193 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 09:07:44 ID:zy3QIeERz
しばらくハーゲンダッツを見つめていましたが、空になると諦めたように

ゆき「昨日のメール、ちゃんと読んだの」

1「ううん」

ゆき「!な、なんで」

1「うそ。読んだ」

ゆき「え、じゃあ、じゃあ返事は…?」

ゆきは今にも泣きそうな顔でこっちを見てきました。
194 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 09:08:10 ID:zy3QIeERz
何も言えませんでした。

1「…いやー、釣り合わないよ」

ゆき「1ちゃんに俺が?」

1「逆だよ馬廘か」

ゆき「なんで。そんなことない」

1「いーや、あるね。ゆきの顔と忄生格なら、もっと可愛い子彼女にできるって」

我ながらひねくれた返事でした。
195 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 09:08:55 ID:zy3QIeERz
ゆき「1ちゃんは可愛いもん」

1「そういうお世辞がいっちばん嫌い」

ゆき「俺から見たら、可愛い」

1「眼科行け眼科」

ゆき「俺視力AA。1ちゃんと違って」

1「とにかく無理、ってかダメ」
196 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 09:11:34 ID:zy3QIeERz
ゆき「どうして…」

1「だから、ゆきと私じゃレベルが違いすぎるから」

ゆき「…」

ゆき「俺が、女装趣味だから?」

ハーゲンダッツ噴出するかと思った。

1「そういう理由じゃない、絶対違う!」

ゆき「そっか。何か安心したw」
197 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 09:11:58 ID:zy3QIeERz
1「…」

ゆき「それじゃあ、あの理由じゃ納得できないんだけど」

ゆき「レベル云々とかじゃなくて、こう、違うでしょ。上手くいえないけど」

1「…んー」

ゆき「1ちゃんは、俺の事嫌い?」

1「…普通」

ゆき「普通かー…。じゃあ、これから何をすれば好きになってくれる?」

1「必タヒか」

ゆき「当たり前じゃん。本当に、本当に好きなんだもん」

1「…」

なにこいつ、恥ずかしい。
198 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 09:12:20 ID:zy3QIeERz
最初はもちろん、笑いながら断るつもりでした。けどゆきは、こんな私に、可愛そうなくらい必タヒでした。

ゆき「…やっぱ、嫌?」

1「…」

かわいいなー、と思いました。犬みたいで。

ゆきはしょんぼりして、うつむいてしまいました。

胸が痛くなるくらい、その顔が切なげで、どうしていいか分からなくなりました。
199 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 09:12:47 ID:zy3QIeERz
慰めようと、ゆきの頭に手を載せ、わしゃわしゃしていました。

ゆき「ちょww犬ですかww」

1「うん、犬みたいww」

ゆきは笑いながら、おふざけに付き合ってくれました。その顔は、絶対無理して笑っていました。
200 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 09:13:37 ID:zy3QIeERz
気付いた時には、私はゆきを抱きしめていました。

ゆきは、私の腕の中で硬直していました。ゆきの、汗と制汗剤の匂いがしました。

ゆきはその硬直もつかの間、すぐに私の背中に手を回してきました。

苦しそうに荒く息をしながら、ぎゅーっと抱きしめてきました。

ゆきは何度も、私の名前を呼んできました。

ゆきの声は掠れていて、情けなかった。
201 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 09:14:17 ID:zy3QIeERz
私は、ゆきの頭をぽんぽんしながら、ゆきの呼ぶ声に返事をしていました。

やがてゆきは、焦れたように言いました。

ゆき「1…」

1「はい」

ゆき「俺、好きなんだけど…」

1「ど、どうも」

ゆき「…付き合って。ね?」

その言い方が、すごく甘えん坊なかんじがして、正直萌えました。

もういいや、ままよ、と思って、しょうがないな!いいよ!と叫びました。

ゆきは、顔を真っ赤にして「くぅううううう」と耳元で声を绞り出していました。

202 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 09:14:17 ID:AwCiT6AC1
wktk
203 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 09:14:55 ID:AwCiT6AC1
(゚∀゚)キタコレ
205 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 10:00:01 ID:zy3QIeERz
ゆきは何度も私の手を握ってぶんぶんして、ありがとうを連発していました。

私は恥ずかしくて、苦笑いしながらそれに付き合いました。

その日は、二人で手を繋いで帰りました。

ゆきは、スキップでもしそうな浮つきようでしたw

これが、夏休み2週間目くらいのことです。だらだら書いてますが、結構展開が早かったような。

余談ですが、その日の夜おばちゃんとご飯を食べてると、何故か赤飯が出てきました。

嫌な予感がしました。
206 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 10:00:19 ID:zy3QIeERz
おば「あんた、ゆきと付き合うことになったのねwww」

1「」

おば「ゆきのばーちゃんが、近所中に触れ回ってたわwww」

1「」

何故言う、ゆき。そして何故広める、お婆ちゃん。

おば「ってか、まだ付き合ってなかったのねwww」

1「…」

おば「まあ、お幸せにねwwwww」

タヒにたかった。
207 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 10:00:36 ID:zy3QIeERz
そんなハプニングもありましたが、まあ、順調にゆきと私の交際は始まりました。

かといって、ゆきの女装癖は止みませんでした。

二人でおしゃれをして、お出かけするという奇妙なデートもありましたねw

大体、ゆきの方に視線が集まっていて嫉妬しましたww

トイレから帰ってきたとき、ゆきがナンパされていたこともありました。

ゆきは顔を真っ白にしてキョドってましたw
208 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 10:01:07 ID:zy3QIeERz
面白いので、遠くからニヤニヤしながら見てると、ゆきがこっちに気づいて

めちゃくちゃ情けない顔で、助けてーという合図を送ってきました。

お腹を抱えて笑っていると

ゆき「す、すみません!あっちに、あの、彼氏、彼氏待たせてるので、行きます、はいっ」

と大声でまくしたて、こっちへダッシュしてきましたw

彼氏って何だコラ。 ナンパ集団は不思議そうにこっちを見てたなw
209 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 10:01:28 ID:zy3QIeERz
そんな感じで、ゆきと過ごす時間はこれまでよりももっと楽しいものになっていきました。

が、一つ問題が。

私は、どちらかというと、まだゆきのことを「男」として見ていませんでした。

彼氏というより、「女装好きの友達」といった位置づけに近かった気がします。

今思えば、ゆきに申し訳ないです。
210 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 10:02:13 ID:zy3QIeERz
一方ゆきは、やっぱり男の子でした。二人きりで部屋にいると、そわそわしてきます。

いきなり手を握ってきたり、くっついてきたりといって落ち着きがない。

1「なにw邪魔なんだけどw」

ゆき「うん…」

1「暑いから離れてよ」

ゆき「いや…」

1「何?」

ゆき「…1ちゃん、好きです」

1「何だいきなりww」
211 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 10:02:31 ID:zy3QIeERz
だいたいこういう流れになると、私は逃げるようにトイレに行ったり、台所に逃げたりしていました。

付き合い始めてから、ゆきは私の手を握る以上のことは、できていませんでした。

なんとなく、私とゆきの間には、そういうことをしてはいけないような雰囲気が流れ始めました。

ゆきはとてつもなく我慢してたんだと思います。

ある日、私は暇だったので、またゆきの部活の見学に行きました。
212 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 10:03:03 ID:zy3QIeERz
ある男子が、顔の汗をシャツで拭きました。腹筋ばきばきのお腹がちらっと見えて、

おもわず「おー」と感心していると、ゆきが、見たこともないような暗い目でこっちを睨んできました。

部活の帰り、ゆきは私を置いてすたすた帰ろうとしました。
213 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 10:03:21 ID:zy3QIeERz
1「おーい、ちょっと待って」

ゆき「…」

1「早い早い、普通に歩いて」

ゆき「…」

1(えっ、キレてる?)

ゆきに、ここまで露骨に無視されるのは初めてだったので、怖くなりました。

無言のまま、ゆきの少し後ろを歩いていると

ゆきが、前を向いたまま言いました。
214 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 10:03:38 ID:zy3QIeERz
ゆき「1ちゃんさぁー」

1「は、はい」

ゆき「…俺の事、本当に好きなの?」

1「はww」

いきなりの質問に、あたふたしていると、ゆきはイライラしたように頭をかきました。

やっとの思いで、「好きだけど」と呟くと
215 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 10:03:55 ID:zy3QIeERz
ゆき「本当に?」

1「うん」

ゆき「じゃあ、態度で示してほしいんだけど」

1「態度って」

ゆき「だってさ、1の俺に対する対応って、友達のころと変わらないじゃん」

1「そ、そんなことないわ」

ゆき「あるし」

ゆき「…なんか、そういう雰囲気にもならないし…」
216 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 10:04:14 ID:zy3QIeERz
全身が熱くなりました。私は、ゆきが思ってる以上に子供だったんだと思います。

ゆきのことは素直に好きでした。ただ、なんとなく、踏み入った事をするのが怖い気持ちがありました。
219 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 10:22:33 ID:zy3QIeERz
家に帰っても、ゆきはいつものように私の家に遊びに来ませんでした。

モヤモヤして、ゆきにメールをしてみました。

1「ゆき、今日はなんか怒らせちゃってごめん」

ゆき「怒ってない」

1「いや、怒ってたじゃん」

ゆき「怒ってたっていうか、悲しくなった」
220 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 10:22:49 ID:zy3QIeERz
1「だから、ごめんなさい」

ゆき「理由分かってないのに謝るの?」

1「いや」

ゆき「やっぱり1ちゃん、俺より△△先輩みたいなタイプが好みなんじゃない?」

1「は?何いきなり」

ゆき「だってそうじゃん。今日なんかずっと見てたし」

1「見てないよ」

ゆき「見てた」
221 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 10:23:10 ID:zy3QIeERz
1「それで怒ってるの?見てないよ」

ゆき「ほら、やっぱり分かってない。何も分かってない」

1「もうなんなの」

いつもはふざけてるメールの文面が、めちゃくちゃ杀殳伐としていました。

だんだん私も、いらいらしてきて口調が攻撃的になりました。
222 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 10:26:04 ID:zy3QIeERz
1「だから好きって言ってるじゃん」

ゆき「信じられない」

1「なんで!?」

ゆき「だって、付き合ってるなら、もっとベタベタしあうじゃん」

1「どういうこと」

ゆき「分かってるくせに聞くなよ、そういうとこ嫌い」
223 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 10:26:46 ID:zy3QIeERz
1「は?あんただっていつも遠まわしじゃん、男のくせに女々しいんだけど」

1「確かに、△△先輩のほうがさっぱりして男らしいよね」

この一言に、ゆきは傷ついたようでした。

メールがぴたっととまりました。

私はむしゃくしゃして、携帯を放って泣きました。

罪悪感でいっぱいでした。でも、ゆきにどう対応していいか分かりませんでした。
225 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 10:29:55 ID:PE3dziqKg
やっぱ女ってクズだわ
226 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 10:31:00 ID:zy3QIeERz
>>225
可愛そうなことをしたと思っています。今でも申し訳ないです
230 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 10:57:52 ID:PppwSaQOe
なんかこの話しケータイ小説かなんかで見たな
1は母親の心配とかはしてないのかな?
231 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 11:08:38 ID:byxCou3S4
>>230
こんな小説があるんですかw読んでみたいです。

母親は、毎日電話をしあい、お見舞いにも頻繁に行っていました。

結構元気になるのが早かったような。
234 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 12:03:30 ID:nxmc1XUC9
続きが気になる
ちなみに、自論なんだが付き合っても別にベタベタする必要無いでしょ
まあ、別の男の事を見てて嫉妬するのには理解
238 :ロミオ伝説|にちゃんまとめ 2014/06/22(日) 12:21:58 ID:tLvPpjMH5
ただただ、1が羨ましい
美形の忄生格良い幼なじみに熱愛されるとか二次元でしか有り得ないことを
実現してるのが凄いわ…前世で、よっぽど徳を積んだんだな
殆どの人にはこんなラッキーイベント起きること無く
青春なんてものも無く無味乾燥な、むしろ苦痛よりの一生を送るというのに…
1はゆきを逃したら後が大変だろ結婚エンドを望むわ
引用元:http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1403334792/
     
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