1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 02:05:40.48 ID:npeeVL900
真美「せっかくの夏休みだっていうのに、こんなにドッサリ宿題を出すなんて!」

真美「これは政府のタイマンだよー!」

P「はいはい…口より手を動かせ、手を」

真美「だいたいさー、夏休みって休むためにあるもんでしょ?」

真美「こんなに宿題があったんじゃロクに休めないじゃん!」

P「まあ、そういう側面もあるがな…課題を計画的にこなすっていうのも、社会に出ると必要なスキルになるんだ」

真美「だからって事務所でまでやんなくてもいいっしょー!」

P「親御さんから頼まれてるんだよ。どうせ家でもやらないから、少し見てやってくれってな」

真美「むむむ…余計なことを」





4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 02:07:36.46 ID:npeeVL900
P「じゃあ、亜美と一緒に律子に見てもらうか?」

真美「兄ちゃん…真美、頑張って勉強するよ」

P「よし、その意気だ!」

真美「……」カリカリ

P「…あ、そこ符号間違ってるぞ」

真美「えっ?…あ、ホントだ」ゴシゴシ

P「よし」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 02:09:09.11 ID:npeeVL900
真美「ふいー、終わったぁ!ミッションコンプリート!」

P「おいおい、問題1個解いただけじゃないか…」

真美「だって朝からずっとやってるじゃん!ちょっとくらい休憩しようよー!」

P「ああ、もうこんな時間か…じゃあ少し息抜きでもしようか」

真美「やったー!じゃあ兄ちゃん、ゲームしよ!」

P「おう、いいぞ」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 02:10:54.67 ID:npeeVL900
………

P「くそ、負けた…」

真美「んっふっふー、兄ちゃんはゲームとなるとダメダメですなぁ」

P「真美が強すぎるんだよ…。俺だってまあまあやり込んでると思ってたのに」

真美「んじゃ、負けた兄ちゃんはバツゲームだね!」

P「おいおい、聞いてないぞ」

真美「こういうのは、負けたらバツゲームって相場が決まってるんだよー!」

真美「んー、どーしよっかな…社長の家にピンポンダッシュ、とか…」

P「…シャレにならないのはやめてくれよ。それは下手すりゃクビになりかねん」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 02:13:59.52 ID:npeeVL900
真美「んー…あっ、真美の宿題を全部やるっていうのは!?」

P「あのな…そういうのは自分でやらなきゃ意味ないだろ」

真美「うあうあー、兄ちゃんわがままだよー!」

P「俺はごく当たり前の意見を述べただけだが…」

真美「むー……じゃあさ…」スッ

P「おっ、おい真美…」ボスッ

真美「兄ちゃんは、真美の椅子になるのだ!にひひー」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 02:14:44.25 ID:npeeVL900
P「これは…」

真美「あーっ、動いちゃダメっしょー!兄ちゃんは椅子なんだから!」

P「お、おう」

P(これはアカン)

真美「じゃあ、そろそろ勉強再開といきますか!」

P「そ、そうだな。とりあえず今日の分を終わらせよう」

真美「よーし…兄ちゃんは、終わるまでそのまま動かないでね」

P「…わかったよ」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 02:16:25.79 ID:npeeVL900
真美「~♪」カリカリ

P「……」

P(真美のうなじが目の前に…)

P(しかもめっちゃ良い匂いする…なんだこれ…なんだこれ)

P(だがダメだ…抑えろ…ここで抑えないと  コンの烙印を押されてしまう)

P(平常心だ。社長の裸を想像しよう…社長の裸……)

真美「あれ…兄ちゃん、ここどうやって解くの?」

P「社長の…あっスマン、聞いてなかった」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 02:18:07.04 ID:npeeVL900
真美「社長…?社長と何かあったの?」

P「いや何でもない…で、どうしたんだ?」

真美「ここが分かんなくて…」

P「ああ…これはな、こうやって……」

………

真美「ありがとう兄ちゃん!」

P「いや、俺も真美の役に立てて嬉しいよ」

真美「へへー」

P(この笑顔…反則だわ…)

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 02:20:23.64 ID:npeeVL900
P(しかし真美も勉強にやる気を出してくれたみたいだな。結果オーライだ)

P(といっても、そろそろ俺の体力がもたん…もう俺もオッサンか…)

P「なあ真美、そろそろ降りてくれないか?」

P「流石に疲れてきたよ…真美もこのままじゃ、勉強しにくいだろ?」

真美「えー…すぐ降りちゃったらバツゲームになんないじゃん!もうちょっと我慢してよー」

P「しょうがないなぁ…」

真美「まったく最近の若いもんはぁ…体力がなくていかんのう…」カリカリ

P「ゆとり世代が何言ってんだ…あれ、最近は脱ゆとりだっけ」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 02:23:30.50 ID:npeeVL900
真美「終わったぁ!今日のノルマ達成!」

P「よく頑張ったな真美。偉いぞ」

真美「兄ちゃんが見てくれたおかげだよー!ありがとね!」

P「いや、真美自身がやる気を出して勉強に取り組んだからだよ。俺は大したことしてないさ」

真美「えへへ…あ、じゃあこれでバツゲームも終了だね!よっと」スッ

P「ふう…やっと自由になれた」

真美「ごめんね兄ちゃん…重かったっしょ?」

P「真美が勉強にやる気を出してくれるなら、なんてことないさ」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 02:26:11.15 ID:npeeVL900
真美「んっふっふー…それじゃあ兄ちゃん」

P「ん、どうした?」

真美「真美はチョー勉強頑張ったんだからさ…ご褒美とか、欲しいなーって」

P「はぁ…分かったよ。じゃあアイスでも買ってこようか?」

真美「むー…そういうんじゃなくてさー…もっとこう…」

P「ん?それじゃあ…ゴージャスセレブプリンか?」

真美「だからぁ………もー、兄ちゃんのバカ…」タタタッ

P「おい、真美?………行ってしまった」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 02:29:11.77 ID:npeeVL900
P「はぁ…女心って難しいなぁ…」

P「途中までは上手くいったと思ったのに…」

P「…仕事するか」

………

亜美「お疲れち→ん!」ガチャ

亜美「あれ、兄ちゃんだけ?」

P「おっ、亜美…お疲れさん。さっきまで真美がいたんだが…」

亜美「真美は今日オフだよね?どこいったの?」

P「それが、怒って出て行っちゃったんだよ…まあ、そのうち帰ってくると思うけど」

亜美「あーっ、さては兄ちゃん…真美にやらしいことしたんでしょ→!」

P「ぶっ…そんなわけないだろ!誤解されるようなこと言うなよ。誰かに聞かれてたらどうするんだ」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 02:32:13.70 ID:npeeVL900
亜美「そっかー、兄ちゃんってチョーヘタレだもんね…アイドルに手ぇ出せるわけないかぁ」

P「なんとなく腑に落ちないが…納得してくれたならそれでいい」

亜美「それよりさー、律っちゃんったらひどいんだよー!」

亜美「宿題のノルマが終わるまで、差し入れのプリン食べちゃダメだーって」

P「はは、律子らしいな」

亜美「亜美も兄ちゃんに見て欲しかったなぁ…サボっても怒られなさそうだし」

P「それは喜んでもいいのか…?」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 02:35:51.37 ID:npeeVL900
P「…まあ、それも律子なりの優しさだよ。今やらなきゃ、後でとんでもないことになるぞ」

亜美「分かってるけどさぁ…せっかくの夏休みなのに、なんで勉強ばっかやらせるのさー!」

亜美「これは政府のタイマンだよー!この国は腐っている!」

P「真美と同じこと言うなよ…しかしどこで覚えたんだ、そのフレーズ…」

P「まあ、気持ちは分からんでもないけどな…」

P「真美にも言ったが、しっかり計画を組んで課題を終わらせるっていうのも社会人には必要なスキルなんだよ」

亜美「うー…律っちゃんからも聞いたよ、それ…」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 02:39:06.56 ID:npeeVL900
P「分かったなら、勉強も頑張るんだぞ。もちろん仕事もだけど」

亜美「亜美たちは二発のカラシだもんねー…ただでさえお仕事で忙しいのに、宿題にまで追われるなんて」

P「それを言うなら『二足のわらじ』な。…まあ確かに、お前達は一般の中学生より忙しいかも知れない」

P「でも、それは他のアイドルだって同じだ。それでも皆手を抜くことなく頑張ってる」

P「トップアイドルを目指すなら、なおさら頑張らないとな」

亜美「うん…亜美も頑張るよ!アイドルとして売れっ子になっても、学校の成績がダメダメじゃ、チョー格好悪いもんね!」

P「おお、その調子だ!仕事でも、勉強でもトップを目指そうな!」

亜美「うん!」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 02:42:23.53 ID:npeeVL900
P「それにしても、真美のやつ帰ってこないな…どこ行ったんだろ、この暑いのに」

亜美「うーん…メールしても返ってこないよ」

P「参ったなぁ…」

亜美「まー、そんなに遠くまでは行ってないっしょ!亜美、真美のこと探してくるね」タタタッ

P「すまん、亜美…ありがとうな」

………

P「これは…カンペキ俺のせい、だよなぁ……亜美にも真美にも、悪いことしたなぁ」

P「はぁ…何がいけなかったんだろう…」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 02:45:21.50 ID:npeeVL900
真美「はぁ…なんで兄ちゃんってあんなにニブいんだろ…」

真美「そりゃあ、真美がハッキリ言えばいいのかも知んないけど…」

真美「言えるわけないじゃん…」

亜美「…何が?」

真美「ふわあっ!?あ、亜美…!?いつからいたの!?」

亜美「『はぁ…なんで兄ちゃんってあんなにニブいんだろ…』のとこから」

真美「もー、ビックリするじゃん…」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 02:49:06.51 ID:npeeVL900
亜美「ビックリしたのはこっちだよ、真美が怒って事務所出て行っちゃったって聞いてさ」

真美「うっ、それは…」

亜美「なかなか帰ってこないから、探しに来てあげたんだよ」

真美「うう…ごめん亜美…」

亜美「兄ちゃん、困ってたよ。『俺のせいで真美が…!クソッ、こんなことになるなんて…!!ドン!!』って感じで」

真美「それは絶対盛ってるっしょ…まあ、悪いとは思ってるけどさ…」

亜美「それで…何があったのさ?真美が怒って出て行くなんて」

真美「あのね…」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 02:52:04.84 ID:npeeVL900
………

亜美「ほほう、そんなことが…」ニヤニヤ

真美「うー…いいから帰ろうよ。これ以上兄ちゃんに心配掛けたくないし」

亜美「そだね。一応メールしとこっと」

真美「うん…ありがと」

亜美「んっふっふー、良いってことよ!」

亜美(真美のため、だもんね!)

亜美(…上手くやってよ、兄ちゃん)

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 02:55:18.78 ID:npeeVL900
………

P「おっ、メールだ…亜美から」

P「真美が見つかったか……早いな、さすが双子」

P「…ん?これは…」

P「そういうことだったのか…」

P「……」

P「真美…」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 02:58:38.73 ID:npeeVL900
………

亜美「着いたね」

真美「うん…」

亜美「それじゃ、亜美はもう帰るから」

真美「えっ!?」

亜美「ここからは真美一人で行くんだ…ダイジョーブ、骨は拾ってやる」ポン

真美「う、うん…」

亜美「じゃあね!健闘を祈るぞ、真美隊員!」タタッ

真美「亜美…」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 03:01:39.87 ID:npeeVL900
………

真美「ただいまー…」ガチャ

P「おっ、帰ってきたな」

真美「に、兄ちゃん…ごめんね…心配掛けて」

P「真美…」ギュッ

真美「ふわああっ!?に、に、兄ちゃん!?これって…」

P「真美、俺の方こそすまなかった…お前の気持ちに、気付いてやれなくて」

真美「兄ちゃん…」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 03:04:14.26 ID:npeeVL900
真美「…ちょっと、暑いよ兄ちゃん」

P「ああ、すまん…そういえば今まで外にいたんだよな…」パッ

真美「……」

P「……」

P「あのな、真美…お前の気持ちは」

真美「言わなくてもいいよ…真美、分かってるんだ…」

P「……」


注記:「ギュッ」っていうのは抱きしめる効果音です。分かりにくかったかも

37:   2012/08/01(水) 03:07:33.97 ID:npeeVL900
真美「真美たちはアイドルとプロデューサーだから、その…そういう関係にはなれないんだよね…」

P「……」

P「…その通りだ。俺には真美の気持ちを受け止めることは、できない」

P「だけど、それは俺が真美のことを嫌いっていうことじゃないんだ」

真美「それは…分かってるよ…」

真美「真美だって、もう子供じゃないんだからさ…」

P「真美…」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 03:10:26.32 ID:npeeVL900
真美「でも、真美は…兄ちゃんのそういうマジメなとこも、大好きなんだ」

真美「確かに、兄ちゃんのことはもっと知りたいし、もっとずっと近くにいたいけど…」

真美「そういうことしちゃうとさ、兄ちゃんがマジメな兄ちゃんじゃなくなっちゃうじゃん」

P「……」

真美「だからさ…」

真美「兄ちゃんは、たまにああして…真美にご褒美をちょうだい」

真美「真美は、それで十分だよ」

P「…真美…」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 03:13:15.70 ID:npeeVL900
P「うう……」グス

真美「兄ちゃん…泣いてるの?」

P「す、すまん…真美が、そこまでしっかり、気持ちに整理をつけていたなんて…」

P「一方で俺は……真美の気持ちにさえ、気付いてやれなくて……」

P「すまない……真美……」

真美「…いいんだよ、兄ちゃん…だって」

真美「いつだってヘタレで鈍感じゃなきゃ、真美の兄ちゃんじゃないもんね!」

P「……なんか複雑だなぁ…」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/01(水) 03:15:15.19 ID:npeeVL900
………

真美「兄ちゃん!今日の分の宿題終わったよ!」

P「おっ、早いな…よく頑張ったじゃないか。偉いぞ、真美!」

真美「んっふっふー…じゃあ…」

真美「今日も、ご褒美ちょうだい?」

P「もちろんだ、ほら」ギュッ

真美「えへへ…真美、今日も兄ちゃんと一緒にいられて…幸せだよ」

P「ああ、俺も…真美と一緒にいられて、幸せだ」

P(本当に、幸せだ…)

P(この時間が、ずっと続けばいいのにな)

P(真美の気持ちに気付かせてくれてありがとう、亜美)

P(そして宿題を出してくれてありがとう、中学校の先生…そして日本政府!)

終わり

引用元: 真美「この国は腐っている!」