593: 名無しさん 03/12/07 01:39
女の子
ひとりで山を歩いている男がいた。
木が風に揺れ、ざわざわと音をたてた。
男は奇妙な感覚に襲われた。
それも大勢の誰かが、息を殺して。
ふと後ろを振り返ると、女の子が立っていた。
女の子は不思議そうに訊く。
「こっち」
女の子に手を引かれ、けもの道を夢中で走った。
ハッと我に帰ると、山道の入り口で
一輪の花を持って立っていた。
ひとりで山を歩いている男がいた。
夕闇が迫り、自然と足早になる。
木が風に揺れ、ざわざわと音をたてた。
びゅうっと風が通り抜けた。
男は奇妙な感覚に襲われた。
誰かが、自分を見つめている。
それも大勢の誰かが、息を殺して。
急に寒けを覚えて立ち止まる。
ふと後ろを振り返ると、女の子が立っていた。
「おめは死にびとか?」
女の子は不思議そうに訊く。
逃げ出したい気持ちを抑えて首を振った。
「こっち」
女の子に手を引かれ、けもの道を夢中で走った。
ハッと我に帰ると、山道の入り口で
一輪の花を持って立っていた。
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626: 名無しさん 03/12/07 23:39
>>593
遅いレスですが、ひっそりと怖い話です。
異界への入り口に足を踏み入れたのかもしれませんね。
遅いレスですが、ひっそりと怖い話です。
異界への入り口に足を踏み入れたのかもしれませんね。
594: 名無しさん 03/12/07 02:18
おーいと呼ぶ声
知り合いの話。
仕事で山林の手入れをしている時のこと。
くり返し呼ぶその声を聞いているうちに、なぜか返事を返さなければならないと
いう気持ちになったのだという。
声を返そうとした途端、先輩がひどく怖い顔で静止した。
やめろ。憶えられたら家までついてくるぞ。
問うてみると、正体は分からないが、返答した者に取り憑く類いの怪らしい。
仕事を終わって帰る時も、まだその声は聞こえていたそうだ。
知り合いの話。
仕事で山林の手入れをしている時のこと。
どこからか奇妙な調子で、おーいと呼ぶ声が聞こえたのだという。
くり返し呼ぶその声を聞いているうちに、なぜか返事を返さなければならないと
いう気持ちになったのだという。
声を返そうとした途端、先輩がひどく怖い顔で静止した。
やめろ。憶えられたら家までついてくるぞ。
問うてみると、正体は分からないが、返答した者に取り憑く類いの怪らしい。
仕事を終わって帰る時も、まだその声は聞こえていたそうだ。
595: 名無しさん 03/12/07 02:19
蟹
知り合いの話。
渓流釣りをしている時、樹木に覆われ隠れているようになった淵を見つけた。
そこで彼は、不思議な沢蟹を見つけたのだそうだ。
甲羅に見たことのない模様があり、たくさんの卵を腹に抱えていた。
見ていると卵は仔蟹になって、すぐに母蟹を食い尽くしてしまう。
最後に残った一匹が、またたくさんの卵を産み始める。
この不思議な流れが、ビデオの早送りのように延々と繰り返されていた。
我に返って淵から出たが、意外にもほとんど時間は経っていなかった。
不思議なことに、腕時計以外の身に付けた金属が、薄く錆をふいていた。
知り合いの話。
渓流釣りをしている時、樹木に覆われ隠れているようになった淵を見つけた。
そこで彼は、不思議な沢蟹を見つけたのだそうだ。
甲羅に見たことのない模様があり、たくさんの卵を腹に抱えていた。
見ていると卵は仔蟹になって、すぐに母蟹を食い尽くしてしまう。
蟹たちはみるみる大きくなり、やがて共食いをし始めた。
最後に残った一匹が、またたくさんの卵を産み始める。
この不思議な流れが、ビデオの早送りのように延々と繰り返されていた。
我に返って淵から出たが、意外にもほとんど時間は経っていなかった。
不思議なことに、腕時計以外の身に付けた金属が、薄く錆をふいていた。
596: 名無しさん 03/12/07 02:20
遭難者のメモ帳
知り合いの話。
冬山で遭難した登山者が見つかった時のこと。
捜索隊に加わっていた人から、こんな話を聞いたという。
遭難者はメモ帳に、死ぬ寸前まで日記をつけていたらしい。
日記の最後の方は飢えと寒さのためか、字が乱れていて読めたものではなかった。
しかし日記の最後に書かれた二行の文章だけは、はっきりと読むことができた。
おとうさん おかあさん もうかえれません ごめんなさい
たのまれたので かきました
まるで子供が書いたような下手な字で、平仮名だけが使われていた。
字は強い筆圧で書かれており、遭難者の書いた字体とは明らかに違っている。
遺族にメモ帳を渡す時には、最後の一行は破りとったということだ。
新編 山小屋主人の炉端話
知り合いの話。
冬山で遭難した登山者が見つかった時のこと。
捜索隊に加わっていた人から、こんな話を聞いたという。
遭難者はメモ帳に、死ぬ寸前まで日記をつけていたらしい。
日記の最後の方は飢えと寒さのためか、字が乱れていて読めたものではなかった。
しかし日記の最後に書かれた二行の文章だけは、はっきりと読むことができた。
おとうさん おかあさん もうかえれません ごめんなさい
たのまれたので かきました
まるで子供が書いたような下手な字で、平仮名だけが使われていた。
字は強い筆圧で書かれており、遭難者の書いた字体とは明らかに違っている。
遺族にメモ帳を渡す時には、最後の一行は破りとったということだ。
新編 山小屋主人の炉端話
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登山中に動けなくなっている人がいたら背負ってでも助ける?
登山口まで自転車で行って登って帰ってくるスタイル あんまりいないのかな?
山ならペンタックス一択だと聞いたのだが。防滴防塵仕様が望ましいという話でさ。
引用元:http://toro.5ch.net/test/read.cgi/occult/1069829791/
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ヘルメットは顎紐締めて気も締めて、だ。ちょっと危ないところにいるんだって自覚するために着ける。
登山中に動けなくなっている人がいたら背負ってでも助ける?
登山口まで自転車で行って登って帰ってくるスタイル あんまりいないのかな?
山ならペンタックス一択だと聞いたのだが。防滴防塵仕様が望ましいという話でさ。
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