「ぽっと出のヒロインにいきなりあの人を取られたという訳よ」

許嫁「理不尽ね」

男「理不尽だな」スリスリ

許嫁「ちょっと、くすぐったい……」 

7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/22(火) 02:01:53 ID:rw41.vN6
許嫁「でも」

許嫁「幼馴染には文句を言う権利はないわ」

男「何故」

許嫁「幼馴染は、その男の彼女でも何でもないんだから」

男「幼馴染って、案外脆いな…」スリスリ

許嫁「んっ……でも、それを許嫁に置き換えてみなさい……あふ…」

男「一筋縄ではイかなくなる…」スリスリ

許嫁「そう…その通り…ひあっ……ちょっと…やめなさいよ」

男「はい」 

8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/22(火) 02:09:36 ID:rw41.vN6
許嫁「この場合は、婚約解消とか、そんなレベルの難題が立ちはだかるわ」

男「なるほど……幼馴染とは絆の固さが違うのか…」

許嫁「長年の想いよりも大人の都合が勝る、悲しい話ね」 

9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/22(火) 02:14:07 ID:rw41.vN6
男「でも、すぐに出会った人と仲良くなるもんか?普通」

男「さっきの話だと、二人とも喜んで婚約破棄に立ち向かうと思うけど」

許嫁「黙りなさい」

男「でも」

許嫁「黙りなさい」

許嫁「黙りなさい」


男「……大人の都合か」

許嫁「大人の都合よ」 

10 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/22(火) 02:23:25 ID:rw41.vN6
男「…幼馴染は、俺の事嫌い?」

許嫁「……」

許嫁「男なんて嫌いよ」

男「………」


男「そろそろ起きて良い?」

許嫁「起きたら大っ嫌いになるわよ」

男「……」


男「……」スリスリ

許嫁「ゃっ…」

男「好きです」

許嫁「あぅ…っ!?」 

11 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/22(火) 02:34:52 ID:rw41.vN6
許嫁「っはあ……はぁ…」トロン

男「……」ムラッ


ガバッ

男「ぐっ!?」

許嫁「……っーー」

男「ッーーーー」



男「ぷはっ…幼馴染、何を」

許嫁「……責任、取りなさいよ…っ」

男「あっ、ちょっ」




おわり^^ 

16 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/24(木) 04:18:35 ID:BpnRKp8Q
  ~事後~


許嫁「ん…もうこんな時間」

男「…家まで送ろうか?」

許嫁「それよりも、一刻も早く体を洗いたいわ」

男「ああ、確かに…お風呂、お先にどうぞ」

許嫁「ありがとう、と言いたい所だけど」


許嫁「一緒に来て」グイッ

男「えっ」

許嫁「拒否権はないんだから♪」

男「なっ待」 

17 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/24(木) 04:30:19 ID:BpnRKp8Q
ーーーーー



許嫁「痒い所は?」シャコシャコ

男「な、ないです…」

許嫁「…一緒にお風呂なんていつ以来かしら」

男「…小学生が最後だったかな」

許嫁「何固まってるのよ」ツン

男「ひゃあっ!?」

許嫁「あんたって敏感よね」クスッ

男「うぅ…」 

18 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/24(木) 04:37:09 ID:BpnRKp8Q
許嫁「……」シャコシャコ

男「……」

許嫁「…中学生の頃かしら、お互いにそっけなくなったのは」

男「うん…」

許嫁「私、あの時からあんたを意識してたわ」

男「えっ!?てっきり嫌われてたのかと…」

許嫁「酷いじゃない。バレンタインだってチョコレートを渡したのに」

男「そ、そういえば…」

許嫁「全く、こういうのは鈍感なのね」ツンツン

男「わっ!や、やめてよ!」

許嫁「ふふ」 


19 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/24(木) 04:45:10 ID:BpnRKp8Q
男「…高校、同じだって分かった時はびっくりした」

許嫁「……」

男「だって、幼馴染は確かあそこは第三志望だったし」

許嫁「最初から第一志望だったわよ」

男「? どういう事?」

許嫁「あんたと同じ所が良かったって事」ギュッ

男「っ!?」

男(タオル越しとはいえ…!) 

20 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/24(木) 04:48:52 ID:BpnRKp8Q
男「(いや、駄目だ、踏み止まれ…理性を保て…!)」

許嫁「……」ムスッ

許嫁「前も洗ってあげるわ」シャコシャコ

男「えっ!?あっ、そこは駄目えぇ」 

21 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/24(木) 04:56:10 ID:BpnRKp8Q
許嫁「そろそろ湯船に入りましょう」

男「いつの間にお湯張って」

許嫁「黙りなさい」

男「……」チャプ

許嫁「ふうん…向かい合わせにはならないのね」チャポ

男「……」

許嫁「あんな事したのに?」

男「それは…!」 

22 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/24(木) 05:05:01 ID:BpnRKp8Q
許嫁「言っておくけど、ここまでしておいて逃げるなんて許さないわよ?」

男「あ、当たり前だ!一生支えるよ!」

許嫁「……」

男「分かったよ、ちゃんと向き合うから…」モゾ

許嫁「だめ」

男「え?」

許嫁「今は振り向いちゃだめ…」

男「ちょ、のぼせた?」

許嫁「そうよ。それで良いからあっち向いて」フイ 

23 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/24(木) 05:10:08 ID:BpnRKp8Q
ーーーー



男「温まった…」

許嫁「どうして湯上がりの一杯は格別なのかしらね」

男「さあ?」

男「でも」

男「やっぱり牛乳が一番」グイッ

許嫁「同意するわ」クイッ 

24 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/24(木) 05:14:05 ID:BpnRKp8Q
男「……もうこんな時間だけど」

男「早く帰った方が」

許嫁「…や」

男「でも」

許嫁「今夜くらい、甘えたいの…」

男「…!………布団敷いておくよ」

許嫁「ありがと…家に電話してくる」 

25 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/24(木) 05:17:01 ID:BpnRKp8Q
ーーーー



許嫁「…」モゾモゾ

男「……」

許嫁「…」

許嫁「…」ピタッ

男「……」ギュ

許嫁「えへっ……」 

26 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/24(木) 05:23:46 ID:BpnRKp8Q
許嫁「……頭、撫でて」

男「……」サラサラ

許嫁「……」

男「……」サラサラ

許嫁「私…今、しあわせ」

男「……それ、こっちの台詞…」サラサラ

許嫁「もう、絶対に離さないんだから…♪」ギュム

男「好き」

許嫁「大好き」 

32 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/11(月) 21:53:13 ID:G9VePYVk
翌日


男「おはよ…」ボ-ッ

許嫁「おはよう、ご飯出来てるわよ」

男「なんか母ちゃんみたいだ…」

許嫁「」ピキッ

男「あ、あれ?」

許嫁「私、先行ってるわ」スタスタ

男「あっ、ま、待って!」アタフタ


パタンッ


男「怒らせちゃったかなぁ…」 

33 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/11(月) 21:54:26 ID:G9VePYVk
翌日


男「おはよ…」ボ-ッ

許嫁「おはよう、ご飯出来てるわよ」

男「なんか母ちゃんみたいだ…」

許嫁「」ピキッ

男「あ、あれ?」

許嫁「私、先行ってるわ」スタスタ

男「あっ、ま、待って!」アタフタ


パタンッ


男「怒らせちゃったかなぁ…」 

34 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/11(月) 22:07:48 ID:G9VePYVk
許嫁「……」スタスタ

許嫁「……あ、リボン…」

許嫁「…はぁ……戻らなきゃ」


男「幼馴染~っ」タッタッ

許嫁「!おとk………何、そんなに慌てて」

男「はぁ…はぁ…さ、さっきは変な事言ってごめん」

許嫁「急いで来た所生憎だけど、私忘れ物があるから戻らなきゃ…」

男「そうそう、ほら、リボン」スッ

許嫁「!………つ、つけて」

男「え?」

許嫁「さっきの分。…つけて」 

35 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/11(月) 22:13:59 ID:G9VePYVk
男「わ、分かった…」ドキドキ

許嫁「……んっ」ピクン

男「ご、ごめん…くすぐったかった?」

許嫁「っ……」

許嫁「続けて」

男「(や、柔らかい感触が…)」

男「(無心、無心…!)」スッ

許嫁「んぅっ……」ピク

男「……っ、よし」

男「終わった」 

36 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/11(月) 22:19:18 ID:G9VePYVk
許嫁「…」

許嫁「56点。結び目が綺麗じゃない」

男「……ごめん、後は自分で直して…」

許嫁「良い」

男「…え?」

許嫁「男がつけてくれたから良いの」

許嫁「行きましょ」

男「あっ…う、腕を絡めなくても」 

37 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/11(月) 22:31:14 ID:G9VePYVk
男「も、もう教室の前だし」

男「そろそろ手を離しても」

許嫁「嫌なの?」ジト

男「い、いや」

男「むしろ嬉しいけど…恥ずかしい」

許嫁「♪」ガラッ


知人「おおっ!今日はいつにも増してアツいな」

男「あ…」カア

知人「なんだ、もう一生の誓いでも立てたのか?」

男「そ、そんなんj」

許嫁「ええ」

男「」

知人「」


許嫁「だって」 


38 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/11(月) 22:36:51 ID:G9VePYVk



許嫁「幼馴染で許嫁だもの」フフン



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