1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:06:36 ID:QnJWb1Jw
※諸注意

このSSは

に登場する女提督側を主役とした続編です。

・時々版権ネタが投入される
・セリフ回しが時々おかしい。
・オリジナル設定が含まれる。

それでもよろしければお目汚し、失礼致します。 


転載元:女提督「拾った薬のおかげで、艦娘を失うことになったった」 
 

 
2 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:09:09 ID:QnJWb1Jw



―おめでとう。自分の手柄のために仲間を見捨てた―




―人殺し―






3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:09:49 ID:QnJWb1Jw

【夕雲型のお部屋】

長波「っ!」ガバッ

長波「はぁ…はぁ……」

長波「……」

巻雲「夕雲姉さん…はい…砲身に物を詰めたら…爆発…むにゃ…zzz」

[今日も提督と一緒にお休みします 夕雲]

長波「…」ポリポリ

長波「っ…」

長波「…血、出てるし…何かささったか…?」

長波「絆創膏、絆創膏…」スタスタ 

4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:10:37 ID:QnJWb1Jw

バギッ

長波「ん?」

プラーン

長波「……」

巻雲「長波さん…何ですか…? 今の音は…」ゴシゴシ

長波「あ、悪い、起こしたか。ちょっと勢い余ってドアノブ壊しちった」

巻雲「じーっ…」

長波「?」

巻雲「これは夢でしょうか。巻雲の目が正しければぁ…長波のピンク髪率が少し増えてる気がします…」

長波「え?」 

5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:11:38 ID:QnJWb1Jw

【執務室】

明石「支援用海上砲台ですか?」

女提督「駆逐艦が大口径の主砲で援護できたら素敵やん?」

霧島「設計図を見る限り…野砲やトーチカのイメージでよろしいでしょうか?」

女提督「よろしい」

霧島「まずは私たちが使えるような、少し大型の試作品を作りましょうか」

明石「それにしても…配線とか細かい設計図ですねぇ…」

女提督「隣のメロンちゃんから譲り受けました」

霧島「これは…鳥海はもちろん、レーベさんとマックスさんも必要かもしれません」

夕雲「分かりました。暫く編成に入れないようにしますね」 

6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:12:46 ID:QnJWb1Jw

明石「お任せください!」

霧島「司令のために頑張りますね」

女提督「あ、それと霧島姐さん…」ガサゴソ

霧島「…最近、みんなからそう呼ばれるんですけど、なぜでしょう?」

女提督「この前、深海棲艦が持ってたんだけど、中身復元できる?」

夕雲「試験管?」

明石「軍のマークがついてますね」

霧島「欠損が激しいですが、今日中には可能だと思われます」

女提督「さすが姐さん頼りになります!」 

7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:14:01 ID:QnJWb1Jw
霧島「それでは失礼致します」

明石「必要とされるって幸せですねー…」

ガチャ バタン

夕雲「何の試験管ですか?」

女提督「知らないから、調べるのよ? まぁ、興味本位ってやつぅ?」

夕雲「好奇心旺盛なんですね」

グゥゥ

女提督「お腹空いた」

夕雲「食堂に行きましょうか?」

女提督「今日の当番は?」

夕雲「たしか…比叡さんだったと思われます」

女提督「ガスコンロと鍋と小麦粉と卵と醤油と鶏がらスープの素とねぎとメンマを用意しろ!」バッ

夕雲「了解しました」 

8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:15:26 ID:QnJWb1Jw

コンコン

阿賀野「阿賀野でーす」

夕雲「どうぞ」

ガチャ

阿賀野「遠征帰投しました~…ふぅ…」

酒匂「しっれ~い~っ!」ガバッ

女提督「おうふっ!?」

ドスーン

阿賀野「」ウズウズ

能代「やめてください。阿賀野姉がやると提督が骨折します」ガシッ

矢矧「提督、遠征の報告書、机に置いておきますね」

巻雲「くんくん。美味しそうな匂いがします」

長波「………」 

9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:15:58 ID:QnJWb1Jw

女提督「あ”~。酒匂はかわいいな~」スリスリ

酒匂「ぴゃぁっ!? 可愛い? 本当に!?」キラキラ

女提督「あー、本当さ。可愛い酒匂は私が作ったラーメンを食べるかい?」

酒匂「食べる食べる! らーめん大好き! あ、でも一番好きなのは司令だよっ!」

女提督「あ”~も”ぅ~!!」スリスリスリスリ

夕雲「皆さんはどうしますか?」

阿賀野「もちろん、ごちそうに―むぐっ!?」

能代「提督にお手数かけるわけには行きません」

矢矧「食堂には人数分すでに用意されてるしね」 

10 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:16:39 ID:QnJWb1Jw

夕雲「今日の食事担当は比叡さ―」

矢矧「そうね、ここでお昼を食べるのもいいかもしれないわね」

能代「大切な食事! 感謝です!」

女提督「お前らも比叡カレーは受け付けないか」

阿賀野「それじゃ阿賀野は良い子だから手を洗ってきまーす」

矢矧「ついでに補給も済ませておくわ」

能代「酒匂、行くよ」ガシッ ズルズル

酒匂「ひゅぅ…指令、まったねー!」ブンブン

女提督「またねー」ブンブン

バタン 

11 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:17:38 ID:QnJWb1Jw

女提督「…」ガクッ

夕雲「提督?」

女提督「…負けた…既に、私より大きい…だと…」ペターン

巻雲「司令官様、あの、私達の分は…」

女提督「もちろん作るわよ。手を洗ってきなさい」

長波「……」

夕雲「長波さん? 髪の毛、どうしたの?」

長波「ん? ああ…気分転換だよ。似合うか?」

女提督「きゃわわ♪」

長波「そ、そうか…」

夕雲「あんまり髪の毛にダメージを与えちゃだめよ?」 

12 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:18:16 ID:QnJWb1Jw
長波「わかってるって。それじゃお昼、楽しみにしてるぞー」

巻雲「司令官様の料理美味しいですからねー」

ガチャバタン

夕雲「提督? 夕雲も…」

女提督「何言ってるのー。今のままでも十分可愛いわよぉー」ナデナデ

夕雲「ふふっ。ありがとうございます」 

13 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:19:35 ID:QnJWb1Jw

【中央ホール・掲示板前】

巻雲「もう、食べられないかもー…」テクテク

長波「提督、料理の腕は確かだからな」テクテク

巻雲「午後は…えーっと…」

長波「あたしらの出撃はなしか。よし、部屋に戻って仮眠だな」

巻雲「今日良い天気ですよ? 散歩でもしましょうよー」

長波「散歩って…あたし、そんな柄でもないし」

巻雲「ダメです! 引きこもってると秋雲みたいになります!」

長波「げ。バカになるのか」 

14 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:21:42 ID:QnJWb1Jw

巻雲「はい。秋雲は引きこもりで根暗で馬鹿なんです」

秋雲「やだ…私、夕雲型に嫌われすぎ…?」トボトボ

長波「お、遠征帰りか、ご苦労さん」

秋雲「同じ制服なんだし仲良くしようよ~」

長波「!」ピクッ

秋雲「お近づきの証に似顔絵でも描こうか? こう見えてえごk―」テクテク

長波「止まれ! 秋雲!」

秋雲「ろ?」ピタッ


ヒュン パリン



15 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:22:19 ID:QnJWb1Jw

巻雲「な、な―」

巻雲「なんで空から生ごみが降ってくるんですかぁっ! 秋雲さんのばかぁ!」

秋雲「あれー…? これ私悪いのー…?」

長波「生ごみじゃない。比叡カレーだな」

巻雲「生ごみじゃないですか」

秋雲「ひどい言われよう」

長波「…誰かが、窓から投げ捨てたか?」

長月「ちょうどいい所に居たな」テクテク

三日月「…なんですか。この異臭を放つ産業廃棄物は」スッ

菊月「…化学兵器?」サッ

秋雲「私が比叡さんだったら泣いてるわ」 

16 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:23:20 ID:QnJWb1Jw

長波「ちょうどいいってなんだ?」

長月「自主訓練だ」

三日月「お暇であればご一緒にどうかと」

秋雲「あたしパース。部屋でゆっくり原稿描いてるわ」

巻雲「引きこもり」ボソッ

長波「訓練ねぇ…暇つぶしにはなる?」

三日月「今日は特にハードらしいですよ」

長波「ふふん♪ そりゃ、いいね。やろう」

巻雲「あ…巻雲、金剛さんのティーパーティー呼ばれてるんだった…」

菊月「…」

三日月「…あの状態でも紅茶飲めるんですかね…?」 

17 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:25:12 ID:QnJWb1Jw
【研究室】

霧島「ここをこうして…」

明石「はい、でもそうすると…」

鳥海「…この部分、余裕が…」

Z3「コーヒーお持ち致しました」コトッ

霧島「ありがとう。ちょっと休憩しましょうか」

明石「ありがとうございます」

鳥海「お疲れ様です」

Z3「レーベ」コトッ

Z1「うん、Danke」

Z3「Bitte schon」 

18 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:26:23 ID:QnJWb1Jw

霧島「…毎日紅茶漬けだったから、すごく美味しく感じるわね」ゴクッ

明石「小腹空きましたねー」

Z3「お昼まだ、ですね」

Z1「あ、バウムクーヘンあるよ、うん」ガサゴソ

明石「これは…、はかどりますぅ!」キラキラ

鳥海「糖分の補給も出来るので、最適ですね」

Z3「これ…」

Z1「うん、マックスが好きな店のだよ」

Z1「元々マックスと食べようと買ってたんだ、うん」

Z3「…ふーん…私と一緒に……ふーん…♪」パクッ

霧島「美味しい…」モグモグ

明石「幸せですねー」モグモグ 

19 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:26:57 ID:QnJWb1Jw

…ダダダダダダダ

女提督「マイクチェックの時間だ、オラァッ!!」バタンッ!

霧島「…司令、毎度のことですけど静かに開けられないんですか?」

女提督「これがデフォっしょ→」

鳥海「提督…その手にあるものは…なんですか?」

Z3「何の匂い…? 生ごみ? 違うの…?」サッ

Z1「確かにすごい匂いだね、うん…」サッ

女提督「比叡カ―」

霧島「私たち、もう昼食済ませていますので結構です」

女提督「仮にも姉の料理が食えねえってのか? ああん?」 

20 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:27:46 ID:QnJWb1Jw

霧島「…食堂はどうなっていましたか?」

女提督「えっとね…」

--------------------------------

金剛「No……」バタッ

榛名「は、榛名は…大丈夫…で…」バタッ

古鷹「加古…だい、じょう…ぶ…」バタッ

加古「もぅ…無理…」バタッ

比叡「おっかしーなぁ…。こんなに美味しいのに」

由良「比叡さん、おかわり、お願いできますか?」カランッ

比叡「はいっ! 気合い、入れて、盛りますっ!」ダバーッ

----------------------------------

明石「…」

鳥海「…ご愁傷様です」 

21 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:29:46 ID:QnJWb1Jw

霧島「…比叡姉さんにはあとで私から料理の伊呂波を教えておきましょう…」

女提督「まじ頼む。しっかり教えてやってくれ」ポイッ

パリーン

明石「窓が…修理しなきゃ…」

女提督「で、進捗は?」

霧島「設計図をコンピュータに打ち込んだところです」

鳥海「私の計算によると…3日ぐらいで試作第一号機が出来そうです」

Z1「機関部は僕達のタービンを基に作るんだって、うん」

Z3「アツタ型のエンジンと同じことにならなきゃいいけど…」 

22 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:31:02 ID:QnJWb1Jw

霧島「それと…薬ですが、復元完了できました」スッ

女提督「透明なのね」

霧島「成分の一部に高速修復剤と間宮さんの菓子と同じ成分が検出されました」

霧島「憶測ですが、間宮さんが間に合わないときを考えて作られた気分高揚剤かと思われます」

女提督「ふーん。使ってみる?」

霧島「嫌ですよ。詳細はまだ不明なんですから」

女提督「艦娘を深海棲艦にする薬だったりして」

明石「じ、冗談でもそれはきついかなー…」

女提督「もし、そうなら楽しいんだけどねー♪」

Z3「レーベ…あーん…」

Z1「あむ…うん、Lecker、うん♪」 

23 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:33:46 ID:QnJWb1Jw

【港】

摩耶「よっしお前ら、次でラストだ」

長月「ぜぇ…ぜぇ…」

三日月「な、長波さん体力ありますね…」

長波「お、おぅ…?」

長波(…変だな。普段ならとっくに苦しくなってるんだけどな)

菊月「……」

摩耶「飛龍さん、蒼龍さん、準備はいいですか?」ピッ

飛龍『お任せください』

摩耶「おし、最後は総仕上げとして向こうにいる二航戦を攻撃する。簡単だろ?」

蒼龍『こっちも全力でいくからねー。ペイント弾だけど当たると痛いよー』 

24 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:34:53 ID:QnJWb1Jw

摩耶「いくぞー。位置についてよーい…」ガシャン

ドォン!

蒼龍『攻撃隊、発艦始めっ!』

飛龍『第一次攻撃隊、発艦!』

ヴュンヴュン

長月「いくら練習しても艦載機は、怖いな」

三日月「同感です」

菊月「…慣れしかないだろう」

ヒュゥゥゥゥ ドォン ボン ボォン バシャン!

三日月「…本当に手加減なしですね…!」

長波「…え? 手加減してないの…? これ?」 

25 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:35:59 ID:QnJWb1Jw

長月「何言ってるんだ、お前は」

長波「え? だっていつもより艦載機の動き遅いし…これなら楽に近づけるよね?」

菊月「…長波?」

三日月「ほ、本当ですか?」

長波「ふふん♪ 見てなよ」スッ

長月「おい! 無理すると…!」

長波「長波、突撃する!」ダッ

ヒュン ボォン! ヒュン バシャン!

摩耶「お?」

蒼龍「第二次攻撃の要を認めます! 急いで!」 

26 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:37:16 ID:QnJWb1Jw

長波「」チャキ

飛龍「蒼龍、狙われてるよ!」

蒼龍「だーいじょうぶ。あの距離じゃ当たらないよ~」

長波「ってぇーいっ!」バァン

蒼龍「…!」

バスッ

蒼龍「―がっ…!」

ドサッ

飛龍「蒼龍!」 

27 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:38:21 ID:QnJWb1Jw

長波「!?」

長月「…貫通…した…!?」

菊月「…ゴム弾じゃなかったのか?」

長波「…そ……蒼龍さんっ!」

【執務室】

長波「…」

夕雲「長波さん? 実弾ではなかったんですね?」

長波「うん…」

女提督「夕雲~。そんな怖い顔しちゃだめよ~」 

28 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:39:02 ID:QnJWb1Jw

飛龍「そうそう。避けないこいつが悪いんだから」

蒼龍「だっていつもは当たらない距離だったしー」

飛龍「慢心、ダメ、絶対!」

蒼龍「なにそれ美味しいの?」

飛龍「めっ!」ピシッ

蒼龍「あうっ」

長波「…ごめん」

夕雲「今回は肩だったからいいですが…もしも―」

女提督「はいそこまで」

女提督「長波ちゃんは一回言えば分かる子よ、ね?」

夕雲「…提督が言うなら…」 

29 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:39:45 ID:QnJWb1Jw

長波「ごめん。…本当に…ごめん」

女提督「蒼龍ちゃんはドックに。飛龍、付き添いお願い」

飛龍「お任せください」

女提督「長波は…ちょっと部屋に篭っていよっか」

長波「分かった…」

ガチャ バタン

女提督「ふぃー…ゴム弾で装甲貫通とは…不思議なこともあるもんだ」

夕雲「私たちじゃ、絶対的に弾速が足りないはずですけど、ね」

女提督「まぁまぁ、起きたことはしょうがないよ」

夕雲「…提督、事故として処理いたしますか?」 

30 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:40:32 ID:QnJWb1Jw

女提督「お、分かってるねー」

女提督「変に実直に報告したらデータやら書類やらたんまり要求されるしね」

夕雲「それではこの書類を完成させてくださいね」ドサッ

女提督「え…あ、えぇ…」

夕雲「それでは…私は夕飯の買出しに行って参ります」

女提督「うえーん、夕雲~。手伝ってよ~」

夕雲「提督? 甘えることと楽することは違いますよ?」ニコッ

ガチャ バタン

女提督「優秀なんだか…厳しいのか…」

女提督「うわーん。やる気しないよー!」バタバタ 

31 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:41:23 ID:QnJWb1Jw

女提督「…」

女提督「…めんどい」

カランカラン

女提督「…」

霧島『気分高揚剤だと思われます』

女提督「…えへへ~。少量だったら人体にも影響ないよねー」

女提督「うん、コップに一滴垂らすだけ、垂らすだけ…」ピチャン

女提督「私、体だけは丈夫だもんねー♪」

女提督「というか、高速修復剤も誤飲する紳士多いしねー…」ゴクッ

女提督「あっ! 透明なのにしっかりみかんあj―」



ドクン




32 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:43:01 ID:QnJWb1Jw

女提督「っ―!?」

パリンッ

女提督「ぐぅ…おぇ…ぅぷ!?」

女提督「おえーっ…」ビチャグチャ

女提督「はぁ…はぁ……!」

女提督(手…が白イ…っ!?)

女提督「…!?」

女提督(…鏡…)

女提督「あはハ…わたシ…―」





女提督「…シンかイのコみたイ…ね…」





33 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:43:37 ID:QnJWb1Jw


夕雲「提督―?」コンコン

女提督「!?」




夕雲「―何か買ってきてほしいものは…」ガチャ

女提督「」ゲロゲロゲロゲロ

夕雲「て、提督!? どうしたんですか!?」

女提督「うえーん。比叡カレー食べたら吐いちゃったー」

夕雲「何をしてるんですか!?」ガサゴソ

女提督「だってぇ、仮にも比叡が気合い入れて作ったから一口ぐらい…うぷっ」 

34 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:44:11 ID:QnJWb1Jw

夕雲「はい、吐いてくださいねー」サスサス

女提督「」ゲロゲロゲロゲロ

夕雲「そういうお優しいところが素敵ですが、果敢と無謀は履き違えないでください」サスサス

女提督「面目ない…」

夕雲「落ち着きましたか…?」

女提督「自力でゴミ箱に吐ける」

夕雲「もう…お水と口直しの飴持ってきますね」

女提督「飴はりんご味で…」

夕雲「了解しました」ガチャ バタン 

35 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:44:52 ID:QnJWb1Jw

タッタッタッタッタ

女提督「なんとか…夕雲が来る前に体が戻ったけど…」

女提督「この薬…」

女提督「…」

女提督「うわー、指先がオドロキの白さのままだー」

女提督「…うぷっ」

オエー 

36 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:45:37 ID:QnJWb1Jw
【夕雲型の部屋】

長波「はぁ…」

長波「調子がいいのか…悪いのか…」

長波「うあー!」パリン

長波「あぁ…ドラム缶型湯飲みが…」

長波「…」ゴシゴシ サッサッ

ゴロン

長波(なーんかおかしい…)

長波(オーバーパワーっていうか。妙に勘も鋭くなってるし、疲れにくいし)

長波(いや、それはいいんだけど…制御が出来てない)

長波(気をつけないと色々壊しちゃうし…)

長波「はぁ…」 

37 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:46:41 ID:QnJWb1Jw

ガチャ

巻雲「な、長波さん、帰ってきてたんですか…」

長波「自室にいることが不味いのか?」ムクッ

巻雲「い、いいえ。うんしょ…っと…」ゴトッ

長波「…何でドラム缶持ってきてるんだ?」

巻雲「えぇっ!? えっとですね…て、点検ですよ。穴が開いていたりしたら資源を落とすことになるから…」アタフタ

長波「いつも出撃前にやってるだろ」

巻雲「そ、そうですけど…。ほら、簡単にチェックしただけじゃ分からない箇所もあるじゃないですか」

長波「…何で持ってきた??」

巻雲「え、えーと。ほら、ど、ドラム缶といったら長波さんじゃないですかー…」 

38 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:48:47 ID:QnJWb1Jw

長波「…最初のセリフと合わないぞ」

巻雲「そ、それはですね…あははは…」

長波「まぁ…いいや…」

秋雲「おーい。夕飯できたってよー」ガチャ

長波「う、比叡カレー…」

巻雲「…うわ…憂鬱です…」

秋雲「今日は提督特製のチャーハンだってよ。チャーハン」

長波「お、気が利くなぁ。さっすがあたしらの提督だ♪」

巻雲「あ、先行ってください」

長波「あんまり遅くなんなよ」テクテク

秋雲「腹が減っては原稿も描けないからねぇ」テクテク 

39 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:49:50 ID:QnJWb1Jw

ガチャ バタン

巻雲「ふぅ…」

巻雲「今回ばかりは秋雲に助けられましたね…」ギィ ギィ

ガコン


巻雲「こんなこと…誰にも教えられません…」



長波「それはあたしにも?」ガチャ


巻雲「え!? あ!? 長波さん、行ったんじゃないんですか!?」アタフタ

長波「で、中には何があるの?」グイグイ

巻雲「やっ! ダメですっ!?」

長波「せいっ!」ガコン 

40 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:50:22 ID:QnJWb1Jw




「……ヲ…、…ヲ……」



長波「…へ?」



「…ヲ…」




長波「空母…ヲ級…!」チャキ

巻雲「はわわわっ!? 待ってくださいっ!」 

41 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:51:42 ID:QnJWb1Jw

長波「何だよ。敵だ…ろ……あれ?」

長波(…小さい? いや、幼い?)

巻雲「これにはふかーい事情がありまして、と、とにかく、巻雲のお話を聞いてからね? ね!」

長波「……分かった」

幼ヲ級「…ヲ…ヲォ…」

巻雲「あ、そうです! 長波さん。救急箱をお願いします!」

長波「…おう」ガサゴソ

長波「…で事情ってなんだ? ほい」ゴトッ

巻雲「うんしょ、ありがとうございます」 

42 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:52:43 ID:QnJWb1Jw

巻雲「…実はですね港に怪我した状態で…。あ、あれ…袖に引っかかって包帯が上手く巻けないです…もうなんなの!?」

長波「貸して。というか先に消毒だろ。水とタオル」

巻雲「は、はい。持ってきますね」テクテク

<キャァ ドンガラガッシャーン

長波「…ったく」

幼ヲ級「ヲ……」

長波(浅い切り傷や擦り傷ばっかり。致命傷は…なさそうだ)

巻雲「持ってきました!」テクテク

長波「よし…ちっちゃいの、我慢しろよ」ゴシッ

幼ヲ級「ヲ…っ!」 

43 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:53:37 ID:QnJWb1Jw

長波「よし、良い子だ。我慢我慢」ゴシゴシ

長波(腕細いな。折らないように気をつけないと…)

巻雲「あれ? 巻雲、どこまで話しましたっけ?」

長波「あー…何かもう察せるからいいや…」ゴシゴシ

巻雲「なんですか。その言い方。秋雲みたいです」

長波「波止場か何かにこいつが引っかかってて、拾ってきたんだろ」ゴシゴシ

巻雲「あ…はい。その通りです」

長波「ほい、次は消毒液だぞ。うちの研究班特製だからすっごい染みるぞ」

ピトッ

ヲ級「ヲォッ!?」ビクンッ

巻雲「きゃっ!?」

ヲ級「」クタッ

巻雲「…な、長波さん。なんてことを…」 

44 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:54:47 ID:QnJWb1Jw

長波「気を失っただけだろ。っていうか、元々、敵なんだから死んでも問題ないだろ」ピトッピトッ

巻雲「なんてこというんですか! 鬼畜! クズ! 秋雲! グズ! 秋雲!」

長波「はいはい。言い過ぎたよ…」

長波「っとこれぐらいでいいかなー。包帯」

巻雲「どうぞ」スッ

シュルシュルシュル キュッ

長波「おっし。完了」

巻雲「長波さん、助かりましたー」

長波「どう致しまして」

秋雲「おーい。夕飯どうすんのー?」コンコン

巻雲・長波「!?」

巻雲「あ、あけないでください!」

秋雲「具合でも悪いのかー? はっはーん。それともこの秋雲に見せられないようないかがわしいことしてるのかなぁ?」 

45 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:56:42 ID:QnJWb1Jw

長波「あー、秋雲。そうなんだ。ちょっと巻雲の調子が悪くてな」

秋雲「ふっふーん。そんなことだろうと、この秋雲、飯持ってきてやったぞー」

ギィッ

長波「巻雲! 蓋しめろ!」コソコソ

巻雲「はい!」コソコソ

ガコン

秋雲「ん?」ガチャ

巻雲「げほげほっ」

秋雲「どうしたの? ドラム缶なんか持ち込んで」

長波「て、点検だよ、点検。飯はテーブルに置いといて」

秋雲「りょーかい。巻雲ー。優しさ半分の薬もらってこようかー?」

巻雲「結構です。けほっけほっ…」

秋雲「そぉ? それじゃお大事にー」

バタン 

46 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:57:38 ID:QnJWb1Jw

長波「…」チラッ
巻雲「…」チラッ

長波「だぁー…」

巻雲「こんなタイミングで来るなんて、秋雲のばかぁ!」

長波「なんであたし、こんな思いをしてるんだ…」

グゥゥゥ

長波「食べるか…」

巻雲「…ちょっと冷めちゃいましたね。司令官様すみません」モグモグ

長波「…でこいつはどうするつもりだ?」モグモグ

巻雲「ほうふふぅって、何ですか?」モグモグ

長波「このままここに、ってわけには行かないだろ」モグモグ

巻雲「うっ…」

長波「…考えてなかった?」 

47 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 18:59:36 ID:QnJWb1Jw

巻雲「し、司令官様に頼めばなんとかなると…」

長波「…どうだろうな。あんなのでも軍人だし。即刻処分か、軍の研究の実験材料が関の山」

長波「あ、ニッチなお偉いさんが深海の女の子は愛玩用にほしいって噂もあるな」

巻雲「にっち? あいがん?」モグモグ

長波「あ…うん。知らないならいい。そのまま清く正しく生きてくれ…」モグモグ

巻雲「?」モグモグ

長波「とにかくいつまでもここに置くのは…」

巻雲「だからって殺すのはいけないと巻雲は思いますっ」グスッ

長波「もう殺さねぇよ…治療した意味なくなるだろ…」モグモグ

巻雲「じーっ…」 

48 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:00:11 ID:QnJWb1Jw

長波「…やっぱり母親に返すべきなんじゃないか」

巻雲「…向こうには親子の概念があるでしょうか?」

長波「…そ、それもそうだな…」

巻雲「それに私達と会話も出来ないでしょうし…“ヲ”ですよ?」

長波(なんでこういう所は鋭いんだよ)

巻雲「もう…長波さんも考えてます!?」

長波「ああ…兎に角コミュニケーションとれる方法があればなんとかなるかもな…」

巻雲「言葉以外のコミュニケーションですか? でもジェスチャーは誤解されるかも知れないし…」

長波「あ…いけるよ。これなら多分」

巻雲「…なんか嫌な予感がしました」 


49 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:01:36 ID:QnJWb1Jw

【翌朝・夕雲型の部屋】

幼ヲ級「ヲー!」キラキラ

秋雲「ふふーん。似顔絵は得意なんだよ?」

幼ヲ級「ヲ! ヲ!」ピョンピョン

秋雲「あー、このちっちゃいの。かわいいねー」ナデナデ

巻雲「じーっ…」

秋雲「なぁに? 巻雲も描いてほしいわけ?」

巻雲「巻雲は変な虫がつかないように見守ってるだけです」

秋雲「過保護ですねー」ナデナデ

幼ヲ級「ヲ?」

巻雲「変な言葉教えないでください! 秋雲のばかぁっ!」 

50 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:02:26 ID:QnJWb1Jw

ガチャ

長波「もどったぞー」

幼ヲ級「ヲ!」ビシッ

巻雲「すっかり元気になりました」

幼ヲ級「ヲ!」ピラッ

長波「へぇ~上手いじゃん。さっすが、秋雲」

秋雲「これぐらいアタシにとって朝飯前よー」

巻雲「長波さん。それはなんですか?」

長波「ん? 提督と同じローブ。買っちった」バサッ

秋雲「それどーすんの?」

長波「深海のやつらと接触中に、提督たちと鉢合わせしたら…厄介だろ?」ガサゴソ

巻雲「そうですけど…」

秋雲「長波がやるの?」

長波「当然、この中だと一番戦闘力高いのあたしだ。うわ…ぶかぶかだけど胸きつい…」ブカブカ 

51 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:03:11 ID:QnJWb1Jw

巻雲「長波さん…ごめんなさい。巻雲のせいで危険な目に…」

長波「気にすんな。これぐらい朝飯前だよ」

秋雲「動けるの? そんなぶかぶかで」

長波「よっ…」ヒュン ガシッ

秋雲「おうっ…!?」

長波「このまま頭蓋骨握りつぶそうか?」ミシッ

幼ヲ級「ヲ…」

長波「なんてな」パッ

秋雲「じ、冗談じゃない音聞こえたんですけど…まだ感触がこめかみに…」

幼ヲ級「ヲ…」サスサス

秋雲「おー、ありがとさん」ナデナデ 

52 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:03:54 ID:QnJWb1Jw

長波「ま、お前がこの事、他言したら、冗談じゃすまないかもな」

秋雲「分かってるって。こう見えて口堅いほうよ?」

巻雲「じーっ…」

幼ヲ級「ヲーっ…」

秋雲「…もうやだ…」 

53 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:04:44 ID:QnJWb1Jw

【母港近海・海上】

榛名「砲撃開始!」

ドゴォン!!!!! …ォォオン…

女提督「お~、中々いいね」

霧島「ごらんの通り、威力は申し分ないですが、欠点は弾薬のコストですね」

霧島「従来のように実弾を用いると一発で私が積載できる最大弾薬量を消費します」

夕雲「馬鹿にならない数字ですね…」

女提督「解決策は?」

霧島「用意しました。弾薬の代わりに艦娘の燃料を詰め込む簡単な焼夷弾を開発しました」

榛名「砲塔180度回頭」

鳥海『こちら鳥海、標的の設置完了しました』

霧島「了解」ピッ 

54 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:06:19 ID:QnJWb1Jw

霧島「榛名姉さん、お願いします」

榛名「榛名、全力で参ります!」

ドゴォン!!!! …ォォォン…

霧島「弾頭は流用できませんが、これなら一発当たり睦月型の最大積載燃料と弾薬で済みます」

女提督「おー、良く燃えてるー」

霧島「対地砲撃ならこちらの弾頭でも効果が高いと思われます」

霧島「尚、砲撃は時限式にも切り替えられます。自分が突撃して簡易的に援護させることも可能です」

女提督「駆逐艦が使えるぐらい小型化できる? 威力は下げていいから」

霧島「小型化した場合…弾頭の流用を考慮し46cm弾頭を撃てる開発方針ではどうでしょうか?」

女提督「上出来」ビシッ 

55 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:07:50 ID:QnJWb1Jw

ウィーン

榛名「提督! 榛名の活躍見ていてくれました?」タッタッタッタ

女提督「はるにゃん最高~」ナデナデ

明石『こちら明石。焼夷弾着弾点、鎮火しました』

霧島「了解。最高のプレゼンが出来たわ。帰りましょう」

金剛「Hey,テートクゥ。艦隊帰投したネー」タッタッタ

女提督「NO金剛! 今、はるにゃんをLoveしてるネー」

金剛「oh! 私も撫でてもらいたいデース!」

比叡「気合い、入れて、撫でます!」ワシャワシャ

<ファイヤー!
<ヒエー! 

56 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:08:52 ID:QnJWb1Jw

ppppppppp ピッ

女提督「もしもし~?」

夕雲『提督。帰投した飛龍さんが、例のローブの少女を映像に捕らえたそうです』

女提督「へぇー…」

【司令室】

摩耶「すげぇ…。わざと撃沈寸前で攻撃を止めてるな」

霧島「その後、深海棲艦と会話、しているように見えますね」

秋雲(やばい…)

プツン

飛龍「彩雲カメラからの映像はここまでです」 

57 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:11:11 ID:QnJWb1Jw

夕雲「その後は?」

飛龍「こちらに気づいたら、どこかに逃げていきました」

夕雲「…提督、どう思います?」

女提督「…味方だとはおもえな…いだっ!?」

由良「あ、提督さん。私の耳掻き…邪魔、かなぁ?」

女提督「いえ、私ほどになると痛みすらを快感に変換できるから。続けて」キリッ

由良「よーし。由良の良いとこ見せちゃおっかなー♪」カリカリ

夕雲「…嫉ましい」ギリッ

飛龍「私も提督の意見に賛同します」

霧島「…そうですね。何らかの意図があって行動しているようですし。味方とは思えません」

摩耶「ま、邪魔してきたらあたしがぶっ殺してやるよ」パキポキ

由良「それじゃ梵天しますねー」コショコショ 

58 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:12:06 ID:QnJWb1Jw

夕雲「彼女に対する方針はどうしましょうか?」

女提督「じゃ、実際に捕まえて自供させる方針で」

秋雲「え」

摩耶「理由、気になんのか?」

女提督「女の子を拷問…女の子を拷問…フレーズだけでたぎるじぇ…ジュル」

飛龍「……」



秋雲「…ほうっておいてもいいんじゃない?」ボソッ




59 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:12:40 ID:QnJWb1Jw

夕雲「…というと?」

秋雲「あ、いや、最近あいつがぶちのめしてくれるから、私たちの被害が少ないじゃん?」

霧島「結果としてですね」

由良「~♪」カリカリ

霧島「目的が分からない以上、私達を助けているのではなく、助かっていると解釈するべきでしょう」

摩耶「それにあんな死に掛けのやつらとやりあったって楽しくねぇし」

飛龍「確かに。仕事を奪うという意味では敵かも知れませんね」

秋雲「…はい…」

夕雲「しかしそれも憶測。秋雲は考えの一つを提示したまでです」

秋雲「…夕雲型の良心―」

夕雲「個人的に秋雲は嫌いなので皆さんと考えは同じですけど」

秋雲「じゃなかった。さすがネームシップだ。象徴だ」 

60 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:13:39 ID:QnJWb1Jw

夕雲「それでは各寮の艦に、通達お願いしますね」

夕雲「捕まえ次第提督に報告、引渡しをすること」

女提督「殺さない程度の攻撃も止む無し」

夕雲「…だそうです」

由良「あれ? 提督さん。手袋してました?」

女提督「紫外線対策ー。能代型とおそろいー」

由良「それ、可愛いですね」

女提督「よーし、おっちゃん、由良ちゃんの分も準備しちゃうぞー」

由良「やったぁ♪」





夕雲「提督が甘えていいのは私だけ…提督が甘えていいのは私だけ…」ブツブツ

秋雲「大丈夫、私がいるじゃない!(裏声)」

夕雲「」チャキ バァン

秋雲「ぐふっ」ベチーン 

61 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:14:17 ID:QnJWb1Jw
【夕雲型の部屋】

長波「もどったぞー…」

巻雲「ま・き・ぐ・も」

幼ヲ級「ヲ」

巻雲「ま」

幼ヲ級「…ヲ?」

巻雲「ちがいます。ま、です」

長波「まだやってんのか、ふぅー…疲れた」

幼ヲ級「ァ?」

巻雲「!!!!!」

長波「お、近づいた」 

62 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:14:53 ID:QnJWb1Jw

巻雲「ま、ですよ。ま」ワクワク

幼ヲ級「…ア…、…マ?」

巻雲「やったー!」

幼ヲ級「マ! マ!」キャッキャッ

巻雲「えーと次は、き、です」

幼ヲ級「ヲ…。…ィ…キ?」

巻雲「ぐ、も」

幼ヲ級「ゥ…? グ…モ…?」

長波「おお?」

巻雲「では、まきぐ…いや焦ってはダメですね。すぅー…はぁー…私の後に繰り返してください」

巻雲「ま・き・ぐ・も」

長波「…」 

63 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:15:52 ID:QnJWb1Jw

幼ヲ級「…ヲヲヲヲ?」

巻雲「戻った…」orz

幼ヲ級「ヲ…ヲ…!」オロオロ

長波「そんなもんだろ。ほら、幼ヲ級が困ってるぞ」

巻雲「そうですね…一発成功なんて無理ゲーですよね…じっくり教えないと」ナデナデ

長波「日に日に、母親じみてきてるな……うわ、またピンク髪増えてる…」

幼ヲ級「ヲ、ヲ」クイクイ

長波「あたし? 長波だよ。な・が・な・み」

幼ヲ級「…ヲヲヲヲ?」

長波「うん、文字数は合ってるな」ナデナデ 

64 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:16:29 ID:QnJWb1Jw

幼ヲ級「ァ、ァ、ァ、ィ…。…ナ…ガ…ナ…ミ…?」

長波「へっ!?」

巻雲「…なっ!」

幼ヲ級「ナ、ガ…ナ、イ! ナガナミ!」ピョンピョン

長波「あ…あははー。らしくないけど…ほっぺ緩む~♪」ニヘラー

巻雲「もうなんなのぉ!?」

コンコン

秋雲「おーい、はるにゃんカレー(通称)が…」

巻雲「こんなときに来ないでください、秋雲のばかぁっ!」

幼ヲ級「バカ…? バカァ!」

秋雲「…もう…なんなの…」 

65 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:17:26 ID:QnJWb1Jw
【傭兵部隊の部屋】

長月「…確かに、最近の長波は異常だな」パチッ

三日月「回避行動もそうですが、射撃の腕、勘も鋭くなっていると思います」

菊月「…で?」パチッ

長月「おっと、そのための飛車か…」

菊月「…仲間の成長がおかしいか…?」

三日月「そうですけど、短期間での成長にしては急激すぎると思います」

長月「まるで、薬でも使ったようだ」パチッ

菊月「王手」パチッ

長月「う…」パチッ

三日月「もう詰んでますね」

長月「参った、また負けた…」 

66 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:18:10 ID:QnJWb1Jw

菊月「…素直に喜ぶべき、だと思う」

長月「これでまた勝率50%か」

三日月「そうですね。僻むより先に自身の訓練不足を恥じるべきですね」

菊月「…そういや、司令官が何かやっているみたいだな」

三日月「司令官が駆逐艦用の大型装備を開発させているそうです」

長月「それなら私も聞いている。この前、試作と思われる装備を研究班がテストしていた」

三日月「何でも海上移動砲台だそうで、トーチカのように乗り込んで使うらしいです」

長月「それがあれば、私たちでも戦艦クラスの砲撃が出来るらしい」

菊月「…また、強くなるのか…」

長月「問題は使い用だろ?」

菊月「…そうだな」 

67 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:19:35 ID:QnJWb1Jw

長月「ふぅ…喉が渇いた。水を飲んで来る」

三日月「私も、トイレに行ってきます」

菊月「…先に寝ている」

長月「おやすみ」

三日月「おやすみなさい」

ガラガラ ピシャン

菊月「…気味悪いぐらい強くなったがな…」

パチンッ

菊月「…」 

68 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:20:31 ID:QnJWb1Jw
【廊下】

古鷹「加古…! 部屋までもう少しだから…!」ズルズル

加古「もうだm…zzz」

古鷹「もう…」ズルズル

「…く…り…みこみは…はい…」

「わか……級……ほど…」

「りょ…い…した…」

古鷹「誰か居るんですか?」ピカー

古鷹「…」

古鷹「ここから、声がしたはずなのにな…」

…ぁ! だめぇっ!…

古鷹「…提督?」 

69 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:21:06 ID:QnJWb1Jw

…の、裏側を擦ると、ふふ、ほら、沢山出てきました…♪

ん…あぁ…いやぁ…見せなくて…いい…

…ふっ…擦るたびに…切なそうな声上…て、気持ち良い……か?

…き…ち…いいっ…あ…ふぁっ…

ほら、力抜いてください…。中がきゅって締まってますから。抜けないです…

ふぅーっ…、ふぅーっ…くぅ…んぁっ…んっ…

良い子ですね。…頭なでてあげます

え…へへ…

あ、でもこんなによだれ垂らして…私の洋服を汚したお仕置きはしますよ

じゅるっ。…んはぁ…ぁぅ…お仕置き…? やだぁ…目、こわいよぉ…

ふふ、ここを…重点的に擦りますね?

あ…やめっ…んんっ! ぁ…いみゃ…よわいか、らぁ…やさし、くぅんっ…!

聞き入れません。お仕置きですから♪

んっ…いつもよっ、りぃ…はげし…ひゃっ、みみぃ…みみ、…ゅんっ…ぁ… 

70 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:22:17 ID:QnJWb1Jw

古鷹「……////」

古鷹「き…聞かなかったことにするのがいいですよね…」

加古「えへー…ジュル」

古鷹「…」

加古「ふる…たかぁ…」タラー

古鷹「……」

古鷹「」ゴクッ







夕雲「提督? 由良さんの耳掻きとどっちが気持ちいいですか?」ガリガリガリガリ

女提督「夕雲ちゃんの方が気持ちいいですぅっ♪ ぁんっ♪」 

71 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:23:20 ID:QnJWb1Jw
【翌朝・阿賀野型の部屋】

能代「あれ? 手袋が足りない…」

阿賀野「あと五分…」ムニャムニャ

能代「あ~が~の~姉~!」ガバッ

阿賀野「きゃっ!? …何、能代~…顔ちか―」

阿賀野「あ…////」

阿賀野「あのねお姉ちゃんとそういうことは…女の子同士だしね…ね?////」

能代「私の手袋盗ったでしょ!」ムギュ

阿賀野「むぇ!? みゃんのはにゃし!?」

能代「今朝、私の手袋が無いんだけど…!」ムニムニ

阿賀野「もめえみゃん、けさみゃとってみゃいみょ」

能代「…そうですか」パッ 

72 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:24:27 ID:QnJWb1Jw

阿賀野「もう…お姉ちゃんをもうちょっと信頼してもいいんじゃないのかな」プンプン

能代「け・さ・は?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

阿賀野「うん、けさ…は……」

阿賀野「はっ」

矢矧「酒匂、顔洗いに行きましょう」

酒匂「うんっ」

阿賀野「あ、あのね…洗濯するの忘れたときがあってね…あの、直ぐ洗って返せばバレないかなーってね。てへっ☆」

能代「今、言いたいことは?」ガチャン

阿賀野「お姉ちゃん、すっごく助かった!」

能代「」ブチッ

ガチャ バタン

…ズゴォォォォン…

矢矧「酒匂はああなっちゃだめよ」テクテク

酒匂「う、ん?」テクテク 

73 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:25:51 ID:QnJWb1Jw

加古「おぉ、目が冴えてきた。力がみなぎってきたよ!」バシャバシャ

古鷹「そ、そう…はい、タオル」

酒匂「おはようございますっ!」

古鷹「おはようございます。今日は一緒に出撃ですね」ニコッ

矢矧「阿賀野姉さんは多分出撃できないと思いますけど」

加古「…なあ、朝起きたらさ顔中べとべとだったことってあるか?」ゴシゴシ

酒匂「ぴゃぁっ!?」

矢矧「何ですかそれ。怖いですね」

加古「ないかー。古鷹も何も知らないみたいだしなー」

古鷹「うん、こ、怖いね…」ダラダラ

酒匂「ぴゃっ? 古鷹さん、顔ちゃんと拭いた?」

矢矧「…酒匂、やめなさい」 

74 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:26:31 ID:QnJWb1Jw

古鷹「か、加古、部屋にもどろ?」

加古「よっしゃー。二度寝だね!」テクテク

酒匂「あ、そういや能代ちゃんの棚から司令が手袋持ち出してたなー」

矢矧「…え?」 

75 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:27:10 ID:QnJWb1Jw

【執務室】

女提督「夕雲ちゃんも逃がしたの?」

夕雲「ごめんなさい…折角、阿賀野さんの代わりに旗艦を務めさせて頂いたというのに…」

女提督「そいつ中々の腕だねぇ。夕雲たんはここじゃ最強でしょ?」

コンコン

長波「入るぞー」

女提督「えっ!? ちょ…おま…」

長波「どうせなんもしてないだろ…」ガチャ

長波「順位報酬届いてたぞ」ゴトッ

女提督「…どうしたの? その帽子」

長波「ん? ああ…前髪の生え際が黒くなってな」

夕雲「だから言ったじゃないですか」

長波「見苦しくない程度になったら外すよ」 

76 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:28:12 ID:QnJWb1Jw

女提督「いや…ボーイッシュ長波も悪くない…」

長波「そ、そうか…?」

夕雲「長波さん。用はそれだけでしょうか?」ニコッ

長波「そ、そう、それだけだ。じゃあなっ!」

ガチャ バタン

女提督「なに、あの恥じらい。すばらしいですわ」

夕雲「そういえば、最近、提督四六時中、ウィッグ付けてますね」

女提督「まぁ…気分転換だね。可愛くない?」

夕雲「提督は何をしても可愛くて、美しいですよ?」

女提督「ひゃっほーい」

夕雲「提督?」カポッ

夕雲「これ、前の試験管と同じじゃないですか?」 

77 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:28:46 ID:QnJWb1Jw

女提督「試験管? あ、そだね」

夕雲「仕様書によると高速修復剤に添加して使用することで気分高揚を促す試薬だそうです」

女提督「試薬…って…」

夕雲「さっそく使用しますか?」

女提督「…後にしよう」

夕雲「珍しいですね?」

女提督「…たまには好奇心が騒がない日もあるのっ」

夕雲「あ…提督、ヅラが…」

女提督「やめて、禿げてるわけじゃないから。ファッションだから」 

78 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:29:44 ID:QnJWb1Jw
【夕雲型の部屋前・廊下】

長波「…こんなにピンク髪増えると不審に思われるよなー…」テクテク

長波「黒に染め直してもピンクになるし…」

長波(何かの病気だったりして…)

長波「なんてな…うぐっ!」グキッ

長波「…いてて…夕雲、本気できやがって…」ガチャ

ヴォン

長波「うおっ!? 艦載機!?」

幼ヲ級「ヲ!」

巻雲「もう屋内で飛ばしちゃダメですよっ!」

幼ヲ級「ヲ~…」

長波「もしかしてこいつ、ずっと部屋の中で退屈なんじゃないのか?」

幼ヲ級「ヲ!」キラキラ 

79 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:30:19 ID:QnJWb1Jw

巻雲「…なんでわかるんですか」

長波「勘、だけど?」

巻雲「うぅ…巻雲の方が一緒に居る時間多いのにぃ…」

幼ヲ級「ヲ、ヲ」クイクイ

長波「ん、なんだ?」

幼ヲ級「ヲ!」ピシッ

長波「ん? リボン欲しいのか?」

幼ヲ級「ヲ!」

長波「…ほい」スッ

幼ヲ級「ヲ―」キラキラ

幼ヲ級頭部「」バグッ 

80 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:31:22 ID:QnJWb1Jw

幼ヲ級「ヲ…」

幼ヲ級頭部「」ムシャムシャ ケフッ

幼ヲ級「ヲ~~~~!!!」ポカスカ

巻雲「それ動くんですね…」

長波「意思は一体じゃないのか」

幼ヲ級「ヲ~…ヲ~…」ウルウル

長波「あ~、泣くなってほら、もう一個あるから」ヒョイ

幼ヲ級「ヲ」

幼ヲ級「ヲ…」シュン

長波「あ、結べないか。ほら膝の上に座って?」ポンポン

幼ヲ級「ヲ」ポスン

長波「んーと…ここをこうやって…あ、あれ? どうだっけか…」クシャクシャ

巻雲「長波さん、髪の量違うんですから」

長波「ごめん。自分の髪しか結べないわ」 

81 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:32:04 ID:QnJWb1Jw

幼ヲ級「ヲ…」シュン

巻雲「巻雲、お役に立ちますよ!」シュルシュルシュル

巻雲「はい♪」ジャーン

幼ヲ級「ヲ?」

巻雲「あ、鏡ですね、どうぞ」

幼ヲ級「ヲ~!」キラキラ

長波「似合ってるぜ」

巻雲「ふふん。巻雲、お役に立ちました?」

幼ヲ級「…ァ、リ、ガ…ヲ」ニパー

長波「どうしたしまして」

巻雲「うぅ…ここまで成長するなんて巻雲はお役に立ててうれしいです…」

秋雲「おーい、遠征だぞー」ガチャ 

82 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:33:01 ID:QnJWb1Jw

長波「ん? そんな時間か。鼠輸送だっけか」

巻雲「ごめんなさい。巻雲、直ぐに戻ってきますからね」

幼ヲ級「ヲヲヲヲヲ!!!」ブンブン

幼ヲ級頭部「イッテラッシャーイ」

秋雲「え、あれ話せるの?」

長波「そうらしい…」

バタン

幼ヲ級「…ヲ」

幼ヲ級頭部「ヒマダネー」

幼ヲ級「ヲ…」コクコク

コンコン

幼ヲ級「ヲ!」キラキラ

幼ヲ級頭部「マズカクレロッテイワレタロ」

幼ヲ級「ヲ」テクテク 

83 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:34:12 ID:QnJWb1Jw

カポッ ガコン

ガチャ

「……」

幼ヲ級(ヲ!?)

幼ヲ級頭部(ダレダ?)

「…ヲ級どこにいるんだ?」

幼ヲ級(ヲヲ!?)

「なるほど…ドラム缶か」テクテク

幼ヲ級(ヲ…。ヲ…!) 

84 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:34:55 ID:QnJWb1Jw

ガコンッ!

幼ヲ級「ヲ!」ヴュンヴュン

「…」パシパシ

幼ヲ級「ヲ…」

「怖がるな。この注射針はとても細く痛くは無い」ペリッ

幼ヲ級「ナガ、ヲヲ…マ、キグモ…」

ガシッ

幼ヲ級「ヤダ…ヲ…ヲッ!」バタバタ

プスッ

幼ヲ級「!?」



ドクンッ




85 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:36:17 ID:QnJWb1Jw
【改装室】

Z1「マ、マックス一人で積めるよ…うん」

Z3「ダメ、落ちないようにしっかり縛る」サワサワ

Z1「ひゃっ!?」

Z3(レーベの素肌…レーベの素肌…)hshs

秋雲「こう、皆が部屋に居ないとなると心配になるな」

長波「…お前やっぱりいいやつだな」

巻雲「いえ、秋雲はひどい人です!」

秋雲「ここまでされても心折れない私褒めて」 

86 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:37:34 ID:QnJWb1Jw

由良「なんの話? ペット?」

巻雲「え? あ、そのー…」チラッ

長波「あたしたちの部屋って鍵かけられないから、ちょっと不安だなーって」

由良「あ、そう言われれば、そうね」

長波(ある意味ペットみたいなものだけどな)

由良「…?」クルッ

Z1「マ、マックス! んぁっ…そこは、きゃっ、関係ないと思うんだ、うん…!」

由良「…」

秋雲「由良さん?」

由良「皆、伏せて?」

秋雲「なぜ、疑問k―」

ドゴオオオオオオオオオオンッッッッ!!!!!

巻雲「ひゃわぁ!?」 

87 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:38:05 ID:QnJWb1Jw

秋雲「いたた…うわー! Gペンがぁ…」

長波「…いったいなー! もう!」

Z3「何…? 機雷…? 違うの…?」

秋雲「ここ陸、OK?」

由良「爆撃…?」

ヴゥゥゥゥゥゥウウウウウン!!!!

Z1「警鐘!」

由良「みんな、作戦中止。司令室に行きましょう」

巻雲「…長波さん…巻雲、嫌な予感がします」

秋雲「縁起でもないことを言わないで…ってこの音」

Z3「…あれ…」

ヴウウンン

長波「…深海棲艦の艦載機…」 

88 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:38:50 ID:QnJWb1Jw
【司令室】

バタンッ

女提督「状況は?」

夕雲「数は一隻。艦種は空母ヲ級改。現在、母港近くに居て艦載機による爆撃、液体を噴霧しながら移動」

女提督「がはは。この母港は46cmだって穴は開かな…噴霧?」タッタッタッタ

鳥海「野外カメラの映像です」タッタッタ

ヲ級改『…』

女提督「鳥海、霧島、母港内全部の窓を閉め、全隔壁起動。夕雲、全艦を司令室に緊急招集。絶対に外の空気に触らせないように」タッタッタ

夕雲「了解しました…細菌兵器ですか?」タッタッタ

女提督「ま、そんなところよ」

女提督(まさか…) 

89 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:40:09 ID:QnJWb1Jw

ガチャ

鳥海「全監視カメラ起動します」カタカタカタターン

霧島「窓閉鎖開始。隔壁起動します」カタカタカタカターン

夕雲「放送を開始します」

女提督(…やられた、薬が無い…)

夕雲『こちら夕雲。全艦に通達します…』

【廊下】

ギューン ガシャーン

夕雲『緊急召集。全艦、至急司令室に』

ピッ

「隔壁だ。窓も遠隔操作で閉められた」

夕雲『繰り返します。緊急招集。全艦、至急司令室に』

「…。…。暗示? 分かった。遂行する」

ピッ

「…」 

90 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:40:54 ID:QnJWb1Jw
【離島】

レ級「トツゲキシチャオウヨー!」

ピッ

離島棲鬼「…マッテ…デキレバ…オニンギョウハ…ムキズガ…イイデス…」

レ級「マワリクドーイ。ブー」

離島棲鬼「ソノタメニ…カワイイ…コレクションヲ…オクリコンダ…」

戦艦棲姫「…レ級、シゴトヨ」

レ級「ヤッター! ドンナドンナ? タノシイ!?」

戦艦棲姫「キニイルトオモウ」

レ級「オッスッ♪ イッテクルネー!」

戦艦棲姫「…ドウスルノ?」

離島棲鬼「…ワタシハ…ナニモセズニ…オニンギョウヲ…テバナサナイ…」

離島棲鬼「チョットシタ…シカケヲ…ノコシテアリマス…」 

91 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:42:15 ID:QnJWb1Jw

戦艦棲姫「シカケ?」

離島棲鬼「…キドウコードハ…」









「クロスロード」 

92 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:42:55 ID:QnJWb1Jw

【司令室】

能代「軽巡洋艦、能代、入室します!」ガチャ

矢矧「事態はどんな感じ?」

女提督「細菌兵器っぽいからまず篭城」

摩耶「強度は大丈夫なのか?」

女提督「この施設の設計上は46cm徹甲弾でも貫通しねぇぜ!」

菊月「…風で流れるまで待つということか」

長月「このまま終わるとは思えないがな」

由良「あの子リボンつけててかわいいー」

摩耶「動くみたいだぜ」

金剛「uh…多分、海にGOしてるネー」

榛名「? 沖に出て…何をするつもりで―」

霧島「明石さん! 支援砲台の状況は!?」 

93 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:43:36 ID:QnJWb1Jw

明石「うぇ? 中身が空の燃料焼夷弾が一発装填されてますが…」

Z3「衝撃に強くても燃焼は、どうなの?」

鳥海「…私の計算によると細菌兵器を詰めた弾が飛んでくる方が怖いです」

女提督「誰の入れ知恵よ! まったく!」プンスカ

夕雲「まずここを噴霧したのは足止めのためでしたか…」

金剛「テーテクゥ、私に行かせて欲しいデース」

比叡「金剛お姉さまが行くなら、私が行きます!」

女提督「勝手にうごくな、アバ  ども」

女提督「霧島、鳥海。研究室に行き、あの試験管の解毒薬を作りに行きなさい」

鳥海「試験管? あれは軍が…」

女提督「マイク音量ダイジョウブ?」ゴゴゴゴゴ

霧島「わ、分かりました」ガチャ バタン

夕雲「…提督、あれが原因だと思うんですか?」

女提督「思ってるよ」 

94 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:44:14 ID:QnJWb1Jw

菊月「…」

夕雲「しかし、あれは戦意高揚を目的にした軍の―」

『酒匂! 何してるの!?』

女提督「!」

阿賀野『早く司令室に行かないと、それに提督さんは窓閉めてって言ったのに』

酒匂『…』カラカラカラカラ

阿賀野『うえーん。お姉ちゃん、無視はいやだよー』

蒼龍「なんで…窓を開けて…」

飛龍「それに…様子も変ですね…」

女提督「阿賀野! 酒匂! 聞こえる!?」

夕雲「声、届いてないみたいですね。爆撃の衝撃で故障でしょうか…」 

95 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:45:27 ID:QnJWb1Jw

女提督「夕雲! マスク!」

夕雲「行くんですか?」

女提督「私の艦娘だからね、行かなきゃ」

夕雲「…帰ってきてくださいね」

女提督「もちろんよ」

【夕雲型の部屋】

秋雲「お二人さーん。カメラ誤魔化すの結構大変なのよー」

秋雲「あー…私の画力がこうして生かされるとは…才能って怖いねー」

巻雲「長波さん。居ました!?」

長波「…」スッ

巻雲「これ、長波さんのリボン……」

長波「…窓から見える艦載機って一般的な空母ヲ級のものだよな…」 

96 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:46:56 ID:QnJWb1Jw

巻雲「…巻雲にはそう見えます」

長波「そういう…ことなのかな…」

秋雲「聞いてくればいいんじゃない?」

巻雲「…」

長波「巻雲、ローブ。貸して」

巻雲「…なg―」

長波「大丈夫。絶対連れ戻して―」シュルシュル

巻雲「違います。…長波さんだけでも、帰ってきてください」

長波「…当たり前のこというなよ」クシャクシャ

巻雲「…ごめんなさい」

秋雲「あ~。腕がプルプルする~」プルプル

長波「それじゃ、行ってくる」ダッ 

97 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:49:18 ID:QnJWb1Jw

スタッ


女提督「よぉ、ローブの少女」

長波「!」

女提督「私と同じローブなんていい趣味ね。でもそんなに胸が辛いわけがない。ふざけんな」

長波「…」

女提督「今は色々忙しいけど…ここで会ったがなんとやら」チャキ

長波「…」ジリッ

女提督「急所は外してあげる」ニコー

女提督「だから、私に色々まさぐられなさい!」

パァンパァンパァンパァン

長波「…!」ヒュンヒュン

女提督(早い…)パァンパァンパァンパァン 

98 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:50:11 ID:QnJWb1Jw

長波「!」

ドシュッ

長波「ぐっ…」バタッ

女提督「ひゅー♪」スタスタ

長波「…ぐっ…っ」

女提督「さてさてどんなカワイコちゃんが私の邪魔をしてくれたのかなー?」グイッ

長波(深海棲艦用の実弾か…)

女提督「オープン!」バサッ

長波「…っ」



女提督「…どういうことだい。長波ちゃん」




99 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:51:42 ID:QnJWb1Jw

長波「……」

女提督「…無視?」

長波「…ごめん。提督…行かなきゃいけないんだ…」スクッ

女提督「…」

長波「…どけ。提督」チャキ

女提督「…それは、絶対…?」チャキッ

長波「…絶対…だ…」

女提督「…帰ったら胸を豊かにする方法教えなさいよ? あと、このマスクお気に入りだからちゃんと返してね」スッ

長波「…!」

女提督「空母ヲ級改は沖合いよ」

長波「…ありがと、やっぱいい提督だ…」ダッ

女提督「…」

女提督「いい提督ねぇ…」

女提督「…」 

100 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:52:16 ID:QnJWb1Jw




女提督「覗き見ー?」クルッ

秋雲・巻雲「ギクッ」

女提督「何で緊急召集なのにここにいるのかなー?」ニコ

秋雲「あ、あのさ…そう、スケブと原稿を取りにきたんだよー」

女提督「そっかー」

巻雲「あはははは…」

女提督「司令室に行きなさい」

巻雲「もぉ、秋雲のばかぁっ!」 

101 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:53:11 ID:QnJWb1Jw

【母港近海・海上】

ガチャッギィッバタンッ ピッ

長波「それはおもちゃじゃないぞ…ヲ級…」

ヲ級改「…」

長波「覚えてないか…? 長波だよ…な・が・な・み…」

長波「そのリボン、あたしのリボンだよな」

ヲ級改「…ヲ」ヴュン

ヒュゥ ボォン!

長波「っ…ほ、ほら…入ってた、ドラム缶だってここに…」

ヲ級改「ヲ!」ヴュン

ヒュゥ ボォン

長波「…っ…」

長波「…そういうこと…そういうことで…いいんだな…」 

102 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:53:41 ID:QnJWb1Jw

ヲ級改「…」

長波「…」

長波「…よっし」ゴシゴシ

長波「さぁ! ドラム缶は捨てて、戦闘態勢!」バシャンッ

長波「長波、突撃する!」ダッ

ヲ級改「ヲ!」ヴュンヴュン

長波「ってぇーい!」バァンバァン

長波(遠距離戦は、分が悪いから…!)ダッ

長波「っ!」

ヲ級改「ヲ!」シュルシュル

長波「ぐっ…」

ギュッ 

103 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:54:49 ID:QnJWb1Jw
ギュッ

長波(な、んだ…よ…。頭の…手足、のよ…うに…つ、かえ、る…じゃな…い、か!)

ヲ級改「ヲ!」ギューッ

長波「ぐっ…ぁ…ぁあっ!」ギシッ バキッ

ヲ級改頭部「」ガパッ

長波(く、わ…れる!?)ビリッ

ヲ級改頭部「」アーン バグッ

長波「っ…ふぅっ!」ビリビリッ

タンッ

長波「あたしの匂いがついたローブは美味しいか…?」

ヲ級改「…!?」ガバッ

長波「服を食わせて、骨を――」ガチャン

ヲ級改「…」クルッ
幼ヲ級『ヲ?』

長波「…!」

ヲ級改「ヲ!」ブン 

104 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:55:50 ID:QnJWb1Jw

長波「しまっ…!」

ドスッ バッシャーン

長波「…ぷはっ」

長波「…迷うな…敵…なんだ…!」スクッ

ヲ級改「ヲ!」ヴュンヴュン

ボォンボォン

長波(基本的に速力は勝ってる…ならっ…!)バシュッ

ヲ級改「ッ!」バゴォン

長波(撃ったら一気に離脱…!)ダッ

ヲ級改「ヲ…」

長波(そして急速接近して…!)クルッ ダッ

ヲ級改「ヲ!」ヴュンヴュン

ボォンボォン 

105 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:56:40 ID:QnJWb1Jw

長波(よし…! すれ違いの時にもういっp―!)

長波「っ!?」ドガァンッ!

長波(機関部が…! さっきので壊れてたか…!)フラッ

バッシャーン

ヲ級改「…」シュルシュル グイッ

長波「ぐ…ぅ…ぅぁ…っ!」ミシミシ

ヲ級改「…」

長波「ヲきゅ…ぁあああっ…!」バギィッバゴォン

バシャンボシャン

パサッ

ヲ級改「ヲ…」パッ

ボチャン

長波「…っぷあ…ぅ…」

ヲ級改「ヲァ、ヲヲ…?」

長波「…ヲ級?」 

106 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:57:20 ID:QnJWb1Jw

ヲ級改「ヲッ…ヲ…!」オロオロ

長波「お前…なのか…!」

ヲ級改「ヲっ―!?」フラッ

長波「ヲ…級…?」

ヲ級改「ヲ…ッ! ヲォ…ヲォヲヲヲヲヲッ!!!!!!?????」フラフラ

ヲ級改「ヲ! ヲヲ! ヲッ!?」ブンブン

長波「何…して…苦しいのか…?」

ヲ級改「ヲ!」ヴュン

長波「!」

長波(こんな状態じゃ、避けれな―)

ヲ級改頭部「」シュルシュル パシンッ

バゴォン

長波(自分の艦載機を…落とした…?) 

107 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:57:57 ID:QnJWb1Jw

ヲ級改「ヲ…ヲ…」ゼェゼェ

ヲ級改「ヲォッ!?」

ヲ級改「ヲッッッッ!!!!??」

長波「…何でそんなに苦しんでるんだ…?」スタッ

ヲ級改「ヲ、ァ、ナ…イ…!」ゼェゼェ

ヲ級改「シ、ズ、エテ…!」

長波「…!」

ヲ級改「ハ…アクゥ…!!!」

ヲ級改頭部「」シュルシュル ギュ

長波(自分の体を…締め付けた…!?) 

108 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 19:59:04 ID:QnJWb1Jw

ヲ級改「…ハヤクッ!」

長波「…っ!」ガチャン

長波「…」

(いいのか…?)

ヲ級改「ヲ…ヲヲ!!」

(意識があるなら、助けられるかもしれないんだぞ?)

長波「……」プルプル

(でも、撃たなきゃ母港の皆が危険に晒される)

ヲ級改「ヲ!」

(あの時と同じように、自分の行動で他の艦を犠牲にするのか?)

長波「………っ」プルプル 

109 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 20:31:21 ID:QnJWb1Jw






(助けられるはずの命をまた犠牲にする)





(守れるはずの命を守らないでどうする)





長波「…っ」

長波「ヲ級! 逃げんなよ!」

ヲ級改「ヲ! ヲ!」

バシュッ




ヲ級改「…ヲヲヲミ」 

110 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 20:31:56 ID:QnJWb1Jw







幼ヲ級「ア、リガ、ヲ―…」












ドォオオオオオオオオオオン!!!!







111 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 20:34:06 ID:QnJWb1Jw


長波「…」

長波「…最初会ったときは、真っ先にこうしようとしてたんだけどな…」ポリポリ





…ピッピッピッピッ




長波「…なんだ、この音…」

長波「タイマー…!? これ時限式にもなるのか…!」

ピッピッピッピッ

長波「…このっ…このぉっ!」ガンッガンッ!

長波「あ~もう、壊れない! うちの研究班は優秀すぎるなぁっ!!!」

長波「このままだと…」 

112 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 20:35:52 ID:QnJWb1Jw

長波「そうだ…!」

長波「よっ」ガシッ

ズキッ

長波「これ…ぐらいの、痛み…!」ギリギリッ

長波「あと…すこ…し…!」ガシッ

ズキンッ!

長波「ぐっ…ふぅ…!!!」

長波「提督…足撃ちや、がってぇ…!」

長波「…動けよ…! ここまで来たんだからっ! ヲ級を殺してまで来た、ん、だからぁ…! 最後まで、う、ごけぇええっ!」グイッ

ガシッ

長波「よ、よし…ここにありったけの魚雷をつめ…」グイッ

バキンッ

長波「っ!?」フッ

長波(落ちる―!) 

113 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 20:37:11 ID:QnJWb1Jw



ピッピッピッピッ



長波(一発だけでも…)グイッ


長波「入れぇえええええええええっ!!!!!」ブンッ


ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…






114 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/25(金) 20:38:05 ID:QnJWb1Jw



長波(あ…入る前に…)





ピッ―ピーッ



カチッ








バゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!






to be continued ? 
 

116 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:09:12 ID:TCBZZ.H.

【数刻前・入渠ドック】

ヴゥゥゥゥゥゥウウウウウン!!!!

酒匂「ぴゃぁっ!? 何の音!?」

酒匂「えーと、えーと、…この音は…」

矢矧『酒匂、この音は警鐘。緊急事態の合図だから、その後に流れる指示に従ってね』

酒匂「そう! 緊急事態!」

酒匂「……」

酒匂「…きんきゅうじたい?」

夕雲『緊急召集。全艦通達。至急司令室に』

酒匂「ぴゅぅ…まだ体洗ってる途中で…はっ…!」

酒匂「…」キョロキョロ

酒匂「…だ、誰も居ないよね…?」 

117 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:09:50 ID:TCBZZ.H.

酒匂「ぴゃぁ!」タタタタッ 

ドッポーン

酒匂「泡つけたまま湯船つかると怒られるけど…今回は仕方ないよねー…い、急いでるんだしぃっ…」

酒匂「一度やってみたかんたんだぁ…」

酒匂「ぴゃぁ…」ホカホカ

酒匂「……」

酒匂「ってゆっくりしちゃダメじゃん! “きんきゅうじたい”なんだよ!」ザパーン

酒匂「ぴゃっ…急がないと…」アセアセ 

118 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:10:33 ID:TCBZZ.H.

フキフキ ガサゴソ キュッキュッ

「酒匂さん」

酒匂「ぴゃ?」

「クロスロード」

酒匂「なにそれ? 私、そんなことば…」

酒匂「しら…な……」

酒匂「…い…」

酒匂「zzz…」 

119 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:12:28 ID:TCBZZ.H.

「…離島棲鬼からの指示だ」

酒匂「…はい…」

「廊下に出たら、手当たり次第に窓を開けろ」

酒匂「…わ、かり…ました…」 

120 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:13:00 ID:TCBZZ.H.

【廊下】

夕雲『全艦通達。至急司令室に』

酒匂「…開けなきゃ…」

カチャ カラカラカラカラ ガチン

夕雲『尚、布を口元に当て、外の空気を吸わないようにしてください』

カチャ カラカラカラカラ ガチン

夕雲『窓や通気孔が開いていたら、直ぐ、その場から離れてください』

カチャ カラカラカラカラ ガチン

夕雲『繰り返します…』

酒匂「…五月蝿い…」ガチャン

ドォン バゴォン

酒匂「……」 


121 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:13:42 ID:TCBZZ.H.

カチャ カラカラカラカラ ガチン

阿賀野「酒匂?」

酒匂「…」カチャ カラカラカラカラ ガチン

阿賀野「おーい。お姉ちゃんの言葉聞こえてるー?」

酒匂「…」カチャ カラカラカラカラ ガチン

阿賀野「何で窓開けてるの? 早く司令室いこうよー」

酒匂「…」カチャ カラカラカラカラ ガチン

阿賀野「うえーん。お姉ちゃん、無視はいやだよー」 

122 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:14:22 ID:TCBZZ.H.

酒匂「…」カチャ カラカラカラカラ ガチン

阿賀野「…ぐすっ…そりゃさ…ダメなおねえちゃんだけど…お姉ちゃんなりに頑張ってたんだよ…」

酒匂「…」カチャ カラカラカラカラ ガチン

阿賀野「小麦粉と砂糖の違いも覚えたし、消費期限と賞味期限の違いもわかるし…洗濯だって脱水は出来るようになったもん…」

酒匂「…」カチャ カラカラカラカラ ガチン

阿賀野「だからね…もっと頑張るからお姉ちゃんのことそんなに邪険に思わないで欲しいの…ぐすっ…」

酒匂「…」カチャ カラカラカラカラ ガチン

阿賀野「うえーん、さ~か~わ~」ダキッ スリスリ

酒匂「邪魔…」ブン

阿賀野「いたっ…」ドスッ

阿賀野「うわーん。酒匂も反抗期だぁーん」 

123 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:15:18 ID:TCBZZ.H.

酒匂「窓…ない…」

阿賀野「…うぇ…えぐっ…」

酒匂「この…シャッター…邪魔…」

バギッ ベリベリッ

阿賀野「お姉ちゃんそんなに暴力的に育てた覚えないよー」

酒匂「」カチャ カラカラカラカラ ガチン

…ダダダダダダダ

女提督「呼ばれて飛び出てぶるぅうぁああああ!!!」バタンッ!

阿賀野「て…提督さん…」 

124 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:16:01 ID:TCBZZ.H.

女提督「阿賀野~。さっさと司令室に来いって言ってたわよねー」ムニー

阿賀野「ひょひぇんにゃひゃいー」ウルウル

女提督「酒匂は…こっち?」

阿賀野「」コクコク

酒匂「」カチャ カラカラカラカラ ガチン

女提督「酒匂! 大好きな司令の登場だよ! 今すぐ、司令室に行きなさい!」バーン

酒匂「」カチャ カラカラカラカラ ガチン

女提督「おい、てめぇ、上官を無視すんなよ」ガシッ

酒匂「…邪魔」ブン

女提督「っ!」

ビターン

女提督「いたたた…」 

125 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:17:12 ID:TCBZZ.H.

酒匂「」カチャ カラカラカラカラ ガチン

女提督(正気は失っているけど…力はそれほど…薬じゃない?)

阿賀野「提督さん、大丈夫?」

女提督「阿賀野、今すぐ司令室に」パシッ

阿賀野「あの…」

女提督「Get away !」

阿賀野「は、はいっ!」

ギギギギィ バタン

女提督「これは使いたくなかったけども…」ガサゴソ 

126 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:18:05 ID:TCBZZ.H.





女提督「覚悟しな! 罵倒音声シリーズ最新作―天国と地獄―」




カポッ カチッ

酒匂「」カチャ カラカラカラカラ ガチン

女提督「……」wktkwktk

酒匂「」カチャ カラカラカラカラ ガチン

女提督「……」

酒匂「」カチャ カラカラカラカラ ガチン

女提督「…あれ?」

酒匂「」カチャ カラカラカラカラ ガチン 

127 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:18:49 ID:TCBZZ.H.

女提督「…効果が…な―」

バタッ

酒匂「うぅ…しれぇ…ぇぅぁ…」ポロポロ

女提督「よし、きたぁっ! 愛は命を救う!」

カポッ

女提督『大ッ嫌い! その顔も声もしゃべり方も全部全部全部、だい―』

カチッ

酒匂「…ぅぅ…えぅ…」

女提督「酒匂? 聞こえる?」

酒匂「やだぁ…司令…嫌いにならないでぇ…っく…いい子になるからぁ…しれ、ぃ…」ポロポロ

女提督「よしよし、なるわけ無いじゃないか…こんなにかわいい子、見捨てるわけ無いでしょ?」ギュッ

酒匂「しれぃ…」グスッグスッ

女提督(夕雲よりか持ったな)ナデナデ 

128 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:20:21 ID:TCBZZ.H.

酒匂「ぇぅ…ぅっ…!?」

女提督「はい、いい子いい子ー」サスサス

酒匂「司令…離れてぇ…うぷっ…!」ドンッ

女提督「え…あ…!?」ドサッ



ビチャグチャ



女提督「…!」

酒匂「はぁ…はぁ…え…なに…これ…知らない!? こんなの知らない! 知らないよぉっ!!??」 

129 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:20:53 ID:TCBZZ.H.

女提督「…さ…かわ…!?」

酒匂「知らない! 知らない! やだぁ…やだよ! やだやだやだやだやだやだぁっ!」

女提督「しっかりしなさい! さ、かわっ! 落ち着けっ!」ギュッ

酒匂「司令! 逃げ…ぐっ…ぷ…ぁあアアっっっっ!!!???」ドンッ

女提督「ぐっ…!」ドサッ

酒匂「ァぁああアッッッ! シレイッ! ヤダ! タスケテェ! タスケテヨォ!」

女提督「…最悪だ…」

酒匂「…フゥー…フゥー…ヒュッ…」

女提督「さかわ…」

酒匂「アはアはアハハアハッハアハハッハハハアハ!」ガチャン

女提督「っ!」 

130 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:21:28 ID:TCBZZ.H.




酒匂「シンジャエッ! シレイ! ニゲテッ!」ドォンドォンドォンドォン




パキン ドゴォン ベギッゴォン!

女提督「ちっ!」ダッ

酒匂「ニガサナイ!」ダッ

女提督(速っ!?)

酒匂「ツカマエタ!」ガシッ

ダンッ ドゴッ

女提督「ぐっ…ぁ…が…!」ミシミシ

酒匂「コロス! シレイ! コロス!」 

131 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:23:37 ID:TCBZZ.H.

女提督「ぐっ…うぷッ…!?」

女提督(このタイミングで…私モ…!?)

酒匂「ヤダァ…ァアハハハハハハ!!! ヤダヨォッ!? シネェッ!」ガチャン

阿賀野「さ、カわっ!」スッ

ドスッ

酒匂「グゥッ…!?」

ドンガラガッシャーン

酒匂「コノォッ! グゥッ!」

阿賀野「オト、ナしく、シテ、ナ、さイッ!」ググググググ

酒匂「ウァアアアアアアアアッッッッ!!!!」 

132 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:24:33 ID:TCBZZ.H.

女提督「阿賀野……?」

阿賀野「は、ヤク! 撃っテ! 提督サん!」





女提督「……は……?」





阿賀野「コノまマじゃ、ワタシタチ、敵、ニ、ナルかラァ!!」

女提督「…でも……!」 

133 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:25:18 ID:TCBZZ.H.

ギィ

能代「阿賀野姉っ!」

阿賀野「キチャダメ!」ドォン

バゴォン

能代「きゃっ…」

酒匂「グゥァアアゥウウッ!」ガブッ

阿賀野「ぐぅ…サ…カワ…! オネエチャんヲコマラセナイデェ!」ググググ

能代「阿賀野姉…」

阿賀野「ワ、カルの…からダ、のナカカラ、のしロたちノオネエチャンじゃナ、クナッ、テイクノガ…!」

能代「阿賀野姉!」ダッ

矢矧「駄目です! 能代姉さん!」ガシッ

能代「離して! 阿賀野姉がぁっ!」 

134 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:26:29 ID:TCBZZ.H.

阿賀野「テ、いトクさん…ハヤクゥっ!」

女提督「…い…や、だ……」

阿賀野「テ、イとクさ、ん! アガの、ハ、テイトク、サンの、かン、ムスデすヨ?」



女提督「…はや…く…きり、しま…」チャキ



阿賀野「グゥッッッ! シズムなラ…カン、む、スのママが…いイナ…」


女提督「…っ」カタカタ


能代「提督! 止めてください!」 

135 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:28:26 ID:TCBZZ.H.



阿賀野「…ノ、シロ…ヤハギ…」



阿賀野「サイゴマデ、ダメナオネエチャンデ、ゴメンネ」




矢矧「最後って…阿賀野姉さんっ!」

能代「いやぁ…阿賀野姉…阿賀野ねぇ…!」

酒匂「グゥッ…アァッ!」



女提督「…ぁああああああああああああっ!!!!!!!」カチッ




136 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:30:01 ID:TCBZZ.H.





阿賀野「…提督さん。わたしハ提督さんの艦娘で―」




バァンッ バァンッ



阿賀野「―――――」

能代「――――!!!!!!」





…ポタッ ポタッ




137 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:31:36 ID:TCBZZ.H.

【母港近海・海上】

ザーッ

巻雲「長波さーん! 長波さーん!」

秋雲「おーい! 私のこと嫌いでも返事ぐらいしてくれよー!」

古鷹「どうですか?」ザッ

鳥海「…何も…。そちらは?」

加古「だめ。何にも見つからない」

鳥海「…ここまでですね」カチッ

巻雲「そんな…!」

鳥海「時間です。雨が洗い落としてくれるとはいえ、これ以上は試薬に汚染されてしまいます」

秋雲「もう少しだけ。探照灯で照らして…!」カチッ 

138 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:32:49 ID:TCBZZ.H.

摩耶「ふざけんな。帰るぞ」グイッ

巻雲「秋雲はふざけてなんか…」

摩耶「黙れ。これ以上仲間を失ったらどうするつもりだ。ぶっ殺すぞ…!」ゴリッ

鳥海「…次の捜索は明日の朝です。私たちも解毒薬を出来る限り用意します」

巻雲「…うぅ…」

秋雲「…く…」

摩耶「くそがぁっ!」バシャン




三日月「…」 

139 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:34:54 ID:TCBZZ.H.

長月「…誰だと思う?」

菊月「…なにがだ」

長月「なぜあのヲ級が砲台の居場所を知っていたんだ?」

三日月「仲間を疑っているんですか…!」

菊月「…誰かが、仕組んだことか」

三日月「菊月…!」

菊月「考えたくはないが、最悪の事態を考えるやつは一人必要だ」

長月「そうなると―」

三日月「もう止めてくださいっ!!!」 

140 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:36:04 ID:TCBZZ.H.



秋雲「びっくりしたぁ…」

巻雲「ど、どうかしたんですか…?」

長月「すまない。色々疲れているみたいだ」

三日月「…」

鳥海「今日は皆、早めに休みましょう」

古鷹「…うん、そうだね」

菊月「…」 

141 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:37:51 ID:TCBZZ.H.

【司令室】

明石「…母港内の除染、終了しました」

夕雲「分かりました」

霧島「あと夕雲型の部屋を調べた結果、あの試薬が入っていたと思われる注射器と―」

夕雲「それ、全部報告書に書いてあることですか?」

霧島「…はい」

夕雲「後で目を通します。疑問があれば呼び出しますので部屋で待機していてください」

霧島「…分かりました」

明石「…提督は?」 

142 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:39:55 ID:TCBZZ.H.

夕雲「入浴中です。夕食は、皆さんで先に召し上がっていただけますか?」

夕雲「何か伝えたいことがあれば私がお伝えしておきますが?」

明石「あ、いえ、なんでもないです」

霧島「失礼します…」

ガチャ

蒼龍「おっと…」

霧島「失礼」

夕雲「…蒼龍さん、何ですか?」

蒼龍「お客様です」

夕雲「…どうぞ」 

143 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:42:59 ID:TCBZZ.H.

眼鏡提督「お久しぶりです」

朧「お久しぶり」

夕雲「こんにちは、眼鏡さん。朧さんは…相変わらず重そうな装備ですね」

朧「司令官が作ってくれた大切な装備だから」

眼鏡「いろいろ面白い話をしに来たんだけど…それどころじゃないみたいだね」

夕雲「はい…」

眼鏡「お土産だけ置いておくよ」

夕雲「すみません」

眼鏡「いやいや、通りがかっただけだからね。機会があったらまた寄らせて頂きます」

朧「夜分遅く、失礼しました」 

144 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:43:46 ID:TCBZZ.H.

夕雲「蒼龍さん、お見送りをお願いいたします」

蒼龍「分かりました」

ガチャ バタン

夕雲「…」

夕雲「……」

夕雲「………」テクテク 

145 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:44:26 ID:TCBZZ.H.

【司令室内・シャワールーム扉前】

シャー…

夕雲「…」

夕雲「…提督、いつまでシャワー浴びてるんですか?」

夕雲「…」

夕雲「提督?」

女提督『鬱だ…死のう…』

夕雲「…っ!」ガッ

女提督『冗談だから開けないで』

夕雲「ほ、本当ですか…?」

女提督『うん、大マジ』

夕雲「…あの…提督…、冗談でも…止めてください」ヘタッ 

146 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:45:19 ID:TCBZZ.H.

女提督『…どうしてこうなったのかなー』

女提督『…こんなのクソつまらない』

夕雲「…」

女提督『夕雲ちゃ~ん?』

夕雲「…何ですか?」

女提督『艦娘は何のために戦っているの?』

夕雲「深海棲艦を倒すため、この国を守り抜くため、が主な理由のはずです」

女提督『…だよねー…』

夕雲「でも私個人としては、提督のために戦っています」

女提督『あはは…うれしいなぁ…』 

147 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:45:56 ID:TCBZZ.H.

夕雲「…」

女提督『…夕雲ちゃん。解毒剤を一錠飲んでから入ってきて』

女提督『服は…脱がないほうがいいと思うよ』

夕雲「…分かりました」

パクッ ゴクンッ

夕雲「提督…開けますよ」

女提督『どーぞ』

カラカラカラカラ

夕雲「っ!?」

女提督「ア~ア、ミラレチャッタ…」 

148 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:47:03 ID:TCBZZ.H.
【夕雲型の部屋】

「…すみません。注射器が回収されていました」

??『分かった…仕方が無い』

「…なぜ深海棲艦の指示に従う必要があるんですか?」

??『無駄に疑問を持つな』

「…はい」

??『直に、軍部直属の人間が新たに薬を渡す』

??『もう、実験云々は要らない。女提督の艦娘を深海棲艦に変えろ』

「はい」

ピッ

コンコン

「開いている」

眼鏡「…お届け物です」

「…どうも」 

149 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:49:20 ID:TCBZZ.H.
【大本営・会議室】

ピッ

レ級「アハハハ。ゴクロウサマデス!」ビシッ

幹部「これで…大鳳は返してくれるんだろうな」

レ級「ウンウン! ウソ、イワナイヨォ!」

レ級「ドアヲ~…オープン!」

大鳳「…」

幹部「おお、大鳳…よかった…」

大鳳「…」

幹部「ほら、早く、こっちに来て私を…」 

150 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:50:52 ID:TCBZZ.H.

ドスッ

幹部「ぐふっ!?」

大鳳「…痛いですか?」グリッ

幹部「な…貴様…!」

大鳳「…でも、あの人も…前の提督もこの痛みを味わったんですよ?」

幹部「あ…れ、は…強盗が…!」

レ級「チーガウーヨ? ゼーンブ、アナタノブカダッタジャーン」

大鳳「私と…深海棲鬼が欲しいばかりに…!」グリッ

幹部「が…ひゅ…ぁ…」ポタポタッ

大鳳「あんな薬…作らなければ良かった…」

幹部「」

大鳳「…」 

151 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:51:41 ID:TCBZZ.H.

ドサッ

レ級「ヤルネー♪」

大鳳「汚い……後処理、お願いします」

レ級「オッケー!」グイッ

大鳳「あと…この建物の見取り図です。離島棲鬼に渡してください」

レ級「ハイサーイ!」

大鳳「………」 

152 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:52:14 ID:TCBZZ.H.
【阿賀野型の部屋】

矢矧「…出て行くの?」

能代「…うん」

矢矧「…」

能代「一緒に来ない? 矢矧」

矢矧「…出来ないわ」

能代「…そうだよね…。矢矧は、優等生だから…私たち姉妹の中でも一番…」

能代「でも…私はそんな強くないからさ…」

ポタッ

矢矧「…」 

153 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:53:46 ID:TCBZZ.H.

能代「強くなりに行かなきゃ…強くなって…―」

能代「―絶対に仇をとる」

矢矧「…分かった」

能代「…さよなら。矢矧」スタスタ

ガチャ

矢矧「…今度会う機会があったら、敵同士にならないことを祈るわ」

能代「うん…そうだと、いいね…」

バタン

矢矧「…」

矢矧「…この部屋も…随分と広くなっちゃったわね…」 

154 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:54:38 ID:TCBZZ.H.
【司令室内・シャワールーム】

女提督「ドウ…? シンカイダヨネ…コレ…」

夕雲「は…早く解毒剤を―」

女提督「ダメ、コウカナイヨ…」

夕雲「大丈夫…なんですか…?」

女提督「ミタメイガイハ、イタッテフツウヨ」

夕雲「いつから…ですか?」

女提督「オウト、シタトキカラ」

夕雲「嘔吐…? …比叡カレーですか?」

女提督「ウン」

夕雲「…ここ最近の…手袋も…ウィッグも…全部これを隠すためですか?」 

155 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:55:14 ID:TCBZZ.H.

女提督「ウン。ダンダン、イロガ、モドラナクナッタカラネ」

夕雲「…」

女提督「…」

夕雲「…提督? 一発、殴らせていただけますか?」

女提督「…ドウゾ」

夕雲「っ!」

バキィッ!

女提督「…」

夕雲「…そんなこと、出来るわけ無いじゃないですか…」 

156 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:56:59 ID:TCBZZ.H.
…カラン パラパラパラ…

夕雲「もっと…私たちに甘えてください…」

夕雲「私は…提督の秘書艦じゃないんですか…?」ピトッ

女提督「…ネェ、ユウグモ」

女提督「モシモ…、ワタシガ、アガノタチ、ミタイニナッタラ、ドウスル?」

夕雲「そんなの…考えたくありません」

女提督「…コタエテ…」

夕雲「…」

女提督「……」 

157 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:57:58 ID:TCBZZ.H.





夕雲「…私が提督を殺していると思いますよ」




夕雲「提督が誰かを殺す前に、誰かが提督を殺す前に」



夕雲「殺すってつらいことですからね」



―ポタッ

女提督「ソレハ…ユウグモ、ガ、シタイコト?」

夕雲「したいわけ無いじゃないですかっ!」

夕雲「……でも他の誰かに殺されたら、多分、その人を殺してしまいます」 

158 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 18:59:00 ID:TCBZZ.H.

女提督「…ムネカシテ」

夕雲「…どうぞ」

女提督「ソノママ、ダキシメテ」ポスッ

夕雲「ふふっ♪ 夕雲は知ってますよ? 強めが好みなんですよね?」ギュー

女提督「…アタマ、ナデテ」

夕雲「……はい」ナデナデ





女提督「…ズット、キエナイノ…」





159 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:01:33 ID:TCBZZ.H.


女提督「ショウエンノニオイモ…」


女提督「テニツイタ、チモ…」


女提督「アガノノ…サイゴノコトバガ…」


女提督「ナンドアラッテモ…キエナイノ…」


夕雲「…辛いときは泣いてください」


女提督「ウゥ…ァ…」

夕雲「私が…そばに居ますから…」





女提督「…アアアアアアアアアアアアッッ……!!!」




160 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:02:40 ID:TCBZZ.H.

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女提督「うゥ…ナキがオ、ミラレタ…もウ、オ嫁にイケない…」シクシク

夕雲「構いませんよ。どうせ提督は私が居ないとダメですから♪」

女提督「馬鹿にされてるみたい」ムゥ

夕雲「怒った顔も可愛いですね♪」ムニムニ

女提督「ほっぺを、むにるな」

夕雲「…戻りましたね」ムニムニ

女提督「感情の抑揚に反応するらしい」

夕雲「そのままでも可愛らしかったのに」パッ

女提督「ふん、私が可愛いのは当たり前だ」 

161 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:03:11 ID:TCBZZ.H.

夕雲「…そうですね♪」ニコ

女提督「服、着替えとけよ」

夕雲「でも、提督のたいえ―」

女提督「あっと…夕雲」

夕雲「はい、なんですか?」




女提督「それと、着替えたら直ぐに皆に水道を使わないように呼びかけて。夕食は手をつけないように」




夕雲「? 分かりました…」 

162 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:04:22 ID:TCBZZ.H.
【貯水タンク】

「…」

ポタッ ポタッ







菊月「…何をしている、長月」スッ






長月「…」

菊月「……」

三日月「司令官、こちらです」タッタッタ

女提督「…おはよう、長月」 

163 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:05:43 ID:TCBZZ.H.

長月「もう宵の口は過ぎているが?」

女提督「いいじゃない、べっつにぃ…」

菊月「…もう一度聞こう、何をしていた?」

長月「水に薬を混ぜていた。それだけだ」

三日月「薬?」

女提督「深海棲艦にする薬?」

三日月「知っているんですか?」

女提督「作用と存在だけだけどね」

女提督「目的は…教えてくれないかな?」 

164 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:06:38 ID:TCBZZ.H.





長月「…艦娘の深海棲艦化計画だ」




女提督「…初耳ね」

長月「当然だ。上層部で極秘に行われてきた計画だからな」

女提督「…概要は?」

長月「…言うと思うか?」

女提督「思うっ! ってか言いなさい。上官命令だ!」ビシッ

長月「いいだろう。優秀な司令官の懸命な判断を期待しようか」

菊月「…」 

165 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:07:57 ID:TCBZZ.H.

長月「艦娘の深海棲艦化計画。文字通り、艦娘を深海棲艦にする計画だ」

長月「第一の発案理由は増えすぎた錬度の高い艦娘を消すため」

長月「もう一つは、深海棲艦の増強のため」

三日月「なぜ…上層部が深海棲艦の戦力を増強させなきゃいけないんですか?」

長月「簡単だ」




長月「深海棲艦は大本営が生産している」




三日月「な…!」

菊月「…」

女提督「…深海棲艦の数が足りなくなったのね?」 

166 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:09:08 ID:TCBZZ.H.

長月「その通り。深海棲艦とはいえ、戦艦クラスを生産するコストは軽視できない」

菊月「…」

長月「まずは長波に使用。前線の艦娘に使用することは今回が初めてだから、まずはそのデータの収集をしようとしたが…」

長月「彼女は何故か発症せず、理性を保ったまま。筋力などの増強には成功したが、艦娘対元艦娘のデータがほしかった」

長月「仕方なく、次に空母ヲ級の幼体を母港内に潜入。薬を投与することで成体へと変化させ戦闘データを採取」

長月「ついでに薬を噴霧させたが、隔壁があるとはな。建物の耐久力も誤算だった」

長月「そこで酒匂を暗示により操り、窓を開けさせ、ヲ級には沖にあった支援砲台を使用するように指示を出した」

長月「結果、ヲ級は何者かに倒されたようで、酒匂と阿賀野に感染した」

長月「その二人からさらに感染すると期待したが…一番の誤算は司令官があの二人を殺したことだ」

女提督「…すまんな」 

167 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:10:20 ID:TCBZZ.H.

長月「まったくだ…それで…どこで、気づいた?」

菊月「…以前の対局のときだ」

三日月「違和感はありましたけど、ここまでは予想してませんでした」

女提督「私はさっきシャワー浴びてたら、気分が悪くなってね」

三日月「し、司令官、大丈夫なんですか!?」

女提督「大丈夫よ、解毒剤飲んでるから」

長月「…大本営でも作れなかったんだがな」

女提督「私の研究班よ? 利権大好きゴミクズと同じにすんな」

三日月「…長月、私たちの戦いは何だったんですか?」

長月「この国を守るため。艦娘という技術資源で外交をすすめ、国際社会での発言力を高める」 

168 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:13:11 ID:TCBZZ.H.

三日月「…長月、私たちの戦いは何だったんですか?」

長月「この国を守るため。艦娘という技術資源で外交をすすめ、国際社会での発言力を高める」

女提督「最近、あの国が領土を渡してくれたことも関係しているの?」

長月「当然だ。艦娘は合法的なクローンであり、立派な軍事兵器だ」

長月「そんな兵器が手に入るなら、歴史認識もどうでもいいみたいだったな」

菊月「…成果はあげているか」

三日月「もう、いいじゃないですか…そこまで効果があるなら…!」

長月「私もそう思うが、上はもっと価値を高めたいみたいだ」

女提督「…より強大な敵を作り上げ、艦娘をアピールするの?」

菊月「…そのためには一から作るより、錬度の高い艦娘を深海棲艦にするほうが早い…」

長月「物分りが良くて助かる」

三日月「…っ」 

169 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:14:45 ID:TCBZZ.H.

長月「司令官、協力してくれ」

女提督「いやだ」

長月「国の命運がかかっているんだ」

女提督「関係ない。私の艦娘は深海棲艦にさせない」

長月「この国が生き残るためなら仕方ないだろ」

女提督「それ本気でいってるの?」

長月「本気だ」

菊月「…所詮は兵器か?」

長月「そうだ。私達は兵器だ」

長月「目的のために遂行する道具に擬似的な感情が付随したに過ぎない」 

170 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:16:30 ID:TCBZZ.H.

女提督「…私が提督になった理由はね、ただ単に美少女に囲まれて暮らしたかっただけよ」

長月「…」

女提督「技術資源だとか政治要因だとか、自国の繁栄だとか、知ったこっちゃない…!」


女提督「私はね、ただ毎日、かわいい女の子といちゃいちゃしたいだけ」


女提督「まさにここは楽園よ」


女提督「こんな可愛い女の子を愛でることが出来る生活は誰にも奪わせない」


女提督「長月。あなたも兵器じゃない。ただの女の子よ」





長月「…残念だ」バァン




171 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:17:21 ID:TCBZZ.H.




パキンッ




菊月「…」

長月「菊の名前を持つお前が、邪魔をするか」

菊月「…今の私の忠誠はこの司令官のために存在する」

菊月「…敵になるなら…ためらいはない…」スチャ

長月「私とお前の演習の戦績を覚えているか?」

菊月「…262戦262分」

長月「決着、つけようか。菊月」スチャ 

172 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:18:18 ID:TCBZZ.H.

長月「決着、つけようか。菊月」スチャ

菊月「三日月、…司令官を頼む」

三日月「はい!」

女提督「菊月、たーんと躾けてあげなさい!」

長月「いくぞっ!」バァン

菊月「…」バァン

ヒュンヒュン

菊月「…司令官、タンクの耐久性は…?」

女提督「35.4cm一発で穴が空く程度」

菊月「…了解」 

173 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:19:37 ID:TCBZZ.H.



・・・



菊月(無音か…)

三日月(この状況……私なら…)

菊月(わざと音を鳴らし―)


カラッ コロンッ―


菊月(注意を向けさせて、逆方向から―)


菊月「」クルッ


菊月(背中を狙って攻撃する)スチャ 

174 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:20:11 ID:TCBZZ.H.




…タンッ




菊月(…がお前なら―)

スタッ

長月「」ゴリッ
菊月「」ゴリッ

菊月「…それすら囮にして、直上だな…」

長月「さすがだ」

菊月「…」ダッ
長月「…」ダッ

バァン

菊月「…」シュン
長月「ちっ…」シュン 

175 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:21:16 ID:TCBZZ.H.

菊月(掠った…か…)

長月「ここまでシンクロすると、気持ち悪さを覚えるな」

菊月「…同感だ」

長月(かと言って奇をてらった方法では無難に対処されて窮地を招く)

菊月(我慢の時間だ。綻びを待つしかない…)




長月「…」ダッ
菊月「…」ダッ




176 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:21:53 ID:TCBZZ.H.



バァン バァン ヒュン チュンッ パキッ バァン ヒュン



菊月「」ゼェゼェ
長月「」ハァハァ

長月(ここまで、互角とはな)ガチャンッ

カチッ




長月(!? 不発だと―!)



菊月「…!」ダッ 

177 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:22:25 ID:TCBZZ.H.

長月「ちっ…」バァンバァン

菊月(もう…手遅れだ…!)ヒュンヒュン

長月「っ」ドサッ

菊月「…」スチャ

長月「ふんっ!」ブン

菊月「っ」パシッ

長月「…!」

菊月「………」ゴリッ

バァン ドゴォン バゴォン




長月「く…」

菊月「…運が、悪かったな」ゴリッ 

178 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:23:41 ID:TCBZZ.H.

長月「ふ…ここが私の墓場になるか」

菊月「…なぜお前は自分に薬を投与しなかった?」

長月「そんなの、勝っても後悔するだろ」

菊月「…」

長月「撃て。菊月。兵装と艤装を壊せば終わりってワケじゃないだろ」

菊月「…勝負は既に決まってる…」スッ

長月「…そうだな。お前は一度も王将を取ったことはなかったな」

菊月「…投降しろ。敗戦の将は勝者に従うものだ」

長月「あはははははっ…お前は勘違いしている」 

179 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:24:13 ID:TCBZZ.H.




長月「私は将ではない。ただの歩兵だ」カチッ




ドォンドォンドォンドォンドォンドォンッ!

菊月「!?」

女提督「な、なに!?」

三日月「爆発っ!?」




長月「爆弾…母港中に仕掛けておいた」



長月「ここも、長くは持たないだろう」 

180 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:24:57 ID:TCBZZ.H.

菊月「…長月、いくぞ」グイッ

長月「やめてくれ…私はもうお前とは居られないだろ」

菊月「…それは、お前が決めることじゃない」

長月「…どうして…お前は…そこまで私に固執する…」

長月「お前たちを嵌めようとしたんだぞ…! 今だってお前らを…!」

菊月「…それでもお前は私の友だ」

長月「………」

三日月「!」

ヒュッ

三日月「っ」バァンバァン

バガァン バゴァン

長月「!」 

181 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:25:41 ID:TCBZZ.H.

三日月(砕ききれない…!)

三日月「二人とも避けてください!」

菊月「!」

長月「ちっ…!」




ドンッ




菊月「!」




長月「―菊月…すまない…」




ドンッバキッベギッ グシャッッッ! 

182 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:26:44 ID:TCBZZ.H.

菊月「っ」ドサッ

長月「…ぐぁあああああああああああああっっっ!!!!」

菊月「長月っ…!」

三日月「危ないです!」ガシッ

菊月「この瓦礫の向こうに…あいつが…まだ…!」

長月(足が……潰れて、…使い、も…のには…ならないな…)

菊月「長月!」

長月(…死に場所を選べぬな…んて…分かって、い…た……こ…と…)




長月(でも少し…さ、び……し…い…か…)





183 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:27:22 ID:TCBZZ.H.



ピキッ バゴォン!



ファサッ

長月(ウィッ、グ…?)



女提督「ナガツキ!」




長月「!」




184 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:29:22 ID:TCBZZ.H.


女提督「テヲ! ノバセ!」バッ


長月「…しれ、い、かん…」


女提督「コンナトコロデ、シヌナ!」


女提督「シッカリセッキョウシテヤルカラッ! テヲダセッ!」


長月「…バカ…だな……」


バギ…ボギッ… 

185 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:30:20 ID:TCBZZ.H.



女提督「オマエハァ! ワタシノッ! カンムスダロウガァアアアアアアアッッッ!!」



ヒュッ―






長月「…私も…そう、だったのかな……」




グシャッベキィッ!!!!!!





186 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:32:09 ID:TCBZZ.H.

女提督「…ッ!」

三日月「長月さん…!」

菊月「…長月」

女提督「……」

ヒュンゴォン プシュッ ビシャァァァァッ

三日月「…」

菊月「…脱出しよう…ここも直に崩壊する」 

187 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 19:33:10 ID:TCBZZ.H.

女提督「………」

三日月「…司令官」

菊月「……」

女提督「…キクヅキ、みカヅキ、ゼんカンムすに通達しろ」

女提督「出撃準備。完了した者から海上へ進水しろ」








女提督「現時点を持って、この母港を放棄する」






to be continued ? 

188 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:33:27 ID:LCTTMrPU
【男提督の母港・司令室】

女提督『今、そっちに向かってるから!』

男提督「はぁっ!? 今、何時だと思ってるんだよ!」

女提督『人数はね。ひ、ふ、み、や、と…』

男提督「会話してください! このレ 野郎っ!」

女提督『よろしくぴょん!』

男提督「おい! 人数はd―」

ブツッ

男提督「もう、やだ。あいつ…」 

189 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:34:08 ID:LCTTMrPU

コンコン

吹雪「しれいかーん。夕食、食べましょう?」ガチャ

男提督「絶対面倒ごとだよ…」

吹雪「司令官? どうしました?」

男提督「…吹雪、適当な艦娘を呼び出してくれ」 

190 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:34:57 ID:LCTTMrPU
【海上】

女提督「あ…電源切れた」

夕雲「提督?」

女提督「ばっちりよん♪ 寝るところには困らないわ」

加古「よっしゃー! みなぎってきたよっ!」

古鷹「どこでも寝れるでしょ、加古は…」

摩耶「提督…おまえ…重い…」

女提督「おらおら、シッカリ支えろーい」

摩耶「おまえ…! 足部艤装付けてるなら…じ、りきで…!」

夕雲「提督は重くなんてありませんよ? 鍛え方が悪いのではありませんか?」

摩耶「あとで…ぶっと、ばす…!」 

191 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:35:27 ID:LCTTMrPU

秋雲「綺麗な三日月だ。描きたくなるねぇ」

三日月「そ、そうですか…!?」

菊月「…違う、お星様のほうだ」

由良「うん。雲ひとつないね」

蒼龍「…お星さま?」

菊月「…いいだろ、別に…」フイッ

飛龍「めっ」ピシッ

蒼龍「あうっ」

飛龍「いいじゃん、どんな呼び方したって」 

192 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:36:03 ID:LCTTMrPU

巻雲「夕雲姉さーん…巻雲疲れました~…」ダキッ

夕雲「巻雲さん、もう少しですからね。頑張りましょう」ナデナデ

鳥海「私の計算だと…あと1時間ぐらいですかね」

金剛「uh…テートクゥ…もっとスピード出したいネー…」

比叡「気合い、入れて、押しますっ!」

<ファイヤー
<ヒエー!

霧島「確かに、もう少し速くてもよろしいと思いますが」

女提督「ん」クイッ

榛名「はい、榛名は大丈夫です!」

女提督「違う」クイッ 

193 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:36:50 ID:LCTTMrPU

明石「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」ダラダラ

矢矧「明石さん、頑張ってください」グイッ

明石「…す…すみま、せん…足…遅くて…」

霧島「…なるほど」

金剛「…sorry…」

Z1「…」

Z3「どうしたの?」

Z1「提督は変わらないなって、思ったんだ…うん」

Z3「そう? 私には―」

鳥海「右舷後方っ! 接近する艦影確認!」

一同「!」 

194 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:37:33 ID:LCTTMrPU
女提督「摩耶…降ろして」

摩耶「ふぅ…こき使いやがって…」

パシャン

鳥海「摩耶、読んで」ピラッ

摩耶「んだよ…」

鳥海「早くしなさい、マヤ!」

摩耶「…パターン青! 深海棲k―!」

女提督「鳥海、距離は?」

鳥海「推定で30km 十分後には現在地点にたどり着きます」

摩耶「…ぶっとばす…絶対ぶっとばす…」 

195 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:39:41 ID:LCTTMrPU

三日月「来ましたか…」

菊月「…ああ」

由良「あー、何だかそれっぽいー♪」

夕雲「艦種判明しますか?」

鳥海「少々お待ちください…」ヴォン

巻雲「眼鏡の中に地図が…」

菊月「…この光っている点が私達か…」

秋雲「鳥海さん、麻酔銃内臓腕時計持ってません?」

女提督「何言ってんだ、バーロー」

鳥海「駆逐艦4、軽巡洋艦2、重巡洋艦1…戦艦棲姫1…!?」 

196 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:40:41 ID:LCTTMrPU

比叡「ひぇーっ!」

秋雲「こ、これはこれは…でかいのが来たねぇ」

霧島「鳥海。逃げ切れそう?」

鳥海「…無理ですね…」チラッ

明石「?」

鳥海「九分九厘、あk…とある艦娘が追いつかれてしまいます」

明石「私ですよね!? 構いませんよ、名前出してもっ!?」

菊月「…司令官、どうする?」

Z1「皆で迎え撃ったらどうかな、うん」

三日月「おそらく勝てますけど、こちらの被害も大きいでしょう」 

197 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:41:32 ID:LCTTMrPU

Z3「それに…燃料が足りなくなるあかs…艦娘もいる」

明石「もう言ってるようなものですよね!?」

霧島「この場合、逃げ切れる距離まで誰かが足止めするのはいかがでしょうか」

女提督「……」

霧島「あくまで足止め、無理そうであれば直ぐ撤退すればよろしいので、さほど危険は少ないかと…」

女提督「…どうせ、やるっていうんでしょ」

霧島「はい。彼女に対抗できる艦娘は私たち金剛型ぐらいですから」

金剛「テートクゥ、私たちに任せてほしいネー」

比叡「気合い、入れて、ひきつけます!」

榛名「…え? 夜戦? 腕が鳴るわね!」

摩耶「一名、話聞いてねぇぞ」 

198 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:42:14 ID:LCTTMrPU

女提督「…」

夕雲「全員が生存するには、この方法しかないと、夕雲は具申します」

女提督「…分かった」

女提督「必ず、帰ってきなさいね」

金剛「yeah!」

比叡「I'll ! Be ! Back !」

女提督「OK.Go,go,goooooo!!!!」

榛名「…よ、よく分かりませんが、行って来ますね!」ダッ

霧島「さあ、出撃よ!」ダッ

シャーッ 

199 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:42:50 ID:LCTTMrPU

飛龍「夜じゃなかったら私たちも戦えるんですけどね」

蒼龍「夜間の発着艦はリスクが大きいですからね…」

鳥海「っ!?」

菊月「…どうした?」

鳥海「新たに接近する艦影確認!」

女提督「次から次へと…」

秋雲「雁首そろえていらっしゃいませー」

巻雲「はわわ。秋雲がさらに馬鹿になった…」 

200 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:43:33 ID:LCTTMrPU

矢矧「方角は?」

鳥海「左舷、九時方向ですけど…これは…なに…?」




鳥海「識別コード…艦娘と深海棲艦の両方を発信してます!」




矢矧「…どういう…こと…?」

菊月「…」

女提督「敵ね。それもただの深海棲艦じゃないわ…」



長月―前線の艦娘に服用するのは初めてだから…―



女提督「さぁ…面白くなってきたねぇ…!」 

201 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:44:20 ID:LCTTMrPU

【九時方向の海上】

鳥海『数は3、航空巡洋艦2、戦艦1、です』

古鷹「分かりました」

加古「ぶっ飛ばす!」

矢矧「二手に分かれましょう? 上手くいけば挟撃できるわ」

Z3「異論なし」

古鷹「私と加古が右に、そのほかは左に展開しましょう」

由良「うん」

矢矧「了解したわ」

鳥海『目的は時間稼ぎです。こちらの準備が整ったら、ご連絡します』

Z1「うん。了解」

矢矧「それでは、また後ほど会いましょう」 

202 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:45:19 ID:LCTTMrPU


加古「時間稼ぎっていうけど…倒してもいいんだよね?」

古鷹「加古、無理はだめだよ?」

加古「もう、心配症だなー」

…ゥゥン…

古鷹「この音…」

加古「まさか…」

ヴゥゥゥゥンッッ

古鷹「敵航空機、確認!」

加古「なんで夜なのに飛ばせんのさ!」

古鷹「あれは…瑞雲…?」

加古「ま、蛍のように光ってるから当てやすいけど!」ガチャン 

203 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:46:34 ID:LCTTMrPU

ズガガガガガガガァン!!

加古「いっちょ上がり~♪」



「うぬ、そコカ」



ヒュン…

古鷹「! 加古!」

加古「古鷹、みてくれt―」

ドゴォン!

加古「ぐっ!? 砲台が吹っ飛んだ!?」

古鷹「どこから…!」 

204 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:47:37 ID:LCTTMrPU

…ヒュン

ドゴォン

加古「やべっ!」

古鷹「閃光…あんな長距離から…連続着弾…」

加古「夜に…観測予測砲撃かよ…!」

「理解が御早いようで」

加古「古鷹! 前!」

トネ級「お主らに恨みはないが…わがハいがそのクビ、モライうけルゾ」

チクマ級「ふふふ…」 

205 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:48:12 ID:LCTTMrPU

古鷹「2隻…」

加古「もう一隻いなかったか?」

チクマ級「あの人ハ、向こうにいきマした」

トネ級「スコアがどうとかな。弱いものいじメして何が楽しいのカ分からん…」

チクマ級「こちらのほうガ、楽しめそうデすよね」

加古「楽しむねぇ…」

古鷹「加古! 気をつけて! こいつら…普通じゃない!」

加古「へへ…。加古スペシャルで返り撃ちにしてやんよ!」

トネ級「ウヌ、チクマ、マイロウカ!」

チクマ級「ハイ、ネエサマ♪」 

206 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:48:48 ID:LCTTMrPU
【金剛型の艦隊】

金剛「…バァアアアアアアアアアアニングゥ…ラッァアアアアアアブッ!!!」ドォンドォン

比叡「気合い、入れて、行きます!」ドォンドォン

榛名「勝手はっ! 榛名がっ! 許しませんっ!」ドォンドォン

バゴォン ゴォン ズドォン バゴォン!

戦艦棲姫「…」シュゥゥゥ…

金剛「What's !?」

榛名「そんな…効いてない…!?」

比叡「ひぇ…」

霧島「効かないんですから! 周りの雑魚を先に何とかしてください!」ドォンドォン

バゴォン ドゴォン

重巡リ級「ォォォォ…」プスプス 

207 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:49:48 ID:LCTTMrPU

金剛「そんなこと無いネ!」

比叡「いつかは、きっと、穴が空く!」

榛名「もう一度行きましょう!」

霧島「おい、聴力チェックしてやろうか」ピキッ

金剛「これだからヤクザは嫌いネー」ヤレヤレ

霧島「おい、今ヤk―」

比叡「ま、まさか…奥の手があるんですかっ!」キラキラ

榛名「榛名、準備完了してます!」ガシッ

金剛「榛名! イクデスヨー!」ガシッ 

208 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:50:54 ID:LCTTMrPU




榛名「ば、ばーーーーにんぐ、らーぶっ!」ドォン
金剛「ばぁああにんぐぅぅう…らぁあぶ!!!!」ドォン





ヒュンヒュン

戦艦棲姫「?」ヒョイッ

スカッ

霧島「おいィィィィィィィィっ!」

金剛「もう…ダメネ…」ガクッ

榛名「そんな…」ガクッ 

209 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:51:41 ID:LCTTMrPU

霧島「ちっ」ダッ

戦艦棲姫「…シズメ」ドォン

霧島「」ヒョイ

バゴォン
<ヒェー 

霧島「ワン、ツー!」シュシュッ

ドッ ドッ

霧島(くっ…硬い…)ジワッ

戦艦棲姫「…コザカシイ」ブンッ

グシャッ バシャーン

榛名「霧島!」 

210 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:54:15 ID:LCTTMrPU

霧島(強い…! …邪魔さえ入らなければ何とか…!)

霧島「姉さんたちは逃げてください! 時間稼ぎしますっ!」

金剛「そんな姐さんを置いてなんてムリネーッ!」

霧島「はっきり言って、てめえらじゃm―」

ピコンッ

比叡「電探に新たな艦船反応!?」

榛名「至近距離!?」

金剛「そんなのどこにも…」




…ぁぁぁぁぁ…!!!




211 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:55:11 ID:LCTTMrPU




榛名「何か…聞こえる…?」





「…せんだあぁああああああっっっっ!!!!」




戦艦棲姫「…チョクジョウ…?」



ズガガガガガガガガガッ!!!!!!

戦艦棲姫「…ゥ…」パキンパキンチュンキンキン

バッシャァアアアンッッッ!!

「川内参上!」

川内「さぁ! 私と夜戦しよっ!」 

212 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:55:55 ID:LCTTMrPU





雷「メロンちゃん。川内の着水確認したわ」

夕張「了解。あとメロンって言うな」

響「メロンちゃん、敵潜水艦を発見したよ」

電「ダメ…なので…すぅ…」ウツロウツロ

夕張「対潜ミサイル用意。あとメロン言うな」カチッ 

雷「発射!」カチッ

シーン

夕張「…不発?」 

213 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 18:56:36 ID:LCTTMrPU

響「メロンたん。私が手動で撃って来よう」ウィーン

夕張「頼むわ。あとメロンやめろ」

暁「Zzz」

夕張「ん? 輸送機…ミサイル…潜水…手動…スイッチ…あれ、これって…」

雷「メロンちゃん大変! 響が落ちたわ!」 

214 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:20:55 ID:LCTTMrPU
【矢矧隊】

Z1「Feuer!」バァン

Z3「Feuer」バシュッ

由良「てー」ドォン

「フフッ」

バゴォン ドゴォン

ビスマル級「ソンナノジャ、ワタシノソウコウヲツラヌケナイワヨ!」ガチャン

ビスマル級「ビスマルクノタタカイ。ミセテアゲルワ」ドォン

ヒュン バゴォン 

215 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:21:40 ID:LCTTMrPU

Z1「あうっ!?」

Z3「ちっ…」

矢矧「さすが…戦艦、といったところね…」

ビスマル級「アラ、モットホメタタエテモイイノヨ?」フフン

由良「すごーい」

ビスマル級「フフン」

Z3「…レーベ…」

Z1「ま、まだ航行できる…」

ビスマル級「アキラメナサイ。クルシムダケヨ」ガチャン

矢矧「全艦散開! 回避に専念して!」

Z3「了解」

Z1「了解!」

由良「うん♪」 


216 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:22:57 ID:LCTTMrPU


ビスマル級「フゥ…イッピキズツ、ツブシテアゲルワヨ!」ガシャン


…ヴゥゥゥン…

Z1(航空機!?)

Z3「レーb―!」

…シュゥゥゥゥ…

Z3(魚雷…!? 避けきれない!)

バゴォン ドゴォン ズゴォン

Z1「うわぁぁぁあああああああっっっ!!!!」
Z3「…っ…ぐっ…!!!!」

ビスマル級「…ヨケイナコトヲ…」 

217 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:23:52 ID:LCTTMrPU



「セイラントサンソギョライ、イケテルデショ?」チャプン



ビスマル級「チョット、ヨコ盗りシないでくれるかしら!」

イ四○一「えー、手伝っただけなのにー…」

ビスマル級「これぐらい、私一人で十分よ」

イ四○一「あー、はいはい…」

矢矧「大丈夫!?」

Z1「うぅ…」

Z3「ぅ…ぁ…」

矢矧(潜水艦……流石に鳥海でも電探じゃ分からないわね) 

218 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:25:40 ID:LCTTMrPU

イ四○一「あー…戦果はあげるから許して、ネ?」

ビスマル級「ふん、トウぜんヨッ!」ガチャン

由良「矢矧ちゃん。二人を頼める?」

ビスマル級「…」

由良「一対一で戦おう? 逃げたりしないし―」



由良「ちょっといいとこ、みせてあげるよ?」ガチャン





ビスマル級「フフフフ…アハハハハ…ッ」 

219 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:27:15 ID:LCTTMrPU

ビスマル級「ヒトリデ、ダイジョウブ?」

ビスマル級「ワタシモ…ナメラレ―!」

ズゴォオオオオオオンッッッ!!!

ビスマル級「ナニ?」

イ四○一「ゥ…ヤダヤダァ…シズンジャ…ゥ…」ブクブクブクブク

バッシャァアアアアアンッッッ!!




「…ドイツは軍艦も二級品か…」スッ




220 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:28:37 ID:LCTTMrPU

ビスマル級「…ナンデスッテ?」

由良「だれ?」

「駆逐艦ひb…Верныйだ」

Вер「我が司令官の命で、貴艦隊を迎えに来た」










由良「あれ? 酒臭い?」

Вер「…ひっく…」 

221 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:29:11 ID:LCTTMrPU

【海上・古鷹艦隊】

トネ級「ワガカンサイキカラ、ニゲラレルトオモッタカ!」ドォン

古鷹「うっ…!」バゴォン

古鷹(探照灯つけなくてもここまで狙われるの…!?)

チクマ級「…ソコデスカ」ドォン

加古「くそっ!」バゴォン

加古「卑怯だぞ、それ!」

トネ級「ヤリタカッタラヤレバヨイゾ」

チクマ級「デキルノデアレバ、デスケド」

古鷹「加古! 無事!?」

加古「…帰ったら、死ぬほど寝てやる…!」ドォン 

222 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:30:19 ID:LCTTMrPU

ヒュン ボォォォン

トネ級「ホレホレ、コッチジャゾ!」ドォン

バゴォン

加古「やっべっ!」

古鷹「一度引く?」

加古「でも、あの航空機から逃げられるか?」

古鷹「それに…速力は向こうが少し高いかも…」

加古「なら、最後まで足掻こうよ…」

バッシャーン



「ウミノナカカラ、コンニチハー!」



加古「!」 

223 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:30:54 ID:LCTTMrPU

古鷹(潜水艦…!?)


イ五八「五八ダヨ!」バシュッ


加古(この…まにあわない…!)

古鷹「加古!」

ズドォオオオオオオオン

加古「はぁ…はぁ…」ボロ

イ五八「ア、シロ、デチ」ピラッ

加古「この…変 やろうがぁっっ!!!」ドォン

イ五八「五八ハおリこうサンでち」チャプン

ボォォォォン

加古「く、そっ…潜水しやがった…」 

224 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:32:13 ID:LCTTMrPU

古鷹「加古! 大丈夫なの!? 今日の●●●は白なの!?」

加古「ふ、るたか…離れろ…」

古鷹「加古…私は黒が―」

加古「次、いつあいつが…く、るか…」

古鷹「…っ!」

チクマ級「ナケルハナシデスネ」

トネ級「シカシ、メイレイハゼッタイナノデナ」 

225 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:33:22 ID:LCTTMrPU

古鷹「させないっ!」バッ

加古「ふる…た、か…!」

古鷹「加古、静かにしてて…」

古鷹「それに私、庇うの慣れてるから」ニコッ

トネ級「ウム、ヨイココロガケジャ―」

トネ級「ワガハイモ、ゼンホウモンデ、シュクフクシヨウ!」ガチャン

古鷹「…」 

226 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:33:56 ID:LCTTMrPU

トネ級「ソノカン、モラッタァッ!」ドォンンドォンンドォンドォン

古鷹「…っ」


ヒュン








バゴォオオオオオオオン






227 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:34:59 ID:LCTTMrPU

【海中】

イ五八「魚雷装填したら追撃デチ♪」ニヒヒ

「させないのね!」バシュッ

イ五八「デチィ!?」ボォン

「あんたの相手はこの伊19がするのね!」

イ五八「イイデチ…五八モ、ヒトリデ、センカアゲルデチ!」スッ

伊19(水上の爆発や月明かりで何とかみえるのね…)スイー

伊19(それに、あの色の髪の毛…)ガチャン

伊19「狙ってくれって言ってるようなものなの!」バシュッバシュッ

イ五八「デチィ!?」スカッ バゴォン 

228 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:35:53 ID:LCTTMrPU

伊19(にっひひ…これなら楽勝なの―)

イ五八「」ニヤ

伊19(!?)ゾクッ

「…ヒソカニチカヅイテ―」ガチャン

伊19「後ろなの!?」

「カクジツニシズメルノ」バシュッ

伊19「なのーっ!?」バゴォン

ズシャァッ

イ五八「サクセンセイコウデチ!」

イ一六八「ヤッタ! 一六八ニオマカセ♪」 

229 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:36:31 ID:LCTTMrPU

伊19(もう一艦いるなんて…気付かなかったのね…)

伊19「でも…それでこそ…」

イ一六八「…チョクゲキノハズ…」

伊19「伊19は…燃えてくるのね!」ムクッ

イ一六八「マア、イイワ。ツギコソ、シトメテアゲル!」スゥ…

伊19(消えたの!?)

イ五八「カマッテクダチィッ!」バシュッバシュッ

伊19「なのぉ…!」スッ

ボォンボォン

伊19「でちでち、うるさいのね!」バシュッ

イ五八「アタラナイデチ~」ヒョイ 

230 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:37:19 ID:LCTTMrPU

ガチャン

伊19「!」

イ一六八「サァ、センカヲアゲテラッシャイ!」バシュッバシュッバシュッ

伊19(真下なの!?)

ヒョイヒョイヒョイ

伊19「あ、危なかったのね…」

伊19(あの浮き輪の無音潜行…厄介なのね。でもそっちばかり気にすると―)

イ五八「アタッテクダチィ!」バシュッ

伊19「な…のぉっ!」グッ ヒョイ

伊19(でちでち、うるさいのが、狙ってくるのね…)

伊19「ふっふーん。伊19だって回避できるなの」ジジジジジ

伊19(機関部も最初の攻撃受けてからおかしな音してるの…) 

231 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:38:04 ID:LCTTMrPU

ガチャン

イ一六八「シズミナサイッ!」バシュッ

伊19「なのっ!?」バゴォン

伊19(…音?)

イ五八「デ、チィッ!」バシュッ

伊19(浮き輪は遠距離から魚雷を撃てないなの?)ヒョイ

伊19(……)

伊19「こうなったら…一か八か…なのねぇ」スッ

イ五八「…?」

伊19「すぅー…はぁー…」プカー

イ五八「ドウシタデチ? アキラメタデチ?」 

232 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:39:22 ID:LCTTMrPU

伊19「…そう思うなら、攻撃すればいいのね」

イ五八「…ソウサセテモラウデチィ!」バシュッ

伊19(待つのね…)

シュゥゥゥゥ…

伊19(集中するのね…提督の…寝込みを狙う如月みたいに…息を殺すのね…)

シュゥゥゥ

伊19(…今なの!)ヒョイッ

スカッ

伊19(そして体勢が悪いここでいつも…!)




ガチャン…




233 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:39:57 ID:LCTTMrPU

伊19「そこなのねっ!」ガチャン クルッ

イ一六八「ミツカッタ!?」

伊19「酸素魚雷っ! 六発発射なの!」バシュッ

ドゴォオオオオオオオン

伊19「やったのね!」

ガチャン

イ五八「コノシュンカンヲマッテタデチ!」ゴリッ

伊19(な…の…っ!?)

バシュッ

ドゴォオオオオオオン

イ五八「五八ヒトリデ倒したほうが、ほめらレるでち♪」

…ドシャッ 

234 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:40:33 ID:LCTTMrPU

イ五八「五八はおりこうさんでち♪」

イ五八「しっかり轟沈確認もするでちー」スイー

イ五八「うーん…どこにいるでちぃ…? 目立たない髪色だから―」

ガシッ

イ五八「デチィ!?」

伊19「つ、かまえた…の、ね…にっひひ…」

イ五八「ハナスデチ!」ゲシッゲシッ

伊19「伊19は…た、だ、じゃぁ…沈まない…のねぇ…!」ガチャン

イ五八「マ、マツデチ! コノキョリデウッタラ、トモダオレデチヨ!?」 

235 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:41:14 ID:LCTTMrPU



伊19(…提督…―)



伊19「ねら、った…え…のは…ぜ、ったい…逃が、さない…のね!」




伊19(伊19、本当はね…)




イ五八「オツツクデチ! ヤメルデチィッ! コノッ!」ゲシッ





236 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:41:49 ID:LCTTMrPU







伊19(…構って欲しかっただけなのかも、知れない、のね…)









伊19「…にっひひ」





バシュッ―






237 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:42:34 ID:LCTTMrPU
【古鷹艦隊】

加古「古…鷹…」

古鷹「…」

フラッ…バシャン

古鷹「…あ…れ?」

「か…庇うってこんなに大変なんですねー…」プスプス

加古「…だ、誰だこいつ」

「あ、青葉ですぅ…一言、おねがいしますぅ…」バタンキュー

古鷹「あ…青葉…?」 

238 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:43:21 ID:LCTTMrPU

トネ級「ヌゥ、思わぬ邪魔がはいったのぉ…」

チクマ級「トネネエサン。フセテクダサイ」

トネ級「ウヌ?」



ヒュン…ドゴォン



トネ級「なんジャ!? ヒダンカ!?」



「ほらっ、もう一発!」ドォン



ボォン 

239 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:43:58 ID:LCTTMrPU

チクマ級「ゾウエンデスネ」

「まったく青葉は無茶するんだから…」

青葉「あ、あおば…大破は…なれてます…」

「衣笠さん。電探によると周辺の水上艦はそいつらだけみたい」

衣笠「分かったわ。叢雲ちゃん、青葉のこと、よろしくね」

叢雲「…前にもこんなこと無かった…?」

青葉「恐縮ですぅ…」

衣笠「こっちは衣笠さんに任せなさい♪」ドォンドォン

ボォンボォン 

240 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:44:31 ID:LCTTMrPU

トネ級「スウテキニ、フリニナッタノォ…」

チクマ級「…ズイウンカラデス。サクセンシッパイ、ダソウデス」

トネ級「ヌゥ…シカタナイノォ…」ダッ

衣笠「待ちなさいっ!」

チクマ級「ソレデハミナサン、シツレイシマス」ペコッ

衣笠「逃げても無駄よ!」ドォン

チクマ級「…ウルサイ、デスヨ?」ニコッ

ドォン バゴォオオオオオオン

衣笠「きゃっ!?」ドゴォン

加古「ほ、砲弾を貫通して…」

古鷹「艦に命中した…」 

241 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:45:14 ID:LCTTMrPU

叢雲「やめましょう。任務は護衛です」

衣笠「それも、そうね…」

加古「せ、せんすい、か、んが…まだ…」

衣笠「大丈夫よ。うちの潜水艦が相手をしてるはずだから」

加古「そうn…zzz」ガクッ

衣笠「だ、大丈夫!?」

古鷹「あ、はい。いつものことなので。私が運びま…っう…!」

衣笠「待って、貴方も被弾してるんだから…」

古鷹「い、いえ…加古は…私が…」 

242 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:45:57 ID:LCTTMrPU

叢雲「まったく…」カチャン

古鷹「うっ…!? ぁ…」

バタッ

叢雲「厚意に甘えなさいよ…」

衣笠「何したの?」

叢雲「ちょっと、痛覚を敏感にして、気を失わせただけです」

衣笠「毎度思うけど、その電探便利ね」

叢雲「その分、疲れますけどね」ガサゴソ

叢雲「衣笠さん。青葉さんの曳航準備でき―」

叢雲「っ…!」 

243 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:46:32 ID:LCTTMrPU

衣笠「どうしたの?」

叢雲「…」




バッシャーンッ…





叢雲「…伊19…?」





244 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:47:56 ID:LCTTMrPU
【矢矧艦隊】

バァン

ビスマル級「ナニ? マメデッポウナノ?」パキン

Вер「…さあ? どうだろうね」

ビスマル級「イセイノワリニハヨワイワネッ!」ドォン

Вер「っ!」

バシャーン

ビスマル級「フフン。ワタシヲアナドルカラコウナルノヨ…」

ビスマル級「コウクウキ、サエナケレバ、ワタシハサイキョウナノヨッ!」

Вер「最強か…」スッ 

245 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:48:29 ID:LCTTMrPU

ビスマル級(背後!?)ブンッ

Вер「おっと…」ヒョイ バァン

ビスマル級「グッ」パキン

Вер「Огонь!!!」バシュッ

ビスマル級「グッ…!?」ドゴォン

Вер(魚雷を耐えるか…)

ビスマル級「…ウザッタイワネッ!」ドォンドォンドォンドォン

Вер(砲身を海面に…?) 

246 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:49:06 ID:LCTTMrPU

ボォンボォンボォンボォン

Вер(水柱…視界が…)

ビスマル級(イマノウチニ、キョリヲ―)

Вер「хорошо。前言撤回だ。ドイツの技術力は一流だ」

ビスマル級「!」

Вер「ドイツは兵が二流だったんだな」

ビスマル級「ウエカ!」ドォン

Вер「おっと…帽子が吹き飛ぶところだった…」ヒョイッ

ビスマル級「フフ、クウチュウナラ、ニゲラレナイワネ!!」ガチャン

Вер「…よく狙ってくれ…」バァン 

247 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:49:51 ID:LCTTMrPU

ビスマル級「ナンドヤッテモ…オンナジ…」カチッ

ドゴォン

ビスマル級「グゥッ!?」

ビスマル級(ホウトウニ、コウゲキガハイッタ…!?)

Вер「yaa」

ビスマル級「ソンナマグレ―!」ガチャン

Вер「…それが、命取りだよ」バァンバァンバァンバァン

ドゴォンバゴォン

ビスマル級「…グッァァアッ…!」 

248 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:50:46 ID:LCTTMrPU

Вер「さ、止めだ」

ビスマル級「…フッ…アナタノコウゲキジャ、ワタシノソウコウハ…」

Вер「これでも…そんなこと言える?」ガコンッ

ビスマル級(ギョライ…コレハ…!)



Вер「…やっぱり…航空魚雷がダメなんだね」



ビスマル級「…イヤッ…ワ、ワタシハ…セカイイチノセンカン…」

Вер「ま、自分で弱点言っているようなものだったけど」

ビスマル級「…コンナ…クチクカンニ…マケル…ナンテ…!」

Вер「…肝心な部分が…誰かさん以下、だな…」 

249 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:51:45 ID:LCTTMrPU




Вер「Умри!」





バゴォオオオオオオオオオオン



バシャン

Вер「…ふぅ…ひっく…」

響「…航行できるかい?」

Z3「何者? あなた…」

響「貴艦隊が泊まる母港の艦娘さ。ドイツは嫌いだが道案内はしっかりするよ」 

250 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:52:17 ID:LCTTMrPU

【金剛型艦隊】

川内「ほらほらぁっ!」ドォンドォン

戦艦棲姫「…ッ」

川内「まだまだいくよ!」ドォンズガガガガガン

戦艦棲姫「…ソンショウ…ゾウダイ…キケン…!」ドォンドォン

川内「当たらないよ!」ヒョイヒョイッ

グンッ

川内「せいやっ!」シュッ

ゴッ…メキッ…バゴォン

戦艦棲姫「…シュホウ…ハカイ…!?」 

251 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:53:08 ID:LCTTMrPU

川内「いった~。装甲硬いね~」

川内「…でも、それも、いい!」ダッ

霧島「か、踵落としで…主砲を…」

金剛「なに、ぼさっとしてるネ! 援護するデスヨー!」

榛名「は…はいっ!」

比叡「撃ちます。当たって!」ドォンドォンドォンドォン

ボォンバゴォンズゴォンゴォン

戦艦棲艦「…フリ、カ…」

ピッ

戦艦棲姫「ジカン…テッタイ…? …リョウカイ…」

川内「おらぁっ!」ドォン

ボォン 

252 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:54:03 ID:LCTTMrPU

ボォン

戦艦棲艦「…マタ…アイマショウ…」ガチャン

ドオン ボォォオオオオオオオオオン

川内「うわっと…」

霧島「自分の足元に…斉射…!」

榛名「水しぶきで何も見えません…!」

比叡「ひえー!」バシャン




ザァーッ…





253 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:55:08 ID:LCTTMrPU

金剛「…escape?」

霧島「恐らくは…」

川内「う~ん。久しぶりに手ごわい相手だった♪」ツヤツヤ

榛名「手が血だらけじゃないですか!」

川内「こんなの舐めとけば直るよ」



霧島「どうして…。まだ十分戦えるはずなのに…」

金剛「hey,霧島。考え事はテートクと合流してからにするネー」

霧島「そう、ですね。十分時間は稼げたはず…」 

254 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:55:57 ID:LCTTMrPU





霧島「時間を…稼ぐ…」




金剛「Sister?」

ピッ

霧島「鳥海! 聞こえる!?」

『………』

霧島「鳥海!」

『き…りし、ま?』

霧島「司令!? 何かあったんですか!?」 

255 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:56:28 ID:LCTTMrPU

女提督『…に……わ……』

霧島「聞こえません! マイクのおんr―!」

『…エガスルナー』

霧島「…」

『コレカナ? モシモーシ?』

霧島「…誰ですか。貴方は」

『アノネェ。ワタシガンバッチャッタ! ゼーンブゼーンブ、タタキツブシタヨ!』

霧島「…質問に答えてください」 

256 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:56:59 ID:LCTTMrPU



『ココニイルミーンナ、モラッテクカラネ♪』



霧島「…!」

『イジョウ―』


『レ級チャンガオオクリシマシタ!』


レ級『アハ…アハッアハハハハッハハハアハッハハハハハッ!!!!』






バギッ 

257 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:57:30 ID:LCTTMrPU

【海上】

イ五八「痛いの痛いの…飛んでかないよー!」プカー

イ五八「運良く生きてたけど…潜行できないでちぃ…」

イ五八「この五八を傷つけるなんて…」

ピカッ

イ五八「でち?」

イ五八「艦娘でち? 良かった…曳航シてモラウデチィ…」ニヤ

イ五八「ア、アブナイデチ…。ヘイジョウシンヘイじょうしん平常心…」

イ五八「すみませーん。曳航してくだちぃ!」

「…」

イ五八「お願いするでち」 

258 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:58:03 ID:LCTTMrPU

「…」ガチャン

イ五八「な、なにスるでち!? 五八はカんむすでチよ!」

イ五八「いまスグ、やめルデチ! ヤメルd―」

ドゴォオオオオオオオン




「…」スッ

眼鏡「何かありましたか? 能代」

能代「…いえ、敵潜水艦が浮上していたため仕留めました」

眼鏡「そうですか」 

259 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:58:47 ID:LCTTMrPU

朧「司令官、カニさんが見つけたみたいです」

朧「おそらく、そこに離島棲鬼もいると思い、ます」

眼鏡「…分かりました」

朧「戦いたく、ないですか?」

眼鏡「そりゃ、同じ提督として尊敬する部分も多かったですから」

眼鏡「でも…今は、任務に私情を挟んだらダメですからね」

眼鏡「第一艦隊。全艦前進」 

260 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/29(火) 19:59:25 ID:LCTTMrPU





眼鏡「裏切り者の女提督を始末しに行きましょう」





朧「了解」

能代「…了解」




to be continued ? 

261 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/30(水) 19:00:05 ID:AiqcTQig
【翌朝】

男提督「伊19…」

叢雲「ごめんなさい…私がいながら…」

吹雪「…」

如月「…ちょっと、お部屋で休んでいるわね…」

吹雪「…わかりました」

ガチャ バタン

男提督「…女提督は?」

叢雲「いなかったわ。護衛の艦娘も綺麗さっぱりね」

男提督「ふむ…」 

262 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/30(水) 19:00:47 ID:AiqcTQig

コンコン

男提督「誰だ?」

矢矧「女提督所属。阿賀野型三番艦矢矧です」

霧島「同じく、金剛型四番艦、霧島です」

男提督「どうぞ」

ガチャ

男提督「具合はどうだ?」

矢矧「おかげさまで。ありがとうございます」

男提督「堅いなー。あいつに対応する感じでいいんだよ?」

霧島「いえ、一応世話になっている身ですから」

男提督「そう、ならいいや…」 

263 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/30(水) 19:01:33 ID:AiqcTQig

男提督「まだ部屋でゆっくりしてるといい」

矢矧「いえ、疲れは―」

男提督「嘘つくな。寝れなかったろ」

霧島「…すみません。折角お部屋を貸して頂いたのに」

男提督「わかるよ。心配するな、って言われても心配するもんだ。こういうときは」

男提督「今、空母たちに探させている。直に見つかるだろ」

霧島「…ありがとうございます」

吹雪「あの人なら、ひょっこり帰ってきそうですけどね」

男提督「まったくだ」

矢矧「そう…ですね」 

264 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/30(水) 19:02:08 ID:AiqcTQig

コンコン

漣「叢雲ちゃ~ん。部屋に残った 着捨てちゃうぞ~!」

叢雲「ちょっと、待ちなさい! それは秘蔵のふb…」チラッ

吹雪「?」

叢雲「な、なんでもないわよ!////」

漣「焼却炉にしゅうううううううううううううううっ!」

叢雲「やめなさい! 酸素魚雷食らわせるわよっ!?」バタバタ

バタン

矢矧「…にぎやかな、ところなんですね」

男提督「嫌味なのか? あいつ直伝の技なのか?」 

265 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/30(水) 19:03:01 ID:AiqcTQig

霧島「どこか…司令と似ているのかもしれませんね」

男提督「もしそうなら間違いなく、あいつに毒されたんだよ」

吹雪「仲…良いんですね」ガチャン

男提督「腐れ縁というかなんというか…ですから砲身下げてください。あと目に光をどうぞ」

吹雪「司令官! お腹に力込めて下さい!」バァン

男提督「ごほぁっ!」バタッ







矢矧「提督…」

霧島「…無事、ですよね…」 

266 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/30(水) 19:04:40 ID:AiqcTQig
【離島】

女提督「うふふ…夕雲ちゃん、耳の裏がぁ…ムニャムニャ」

女提督「ん…がぁ…?」

女提督「これは…」スンスン

女提督「女の子が一人で●●した翌日の朝のにお―」

「…ソンナニオイ…シナイワ…」

女提督「おっと…鬼が島の鬼ちゃんじゃないの」

離島棲鬼「…オヒサシブリデス…」

女提督「何の御用? というか、生きてたんだ」 

267 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/30(水) 19:05:16 ID:AiqcTQig

離島棲鬼「…ソノマエニ…チョウショクヲ…戦艦棲姫…」

戦艦棲姫「…ドウゾ…」スッ

女提督「これは…」

女提督「どろっとした滑りに、ぷるぷるの白スライム状態…まさか…離島棲鬼ちゃんはふたn―」

戦艦棲姫「シズメルゾ…」ガチャン

女提督「はっはっはー。アドミラルジョークだよー」

離島棲鬼「…よーぐると…トイウリョウリ…ダッタハズデス…」

女提督「ちっ  からの母 g―」

戦艦棲姫「」ゴリッ

女提督「いただきまーす」パクッ 

268 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/30(水) 19:05:53 ID:AiqcTQig

女提督「うーん。フツー」

離島棲鬼「そうですか。食べられる味付けで良かったです」

女提督「!?」

離島棲鬼「私たちの言語がわかりやすくなるように細工しておきました」

女提督「ほーん」パクッ




女提督「で…朝食のお誘いってことじゃないんでしょ?」

女提督「出入り口は閉められてるし、逃げ場はなしっぽいし…」パクッ

女提督「私の艦娘はどうしたの?」 

269 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/30(水) 19:06:34 ID:AiqcTQig

女提督「それが…交渉条件?」

離島棲鬼「察しがいいです。でも順に説明させていただきますね」

離島棲鬼「まずは手荒な真似でお連れしたことを―」

女提督「あ~そんなの要らない」ブンブン

女提督「要点だけ、すっとお願い」

離島棲鬼「…貴方に私たちの深海棲艦の提督となっていただきたいのです」

女提督「…目的は?」




離島棲鬼「貴方達の大本営の壊滅」




女提督「…面白いね」 

270 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/30(水) 19:08:01 ID:AiqcTQig

離島棲鬼「理由ですが…貴方は大本営が深海棲艦を作り上げているということを知っていますか?」

女提督「知ってるよ」

離島棲鬼「それでは、深海棲艦の原動力はご存知ですか?」

女提督「…恨みやつらみ、憎しみ?」

離島棲艦「はい。大体正解です」

離島棲鬼「その恨みや辛み…負の感情を生み出し続ける物を大本営が隠し持っているということは?」

女提督「…初耳、だけど。なんとなーくそんなものはありそうな気はしていたよ」

離島棲鬼「それが私たちの原動力です。その破壊をお願いできないでしょうか」

女提督「…いいの? 原動力なんでしょ?」 

271 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/30(水) 19:10:04 ID:AiqcTQig

離島棲鬼「仮に私たちが滅んでも、彼ら新たに深海棲艦を生み出し戦いは続く」

離島棲鬼「彼らが…その源さえ失えば二度と深海棲艦は生み出されません」

離島棲鬼「そのために、私たちは逃げて来ましたから」

女提督「逃げたって…マジ?」

離島棲鬼「はい。もっと同志は居ましたが先日の大規模作戦でほとんどが失われました」

女提督「ああ…あの攻略作戦はガチだったのか…」

離島棲鬼「ご理解できますか?」

女提督「…その原動力だったかを壊しても平気なの?」

離島棲鬼「私たちも元艦娘です。もう誰だったか記憶は壊れてしまいましたが、艦娘の部分だけ残ることでしょう」

女提督「…深海棲艦化計画?」

離島棲鬼「今は、そう呼ばれています」 

272 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/30(水) 19:10:50 ID:AiqcTQig

女提督「…」

離島棲鬼「信じられませんか?」

女提督「うんにゃ、信じるよ」

離島棲鬼「…本当ですか?」

女提督「本当よ。自分から頼んどいてその反応はおかしいんじゃない?」

離島棲鬼「で、ですが…もう少し疑心とか…」

女提督「あっははー。信じてほしいのか信じて欲しくないのかどっちよー」

女提督「ただし条件付きね」

女提督「まず、私の艦娘を返してもらう」

女提督「それと戦いが終わったら君ら三人は私と住む」 

273 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/30(水) 19:11:24 ID:AiqcTQig

レ級「私もー?」ヒョコ

戦艦棲鬼「私は離島の鬼についていきます」

離島棲鬼「…いいですよ。戦いが終わったら、貴方の愛奴にでもなりましょう」

女提督「よっしゃぁああ! カワイコちゃんゲットだぜぇ!」グッ

離島棲鬼「艦娘は…あなたの後ろですよ」

女提督「およ?」クルッ

レ級「おーぷん!」バサッ 


274 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/30(水) 19:12:58 ID:AiqcTQig

夕雲「提督…」

蒼龍「…zzz」

飛龍「…やれやれ…敵と手を組むとはね」

鳥海「…」

摩耶「ま、何ともいえないな」

巻雲「えーと…どういうことですか?」

菊月「…司令官の指示に従おう」

三日月「信じてますからね」

明石「…あー…クレーンのメンテしたい…」ウズウズ

離島棲鬼「全員、元気ですよ…傷は直して欲しくないそうでした」