1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/02(土) 20:13:28.40 ID:2E+VUygU0
P(本日は事務作業。外回りしている間に溜まった書類を片さないと)

P(にしても……平和だ)

P(騒がしい子らがみんな出かけてるからなぁ)

P(まぁ、あの賑やかさも嫌いじゃないけど)

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/02(土) 20:16:09.51 ID:2E+VUygU0
肇「プロデューサーさん、お仕事中にすみません」

P「どうした?」

肇「お茶をお入れしましたので、よろしければと思いまして」

P「わざわざごめんな。頂くよ」

肇「普段お世話になっていますので、この程度は」

P「それでもありがとう。ん? 湯呑みがいつもと違うな」

肇「あっ、勝手に変えてすみません。拙作ですが、プロデューサーさんに使って頂きたくて、その……」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/02(土) 20:20:05.93 ID:2E+VUygU0
P「ああ、肇が作ったのか」

肇「お恥ずかしながら」

P「なんで? 素人目だけど、上手に出来てると思うよ。いつもより美味しそうに見える」

肇「あ、ありがとうございます」

P「お礼を言うのはこっちだよ。こんなに良い物、ありがとうな」

肇「い、いえ。それでは、お仕事頑張って下さい」

P「ああ」
P「……ふぅ、美味しい」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/02(土) 20:25:14.29 ID:2E+VUygU0
藍子「プロデューサーさん、調子はどうですか?」

P「順調かな。肇から貰ったお茶のおかげで不思議と効率も上がったし」

藍子「ふふっ、肇ちゃん、嬉しいだろうな」

P「お茶を飲んで喜んでくれるなら、いくらでも飲むよ」

藍子「肇ちゃんが羨ましいですね。でも、偶には私にもお付き合いしてくださいよ?」

P「散歩か? いいな。もう少しで一区切りつくから、少しこの辺歩いてみるか?」

藍子「いいんですか?」

P「いい気分転換になるよ」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/02(土) 20:29:20.41 ID:2E+VUygU0
藍子「では、ご一緒しますね。近くに緑の多い公園を見つけましたので案内します」

P「へぇー、そんな公園があったのか。知らなかったな」

藍子「ちょっと隠れた場所にあったんですよ。のんびりするには最適ですね」

P「じゃあ、楽しみにするな」

藍子「ええ」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/02(土) 20:33:48.89 ID:2E+VUygU0
P「さて、とりあえずはこんなところかな」

ゆかり「あの、プロデューサーさん」

P「ん?」

ゆかり「五分ほど、お時間はよろしいでしょうか?」

P「もっと大丈夫だよ。それで、どうかしたか?」

ゆかり「実は、一曲作ってみたので、良ければお聴き下さりませんか?」

P「大歓迎だよ。ゆかりのフルートは落ち着くからな」

ゆかり「フフ、そのお言葉だけで満足してしまいそうです」
ゆかり「では、お聴き下さい」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/02(土) 20:37:24.32 ID:2E+VUygU0
ゆかり「……以上です。どうでしたか?」

P「うん、なんて言うのかな。ゆかりらしい曲だった」

ゆかり「私らしい?」

P「穏やかで、丁寧で、清らか。けど、高嶺の花じゃなくて、もっと身近な雰囲気があった気がする」

ゆかり「私はプロデューサーさんからそのように思われていたのですね」

P「ごめん。気を悪くしたか?」

ゆかり「逆ですよ。とても、とても嬉しく思います」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/02(土) 20:41:15.98 ID:2E+VUygU0
P「なら良かった。あっ、今の曲、他の人にも吹いて貰える?」

ゆかり「構いませんが、どなたでしょう?」

P「これから、藍子と散歩に行くんだけど、目的地が公園なんだ」

ゆかり「そこで私が一演奏、と言うわけですね」

P「そう。勿論、ゆかりの都合が良ければだけど」

ゆかり「言った通り、私は構いませんよ。ただ……」

P「ただ?」

ゆかり「折角藍子さんとお二人でお散歩なのに、私がお邪魔してもよろしいのでしょうか?」

P「藍子なら許してくれると思うけど、一応確認するか」

ゆかり「それが良いと思いますよ」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/02(土) 20:45:41.30 ID:2E+VUygU0
P「藍子、仕事が一区切りついたから散歩に行かないか?」

藍子「はい。けど、その前に一ついいですか?」

肇「あの、私もご一緒したいのですが、大丈夫ですか?」

藍子「待ってる間に肇ちゃんと少しおしゃべりをしてまして、その流れで」

P「俺は大丈夫だよ。と言うより、俺もゆかりを誘ったんだけど、いいか?」

藍子「当然ですよ。二人より三人、三人より四人です。幸せな時間はみんなで共有しましょう」

ゆかり「では、私も宜しくお願い致します」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/02(土) 20:50:40.40 ID:2E+VUygU0
P「俺が無理言って、ゆかりに公園でフルート吹いて貰えるようになったんだ」

ゆかり「無理ではありませんよ」

藍子「本当? うわぁ、お洒落で豪勢なお散歩になりそう」

P「温かいお茶でも持って行くか」

肇「すでにご用意していますよ」

P「気が利くなぁ」

肇「それほどでもありませんよ。藍子さんと持って行くとお話していましたので」

藍子「座ってる時に丁度良いかなぁって思いましてね」

P「準備万端だな。じゃあ、行くか」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/02(土) 20:55:15.01 ID:2E+VUygU0
P「いつもは寒いって思うだけの風なのに、今は頭が冴えて来る気さえするな」

藍子「良い方向に心境の変化があれば、お散歩する価値も上がりますね」

P「ほんとにな」

肇「プロデューサーさんは働き過ぎですからね。このような時間は必要ですよ」

P「じゃあ、今度は釣りにでも行って、なにも考えず糸を垂らしてみるかな」

肇「その時はお誘い下さいね」

P「肇にご指導、お願いするよ」

ゆかり「釣りは未経験ですが、ぜひ私もご一緒させて下さい」

藍子「私もお願いしますね」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/02(土) 21:00:16.34 ID:2E+VUygU0
P「またこのメンバーで出かけるか。その時は何人か、増えてそうだけどな」

藍子「人数次第じゃ、バスを借りて、一つのイベントになるかもしれませんね」

ゆかり「賑やかな方が多いので、楽しそうです」

肇「ですが、そうなるとプロデューサーさんの休息が……」

藍子「あっ、それじゃ本末転倒だね」

ゆかり「では、こっそりと行う事にしましょう」

藍子「ふふっ、秘密の共有って、いくつになってもワクワクするね」

肇「ただ、他の皆さんに悪い気もします」

ゆかり「そうですよね」

藍子「……うん」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/02(土) 21:05:04.27 ID:2E+VUygU0
P「なら二回すればいいよ。一回目で肇からやり方をしっかり学んで、二回目でみんなに教えたらいい」

ゆかり「なるほど。それなら二回目の時、肇さんの負担を私たちで分ける事が出来ますね」

肇「私の負担よりも、プロデューサーさんが二回参加する事の方が心配です」

藍子「じゃあ、プロデューサーさんが疲れない方法を考えてみない?」
藍子「みんなの監督役として、釣りに参加しないまま歩き回るのは禁止、とか」

ゆかり「では、私から一つ」

肇「次は私が」

P(心配かけさせていたのは情けない話だけど、こうやって俺の事で真剣に話し合ってくれるなんてな)
P(なんて言うか、普通に嬉しい)

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/02(土) 21:10:07.88 ID:2E+VUygU0
藍子「ここですよ、私が見つけた公園」

P「本当に緑が多いな」

ゆかり「あまりこちらの方に来る機会がなく、存じませんでした」

肇「私もです」

藍子「一面芝生で人も少ないですし、いいところだと思いませんか?」

P「思うよ。教えてくれてありがとうな」

肇「私からも、ありがとうございます」

ゆかり「とても感謝致します」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/02(土) 21:15:23.02 ID:2E+VUygU0
藍子「ふふっ。この辺りの芝生に座りませんか?」

P「そうだな」

ゆかり「私は準備をしますね」

P「少し休んでからでもいいんだぞ?」

ゆかり「いえ、大丈夫です。今の気分で奏でたいので」

P「そっか。なら俺らは座って待ってるな」

ゆかり「はい」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/02(土) 21:20:16.51 ID:2E+VUygU0
藍子「芝生が気持ちいい」

P「天気が良いから、空気は冷たいはずなのに温かく感じるな」

藍子「そうですよね」

肇「プロデューサーさん、お茶をどうぞ」

P「悪いな。肇に淹れさせちゃって」

肇「悪くなんてありませんよ。はい、藍子さんも」

藍子「ありがとう、肇ちゃん」

ゆかり「では、始めますね」

P「お願いするよ」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/02(土) 21:25:10.85 ID:2E+VUygU0
♪~~~


P「陽気に公園の澄んだ雰囲気、なによりゆかりの演奏……落ち着くなぁ」

藍子「ですねぇ……」

肇「多忙の中にある休息の大切さを実感しています」

P「ああ」

藍子「賑やかで忙しいのも嫌いではありませんけどね」

P「俺もだよ」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/02(土) 21:30:09.22 ID:2E+VUygU0
肇「ですが、やり過ぎはいけませんよ。程々が一番ですから」

P「程々に頑張るよ」

藍子「プロデューサーさん、疲れは少しでも癒えていますか?」

P「これ以上ないほどにな。下手な温泉に浸かるより効果抜群だ」

肇「それはなによりです」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/02(土) 21:35:09.07 ID:2E+VUygU0
藍子「今度から、少しでも疲れてそうだなぁ、って思った時はお散歩にお誘いしますね」

P「その時は頼むな」

藍子「任せて下さい」

ゆかり「これで終わりです」

P「何度もありがとうな」

肇「綺麗な曲でした。お茶をどうぞ」

ゆかり「フフ、こちらこそお聴き頂いてありがとうございます。肇さん、頂きますね」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/02(土) 21:40:38.55 ID:2E+VUygU0
藍子「初めて聞いたけど、良い曲だね。有名な人が作ったの?」

ゆかり「私が作曲してみたのですが、好評のようで恐縮です」

藍子「えっ、ゆかりちゃんが? すごい! 今度、曲の作り方教えて」

ゆかり「構いませんよ。よろしければ、フルートの吹き方もお教えしますが」

藍子「本当? やったー! じゃあ、いつがいいかな?」

ゆかり「そうですね――」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/02(土) 21:45:37.17 ID:2E+VUygU0
P「肇は教えて貰わなくていいのか?」

肇「今はまだ。色々手を出すより、いくつかに絞って学ぶ方が私には向いていますから」
肇「……不器用な子だと笑わないで下さいね?」

P「笑わないよ。やり方は人によって千差万別なんだから。それに」

肇「それに?」

P「あんなに落ち着いた湯呑みを作れる肇が不器用だなんて思えないよ」

肇「藍子さんから伺いましたが、大変喜んで頂いたようで。また、お茶をお淹れさせて下さい」

P「ああ。それにしても、なんていうか……平和だなぁ」


おわり

引用元: モバP「なんて言うか……平和だなぁ」