298 :鬼女日記 2017/07/28(金) 11:30:32 ID:KpH
自分の出生にまつわる衝撃話。

私の生家は、私が幼稚園ぐらいまでは父親がおらず、母子家庭だった。
その後、父親がともに暮らすようになった。
小学生の頃は「(母親も働いていたため)転勤で一緒に暮らせなくなったが
父親が決心して仕事を変わったので暮らせるようになった」と言われていた。
父親側の親戚との交流がなかったのは疑問に感じていたりもしたが、父方祖父母は既に亡くなっており
遠方の父方伯父以外の親戚はいないと説明されていた。

成長して、父方伯父やいとこと話をしていると、父方祖父母や親戚が実際にはいるような節も
聞いたけれど、父実家は伯父や父の結婚に反対していたらしいという話も聞いたので
祖父母の反対や「嫁姑問題」なんかがあって、なかなか同居できなかったんだろうと勝手に解釈していた。
母はいわゆるキャリアウーマンで、「姑」なんか全くこわくなさそうだし、
そう考えれば父が母の姓を名乗っていることのつじつまもあったので、あえて聞こうとはしなかった。

去年に、定年退職して間がない年齢だったが、父がガンで亡くなった。
その時に、母と父方伯父から私の出生に関する話を聞いた。

父と母は大学の同じゼミで、就職してからも交際は順調でいずれ結婚すると
周りから見られていた。実際、半同棲のような感じだったらしい。

母は学生時代からいわゆるフェミニズム運動のようなものに関わり、就職してからも
ある程度続いていた。(定年後の今も、事業所向けのセクハラ防止講座とかで話してる)
ただ、私が母から言われたのは
「セクハラ(昔はこういう言葉もなかったらしい)や役割の押し付け(飲み会のお世話役など)
には、曖昧な態度を取らず毅然と拒むか然るべき機関に訴えること。困っている被害者が居れば助けること」
「結婚しても『自分の財布』を持ち、自己決定をかかさない。大事なことは夫婦で相談。
 家事や育児、あるいは収入を「相手に丸投げ」ではダメ」
「制度上改姓は仕方がないとしても、相手の家の一員になるわけじゃなく新しい家庭を作るもの。
『入籍』という言葉は正しくない」
という感じで、今で言えば当たり前というか穏健なものだけれども、当時としては
母は「変わり者」扱いされたらしいが、父はそういう母が好きで、対等なカップルだったらしい。
299 :鬼女日記 2017/07/28(金) 11:34:06 ID:KpH
続き)

ところが、父方実家で異変が起きた。「跡取り」とみられていた伯父が家を継がないと宣言し
親の反対を聞かずに結婚して家を建ててしまった。それで次男の父が祖父母や親戚から
「跡取り」にランクアップされ、実家に帰るように圧力がかかり始めた。

母はすごく悩んだ。父実家は田舎。
母は資格職で、父実家から県庁所在地に通えば仕事がないわけではない。
ただ、父実家と周囲はいわゆる「膿家脳」な地域で、女性は何でも先回りして
男の人のお世話をあれこれしし、男の人を何もさせずいばらせるのが当然という
風潮があって、母がなじめるとは到底思えなかった。
父実家でも母のような女性は想定外だったらしく、父は実家でかなり責められたらしい。
それでも母と結婚したいという父に、親戚がおかしなことを吹き込んだ。
「妊娠させればいい。そうすれば大人しくなる。女はそういう風にできているものだ」
都会に居た女性を口説いて無理に妊娠させ連れ帰り、その女性は立派に農家嫁になっているという
誰かの「武勇伝」を言って、父をけしかけたらしい。

その後、実家から帰ってきた父に、母が「あなたのことは好きだ。結婚はあなた以外に考えられないと思う。
けれど、あなたの実家になじむことは無理だ。どうしてもというなら別れてほしい。その方がお互いのためだ」
と告げたところ、父はパニックになり、母を強○した。

母はショックを受け、父は後で我に返って母にわびたが、母は断じて別れを告げた。
その後妊娠がわかり、また母は悩み、周囲の仲裁や説得もあったが、私を産んでシングルで育てることにした。
300 :鬼女日記 2017/07/28(金) 11:35:38 ID:KpH
続き)

私が生まれてからも話し合いは続き、責任を感じてコンタクトしてきた父方伯父や
母が頼りにしていた母方の伯母夫婦、共通の友人などが話し合いに加わり、
最終的に、父が実家と絶縁して母の姓を名乗ること、この間の経緯については父は生涯自己弁護せず
子どもに対しても沈黙を守ること、などを約束し、父と母は改めて結婚した。
母が持っていた父とのウエディング写真は、その時にけじめとして取ったものらしい。

そして父は文字通りこのことを「墓場まで持って」いった。
父母が話そうと一致したときには、私にこのことを話そうと決めていたが
結局その機会はなかった。母も自分も墓までもっていこうと思ったらしいが、
父方伯父が「言うべきだ」と強く促したらしい。

私は母に、結婚してからも愛情はあったのかと聞いた。
母は「大好きだった。あの人でなければ結婚していなかったと思う。ただ
心の底で信じきれない部分があったのは確か。でも別々の人生を歩むのは嫌だと思った」
と言った。

私も結婚しているが、母がどういう思いで父との40年近くを過ごしていたのか
正直言ってちょっと想像ができない。
父が家庭内で小さくなっていたり、母が父を見下すような素振りは全くなく
(結婚前の夫から「理想的夫婦」と言われて、私にとって気恥ずかしくプレッシャーになるくらい)
仲睦まじい関係だったので、衝撃的と同時に、もういい年の私でもしばらく飲み下せなかった。

こういう話を、思春期とかにもし聞いていたら大変なことになったと思うので
父や母、周囲の心配りには感謝したい。

ただ私が聞いたことを知ったら、父がどう思うだろうか、気になる。
せっかく墓場まで持って行ったのにと気を悪くするのか、
言ってくれてよかったと思ってくれるのか。
もうすぐ一周忌なので気持ち整理に書き捨て。
301 :鬼女日記 2017/07/28(金) 11:41:13 ID:KpH
最期におまけとして、ちょっとだけ笑えた話は、
伯父も父も継ぐことを拒んだ父実家は、父を追いかけてこなかったのか、
と父方伯父に聞いたら(伯父は実家と最小限の連絡は維持している)
妊娠しても嫁にクラスチェンジせず、そればかりか自分のところに父を取り込んでしまった母は
父実家では理解不能で、狂人か鬼女(本来の意味w)か何かのように気味悪がられていて、
(あと、父が発狂して精神病院に入り実際に居ない女性と結婚したと思い込んでいる、と思われたりも)
父も父実家ではタヒんだものにされて私たちは粘着されなかったらしい。
引用元:http://kohada.open2ch.net/test/read.cgi/kankon/1498735507/
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