火の四天王「……婚約発表は、三日後か」
火王「私と奴の婚約は……ずっと、秘密だったと言うのに」
火王「……」
火王「……うっ……ふぅっ……うぅっ……!」ポロポロッ…
地の四天王(以下、地王)「火の四天王よ」
地王「何を泣いているのだ?」
火王「……」
火王「はいっ!?」
地王「石造りの建物など、俺の前では何も無いに等しい」
火王「ど、どうして……此処に来た!?」
地王「うむ!」
地王「まあ、大きな声では言いにくいんだがな?」
地王「ちょっと夜這いに来た」
火王「本当に大きな声では言えない理由だな!?」
火王「なっ、何を考えたと言うんだ!」
地王「お前の、婚約発表の場を潰す方法だ」
火王「……えっ?」
地王「正式に発表されるパーティーに颯爽と登場、とも考えた!」
地王「だが、水の四天王と風の四天王が前入りしていたのだ!」
地王「いくら俺でも、その状況では無理だ!」
火王「待て! 待て待て待て待て!」
地王「当たり前だろう」
火王「私は、婚約発表を三日後に控えているんだぞ!?」
地王「それならば、延期になるぞ」
地王「ちょっと赤龍王をボコボコにしてな」
地王「あれは恐らく、二ヶ月は静養が必要だろう」
火王「お前は何をやってるんだ!?」
火王「何を話すことがある!?」
地王「無論、婚約発表を取りやめる事だ!」
火王「断られて、赤龍王を闇討ちしたのか!?」
地王「いやぁ……」
地王「――火の四天王は、顔こそ美しいとは言えない」
地王「――だが……」
地王「……まで聞いて、カッとなって手が出てしまったのだ」
地王「俺の魔力の源は怒りなので、奴が生き残れたのは奇跡だった」
火王「お前は……お前は、本当に何をしている!?」
火王「だが! だが、と……内面を褒めようとしていただろう!」
地王「お前は、可愛い! 自信を持つのだ!」
火王「……うるさい!」
火王「お前は……私を捨てて、剣の乙女を選んだだろう!?」
火王「そんなお前が、どうして今更私の前に現れる!?」
地王「何を言う! 酔って、朝起きたらベッドに居ただけだ!」
火王「そんな訳があ――……」
火王「……」
火王「うん」
火王「……ああ、呼んでいたな」
地王「そんなのは、なあ? 男と言い出しにくいだろう」
火王「……まあ……確かにそうだな」
地王「覚えてはいないが、ヤっちゃった時は女の姿だった」
地王「女同士ならセーフ! という事にならんか?」
火王「……な、何とも言えん!」
火王「……そうみたいだな」
地王「うむ!」
火王「……剣の乙女は、どうする気だ?」
地王「……まあ、なんだ」
地王「火の四天王よ、お前に任せたい」
地王「ただならぬ関係ではあるわけだからな!」
火王「えっ!? わ、私が何とかしないといけないのか!?」
火王「いや、待て!」
地王「待たぬ!」
火王「おい! 勝手にベッドに寝転がるな!」
地王「それは違うぞ、火の四天王よ!」
地王「俺は、ひっくり返っているのだ!」
地王「それが、お前の可愛さを引き出すと知っているからな!」
火王「……お前……覚えていたのか?」
火王「あの……初めて会った時の事を……」
火王「……」
地王「あの後、火龍王に半殺しにされたのも良い思い出だ!」
火王「……」
地王「それに、翼と尻尾が出たらな? やりにくいと思うのだ」
地王「後ろからだと、可愛い顔が見えなくなってしまうだろう?」
地王「つまり――尻に敷かれに来たのだ!」
火王「そ……それって……」
地王「この、鍛え抜かれた肉体を……ぬう、袖が引っかかって……!」
火王「あ……うん、脱ぐの手伝うぞ」
地王「おおっ、すまぬな!」
地王「――この、鍛え抜かれた肉体を見るが良い!」
地王「例え、相手が何者であろうとも!」
地王「最後まで――支えきってみせるわ!」
火王「……!」
―バサァッ! タシンッ!
地王「むしろな? 下から突き上げて――」
火王「――嬉しいっ……!」
大地の魔女(以下、地女)「……と、言うわけだ!」
光の勇者(以下、勇者)「お前、それ……」
地女「光の勇者よ、お前の出した条件は達成したぞ!」
勇者「いや、だが……」
勇者「お前……プロポーズした事になってないか?」
地女「なっていないだろう?」
地女「上に乗って、存分に腰を振れという意味でしかないぞ?」
勇者「そうか……いや、そうか!?」
勇者「あ、ああ……お前はパーティーメンバーだ」
地女「……おおっ! 聖なる力で覆われていく!」
勇者「とりあえず……後で、二人の誤解を解いてくれ」
地女「全く……お前は、いつも誤解されているな」
地女「もう少し、言動には慎重になった方がいいぞ?」
勇者「あのな!? 全部お前が原因だからな!?」
地女「赤龍王には……まあ、菓子折りでも贈っておこう」
勇者「それで良いのか!?」
地女「安心するのだ、正体はバレていないぞ!」
地女「ボコった時は、この美少女の姿だったからな!」
地女「だが、ボコった後……」
地女「――貴女のお名前は……?」
地女「と、妙に熱っぽい視線を送ってきていてな?」
地女「あれは……一体何だったのだろうか……?」
勇者「お前はどうしてそう……そう、ぬああああ!?」
地女「とても、幸せそうな寝顔をしていてな……」
勇者「……それで?」
地女「……うむ」
地女「長居して、水の四天王と風の四天王にバレるとも限らんしな」
地女「起こさないよう、コッソリ抜け出して戻ってきた」
地女「こう……ちゃんと、肩まで布団をかけてだぞ」
勇者「それ大丈夫なのか!?」
勇者「っつーか、最後のくだり要るか!?」
勇者「いや、だってお前!」
地女「ええい、俺を信じろ!」
勇者「お前の、どこを!?」
地女「火の四天王は、今回の事は誰にも言わん」
地女「火龍王の娘にして、誇り高き武人が、だ」
地女「夜這いされてお楽しんじゃいました……」
地女「……などと、言える筈が無いだろう?」
勇者「……本当クズだな、お前はよぉ!?」
勇者「ああ、そうだな! お前だけだよクソッタレ!」
地女「ふっ……パーティーには、役割というものがあるからな!」
勇者「お前のせいで生まれた役割だよ!」
地女「ふむ……つまり――」
地女「――母なる大地、という事だな?」
勇者「お前、本当に言葉を考えてくれない!?」
勇者「それは今後使うなよ!? 絶対、誤解を招く!」
勇者「少しは恐れてくれ、頼むから!」
地女「……光の勇者」
勇者「……何だよ」
地女「誤解があってもな?」
地女「こう、割と何とかなったりするものなのだ!」
勇者「だけど……どんどん、状況が悪くなって無いか?」
地女「なぁに、何とかなる!」
地女「光の勇者よ、明日を信じられぬ者に未来は無いぞ!」
勇者「四天王らしくないなぐさめすんじゃねえよ!!」
おわり
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コメント一覧 (11)
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- 2018年11月19日 21:23
- 正直もうつまんないからさっさと終われ
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- 2018年11月19日 21:38
- 母なる大地なら二度と使わせない
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- 2018年11月19日 21:40
- これでおわったのかな
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- 2018年11月19日 22:22
- 血の四天王は生命活動を続ける限りややこしくし続けるんだろうなぁ…
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- 2018年11月19日 22:24
- もう分割しすぎて分からなくなってきてないか?
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- 2018年11月19日 22:41
- 内容が分割されてるってことを踏まえてもグダグダ長すぎでいつまでも地の四天王が報いを受けないどころかなんやかんやで都合よく進んでてウザったくなってきた
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- 2018年11月20日 00:55
- 一回分もうちょい纏めましょうよ。
それはそれ、なんかぐだぐだになって着地点を見失ってきてないか?
あと勇者に光の加護が無い気がする。
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- 2018年11月20日 02:04
- 始めは単純馬鹿って感じが前面だったけど、だんだん正当化に走るクズって言うのが前面に出てきてしまって不快感増してる
光の加護の話あたりでオチついてた
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- 2018年11月20日 04:53
- 最初から不快なんだけどつい読んじゃうんだよな
なんなんだろ
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- 2018年11月20日 07:43
- ※1もとスレで終了宣言出てたぞ
糞な終りかたで
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- 2018年11月20日 23:37
- いや、地の四天王さんはドクズだけどもなんか憎めないじゃん?
そもそもコメディなんだからそんなマジになんなよ。
適当に笑っとけ。