【1/3】 【2/3】 【3/3】


1
: :2010/11/01(月) 22:58:26.86 ID:
スレ立たない気がするけど、少しだけ聞いてもらいたいな… 

書き貯めてもないけど…


2: :2010/11/01(月) 22:58:52.11 ID:
おう続けろ
6: :2010/11/01(月) 23:00:31.15 ID:
九州の田舎に生まれた俺は、カーチャンにめちゃくちゃ溺愛されてた。 

アルバム、太いのが5冊もあるんだ。 

それ見たら、語りたくなった。
8: :2010/11/01(月) 23:04:01.38 ID:
三歳で補助輪付きの自転車を買ってもらった。 
カーチャンが働いて頑張って買ってくれたらしい…。 
めちゃくちゃ嬉しかった俺は、友達と乗りつぶした。 
一年も経たないうちに壊してしまった…。 
俺は幼児ながらタヒぬほど泣いたが、カーチャンは 
「あらあら…」といい、泣いているのに少し困った顔をして 
笑ってくれてあやしてくれた。 
このころから少しずつ覚えている。
12: :2010/11/01(月) 23:06:35.78 ID:
男は総じてマザコン
14: :2010/11/01(月) 23:07:39.99 ID:
四歳になった頃、何かと間違って石鹸を食べてしまった。 
元々何でも口に入れてしまっていた俺、口が腫れた(?)らしい。 
親父は冷静沈着だったらしいが、カーチャンはかなり泣いていた。 
めちゃくちゃオロオロしたらしい。 
なんで目を離してしまったんだろうって。
16: :2010/11/01(月) 23:11:39.49 ID:
それで母親はあわてて病院へ連れて行き、口の薬?をもらって 
帰ったのだが、母親は安心したのか、帰るときにトーチャンの車の中で 
揺られながら眠ってしまい、なかなか起きなかった。 
俺はカーチャンを起こそうとしたが、トーチャンが 
「寝かせておき」 
といい、そのまま寝かせておいた。 
多分家に着いてから、トーチャンが抱きかかえて連れ帰った。
17: :2010/11/01(月) 23:16:59.89 ID:
5歳!お年玉がやってきた。 
俺はさすがに「お年玉」システムを世間から学習し、 
トーチャンにおねだりした。500円くれた。 
幼稚園の友達はもっと高額にもらっていたため、落ち込んだ。 

後日、察したのかカーチャンが働いたお金から千円くれた…。
19: :2010/11/01(月) 23:21:23.65 ID:
6歳。トーチャンが自転車を買ってくれた。 
トーチャンが練習を手伝ってくれるのだが、仕事が忙しくてあまり 
練習できなかった。 

そんな時、カーチャンが仕事上がりで一緒に自転車の練習をしてくれた。 
一緒にめちゃくちゃ練習し、一人でも乗れるようになった。 
練習の終わりには、いつも麦茶を淹れてくれた。 
自転車を乗れるようになって、カーチャンと一緒に飲んだ麦茶は、最高にうまかった。 

ずっと、忘れてない。
20: :2010/11/01(月) 23:21:58.10 ID:
なんだただのマザコンか
25: :2010/11/01(月) 23:28:10.13 ID:
妹が生まれた。 
トーチャンは妹にベタベタだった。 
特に女の子だからな。 
兄弟の上に立つ人なら分かると思うが、ヤキモチ焼いてしまうと思う。 
そんな俺も例外でなく、めちゃくちゃ焼いた。 
でもカーチャン、平等に接してくれた。 

「妹が生まれたから、俺くんはまた、お兄ちゃんになったね!」 
「俺くん、妹を守ってあげてね。」 
「でも妹が生まれても、俺くん大好きだから。」 

カーチャンがそう言った。カーチャンは当時、 
俺のことを「○○くん」と、くんづけしていた。 

小学生ながら、かなり甘えたと思う。
26: :2010/11/01(月) 23:29:48.94 ID:
もう既にグッときてるんだが……
29: :2010/11/01(月) 23:37:12.36 ID:
7歳。小学2年生初夏… 

転校が決まった。 
トーチャンの転勤が決定したからだ。 

俺は最初、「転校」の意味が全くわからなかった。 

トーチャンは 
「これから、初めて行く学校に変わるんだ。 
俺くんは、もうすぐ新しいところに住むんだよ」 

と説明したが、「??? え?なんで?」 
といい、一区切りついて理解して、泣き叫んだ。 

「嫌だ嫌だ!!!お友達と離れたくないよー!やだやだ残る!!」 

みたいな事を言ったんだ。 

カーチャンが少しだけ困った顔をしながらこう言った。 

「俺くんは、これから新しい学校に行っちゃうけど… 
俺くんは誰とでもお友達を作れちゃうから、大丈夫! 
新しいおうちも、ちょっぴり広いよ♪ 
それから、お母さんが貯めたお金で、たまにお友達に一緒に会いに行こ! 
たまーにだけどねw」 

って言ってくれた。
31: :2010/11/01(月) 23:44:02.76 ID:
8歳。小学3年生。 
カーチャンと一緒に、引っ越す前の場所に旅行で連れていってもらった。 
さすがに1年前。何も変わってなくて。 
友達とも遊んだ。一日中。 

でも、カーチャンは……。 
何もやることないのに、朝っぱちから夕方まで暇をつぶしてくれていたんだ。 

迎えに来てくれた時、なぜかその友達におもちゃ、 
カーチャンにお菓子をあげていた。 
俺は、なんでなんで!?と言っていた。 


帰りに雑談しながら帰った。 

俺「何をやっていたの?」 
カーチャン「内緒wブラブラしてたw」 

電車の中で、プラモをプレゼントしてくれた。 
友達にあげてたやつの色違いだ…。 

カーチャン「また2人で来ようね♪」
32: :2010/11/01(月) 23:44:03.66 ID:
またお前か 
カーチャンネタはやめろ…
33: :2010/11/01(月) 23:44:04.79 ID:
カーチャンがタヒぬ話なら俺はもう寝るぞ!見てられんわ!
34: :2010/11/01(月) 23:45:18.50 ID:
>>32 
>>33 
すいません…カーチャンスレ立てたの、初めてなんです… 
ちなみに体験談なんですけど、あんまり需要ないですかね…
35: :2010/11/01(月) 23:45:56.93 ID:
あるよ
40: :2010/11/01(月) 23:53:42.40 ID:
9歳、小学4年生。夏休み。 
俺は家の前で友達とドッジボールをやっていた。 
今考えてみれば馬廘なことをしていたが、結構危ない場所だと思う。 

「スイカ冷えてるわよー!」 
ちょうどカーチャンがスイカを持って下りて来てくれたとき… 
バイクが突如左折してきて、ボールを避けていた俺がはねられそうになった! 

ところが次の瞬間、カーチャンが俺を突き飛ばした。 
カーチャンはかなり擦りむき、みるからに痛そうだった。 
俺はかすり傷ですんだ…。 
でもカーチャンは痛そうにもせずに、バイクの運転手を叱り飛ばしていた。 
あんなに怖いのみたの初めてだった。 
その後俺も、怒られた。次から違う場所でドッジした。 

スイカ、ばらばらになっていた…。
44: :2010/11/02(火) 00:01:20.06 ID:
12歳。小学6年生。2月。 

俺がインフルエンザになった。 
熱は40℃以上になり、俺は立つことさえできず、苦しんでいた。 

トーチャンはおかゆを作ってくれたり、枕かえてくれたりしてくれた。 

カーチャンは、まったく寝ずに看病してくれた。 
俺はカーチャンに言ったんだ…。 

俺「カーチャン、今年のインフルエンザ、やばいみたいだよね? 
TVで言ってたし…うつるよ…」 

カーチャン「馬廘!そんなの気にしてたら子ども守れないでしょ! 
俺くんに治ってもらわなきゃ、困るんだよ…泣いちゃうんだよ。 
そんなの治ってから言いなさい!!」 

後日、カーチャンにうつした…。 

俺は、学校から帰ってカーチャンの看病してた。 
めちゃまずいおかゆを作って、俺は捨てようとしたが、 
カーチャンは絶対捨てさせず、残さず食べた…。 

カーチャン「あんなこと言って、病気になっちゃったねw」
46: :2010/11/02(火) 00:02:59.58 ID:
13歳、中学1年生。 

カーチャンが、ガンになった……。
47: :2010/11/02(火) 00:06:10.82 ID:
あ、すまない…。 
スペックさらしてなかった。 

現在(年齢換算) 
俺。26歳。職業経理。 
カーチャン。47歳。 
トーチャン。47歳。営業系。 
妹。20歳大学生。
51: :2010/11/02(火) 00:11:50.19 ID:
13歳。中学1年生。夏。「カーチャンの入院」 

カーチャンが入院した。 
トーチャンは、見るからに青ざめていた。やばかった。 
俺は、「え…?え??」って感じで、まだよく状況がわからなかった。 

カーチャンが、運ばれていった。 
急を要するとか言って、その日はカーチャンに会えなかった。 

トーチャンのご飯を食べた。 
よく覚えてる。 
夏なのに、めちゃくちゃ寒かった。 
夏なのに…。
52: :2010/11/02(火) 00:14:48.74 ID:
夏休み、バーチャンがうちの家事をすることになった。 
トーチャンは忙しいので、家事なんてできないでしょ?とのこと。 

ちなみに、カーチャンのカーチャン。 
バーチャンの作ったご飯は、どれもカーチャンそっくりだった。 
やっぱり、親子だなって、子供でも思った。
54: :2010/11/02(火) 00:21:06.26 ID:
カーチャンの病院に、お見舞いに行った。 
めちゃくちゃ会いたくて、院内を走ってしまって、怒られた。 

カーチャンは、とびきりの笑顔で出迎えてくれた。 
でも声は、とても細かった。 

カーチャン 
「突然倒れて、ごめんね…。たまに治療で、来てくれても 
会えないこともあるかもしれない…。ごめんね…。 
今日は、来てくれて、ありがとw嬉しいんだぞw」 

俺は中学生だけど、かなり泣いた。
55: :2010/11/02(火) 00:24:38.46 ID:
家に帰って、バーチャンはちょっと落ち込んでいた。 
カーチャンにすがる俺を見たからかな…。 

その日は、とびきりおいしいカレーをバーチャンが作ってくれた。 
本当に、美味しかった。 

カーチャンにも、たべさせてあげたいとトーチャンに言った。 

トーチャン「からいのは、入院中は、だめなんだよー。」 

と、優しく言ってくれた。 

ちなみに、ガンの種類は、子宮ガン。
60: :2010/11/02(火) 00:34:12.99 ID:
『カーチャンのともだち』 


久々にカーチャンのお見舞いに行けた日、カーチャンに 
お友達ができていた。 
すごく、優しそうな人。優しそうな目をしてた。 
にっこり笑って、俺とも友達(?)になってくれた。 

話しやすい人で、カーチャンもなぜか喜んでいた。 

リンゴをむいてくれて、「おたべ♪」と言ってくれた。 
妹と食べながら、長い時間、その女の人と、カーチャンと、話した。 

「私、早く退院したいな♪そしたら、外で一緒に遊ぼうねw」 

そう言ってくれた。 

空は入道雲が広がり、俺の好きな空だった。 


でも、それからその人と、会うことはできなくなってしまった。
61: :2010/11/02(火) 00:36:54.26 ID:
3日後、楽しみにしていたお見舞いにやってきた。 

「カーチャン!お見舞いに来たよー!」 

戸を開けると、カーチャンの隣のベッドが空席…。 

あ… 

あれ……。 

え………
62: :2010/11/02(火) 00:40:34.49 ID:
偉大だよな母ちゃんって 
63: :2010/11/02(火) 00:41:05.34 ID:
俺「か、カーチャン……ともだち、は…?」 
カーチャン「……」 
俺「え、え…っと…」 
カーチャン「いなく、なっちゃった…」 
俺「え…?」 
カーチャン「俺くんも中学生になったから、もう…わかるよね…? 
亡くなったの…突然急変して…。」 
俺「うそ、だろ…?」 
カーチャン「……(首を横に振った)」 


俺、カーチャンの友達が亡くなったのを知ったのでも号泣した。 
身近に人が亡くなったのは、生まれて初めてだった。
65: :2010/11/02(火) 00:43:21.39 ID:
その後、カーチャンと同じガン、同じ進捗状況で亡くなったことを知った。 

俺はリアルに血の気が引いた。 

カーチャンがタヒぬなんてありえなかった。 
ありえないんだ。 
だって、そうだろ……?
66: :2010/11/02(火) 00:45:29.79 ID:
計画が練られた後日、大がかりな手術が行われた。 

俺は本気で祈った。 

これほど本気で祈ったことがあっただろうか? 

絶対ない。 

タヒぬほど祈った。 

学校休んだ。
68: :2010/11/02(火) 00:48:12.29 ID:
『手術とその後』 


手術は成功した! 
でも後遺症は残った。タヒぬまで現在の医療では治らないらしい。 
今になっても、その医療技術は変わってないらしい。 

カーチャンは少しずつ回復し、笑顔を見せてくれるようになった。 

でも、毎日のようには、会えなかった。
69: :2010/11/02(火) 00:52:00.65 ID:
ある日カーチャンに会いに行き、 

「毎日会いたい!!」 

と、ダダをこねた。ひどいくらいに…。 

そうしたらカーチャン、困った顔をして… 

「ごめんね…。元気になったら毎日会えるからね…。 
そうだ!お母さん、俺くんにお手紙書くね! 
もし俺くんが会いに来てくれて、会えないことがあったら… 
この手紙をおいておくから。ちゃんと読んでねw」 

その日は早くおとずれた。
70: :2010/11/02(火) 00:52:55.33 ID:
>>1は恵まれてるな 
今は子供虐待なんてザラにあるし
71: :2010/11/02(火) 00:53:25.74 ID:
みんなレスありがとう。 
うん、俺のカーチャン、最高なんだ。 
トーチャンと合わせて、親孝行したいんだ。
73: :2010/11/02(火) 01:00:39.90 ID:
『カーチャンのてがみ』 


カーチャンの手紙を預かったと、看護師の人から手紙を受け取った。 

「俺くん、毎日勉強、頑張っていますか? 
私は毎日、病気に勝つように頑張っています! 
受験生になったりと、これから本当に大変だと思うけど… 
俺くんならやれるはず!お父さんの子供だからw 
頭はお母さんに似なくて良かったねw 
ところで、これから寒くなってくるから、絶対身体には 
気をつけてね!!俺くんインフルエンザなったから心配… 

私もだけどw 

何かプレゼントしたいなーと思って、図書券入れておきますw 
これで英語の参考書買いなさい!! 

冗談w 

息抜きに、読みたいの買ってね♪ 

また、会えるの楽しみだね。」 


なんか今読んで、泣きそうだった。
74: :2010/11/02(火) 01:03:05.68 ID:
なんかちょっと字が震えてた。 

ムリして書いたんじゃないかって思い、いてもたってもいられなくなった。 

2日後、会いに行って問い詰めたが、 

「全然ww」 

といって返事を変えなかった。 


絶対ムリしてた。
75: :2010/11/02(火) 01:06:26.70 ID:
『カーチャン退院』 


カーチャンが退院できた! 

獅子舞を踊るかのように喜んだ。 

でも、後遺症が苦しそうだった。 

カーチャン「さて、みんなにおいしいもの食べさせなきゃね!」 

みんなに言った。 


俺はカーチャンに言った。 
「カーチャン、絶対仕事とかするんじゃないぞ」 

危険だからな…
78: :2010/11/02(火) 01:13:30.89 ID:
しえん 
かーちゃん大事にしなきゃだな
79: :2010/11/02(火) 01:14:08.89 ID:
後遺症は思ったよりキツそうで、傷が癒着してたりと、 
カーチャンは苦しんだ。毎晩苦しんでた。 

俺は見るに見れなかった。 
あまりにもかわいそうだった。 

なんでこんな良いカーチャンが…ってそればっかり考えた。 

俺は積極的にお手伝いをした。 

もうカーチャンに家事させたくなかった。 

カーチャン、めちゃくちゃ喜んでた。 
ありがと♪って、言ってくれたんだ。 


夜中、トイレに起きたら、カーチャン泣いてた。 

その時は声をかけれなかった。 


翌日トーチャンに恐る恐るそのことを聞いたら、 

「俺くんたちがお手伝いをしてくれるから嬉しい。生んでよかった。 
今、すごい、しあわせ。」 

そう言ってたって。
82: :2010/11/02(火) 01:20:26.64 ID:
カーチャンは5日に1回ほど、通院していた。 

通院は、一生続くんだって。 

そのたびに、苦しんでる。 

カーチャン、ごめんな、迷惑ばっかりかけて。 
本当にすまないと思ってる。 
本当に親孝行したい。 

本気でそう思った。 

毎晩毎晩、激痛で苦しんでた。 

脂っこいものは、ほとんど食べれなかった。
83: :2010/11/02(火) 01:23:40.30 ID:
今回のは特に、早期発見していれば、完治も余裕なガンだったらしい。 

トーチャンは、「なんで早く気付いてやれなかったんだ!!!」 

と、自分を責め続けていた。 

俺も、子どもながらに全く同じ気持ちだった。 

あの動き、つらかったんじゃないのか? 
きつかったんじゃないのか? 
支えてあげなきゃいけなかったんじゃないのか? 

後悔してもしきれないものだった。 

当然カーチャンは子どもを産めなくなった。
85: :2010/11/02(火) 01:30:17.78 ID:
『カーチャンのバレンタイン』 


カーチャンの買い物に付き合わされた。 
俺は、「なに買うの?」と聞きまくった。 
カーチャンは、なぜか笑ってた。 

来たのは、バレンタイン売り場。 
なんか特設会場みたいなやつ。 

カーチャンが、「どれがいい?w」って聞いてきた。 
俺は「買ってくれるの?」と、おいしそうなのを選んだ。 
なんか、英語の文字がたくさんパッケージに書かれてる高そうなの… 

値段、載ってなかったんだけど… 

普通に、買ってくれた。怖かった。 

でもあと1つ、カーチャンは買ってった。 
少しだけ、小さめのやつ。 

(あ、あれ…?あれ、トーチャンのかな…?) 
そう思いつつ、俺は聞きださなかった。 

後はトーチャンの服とか、妹や俺の服を買ってくれた。 
カーチャンは、じぶんの、買ってなかった。
87: :2010/11/02(火) 01:35:36.63 ID:
「ただいまー!」 

帰ると、食事のあとに、妹にチョコ渡してた。 

(え?あれ…?トーチャンの分は…?) 

頭はごちゃごちゃしてた。TVの時間も風呂の時間も、 
それしか考えてなかった。 

トーチャン、なんかへこんでた。 


そしたらトーチャンが風呂から上がってビールに手をかけた時に、 
デカい特大チョコが出てきた。 

カーチャン→トーチャンだった。 

手作りか… 

バレンタインのトーチャンのビールのつまみは、特大チョコになった。
88: :2010/11/02(火) 01:41:17.51 ID:
『カーチャンのホワイトデー』 


妹はカーチャンと買い物にでかけた。 

俺はトーチャンと遊びに出た。 

俺は「何すんの?」と聞くと、 
トーチャン「何がいい?」と返ってきた。 

何でもいいと答えると、なぜか釣りになった。 
釣り堀で竿たらしてる時に、聞いてきた。 

トーチャン「なぁ、ホワイトデーのお返しって何が良いんだよ…」 
俺「俺に聞くなよ…」 
俺「手作り?」 
トーチャン「そんなのできるわけないだろ!w」 

結局デパートに向かった。
91: :2010/11/02(火) 01:44:09.15 ID:
向かったデパートは、カーチャンとバレンタインで来た 
特設会場だった。 

俺「ぷ」 
トーチャン「なんだよ…」 
俺「いやいやなんでも」 
トーチャン「ニヤニヤすんな…」 
俺「はやく選ぼうぜwwww」 

夫婦だなって思った。
93: :2010/11/02(火) 01:46:59.84 ID:
長時間考えた末、クッキーセットを選んでた。 

カーチャンはクッキーが好きだから。 

俺「悩みすぎだろ…」 
トーチャン「ま、ま、なんかおごってやるからw」 

ラーメン食べて帰った。 

なんかトーチャンだけでたまには遊ぶのも良いなと思った。
94: :2010/11/02(火) 01:49:29.70 ID:
家に帰って、トーチャンはカーチャンにすぐ渡してたが、 
まぁ演出が苦手なんだろう。 

でもカーチャン、喜んでた。 



カーチャンの容態が急変した。
95: :2010/11/02(火) 01:53:47.22 ID:
嘘でしょ…?
97: :2010/11/02(火) 01:55:41.46 ID:
俺も成長していたので、めちゃくちゃ動転した。 

カーチャン入院した。親戚も駆けつけた。 

カーチャン、なんか顔が白かった。 

カーチャンに話しかけたが、その時は返事をくれなかった。
100: :2010/11/02(火) 02:00:29.15 ID:
医者がこっち来た。 

医者「今夜を乗り切れば…。 体力次第です。」 

「何言ってんだよ…」 
「今夜ってなんだよ…」 
「そんなこと言われるの、ドラマだけじゃないのかよ!!」 
「……お願い…」 
「お願いします…」 
「なんとか助けて下さい…」 
「ぜったい、おねがいします…」 

こんなことを、ただただ言ったと思う。
102: :2010/11/02(火) 02:05:41.92 ID:
夜は病院に泊まって、ひたすら祈った。 

祈ることしかできないのが悔しくて、泣いてた。 

(元気になったら何でもお手伝いするから!!だから… 
また一緒にみんなで暮らそうよ…お願いだよ…) 

妹もトーチャンも、泣いてた。
104: :2010/11/02(火) 02:11:49.11 ID:
『翌朝~~カーチャンの想い』 


カーチャンは持ちこたえた。 
カーチャン、頑張ったんだ。 
カーチャン、絶対きついのに、俺らに笑顔を見せてくれた。 
でも、白くて肌は透き通ってた。 
それでも、俺はタヒぬほど嬉しかった。 
病院なのに、家族で泣いた。 

この時、俺は…誰からマザコンって言われたって構わない。 
絶対大切にしよう、そう心に誓ったんだ。 




カーチャンは、一言こう言って眠った。 


『ありがとう、みんな。』 


俺らは安心して、みんなすぐ寝てしまった。
107: :2010/11/02(火) 02:20:41.17 ID:
翌日俺は速攻、友達を引っ張り込んだ。 

「お前ら千羽鶴折るぞ!!!」 

意外とみんな手伝ってくれた。 
でもせっかちな俺…千羽も待てなかった。 

結局、1/10の百羽を持って行ってしまったのだ。 
百羽鶴をそっと抱きしめながら持ってった俺。 

俺「百羽鶴になっちゃったんだけどさ…これ、さ…飾っていい?」 

差し出すと、母ちゃん、めちゃくちゃ喜んでくれた。 

カーチャン「うん!ありがと…」 

泣くなよカーチャン…
109: :2010/11/02(火) 02:27:41.25 ID:
3ヶ月して、カーチャンはとりあえずの退院許可がでた。 

一家そろって家に帰ってきたんだ。 

カーチャンは「元気になったよ!!」 
とか言ってご飯を作り始めた。 

でも俺はまったく信じてなかった。 
でもカーチャンは作るって言って聞かなかった。 

その夜はグラタンを食べた。ほっぺたが落ちそうだった。 
学校であってることなんかも話して、その夜は暖かだった。 

夜、嬉しさのあまり隠れて号泣した。
114: :2010/11/02(火) 02:36:21.53 ID:
高校生になった俺は、あまり最初はあまりなじめず、 
学校が終わったらすぐ帰っていた。 

カーチャンは、そんな俺を少し心配していた。 

カーチャン「俺はすぐお友達と仲良くなれるから、 
そうしたらお友達をうちに連れて来てね!」 

そう言ってくれていた。 

実際、小学1年生~6年生の間、毎年カーチャンは友達10人くらいをうちに 
呼んで、パーティに近い形で誕生日会を開いてくれていた。 

今考えるとすごいと思う。
116: :2010/11/02(火) 02:45:16.86 ID:
カーチャンはありえないくらい俺の高校の行事を見に来てくれた。 

しかも…カメラ持ったトーチャン引っ張ってきて。 

体育祭 
マラソン大会 
文化祭 
合唱会 

写真があるんだ。 

体育祭の時に作ってくれた渾身のお弁当。 

ちっちゃな手紙が入ってた。 
「これ食べて午後のプログラム、頑張って下さい!! 
騎馬戦、期待してます♪」 

でも、3段弁当は多すぎだぜ… 

からあげ、4個も入ってた。 


文化祭の時、俺の店のお好み焼き、たくさん食べてくれて、 
なぜかお客さんを数名、呼び込みまでしてた… 

俺「知ってる人なの?あの人?」 
カーチャン「んーん?知らないけど…おいしいからさ!」 

カーチャン…
117: :2010/11/02(火) 02:46:09.90 ID:
あの時、騎馬戦、負けてごめんな、カーチャン……
120: :2010/11/02(火) 02:52:25.27 ID:
高校2年生夏休み 

カーチャンと妹と3人で別府に旅行に行った。 
カーチャンと妹、めちゃくちゃはしゃいでた。 

2人と浴場前で別れたあと、めちゃくちゃ長風呂した。 
と思ったらたったの30分しか入っていなかった。 

浴衣着て扇風機で涼んでたら、なぜかカーチャンが先に出てきた。
121: :2010/11/02(火) 02:54:55.43 ID:
俺「○○(妹の名前)は?」 
カーチャン「あの子長風呂w」 
俺「ふーん、一緒に上がらないんだ」 
カーチャン「夜、何か話でもする?」 
俺「え?いいけど…3人で?」 
カーチャン「そうかも?」 
俺「???」 

妹と合流して、夕飯に向かった。
123: :2010/11/02(火) 02:57:21.98 ID:
一人暮らしには効くぜ。 
涙でてきた。
124: :2010/11/02(火) 02:59:11.51 ID:
夕飯はとびきりおいしかった。頭とけそうだった。 
まだまだ居たいなと思った。 

妹は先に寝てしまった。 

そしたらカーチャンはさっきの話をほじくってきた。 

カーチャン「俺、進路どうしたいの?」 
俺「え?どうしたの急に?まだ決めてないけど…」 
カーチャン「んーん、もう決まってるのかなって。」 
俺「就職するかもなぁ」 
カーチャン「そうなの?俺は大学に行かせたいなぁ」 
俺「高いもん。奨学金入れてもきついと思う…」
126: :2010/11/02(火) 03:05:24.79 ID:
カーチャン「そんなのダメ!俺が、『高いから行かない』って 
理由で大学に行かないんだったら、絶対ゆるさないからね。」 

俺「え…でも、どうするの…?」 

カーチャン「カーチャン働くから。大丈夫だよ。」 

俺「それはだめ!ダメだからね!!」 

カーチャン「わかって、俺…。それが親心なんだよ。 
自分の子どもには、何も不自由なく、学校を卒業してもらいたいの。 
お願い。だから、お金っていう理由だけだったら、絶対に、進学して。 
それが、お母さんの一生のお願いだから。お願い。」 

俺「……」 

そのまま、寝てしまった。 

気付いたら、朝、カーチャンと隣で寝てた…。
127: :2010/11/02(火) 03:12:20.34 ID:
旅行の帰り道、俺はカーチャンに答えを告げた。 

俺「最初はそれでも絶対就職しようって、そう思った。 
だって、カーチャンを働かせるって…。 
でも…進学して、就職して…それから孝行しても、 
遅くないかなって… 
カーチャンがムリしないって絶対の約束するなら、進学するよ」 

そう答えた。 

カーチャンの答えは… 

笑って返事してくれた。
128: :2010/11/02(火) 03:14:17.05 ID:
すごく良いお母さんだね 
自分もお母さんに会いたくなってきた… 

さっきイライラしてて電話で嫌な態度とっちゃった…ごめんなさいお母さん
131: :2010/11/02(火) 03:17:34.98 ID:
ちゃんと見てるからな 
今この瞬間は母さん大事にしようと思うんだけど忘れちゃうだよな
132: :2010/11/02(火) 03:18:59.03 ID:
見てくれてありがとう。 
くれぐれも、お母さん、大切にして下さいね…。
130: :2010/11/02(火) 03:17:29.25 ID:
勉強の時には、夜食を作ってくれた。 
気晴らしの休日には、たまに買い物に一緒にでかけた。 
家族みんなでドライブにでかけた。 
カーチャンの夕食の食材の買い出しを手伝った。 

そんなカーチャンに、健康でいてもらいたいなって、今も考えてる… 

だって、後遺症は、一生治らないから…
133: :2010/11/02(火) 03:20:59.14 ID:
カーチャンの通院の頻度が減った! 
これはみんな、すごい喜んだ。 
なんと3ヶ月に1度になったのだ!! 

『記念だ!!!』 

とか言って、みんなで買い物にでかけた。 

今思うと意味分からない発想だが、家具屋に行った。
138: :2010/11/02(火) 03:27:41.45 ID:
そこのペットコーナーでハムスターを見かけた。 
すごい珍しく、カーチャンの意見でハムスターを飼うことになった…。 

メスを2匹。ジャンガリアンハムスター。 
めちゃくちゃかわいくて、家族で溺愛した。 

なんで?と思ったのだが、カーチャンも日中はさみしかった 
のかもしれない。ありえないくらいかわいかった。 

カーチャンはすごい頻度で掃除をしていた。 
なんか気のせいかな?ハムスターはカーチャンになついていた。
140: :2010/11/02(火) 03:33:42.61 ID:
全面的なカーチャンのバックアップにより、俺は大学に進学を決めた。 

その後の高校の卒業式、俺は泣いてしまった。 

俺のカーチャン無しでは、間違いなくこんな幸せな環境になかった。 
確信を持って言える。 

教室で俺は、カーチャンの方を向きながら、感謝の念を表した。 


久々に見たカーチャンのワンピース姿。 
周りからすると、カーチャンは若いらしい。綺麗だって言ってた。 

カーチャンもハンカチ持ってた。
141: :2010/11/02(火) 03:35:27.11 ID:
みなさん遅くまですみません。 
お付き合いいただき、本当にありがとうございます。 

まだストーリーはあるのですが、一端切りたいと思いますが…。 

明日、スレは残ってないと思いますけどw
143: :2010/11/02(火) 03:39:29.47 ID:
万が一残ってたら…仕事終わって書きますけどw 
皆さん、お母さんを、くれぐれも大事にして下さい!
146: :2010/11/02(火) 03:47:21.45 ID:
みんな、ありがとう… 
本当に、ありがとう。 
スレ落ちても、まだ語れてないところをまたいつか話したいと思う。 
両親って、偉大ですよね。
167: :2010/11/02(火) 12:01:33.07 ID:
保守してみせる
182: :2010/11/02(火) 16:11:28.97 ID:
おまえら保守しすぎwwwww 








>>1早く帰ってこないかな
197: :2010/11/02(火) 19:42:04.47 ID:
こんなに長い間、保守していただいて、本当にありがとうございます。 
まさか本当に残ってるなんて、思ってませんでした。 
ありがとう…。
203: :2010/11/02(火) 19:50:53.46 ID:
思い出が大きかったところだけ、細部まで書いてみて、 
楽しかったこともパラパラ書いてみようかなって思います。
205: :2010/11/02(火) 19:57:01.87 ID:
続きです。 


卒業式を終え、ホームルームも楽しい雰囲気で終えた俺のクラスは、 
雑談に混ざっていた。 
やっぱり最後の高校生活だから、長くいたかったんだ。 

俺の中では、~高校生=「生徒」 大学生~=「学生」 
ってイメージが強くて、名残惜しかった。 


ふと後ろの保護者が並んでいる、カーチャンの方を見てみると、 
カーチャン、カメラ持ってた。 

他の保護者の方々は、時間が経つにつれて、帰って行ったり、 
校門の近くで雑談してたりしてた。 

でもカーチャンは残ってたんだ。
206: :2010/11/02(火) 20:03:26.48 ID:
もう少し友達とも話したかったが、あとで校門付近で 
話そうぜーということになり、ほんの一旦解散になった。 

でもカーチャンは、俺のところには寄ってこなかった。 
クラスメイトの前で、俺が恥ずかしい思いをすると思ったのだろうか? 

俺はすぐカーチャンのところに行き、 

「写真、撮ろう。」 

そういった。 

でも俺は、担任の先生のことも好きだった。良い先生だった。 

クラスメイトの女子にシャッターをお願いして、 
先生、俺、カーチャンの順番で並んで撮った。 

俺は顔が固かったが、カーチャンは、ニコッてしながらも、 
ちょっぴり、寂しい表情もあるような気もする。
208: :2010/11/02(火) 20:10:38.35 ID:
俺は特に、卒業式の後に友達と遊ぶ、ということはしなかった。 

なんか、感謝の気持ちやいろいろあって、家に帰ろうと決めた。 


歩いて帰った帰り道。 

カーチャン「俺、友達と遊ばないの?」 
俺「うん。今日は、いいんだ。」 
カーチャン「ごはんでも、食べてきたら?お金は心配しなくっていいんだよ。」 
俺「ありがと。また今度行くね。」 
カーチャン「じゃぁ、お母さんとご飯にいこwwおいしいおみせ、しってるんだよ♪」 
俺「うん。いこう! でもカーチャン、店詳しかったっけ?」 
カーチャン「立ち読みしたりねwあと奥さん方から聞いたりw」 
カーチャン「でも、お友達と遊ばなくて、本当にいいの?」 
俺「うん。今度遊ぶから、いいよ。」
212: :2010/11/02(火) 20:17:53.90 ID:
カーチャン「さて、ついたwここだよw」 

カーチャンは、”おいしいお店”というよりは、 
”俺の好きな食べ物がある店”で選んでると確信した。 
たどりついた店は、中華料理屋だった。 
なぜなら、カーチャンは脂っこい系は、本当に少ない量しか食べれないんだ。 

こんなとこ、個人じゃ絶対来ない。 

カーチャン、もっと自分の身体、大切にしてくれよ… 
頼むよ…。 

俺…カーチャンが元気なのが一番なんだよ。 

”俺のために”を前提に、動かないでくれよ…。
213: :2010/11/02(火) 20:20:35.32 ID:
くそっ…くそっ…
215: :2010/11/02(火) 20:28:08.32 ID:
そこでは、2人だけだけど、俺の卒業祝いパーティが開催された。 

そこでカーチャンは、こう語った。 

カーチャン「高校も卒業したね♪俺も、いよいよ春から大学生だね。 
高校は楽しかった?俺は楽しそうにしていたから、 
お母さんが心配しなくても大丈夫だねw 
大学生になったら、また一歩大人になるんだよー! 


旅行に行った時のこと、覚えてる? 
お母さんね、結構勇気必要だったんだよwあのこと聞くのw 
でも俺は、ちゃんと進みたい道を選んでくれた。 
”お金”の理由で…”苦労をかけたくない”って理由で… 
自分の道を狭めることをしなかった。 
お母さん、それが一番、嬉しかったよ。 

お母さん、まだまだ頑張るからね。 
俺、大学生になるから、大人に見えるよ。 
ファイト♪お母さん、ひそかに、応援してるw」
219: :2010/11/02(火) 20:32:20.77 ID:
卒業祝いパーティーをしたことは、他の家族には黙ってた。 

秘密にするつもりはなかったが、カーチャンは日中のことを 
何も家族に話さなかったため、俺も話題にしなかった。 

でもカーチャン、その夜は笑顔だった。
218: :2010/11/02(火) 20:32:17.92 ID:
かあちゃん若いよねお父さんもだけど
220: :2010/11/02(火) 20:34:18.36 ID:
>>218 
若い方なのかな? 
当時… 
俺18歳 
カーチャン39歳 
トーチャン39歳 
バーチャン59歳だな。 
バーチャンは、登場人物のバーチャン。
222: :2010/11/02(火) 20:39:23.29 ID:
18歳3月。卒業式から数日たったある日。 


カーチャンは朝からニコニコして掃除していた。 
俺は「????」状態だった。 
もうすぐホワイトデーだから、それかなって思ってた。 


そうしたら… 

カーチャンから思いもよらないプレゼントをもらった。 


封筒…。 

なんだよ、これ…。
224: :2010/11/02(火) 20:49:49.29 ID:
カーチャン「私からの、卒業お祝い♪」 
俺「なんだよ、これ…。」 
カーチャン「旅行、行ってきなさいw」 
俺「こんな大金、どこにあったの…?」 
カーチャン「お母さんが、貯めたの♪」 
俺「カーチャンが貯めたお金を、どうして俺が使うんだよ!! 
絶対ムリ!」 
カーチャン「受け取ってくれないの?」 
俺「カーチャンのために使ってくれよ…。カーチャン、服とか 
買ってないじゃん。たまにはさ、ドレスとかスカートとか 
ワンピースとか着ちゃいなよ… 
俺のために、使わないでくれ、無駄づかいだよ…」 
カーチャン「だめ、卒業祝いのために貯めたんだから! 
今から大学生になるんでしょ。その前に、楽しいことしちゃいなさいw」 
俺「…」 

どうしても押し通して利かなかったカーチャン。 

俺は受け取ってしまった。 

7万円入ってた…。 

どこにあるの?頼むよ、命削って働かないで…… 
頼む、頼むから… 

お願い…。
225: :2010/11/02(火) 20:55:59.39 ID:
俺はせめて、カーチャン、一緒に行こうよって誘った。 

断固としてOKはもらえなかった。 
言う言葉は、笑顔で、「友達と最後の高校生活してきなさいw」だった。 



俺は近場で友達と旅行にでかけた。 
おみやげ、たくさん買って帰るつもりだった。 

でもその夜、カーチャンからメール。 

『俺、おみやげは、いらないからww 
桜とか咲いてるかもよ♪観光してきなさい♪』 

母ちゃんには絶対かなわないなって思った。 






翌日、トーチャンが、入院した。
228: :2010/11/02(火) 21:01:20.88 ID:
俺は当然、途中で帰った。 
早くたどり着けってずっと祈ってた。 

「なんで、こんなトーチャンカーチャンが苦しい目に会うんだよ… 
なんで!なんでだよ!」 

ずっと考えてた。
231: :2010/11/02(火) 21:08:50.42 ID:
トーチャンは内臓の一部に腫瘍があるガンだった。 

俺は一気に脱力し、倒れこんだ。 


ねぇ… 
トーチャンが何か悪いことしたの? 
カーチャンが悪いことしたの? 

ねぇ、何したって言うの? 
何にもしてないよね? 
何かしたっていうなら、俺なんだけど。 

こんなにトーチャン、カーチャンを苦しめた、俺なんだ。 

頭がおかしくなりそうだった。
233: :2010/11/02(火) 21:14:02.81 ID:
結局その日はトーチャンに会えなかった。 

カーチャンは、絶対に笑うことがなかった。 
家族から、ともしびが消えたようだった。 

俺は、これ以上の苦しみを味わったことがなかった。 

カーチャンに、少しでも笑ってほしかった。 
でも、トーチャンが元気にならない限り絶対むり。 
だって、カーチャンがたったひとり、愛した人なんだ。 




トーチャンとカーチャンは、初の恋人同士です。
234: :2010/11/02(火) 21:15:12.03 ID:
ごめん… 

思い出して泣いちゃった。 

ちょっと待って下さい。
235: :2010/11/02(火) 21:17:28.20 ID:
ゆっくりでいいよ 
待ってるから
237: :2010/11/02(火) 21:25:11.27 ID:
すいません、書きます。
240: :2010/11/02(火) 21:35:34.95 ID:
俺はカーチャンと、少しだけ昔話をした。 
なんとなく、したかった。 


俺「カーチャン」 
カーチャン「…ん?」 
俺「トーチャンなら、大丈夫だ。だって、トーチャンは、 
カーチャンのこと、置いてくはずないよ。 
今までだって、ずっとそばにいたでしょ。俺や妹のことだって、 
置いてくはず、ない。」 

言葉が変になったの、覚えてる。 

カーチャン「うん。」 

俺「それに、カーチャンが信じなくて、どうすんだ。 
カーチャンが、信じたり、そばにいるのが、何よりの特効薬なんだ。 
それ以上の、薬なんて、ないんだ。」 

カーチャン「うん…。うん……。」 

俺「治ったらみんなでドライブ行こうぜ!」 

カーチャン「ありがと、俺…。」 

その夜は、カーチャンと一緒に寝た。 

なんか、カーチャン、小さかった。
242: :2010/11/02(火) 21:45:19.07 ID:
翌日、俺らは病院へ向かった。 

内臓にある腫瘍を摘出するらしい。手術だ。 


やっぱりどう励ましても、カーチャン、落ち込んでた。 

特に手術と聞いて、わかってたこととはいえ、精神的にきたみたいだ。 

俺らはトーチャンを励ましたかったが、その時は会えなかった。 


俺はこんなとき、どうしたらいいんだろう。 
何をしていれば、ホンの少しでも家族にとって良い方向に向くのだろう。 

カーチャンを励ましてれば良いの? 
お百度参りしてればいいの? 
祈ってればいいの? 

人生で何回も考えた。答えはなかなか出ない。
249: :2010/11/02(火) 22:00:30.51 ID:
その夜、カーチャンは料理を作ってくれた。 
忘れもしない、肉じゃが。 

カーチャンの得意料理だ。 
バーチャンの超得意料理なのだが、そこからきているのかもしれない。 

カーチャン「わが子に腹ペコにさせる訳にはいかないからね♪」
250: :2010/11/02(火) 22:01:29.95 ID:
せいいっぱいの笑顔を作ってくれた。 

でも親子。 

つらい笑顔だった。 

目が、泣いてるひとみだったから。 


カーチャンの肉じゃが、とびっきりおいしかった。 

お風呂で泣いちゃった。 

泣き声、もしかすると聞こえていたかもしれない。
247: :2010/11/02(火) 21:58:40.61 ID:
こういったスレ見るとおまいら根は本当に優しいんだなあと思う
251: :2010/11/02(火) 22:06:04.05 ID:
みんな…ありがとう。 
いったい…どれだけの人が見てくれているんだよ… 
本当に、ありがとう… 

みんな優しいって知ってるから、ここにスレ立てた。 

付き合ってくれて、ありがとう。
253: :2010/11/02(火) 22:13:21.09 ID:
その夜、俺はカーチャンの肩もみをした。 

俺からお願いして、させてもらえたんだ。 

ありえないくらい、凝ってた。 

働きすぎなんだ、詰め込みすぎなんだ、抱え込みすぎなんだよ、カーチャン。 

俺の事、少しだけでも頼ってくれよ。 
カーチャンの子なんだよ。カーチャンしか、カーチャンはいないんだよ!! 
何かあってからじゃ、遅いんだよ…。ホントだよ…? 

カーチャン、肩がふるえてた。
257: :2010/11/02(火) 22:24:55.72 ID:
カーチャン「これ…。」 

カーチャンが何かを差し出してきた。 

お守りだった。 

交通安全の、お守り。 

俺「これ、どうしたの?」 
カーチャン「これ、俺くんのだよ。」 
俺「え?でも、カーチャンが持ってたみたいだけど…」 
カーチャン「俺くんには、学業お守りをあげたよね?」 
俺「う、うん。嬉しかったよ。これがあったから、 
大学、行けるんだよ?ありがとう。」 
カーチャン「本当は、このお守りも俺くんのものだよ。」 
俺「え…?」 
カーチャン「むしろ、学業なんかより、交通安全 
のお守りの方が、持たせたかったんだよ。でも、 
2つ持たせたかった。俺くんにとっては、今は 
学業に専念してたから、学業お守りを持たせたの。 
同時に2つは、嫌がるかな、重いかなって思ってw」 


カーチャン…でも結局、2つ持たせるんだね…。 

でも、カーチャン、そのお守りもってたから、安全だったね。 
これからも、そのお守り、持っててほしかったな。 

でもカーチャン、嬉しそうだったから、素直に受け取った。
258: :2010/11/02(火) 22:25:38.19 ID:
>>1ありがと 
今から久しぶりに母ちゃんと話してみるよ 
ほんとありがとな
261: :2010/11/02(火) 22:29:05.86 ID:
みんなのレスが本当にうれしい。 
ありがとう。感謝の気持ちでいっぱいです…。 
涙で画面が見えにくいです…。 

>>258 
お母さんのこと、大事にして下さいね。 
いっぱい話して、家族仲良くしてね。
264: :2010/11/02(火) 22:37:42.60 ID:
俺「お守り、ありがとう。ありがたく受け取るよ。 
でも、ごめん。俺、なんにも用意して、ないんだ……。」 

カーチャン「なに言ってるの。俺くんがこうやって毎日頑張ってる。 
それだけで幸せ。 
他になにがいるの…? 
親って、そういうものだよ。 
俺くんは、今まで、のびのび育ってくれました。 
さすが、お父さんの子だね♪ 


これからも、お母さん、お父さんの頼りになる俺くんでね♪」 



俺は、本当に、泣いた。 
妹やカーチャンが見てたって、関係なかった。
270: :2010/11/02(火) 22:50:24.49 ID:
俺は肩もみをしながらお守りをもらい、 
2人で月を見た。 
星が広がり、初春なだけあり、きれいな夜空だった。 

俺は、なんて幸せなんだろう、なんて恵まれてるんだろう… 

こんなに幸せなのに、壊れてっていいのか? 
いいわけがない。 
絶対守る。守るんだ。 

カーチャンの笑顔、絶やしちゃいけないんだ。 
それも、くもってない、笑顔。 
とびっきりの笑顔を、カーチャンに…。
268: :2010/11/02(火) 22:48:53.54 ID:
>>1の職業が経理に嫉妬している情けない俺に一言頼む…orz
275: :2010/11/02(火) 22:56:43.22 ID:
>>268 
経理って職種は、採用枠が狭いのが通常ですからね;; 
俺は運よく入社できました。 
日商簿記などとPC系を勉強して、その途中で採用されました。 

でも、逆に、実力があればきっと入れる職種でもあると思います。 
女性が有利って言われてますが、企業によっては男性を 
優先してるところもあったりします。 

信念と、例えばカーチャンならカーチャンに喜んでもらうために! 
って頑張って挑戦してみるのも良いと思ってます。 
あくまで俺の主観なんですけど…。 

頑張って下さいね!
277: :2010/11/02(火) 23:09:20.31 ID:
翌日、トーチャンに会いに行った。 

みんなでトーチャンに会いに…。 

トーチャン、傷口が痛そうだった。 
かなり苦しそうで、俺らが来た時に立とうとして、ムリしてた。 

カーチャンは、 
「だめ!安静にしてなさい!」 

そう言って寝かしつけた。 

よくわからないけど、トーチャンはミカンが好きだった。 
よく食べてたんだ。 

だから持ってった。 

ふと軽い疑問で、「なんでミカン好きなの?何か思い出でもあるの?」 
そう聞いてしまった。 

トーチャンは答えなかった。 

思い出があるに違いない。
279: :2010/11/02(火) 23:16:24.10 ID:
医者の話によると、結構危なかったとか…。 

おっきく切り取ったらしく、俺らは聞いてるうちに、汗がじわじわ出た。 

・早期発見が重要なこと 
・家族の小さな気付きが大切なこと 
・健康が一番 

医者からいろいろアドバイスされた。 

家族にとって、一番大事だなって、身を持って実感した。
281: :2010/11/02(火) 23:19:40.35 ID:
やっぱりこういう話って、本人の居ない場所でされたんだ。 

トーチャンの時もカーチャンの時も。 

家族って、一番、異変に気付ける存在だから。 
心遣いって、大切だなって、思うよ。
284: :2010/11/02(火) 23:23:52.15 ID:
トーチャンは元気に振る舞った。 

延々と、大学に向けてのこととか、最近あったこととか、話した。 

少しの間、元の家族の明るさが戻った。 

何よりも心地良い時間だなって、心からそう思った。 



帰る時間になり、トーチャンが俺の耳に近づいてきた。 


トーチャン 
「俺、カーチャン、妹を頼んだぞ。 
今、頼りになるのはお前なんだ。 
頼んだぞ、俺の息子だ。大丈夫だ。」
286: :2010/11/02(火) 23:30:14.69 ID:
帰ってから、カーチャンにミカンのことを聞いた。 

俺「カーチャン、なんでトーチャン、ミカン好きなの?」 
カーチャン「ああ、トーチャンね、特に凍らせたミカンが好きなんだよ。 
それでカーチャン、付き合ってた時、トーチャンに『私もミカン好きだよ』 
って言ったら、嬉しそうに冷凍ミカンのこと教えられたw 
新婚の時とか、よく食べてたんだ」 
俺「なるほどwww」 

親のそういうの聞くの、ちょっとこそばゆい。
287: :2010/11/02(火) 23:38:03.32 ID:
トーチャンが退院できた。 

トーチャン「おう。俺はもう元気だ!またバリバリ仕事だ!!」 

そんなこと言ってるけど、すごいやせてた。 
俺はちょっと心配だった。 
トーチャンとカーチャンは、ちょっと似てるんだ。 
ふたりとも、まじめ。 
家族思いで、いつも家族のことを考えてる。 

カーチャンは、すっごい喜んだ。 

でも、カーチャンも、トーチャンが体力がないことに、気付いてた。 
だって、夫婦だもんね。 
喜んでるけど、それ以上に身体を心配してる顔だった。 

そんなふたり、支えあえたから、結婚できたんだと思った。 

退院して間もなく、森林浴にでかけた。
290: :2010/11/02(火) 23:43:30.25 ID:
こんなときは、森林浴がイイって聞いた。 

うさんくさい話だったが、行ってみたらスゴかった。 

体内の空気が全部入れ替わる感じ。 
ストレス解消には最高だった。 

家族そろって、芝生に横になって青空を見た。 

森の間から見える空…。 

こんな家族と出かけてるからこそ、最高に気持ち良かった。 

トーチャンに、一刻も早く心身ともに元気になってほしいって、そう考えてた。 

他のみんなは、どんな想いを巡らせたんだろう。
291: :2010/11/02(火) 23:47:51.48 ID:
俺は大学生として入学の準備を進めた。 

ひとりで自分の部屋にこもって、試行錯誤してた。 

パーカー、浮くかな? 
ジーパン、買い換えた方がいいかなぁ 

無駄な悩みをしてた。 

カーチャンが、たまに話しかけてきた。
292: :2010/11/02(火) 23:52:07.41 ID:
カーチャン「俺、大丈夫?準備、進んでる?」 

俺「うん。あ、いや…どうかな…。」 

カーチャン「手伝おうか?」 

俺「え?なにを?何かあるっけ…。」 

カーチャン「俺の大学デビューだからね。まずは入学式でしょ?スーツは?」 

俺「あ!持ってないよー。」 

カーチャン「今から買いに行こw善は急げ♪」 

俺(善……?) 



スーツ選びに丸1日つぶした。
293: :2010/11/03(水) 00:00:39.58 ID:
カーチャンは俺のスーツ選びに1日つぶした。 
スーツ選びが、楽しそうだった。 

結局、紺のスーツに赤いネクタイになった。 

俺「カーチャン、こんなに時間使ってスーツ1着だよ…疲れないの?」 
カーチャン「平気平気!息子の晴れ姿でしょ♪バリッと決めてよね♪」 
俺「うん。決まるかわかんないけど努力するよ。」 
カーチャン「うんwお母さん絶対行くからね!」 
俺「え?来るの?」 
カーチャン「当たり前でしょ?!来ないわけないじゃない! 
カメラ持って行くから♪」 
俺「わ、わかった。」 

入学式は、保護者の方は少なめだった。 


カーチャン、やっすいスーツを買わせてくれなかった。 

俺はまだまだ迷惑をかけてしまってるんだなって… 
カーチャン、ごめんよ…。 

でもカーチャン、嬉しそうだった。
298: :2010/11/03(水) 00:12:56.82 ID:
18歳大学1年生。4月。 

入学式を迎えた。 

なんか校歌が流れてたのはわかったが、カーチャンに進学 
させてもらえて、感情にひたっていたため、それどころじゃなかった。 

でも、うわのそらになってたの、なぜかカーチャンにバレてた。 

「どこに居たの?」と聞いたら 
「2階wクッキリ見えてたから♪」 

カーチャン…あの大勢の中から、発見したのか。 



卒業祝いの時みたいに、カーチャンとの久しぶりのお祝い 
昼食を予定していた。
299: :2010/11/03(水) 00:13:01.19 ID:
飲みながら 今は亡き両親に想いを馳せとるよー
306: :2010/11/03(水) 00:25:10.91 ID:
お祝い昼食を予定していて、実はひそかに楽しみだったが、 
大学からの歓迎パーティーと題して、立食ランチパーティーが催された。 
参加は自由だったのだが、変な先輩からの忠告が耳に舞い込んだ。 


変な先輩「ここで帰ると、大学生活が…」 


俺はそれでも欠席し、カーチャンとランチに行こうと思った。 
変な先輩なんか、関係なかった。 

でもカーチャンはどこかからその情報を仕入れ、 
俺とお祝いに行こうとはしなかった。 

俺「お祝い、行こうよ♪」 
カーチャン「俺、今回は立食パーティーに参加した方がいいよ。」 
俺「なんで…?今日、いこ?」 
カーチャン「大学って4年間だからね。カーチャンとは、また行けるから♪♪ 
それに、今回の分と、次回の分で、今度はちょっぴり豪華にランチしようねw」 


すべて俺の事を考えて言ってくれたことだって、わかってる。 

でも、行きたかったな。 

カーチャン、入学式に行くまで… 

『楽しみだね!おいしいもの、食べようよw』 

そう、言ってたから…。
309: :2010/11/03(水) 00:36:12.70 ID:
立食パーティーにて、真昼間からドンチャン騒ぎだった。 
先輩たち、すごい騒いで食べてだった。 
新入生は、やっぱりそんなに騒げなかった。 

むしろ俺は、前から予定していたお祝いランチに行けなくなって、 
あんまり嬉しくなかった。 
意外とパーティーは長く、疲れてしまった。 


家に帰ってみると、家にはカーチャンだけだった。 
それも、カーチャンは眠っていた。 

入学式に持ってったバッグが側にあったのだが、 
なんかチケットみたいなのがうっすらのぞいていた。 

(見ちゃいけない。見ちゃいけない。) 

そう思いつつ、なんなのか理解してしまった。 




レストランのランチチケットだった。
312: :2010/11/03(水) 00:46:57.44 ID:
(カーチャン…ごめんよ…ごめんよ… 
なんで俺にこんなに優しいんだよ…。 
妹にも優しいの知ってる。トーチャンにも優しいの知ってる。 
でも俺にもこんなに優しいなんて。 
俺はカーチャンに何にもしてないのに。 
何にも孝行してないのに。 
こんなに迷惑かけてるのに。 
カーチャンは休まる暇がないじゃないか。 

俺と一緒にいる時は、休んでもらいたいな…) 


眠ってしまったカーチャンを目の前に、俺は、ただただそう思った。 


俺のために、チケット取るなんて… 

しかもカーチャン、あっさり行くの辞めたよね?俺のために… 

カーチャン…。 

楽しみにしてたじゃん。カーチャンも…。
313: :2010/11/03(水) 00:52:10.46 ID:
なんだよ‥これ 

くそっ、カーチャンも>>1も良い奴すぎる…
317: :2010/11/03(水) 01:02:21.65 ID:
俺はそっと、カーチャンにブランケットをかけた。 
起こさないように。そっと…。 

『ごめんね…。』 

俺は寝ているカーチャンにそう一言伝えると、家事の手伝いを始めた。 
30分ほどしてカーチャンが起きて、 
「え?あれ…?」と言いながら回りを見回していた。 
簡単に終わるものから手伝いをやっていったが、”夕飯作り”だけは難アリだった。 

カーチャンは、すごく喜んだ。「ごめんね、寝ちゃってた…。」そう言った。 
でも、”立食パーティー”の件も気になっていたようで、 

「パーティー、どうだった?楽しめた?」と聞いてきた。 

俺は、「うんw豪華な食べ物もいっぱい出てきたから、たくさん食べた!」 

そう言った。 

適切な言い方とは到底思えないが、俺はカーチャンに心配かけたくなかった。 
そのことが最優先だった。 

カーチャンはやっぱりランチの件は話さないので、俺からも話題にしなかった。 
でも、カーチャンの気持ちが、嬉しかった。 
本当に、祝福してくれてるんだなって、そう実感した入学式でした。
325: :2010/11/03(水) 01:17:09.14 ID:
俺はバイトを始めた。 

接客業。なんだか、俺が働くって変な感覚だった。 
でも、充実してた。 

理由はやっぱり、カーチャンの負担軽減だった。 
あと、学費。 

俺は大学生になったら何のバイトしよっかなーって考えてて、 
やっぱり王道の接客業にした。 

俺はバイトを通じて、性格というか、明るさがガラリと変わった。 
カーチャンとも話すことが増えた。 
カーチャンは、俺に積極的にバイトであったことを聞いてきた。 
あんまり興味はなかったかもしれないが、俺はいろいろ、あったことを話してた。 
カーチャンは、にこにこしながら、聞いてた。 

俺が些細なことでも話すようになって、嬉しかったのかもしれない。 

カーチャンも、病気と闘いながらも働いてた。
326: :2010/11/03(水) 01:17:34.74 ID:
苦しくてもう読めない 
かあちゃんごめんな
330: :2010/11/03(水) 01:29:50.65 ID:
すぐ周りの友達は、みんなバイトしてなかった。 
でもキチンと勉強はしてたみたいだ。 

講義が終わったあと、たまに「カラオケいこーぜ!」みたいな言葉が飛び交う。 

その時間、俺には、バイトが入っていることがほとんどだった。 
でも俺は、不思議と、『辞めたい』『一緒に遊びに行きたい』とは思わなかった。 
そりゃ、昼からカラオケに行くなんて、大学生の醍醐味だろう。 

でも、俺にとって、そうじゃない。 
カーチャンに行かせてもらってるから、その分、頑張りたいんだ。 

『頑張らなきゃいけない』んじゃなくて、『頑張りたい』んだ。 

バイト、楽しかった。 
カーチャンがコソッと遊びに来たら、笑顔だったらしい。 

カーチャン、話しかけてくれよ…。
336: :2010/11/03(水) 01:41:24.41 ID:
18歳大学1年生。初夏。 



カーチャンの病状が少し良くなった記念に飼ったハムスターが、 
徐々に弱ってきてしまった。 

俺含む家族全員、ハムスターを溺愛していたため、 
みんなかなり心配していた。 

寿命が近いとはいえ、もう見ていられなかった。 
弱っていくのを見て、俺は涙が止まらなかった。 

カーチャンは、すごかった。 
もう必タヒでお世話をしていた。 
ハムちゃんも、カーチャンにすごいなついていた。 
それは老衰しても、何も変わらなかった。 

俺は、カーチャンとハムちゃんが一緒にいるところを、直視できなかった。
343: :2010/11/03(水) 01:56:45.95 ID:
ハムちゃんの、片方が、タヒんじゃった。 

最期は…よちよち歩きながら、カーチャンの方に向かい… 
辿り着いた瞬間、倒れて…動かなくなっちゃった…。 

俺は外で泣きまくった。 

あんな最期を目の当たりにして、泣くなという方が絶対ムリだった。 
平均寿命より半年弱、長生きしたみたい…。 

カーチャンは、泣き崩れるほどだった。 

カーチャンの方を見ることはできなかった。とてもできなかった。 

翌日、カーチャンとお墓を作った。 
うちの庭に、そっと埋めた。 

カーチャンの悲しむ顔、すごくつらかった。
347: :2010/11/03(水) 02:07:11.00 ID:
後を追うように、もう1匹も、タヒんじゃった…。 

今度は…みんなが仕事や学校に行っている時だった。 

ものすごい衝撃だったのを覚えてる…。 

『タヒ』に立ち会えないショック…。 
ペットでもそれは同じ。 
えさ箱のそば、ひまわりのたねの側で…倒れてた…。 


俺もカーチャンも、ショックで立ち直るのに時間がかかった。 

俺は何度もハムちゃんの家を洗ったり…名前を呼んでみたり… 
正直、今でもハムちゃんのことを思い出すと涙が止まらない。 



先にタヒんじゃった、ハムちゃんのすぐそばに、埋めてあげた。 

ずっと、天国で楽しく過ごせますようにって、カーチャンとお祈りした。
350: :2010/11/03(水) 02:20:04.70 ID:
18歳大学1年生。晩夏。 

カーチャンの病気の調子が、悪くなり始めた。 

特に夜が苦しいみたいで、俺はつらくて、つらくて… 
『痛みを変わってあげたい!!!』 
本気でそう思うほど、カーチャンがかわいそうだった。 

「後遺症」って、なんなの?って思った。 
生きながらえるためには、仕方ないの? 
この後遺症って、避けるためにはタヒぬしかなかったの? 
こんなに、苦しんでるんだよ… 
なんでだよ…どうにもならないのかよ… 

本当に、打つ手、無しなのかよ…。 

この時期、カーチャンはのたうちまわるほど痛そうだった。 
俺は痛みが無いのに、カーチャンの事を思うと苦しくてしかたなかった。
351: :2010/11/03(水) 02:29:43.23 ID:
『もうだめだ、変わりたい…』 

カーチャンにそう言った。 
見てられなくて、限界だった。 

カーチャンはこう言った。 
「お母さんはね、子どもを犠牲にしてまでよくなろうなんて、 
絶対に思わない。そんなことしてまで良くなって、何になるの? 
それでよくなったりしたら、今よりも必ず苦しい。 
カーチャンは、俺や妹の痛みを変わることは喜んでするけど、 
カーチャンの痛みを変わってもらうなんて、できても絶対しない。 

そんなこと言っちゃダメだよ。 
親って、そういうものw」 

カーチャンは、汗をかきながら…俺にこう伝えたんだ。
375: :2010/11/03(水) 02:53:22.77 ID:
こう考えてみて… 
『俺のイベント』があるごとには、カーチャンはいつも元気だった。 
後遺症とか全く感じないほど、元気だった。 

祝い事、卒業式、入学式、合格発表日、もろもろ… 

いつも、『絶対に』元気だった。 

いつもそうだった。 

でも馬廘な俺は、やっとここで気付いた。 

裏を返せば、『キツい時』はあったのだ。 
表面に出してないだけ。 
カーチャンは、祝いごとの場面では、決してキツイことを表面 
に出さなかったのだ。 

気付くのが、遅すぎた。
377: :2010/11/03(水) 02:53:58.90 ID:
ようやく追いついたけど涙と鼻水でグシャグシャw 


家族に会いたい
380: :2010/11/03(水) 03:03:41.07 ID:
俺は比較的元気な時に、カーチャンの元へ行った。 

俺「カーチャン、もしかして、我慢してる時って、結構ある…?」 
カーチャン「ん?どうしたの急に…?」 
俺「ん…いやさ、俺の祝いごとの時って、カーチャン、いっつも 
元気…じゃん?それで、さ、ムリ、させてるよなって…」 
カーチャン「んーん?そんなことないよ?もしかして、俺の祝い事の 
時には気分が晴れてゴキゲンだからじゃない?!w」 
俺「そ、そう…?そうかな?」 
カーチャン「うん!気にしすぎ!w」 
俺「だっ、てさ…最近カーチャン、調子悪くて…」 
カーチャン「大丈夫!すぐ良くなるよw」 


カーチャン、見破られたら、嘘つくのヘタなんだよな…。
382: :2010/11/03(水) 03:08:07.49 ID:
でも、俺、カーチャンがそうやって、さ… 
何とか、俺に気を遣わせないように、してくれてるとさ… 

ダメ、なんだ。カーチャンの意思を、無駄にできないんだ。 

カーチャンが、あんなに笑ってくれてるのに、一瞬にして無にすること 
になっちゃう気がして…。 

俺は、そこから奥へと、カーチャンの想いをほじくることはできなかった。 

親って、なぜ、こんなにも大きい存在を維持できるんだろう。
384: :2010/11/03(水) 03:17:49.16 ID:
カーチャンの笑顔が増えた。 

でも汗、かいてた…。 

カーチャンが汗、かいてる時は、キツいとき。 
そんなの、わかってる。 

でも、一生懸命、笑顔を作ってくれる。 
「エヘヘ」とか言われると、俺はもうカーチャンを責めることは 
絶対できなかった。 

カーチャンに元気でいてもらうためには、どうしたらいいんだろう…? 
そればっかり来る日も来る日も考えた。 
俺らの『ために』笑顔でいてくれるのは、キツイ時だ。 
カーチャンには、『自然に』笑顔でいてほしい。 

聞く話によると、やっぱりストレスなんかも少しは関係するらしい。
386: :2010/11/03(水) 03:25:16.74 ID:
俺はカーチャンを、買い物に連れてったり、遊びに連れてったりした。 

ほんの少しでも、ストレスを解消できたらと思ったからだ。 

値段がそんなにしないものであれば、バイト代で買ってあげることもできた。 
これは人生の今までにないことで、すっごい嬉しかったのを覚えている。 

お小遣いで買ってあげるのと、働いて貯めたお金で買ってあげられるのとでは、 
重みが違った。 

この遊びで、昼食をデパートのレストランで食べた時は、格別だった。 

カーチャン、嬉しそうだった。 

すっごい、楽しかったのを、鮮明に覚えている。
387: :2010/11/03(水) 03:28:09.84 ID:
この感覚がわかる方もいるかもしれないが、 
デパートのレストランで食べる昼食は、 
子どもの時にカーチャンやおばあちゃんにデパートに連れて 
行ってもらって、買い物して、おもちゃ売り場に連れてってもらって、 
最後にご飯をレストランで食べるという、子どもの頃の感覚を 
思い出させる感じがして、すごい幸せだったんだ。
389: :2010/11/03(水) 03:32:49.67 ID:
母ちゃんに迷惑かけ続けてる屑なオレにゲンナリするスレかここは
390: :2010/11/03(水) 03:34:22.52 ID:
カーチャンはお前らが幸せに、いつまでも元気にいてくれるだけで満足なんだよ… 
392: :2010/11/03(水) 03:39:02.23 ID:
ビックリする話なんだが、カーチャンの容態は少し良くなった! 

やっぱり、疲れてるんだなって、確信した。 

カーチャン、自分のことは何も相談しないのに、 
俺のことは何でも相談に乗ってくれる…。 

もう、カーチャンは、普通の親以上に立派に育ててくれたよ。 
俺にはもったいないよ。ごめんなさい、カーチャン…。 

ただの 

『親だから子どものためなら何でもする』 

という定義にはもう当てはまらないよ… 

何でもしすぎなんだよ… 


カーチャン。 

それで体調崩したら、一番の子ども不幸、なんだぜ……? 

ね?カーチャン…
396: :2010/11/03(水) 03:48:57.50 ID:
デパートのレストランで、カーチャンはいろいろすすめてきた。 

カーチャン「これなんかどう?!おいしそうだよw」 
俺「どれどれ…。うん、おいしそうだね。」 
カーチャン「でしょう?あと、これとか…」 
俺「…カーチャン?」 
カーチャン「ん?」 
俺「カーチャンが食べたいメニュー、俺にすすめてるよねww」 
カーチャン「んーん?wそんなことないよw」 
俺「バレバレだしww」 
カーチャン「でも、きっとおいしいよ!」(これに弱い) 
俺「う、うん…じゃ、これにする。」 
カーチャン「じゃぁ、お母さんは、これ!」 
俺「一緒に、食べようよ。」 
カーチャン「分けて食べたら、どっちも食べれるねw」
400: :2010/11/03(水) 03:58:20.45 ID:
カーチャン「おいしいねw」 
俺「うん。おいしい! ね、カーチャン。」 
カーチャン「ん?」 
俺「デパートのレストランで、よくご飯、食べたよね。」 
カーチャン「うんwおばあちゃんと3人で食べたりね♪覚えてるんだね~。すごいすごい。」 
俺「楽しかったからね。」 
カーチャン「でも2人では初めてだねw」 
俺「だね。でも、なんか楽しい。」 
カーチャン「デザートも、食べようよ!」 
俺「マジ?」 
カーチャン「うんwみつまめとか杏仁豆腐とかあるよー!」 
俺「軽いもので行こうぜ…な?」 
カーチャン「おいしいよw」 

カーチャンは、元気になったら、ストップがきかない。
402: :2010/11/03(水) 04:07:18.85 ID:
俺は、こんなに元気なカーチャンを、久しぶりに見た。 

だって、いつも「ムリしてる元気」か「後遺症で苦しんでる」か 
「ハムちゃんのことで苦しんでる」のどれかばかりだったから…。 

俺は、もしかしたらカーチャン以上に元気をもらえたのかもしれない。 

俺が、『自然な元気』をつけてもらおうと出かけたのに、 
俺が元気づけられた。 

俺は一生、カーチャンにかなわないと思った。
403: :2010/11/03(水) 04:07:45.13 ID:
よく会話なんか覚えてるな
404: :2010/11/03(水) 04:09:38.84 ID:
>>403 
特にデパートでのやり取りは、覚えています。 
それだけ、楽しかったです…。 

さすがに、一字一句とはいえないんですけどね;; 
こんな感じと思って下さればと思います。
405: :2010/11/03(水) 04:19:21.10 ID:
俺の誕生日。 

カーチャンは、いきなり出かけようと言い出した。 

カーチャンは、一緒に俺の誕生日プレゼントを買いに行こうって言い出した。 

カーチャン「一緒に選んだら、本当にほしいのが選べるでしょw」 

俺「そうだけどww」 

前に行ったデパートに到着した。
407: :2010/11/03(水) 04:25:05.06 ID:
追いついた。昨日からずっと見てるぞ。このスレ見てるとホームシックになる… 
明日母ちゃんに電話してみよう。
408: :2010/11/03(水) 04:26:21.76 ID:
俺はいつも、大学には手さげを持って行ってた。 
それがカーチャンには、つらそうに見えたらしい。 

要するに、バッグをプレゼントしたいとw 
ということで、ほしいのって言っても、カテゴリーは決定してた。 

カーチャンはすぐにバッグコーナーに向かってった。 
俺はそのことをまだ知らなかった。 

俺「バッグ買うの?」 
カーチャン「うん!俺のバッグ、持っててつらそうじゃない? 
自転車とかバイク(原付のこと)とか、乗ってて危ないんだからね!」 
俺「う、うん、そうだよね…。」 
カーチャン「これなんかどう?」 

赤茶色い、ショルダー型のバッグだった。 
正直、かっこよくて、ほしかったが、すごく高かった。 
カーチャン…センスが良いな… 

俺「い、いや…これなんかどう?」 

1980円のバッグを指さした。
409: :2010/11/03(水) 04:33:45.99 ID:
カーチャン「本当に、そう思ってる?w」 

笑いながら、疑った目だった。 

俺「使いやすそうだよ!たくさん入りそうだしね!」 

他にも数種類、見て回った。 
途中で、俺はトイレに行きたくなり、すぐに戻るからとトイレに行った。 

帰ってくると、カーチャンは何か買っていた。 

俺「何か、買ったの?」 
カーチャン「うんw俺の誕生日プレゼント♪」 
俺「マジ?あれ?決めたっけ…?」 
カーチャン「うんw決まってたでしょw」 

帰ってから開けてみると、高いやつのバッグだった…。 

俺「カーチャン…」 
カーチャン「わかってるよww」 
俺「ありがとう。大事に使うよ。」 
カーチャン「23年、俺はカーチャンの子どもだからねwわかるw」
491: :2010/11/03(水) 19:55:13.98 ID:
いま電車に一人で乗ってる 
周りに友達いない状態でこのスレ読んで、泣いてしまった 
周りからみたら、携帯みながら泣いてるきもい人。 

親に優しくできない自分が恥ずかしいわ
541: :2010/11/04(木) 01:32:06.79 ID:
19歳大学1年生。初秋。 


俺は家族(カーチャン以外)に、ストレス解消がかなり 
効果があった事を伝えた。 

実際、カーチャンはすごく喜んでくれて、めちゃめちゃ楽しそうだったから。 

薬の効能や、休ませることばかりに頭が向いていた俺たちは、 
このことは今の今まで盲点だった。 

森林浴の時だって、カーチャン、テンション上がってた。 
くもりのない、嬉しさだった。そう感じたんだ。 

家族でも一発計画してみるかと、小一時間考えた。
544: :2010/11/04(木) 01:39:41.08 ID:
家族会議の末、ドライブ→栗拾いになった。 
なぜか、トーチャンの意見で、そうなった。 

なんで? 

意外と行動派な一家、次の休日には決行された。 




その前に、カーチャンとのイモ掘りの話をしなければならない。
546: :2010/11/04(木) 01:48:59.42 ID:
時は小学2年生の社会科の授業までさかのぼる。 

俺のクラスの社会科の授業には、イモ掘りの実技が組み込まれた。 
他のクラスは、なぜかこんなイベント、無かった。 

それで、さらに親子でイモ掘りをするという企画にまでなった。 

母、父、どちらでも良いというものだったが、 
ウチはもちろんカーチャンが参加した。 

なぜか張り切っていた。 

スコップ、軍手、麦わら帽子。大きめのタオル。 
これらを1週間前には買いそろえていた。
547: :2010/11/04(木) 01:55:03.78 ID:
カーチャン「俺くん!スコップは何色が良い?」 
ちび俺「みどり!!」 
カーチャン「俺くんはみどり、好きだもんねーw 
お母さんは…水色にしようかな?」 
ちび俺「イモ掘りに使うスコップ?」 
カーチャン「うん!一緒に買いに行く?♪」 
ちび俺「うん!!」 

わざわざバスでデパートにまで行った俺たち。 

俺は子どもの頃から、緑色とか黄緑色が大好きだった。 
やさしい色だから。
548: :2010/11/04(木) 02:02:51.22 ID:
デパートに着くと、カーチャンは俺のためにいろいろ考えて買ってくれた。 

カーチャン「俺くん!このスコップは?」 
ちび俺「これがいい!!」 
カーチャン「でしょwwこれにしよう♪」 

緑って言ってたけど、実際選んだのは、きれいな色の黄緑色だった。 
カーチャンは、空の色みたいな水色だった。 

カーチャン「次は、帽子!被らないと、日射病になっちゃうからね?」 
ちび俺「にっしゃ、病?」 
カーチャン「うん。おひさまに長い時間、当たってると、 
頭がクラクラしちゃうから。」 
ちび俺「じゃぁ、かぶらないとね!」 
カーチャン「イモ掘りは、長い時間お外であるから、 
そろそろ新しいの買おうね!」 
ちび俺「うん!」
549: :2010/11/04(木) 02:07:20.28 ID:
俺には青い、仮面ライダーのキャップを買ってくれた。 

カーチャンは、青いリボンの付いた、麦わら帽子を買った。 
カーチャンの麦わら帽子姿、とても、似合ってたんだ。 

店内を、手をつないで歩いてた。 

その後、デパートのテラスみたいなカフェで、ご飯を食べながら、 
さっき買ったばかりのおニューの帽子を、2人で被った。
551: :2010/11/04(木) 02:14:06.77 ID:
イモ掘りの前日 


カーチャン「俺くん!明日はイモ掘りだよ!準備できた?」 
ちび俺「え?う、多分…」 
カーチャン「軍手と、スコップと、帽子だよ!あと、タオルも! 
軍手は、手袋みたいなのだから!」 
ちび俺「う、準備するよー。」 
カーチャン「お母さんは、麦わら帽子と、軍手と…」 

カーチャン「明日、たのしみだね!! 
いっぱい、取れると良いね! 
とれたら明日はてんぷらだね♪」 



…カーチャン? 

カーチャンのテンションがハイだったのを、覚えてる。
554: :2010/11/04(木) 02:23:28.68 ID:
社会科実技、イモ掘り当日。 



うちのクラスの担任はおちゃめ(?)で、なんでも工夫したがる先生だった。 
若い20代の女の先生だった。 

イモ掘りも、例外ではなかった。 
むしろ、イモ掘りなんてイベント、例外にするはずない。 

担任「それでは今からイモ掘りやります♪」 
生徒一同「はーい!!」 
担任「でもイモ掘り始める前に1つ、説明があります!」 
生徒&父兄「??」 
担任「お母さん方とクラスのみんなで、親子でイモを集め、 
多く取った人の勝ちです!でも、横取りは、ダメだよ。」 
父兄「ガヤガヤ」 


聞いて、ない。
555: :2010/11/04(木) 02:28:10.14 ID:
満を持して、イモ掘りは始まった。 

俺のペアは、最初から有利だった。 
早くから用意していた持ちモノ+カーチャンのやる気(?)があった。 

カーチャン「俺くん!!そこ、イモ!!あるよ!」 
ちび俺「ほんとだ!よい、しょ!」 
カーチャン「お母さんも手伝うから!」 

カーチャンが飛んできた。 

これがホントの芋づる式…ずるずる取れた。 
イモは鬼のように取れていった。 

結果、圧倒的な勝利をモノにし、なんと優勝した。 


もちろん、俺よりもカーチャンの方が喜んでいた。
556: :2010/11/04(木) 02:33:31.68 ID:
もちろん、我が家の夕食はイモだらけになった。 
ごはんを食べてお風呂に入ったあと、デザート(?)にふかしイモが登場した。 

普段なら嫌気がさしてるところだが、カーチャンと一緒に頑張って取った 
イモだった。家族みんなで食べて、とってもおいしかった。 

カーチャンは、とっても嬉しそうだった。 

何より、カーチャンと取ったイモを一緒に食べるのが、嬉しかった。 
カーチャン、大好きだから。
557: :2010/11/04(木) 02:41:14.26 ID:
19歳大学1年生。初秋に戻ります。 


トーチャンの”栗拾い”という意見は、実はここから来ていた。 

イモ掘りをあれだけ張り切っていたんだ、栗拾いも好きだろう。 

そういうことだった。 

でも12年前のこと。 
トーチャンも、覚えてたんだな。 
俺の、たかだか社会科の授業のことなのに。 
カーチャン、嬉しそうだったからな。 
トーチャンも、嬉しかったんだよね。
559: :2010/11/04(木) 02:47:19.24 ID:
親の偉大さを知って感謝しようと「ごはんありがとうございます」って言ったら怒られた… 
親は生きてるうち使うもんだとさ… 
就職して親孝行したいな畜生…… 

ってか>>1、仕事帰りだしもう夜遅いし、無理すんなよ 
561: :2010/11/04(木) 02:49:53.80 ID:
そりゃ、なに企画したってカーチャンのことだ、喜ぶだろう。 

だけど、そうじゃない。カーチャンが本当に楽しみたいこと、やりたかったんだ。 
『家族とだから』じゃなくて『カーチャンが楽しめること』を、みんなでしたかったんだ。 

カーチャンが大好きなことを『家族みんなで』! 
これがカーチャンのストレス解消に、1番効果があるんじゃないかって。 

カーチャンなら「私は何でもいいから、みんなのやりたいことしよう♪」 

こう言いそうだったから。 


俺と妹、トーチャンの意見は、満場一致した。
563: :2010/11/04(木) 03:03:06.92 ID:
思った通り、カーチャンは喜んでくれた。 
まぁ、何でも喜ぶのかもしれないけど…カーチャンは、本当に嬉しそうだった。 

ただ、カーチャンに過度の運動は禁物なので、 
激しい動きはさせないように注意を払わなければならない。 
カーチャン、ムリするから…。 


予定日を告げた夜、パラッと、風が吹いた拍子に、カーチャンの 
スケジュール帳が見えてしまった。 
しおりが挟んであったから、簡単にそのページが開けてしまったのだろう。 


栗拾いの日は、こうなっていた。 


☆☆クリひろい☆☆ 
もってくもの! 
軍手 上着 帽子 おべんとう 虫よけスプレー 
みんなの分
565: :2010/11/04(木) 03:14:46.67 ID:
カーチャンのスケジュール帳は、たまにカーチャンから見せて 
もらっていたけど、いつもこんな感じで、持って行く物を書いていた。 


日曜日当日、カーチャンは早起きしていた。 
俺は寝坊した。 

俺「カーチャン?何時に起きたの?準備がすごいんだけど…」 
カーチャン「おはよw4時かな?はやく準備、しなきゃねw」 
俺「よよ4時?マジ?!早いって!寝てなきゃ!」 
カーチャン「楽しみなことは、頑張れるんだよ♪ww」 


カーチャンをリラックスさせるためなのに、なにやってんだって思った。 


テーブルの上には、バスケットにお弁当が入ってて、 
水筒にはみんな好きな、冷えたカルピスが入っていて、 
帽子やタオル、おしぼり、虫よけスプレーなど用意してあった。 
バスケットのお弁当は、豪華だった。 
運動会の昼食で食べるお弁当レベルだった。
564: :2010/11/04(木) 03:07:37.38 ID:
追いついた。 

俺も両親に迷惑かけてるなー。 
行政書士の資格取る!! とかいって無職なのに何もしてない。 
ほんとにニートしてる。両親、期待してるのにね。 

なんかしなきゃ、って焦ってるんだけど、五里夢中。 
このスレ見てますます焦るわ。

 >>564 
ぜひ、頑張って下さい! 
時間って、大切なものですから…。 
行政書士って、難しそうです。でも、取って仕事ができたら、 
きっと、ご両親の、最大の親孝行になると思いますよ。 
応援、してます。 
567: :2010/11/04(木) 03:15:53.02 ID:
>>1の母ちゃんは在るべき親の像だな 
そして>>1も在るべき子の姿だなと思った
568: :2010/11/04(木) 03:20:17.20 ID:
ありがとうございます。 
みんなに見てもらえて、嬉しくて、書いてしまいます。 
ごめんなさい、毎日時間が遅くて…。
569: :2010/11/04(木) 03:27:24.75 ID:
カーチャンはつまみ食いを許してくれた。 
からあげも、たまご焼きも、とてもおいしかった。 

でも、朝食は、バスケットのお弁当とは全然違うメニューだった。 


俺はここで…カーチャンの偉大さを再確認した。 

お弁当にもたくさん時間を割いてると思うのに、 
朝食でまた、しっかりした朝ごはんが出てきた。 
このカラクリ、どうなってんの? 
こんなに大変な家事を、俺が生まれてから20年近く、 
続けてきたというの?文句ひとつ言わずに? 

カーチャンは、朝食を作ったり、みんなのお弁当を作ったり 
するのに、文句なんて一言も言ったことなかった。 

多い時は、3人分のお弁当に朝食なんてのもザラだった。 


カーチャンの手、ちょっとガサガサで、きずついていた。 
俺はまた、泣きそうだった。
650: :2010/11/04(木) 20:12:43.67 ID:
俺は、すごい久しぶりに、カーチャンの手のひらを、まじまじと見たんだ。 

カーチャンの手、あかかった。 
カサカサだった。 
固くなってた。 
きりキズがあった。 

カーチャン… 

カーチャン、ごめんなさい…。 
俺、やっぱり何もして、あげれてなかったね。 
カーチャンの、1番苦労している部分、手伝ってあげれてなかったね。 
退院してからも、苦労してばっかりだね。 



仕事量、何もかわって、なかったね…。 
ごめん、ごめんよ、ごめんなさいカーチャン……。
651: :2010/11/04(木) 20:18:25.49 ID:
カーチャンに謝った。 

"ごめん…気付いてあげられなくて……" 


カーチャンは、笑ってくれた。 
あたま、なでてくれた…。 
にこにこ、してた。 
この時、カーチャンからの言葉は、返ってこなかった。 


いつも、気付けなかったことを、後悔してしまう。 
でも、カーチャンは、笑ってくれる。 

俺が、親になったとして、こんなことができるんだろうか? 
カーチャンの子どもなのに、俺はカーチャンを超えること、 
絶対できないんじゃないかって、思ってしまうんだ…。
652: :2010/11/04(木) 20:30:58.60 ID:
カーチャンは、ほんの少しの間しか、手のひらを見せてくれなかった。 

カーチャンは、長い間手のひらを見られることを、イヤがったんだ。 

カーチャン、俺に気を使う必要なんて、ないんだ。 
むしろ俺は、その事実を、知りたかったんだ。 


カーチャン「そんなに見たら、ダメだよw」 
俺「え、なんで?」 
カーチャン「いいから、いいからw」 
俺「う、うん…。」 

俺はお手伝いを、時間を見つけてはしていたと思っていたが、とんでもなかった。 
カーチャンに仕事なんて、山ほどあるんだ。 
見えない仕事だって、いっぱいあるんだ。 

目につく仕事ばかりを考えていてしまった。 


俺は考えを根本から改める必要があるんだ。
655: :2010/11/04(木) 20:41:08.79 ID:
ひとまずは、栗拾いを成功に終わらすことを考えた。 
今日の企画が台無しになるのは、嫌だったんだ。 

一家を乗せた車は、栗拾いへと出かけた。 

幸いにも、天気は快晴だった。 

あまりに恥ずかしいから家族には内緒なんだが、 
俺は自室に、てるてる坊主をつるしていた。 

作戦は数日前に決行されていた。 
俺「なぁ妹、俺に布キレくれない?」 
妹「もうちょっと紳士に」 
俺「妹さん、私に布を少々、分けて下さいませんか?」 
妹「何に使うの?」 
俺「いいから、いいからww」 
俺「その、端っこの方でいいから♪」 

布キレに黒マジックで書いたお粗末なもの(しかも絵へた) 
だったが、気分が違ったんだ。 
ちなみに、つるしたせいで雨が降ったら、土下座しようと思った。 


俺の好きな、入道雲が出てた空だった。
660: :2010/11/04(木) 20:51:57.80 ID:
カーチャンは車内でも、すっごい気を回す人。 

濡れタオルを配ったり、酔い止め、頭痛薬、腹痛薬、胃薬を人数分、 
あらかじめ用意していたり、水筒でカーチャンの作ったカルピスを 
配ったりと、何かしら動いていた。あめやガムも常備してた。 

もちろん、カメラも持ってきてた。 
多分、カーチャンが一番忘れてはならないものなんだろうなぁと思う。 

カーチャンは白いワンピースに七分丈のデニムをはいていたのを覚えてる。 
カーチャンの中では、動きやすい服装なんだろう。 

俺は、どこか出かけるときの、このドライブが大好きだ。 
わくわくしてさ、もしかしたら、俺にとっては、1番この時が 
ストレス解消になっているのかもしれない。
661: :2010/11/04(木) 21:02:08.20 ID:
到着すると、観光地で日曜日なだけあって、賑わっていた。 
お年寄りから子どもまで、ほとんど家族連れだった。 

俺は、初めてすることはわくわくする方で、はやく遊び(?)たかった。 

俺「はやくはやく!」 
トーチャン「おーい、待て待て。」 
カーチャン「若いわねぇ~w」 

あんまり考えたことなかったけど…こういう施設って、 
取る量に限りがあったりするんですね。~kgまで、とか。 

みんな思い思いに動いていたが、俺はカーチャンの側で拾ってた。
664: :2010/11/04(木) 21:16:38.34 ID:
カーチャン「今日は、絶好の栗拾い日和だね!!」 
俺「うん。あんまり言わない言い回しだけどねwww」 
カーチャン「これ、誰が考えたの?」 
俺「トーチャンだよ。カーチャンがこういうのスキかもって。」 
カーチャン「そうなんだ。お母さん、スキだよ。でも、どうして?」 
俺「イモ掘りwww社会科のww」 
カーチャン「え?あ、ああwwすっごい取れた、あれww」 
俺「カーチャン、楽しそうだったから。」 
カーチャン「はしゃぎすぎたねw」 

カーチャン「でも、そんなこと、覚えてたんだね…」 
俺「そうだよ。俺もビックリしてさ…。 
カーチャン?トーチャンさ、ああ見えてみんなのこと、 
よく考えてるし、いつも幸せでいられるようにしてる。 
素で、尊敬してる。今はまだ、トーチャンにはいえないけど…。」 
カーチャン「そっか。お父さん、まじめだから。 
むしろ、みんなのことばかり考えて、自分の健康とか、 
ないがしろにするから、ちゃんと見ててあげなきゃ、ね。」 


(カーチャンも、だよ… 
でも、そんなところに、お互い、惹かれたんだろうな。)
665: :2010/11/04(木) 21:25:09.76 ID:
追い付いた。ここほんとにVIPかよ。涙ダラダラだよ畜生 

トーチャンカーチャン、親不孝な娘でごめんなさい 
多分結婚式も孫の顔も見せてやれないけど、学校はサボらずに行くようにする。 
666: :2010/11/04(木) 21:28:44.17 ID:
俺はカーチャンと栗拾いを続けた。 

一人で楽しむ方が、いいかな?とも考えた。 

でも、俺が一緒に拾いたかったから、側にいてしまったんだ。 


俺は絶好のチャンスだと思い、カーチャンに聞いてみたいことがあった。 

俺「カーチャン、最近、どんなことやりたい?」 
カーチャン「どんなことって?」 
俺「例えば、これして遊びたいとか」 
カーチャン「そうだね…。」 
俺「……。」 
カーチャン「最近温泉行ってないかもね。温泉、いきたいな♪」 
俺「温泉、か…。」 
カーチャン「家族で温泉に入りに行くのも良いかもねーww」 


カーチャンは、恐らく、施設の温泉に行きたいって言っているんだろう。 


俺は、決めた。 

最初の"親孝行"は、『温泉旅行』だ。
679: :2010/11/04(木) 22:12:01.83 ID:
俺両親に素直になれなくてツンケンした態度取ってしまうんだがどうしたらいいんだ/(^o^)\ 
一緒に買い物行ったりとかするんだけどどうも素直になれない
680: :2010/11/04(木) 22:16:01.23 ID:
>>679 
面と向かってが無理ならまず手紙とか書いてみるってのはどう?
681: :2010/11/04(木) 22:28:41.80 ID:
>>679 
つ 肩たたたき券
682: :2010/11/04(木) 22:37:02.48 ID:
>>679 
それよくわかる
707: :2010/11/05(金) 01:04:39.45 ID:
栗拾いよりも、カーチャンと会話してたのが印象に残ってる。 
家の中や、病室で話すよりも、ずっと、ずっと楽しかった。 
やっぱり、アウトドアなことをしながら楽しく会話するのって、なんか、いいんです。 

カーチャン、笑顔だった。 
とびきりの笑顔。 
俺は、それが何よりの今日の収穫だったんだ。 

俺は何が何でも、温泉旅行に連れてってやりたい。 
思いっきり、羽をのばしてもらいたい。 
家事の事なんか、1日くらいきれいさっぱり忘れてもらいたい。 


栗をにぎりしめ、誓った日だった。
709: :2010/11/05(金) 01:12:18.98 ID:
カーチャンは相変わらず、こういうの上手だった。 

話しながらでも、ドンドン集めていった。 
俺はというと、話せば話に集中する体質で、そんな余裕、なかった。 


集合時間になり、カーチャンは情けで俺に栗をわけてくれたww 
なんとも情けない結果で終了したw 

でもカーチャン、家族に、俺に分けたこと言わなかった。 
カーチャンは、普段からそういうことで面白がる人ではなかった。
710: :2010/11/05(金) 01:20:38.28 ID:
家に帰り、山のような栗を前に、家族は、うなった。 
『うーーーーん…』 
栗なんて、どうやって消化するんだよ… 
俺は何も思いつかなかった。 

結局、カーチャンが強引に栗ご飯を大量に作り、大半は消化した。 
残りは、家族でTVを観ながら、スプーンでグリグリして食べた。 
時間かかった。 

ポロポロこぼれるし… 
カーチャンは、食べ方上手だった。 
カーチャンって、器用なんだな…。 


お茶の間で家族で栗を食べてる時に、カーチャンはこうつぶやいた。 


『本当に、ありがとう。』 


声は、本当に、小さかった。 


10秒近く、みんな沈黙…トーチャンが、こう返した。 


『おう。また、みんなで遊びに行こう。』
711: :2010/11/05(金) 01:21:06.28 ID:
幼児虐待や親殺しが蔓延ってる今の世の中 
>>1みたいな家庭は稀有なんだろうな。
712: :2010/11/05(金) 01:22:09.29 ID:
>>1のカーチャンに近づくためにも今日の保育園の焼き芋大会は全力で我が子と焼き芋やろうとおもう
714: :2010/11/05(金) 01:30:04.74 ID:
19歳大学1年生。中秋。 


トーチャンが、バーベキューをやろうと言い始めた。 

俺や妹は大歓迎なのだが、カーチャン、トーチャンは、 
あんまり脂っこいものは食べれないのだ。それなのになぜ? 

でも、トーチャン、カーチャンは乗り気だった。 

トーチャンは、バーベキューに使う備品を集め、火を起こす係。 
カーチャンは、野菜や肉などを切ったり、食材の準備係。 
妹は、その他の家事を手伝ってた。 


俺? 俺…酒の買い出し…。 


・風は比較的強い 
・中秋 
・なんか少し寒い 

バーベキューは多少困難に思えた。 

なんでそこまでゴリ押ししてバーベキューをしたがるのかわからなかった。
717: :2010/11/05(金) 01:45:03.99 ID:
半ば強引に、バーベキューは開始された。 

トーチャン、昔っからこういうのは得意だった。 
アウトドア派なトーチャン。男だった。 
肉も焼いた。 
魚も焼いた(網に1匹丸ごと置いた…) 
野菜も焼いた。 
海鮮類も焼いた(貝とかタコとか) 
トドメに焼き芋した。 

肉だけじゃなかったので、トーチャンカーチャンも楽しめた。 
意外な結果、バーベキューは大成功だった。
718: :2010/11/05(金) 01:45:48.82 ID:
焼き芋をしながら、俺はどうしても疑問だったことを、聞いてみたんだ。 

俺「ねートーチャン。」 
トーチャン「うん?どうした?」 

トーチャンは俺の焼き芋にバターを塗ってくれた。 

俺「なんで今日、突然バーベキューを始めたの? 
もう秋だし、ちょっと寒いから、変かな、って思ったんだけど…」 



トーチャン「ああ。時期はちょっと変かもしれない。 
だけど、俺や妹も、そのうちこの家を巣立つだろう。 
そうしたらこんなに簡単に、バーベキューなんてすること、できないんだ。 
時期の選択ミスはあるが、やりたいと思った時にやる。 
思い出作りをしたかったから。 
まぁ、お父さんからしたら、家族でこうやって楽しむんだったら、 
季節なんて関係ねーからなwww 
カーチャンと、そう思ったんだ。」 

カーチャン「もう、俺も妹も、大きくなったからね。 
できるうちにやっておかないと、後悔するからね。 
寒いからって、バーベキューであったまるしねw」 

俺「……」
719: :2010/11/05(金) 01:53:47.56 ID:
俺は、そこまで考えて、想ってくれている両親に、心から感謝した。 

涙が出て、家族の前でこらえるのが。つらかった。 
夜で、涙は見えなかったかもしれない。 

正直、トーチャンがこんなこと俺たちに考えてるなんて、想ってなかったんだ。 

こんな優劣をつけるトーチャンも、悪くないと思った。
721: :2010/11/05(金) 01:58:43.60 ID:
その後もしばらく、みんなで火を囲んで、焼き芋を楽しんだ。 

カーチャン、アルミホイルでしっかり包んでくれた。 
バターや塩をまぶして、みんなで食べるイモは、格別だった。最高だった。 


いつか離れて暮らしていくんだと思うと、急に切なさがわいてきた。 

そんなこと、ほとんど考えたことなかった。 

今まで、みんなで過ごすの、当たり前だった。 

トーチャンカーチャン…先のことまで、考えて、くれてたんだ…
722: :2010/11/05(金) 02:05:46.98 ID:
ながく、ながく、火を囲んでいた。 

ヤキイモ、全部食べ終わっちゃった…。 
もう、さすがに、片づけなきゃいけないのかな…と思った。 

余韻が強くて、片付けたくなかった。 

間もなく、トーチャンが動き始めた。 
片づけを始めちゃったのかと、思った。
723: :2010/11/05(金) 02:06:38.59 ID:
いいなぁ 
こんな素敵な家庭いつか築きたいな 
子供できたら、いっぱい可愛がってあげたいな 
夫婦仲良くやっていきたいな
725: :2010/11/05(金) 02:08:57.76 ID:
違った、ヤカンとコーヒーを持って来た。 
お湯を入れたヤカンを、早速、火で温めていた。 


トーチャン「次はコーヒーだ。絶対、うまいぜ?」 

カーチャン「俺も妹も、これ飲んで、あったまりなさい♪」 


そう言って、大きめのマグカップに、作りたてのコーヒーを注いでくれた。 
トーチャンの、マグカップだった。 

とびっきりの、おいしさだった…。 



俺は、地べたに寝っころがり、星空を眺めた。 
満点の、星空だった。
735: :2010/11/05(金) 02:23:01.96 ID:
カーチャンも、隣でコーヒーを飲み始めた。 
カーチャンは、コーヒー好き。 

わざわざ毛布を持って来て、みんなでコーヒーを飲みながら星空を仰いだ。 

みんな、この時間が、ゆっくりになればいいなって、思ったのかな。 
楽しい時間が終わるの、寂しいんだよね。 
きっと、そうだと思う。 

みんなのあの時の気持ちは、同じだったんだ。 

今までのどんなコーヒーよりも、おいしかった。 
あの夜は、カーチャンと一緒に毛布にくるまって、 
いつまでも、話してた。 

飽きることは、なかった。
737: :2010/11/05(金) 02:31:54.21 ID:
19歳大学1年生。12月。 

街はクリスマスムードが漂っている。 
クリスマスに予定が無かった俺は、家族と過ごすことにした。 
別に友達といることもできたが、今年は家族といることにしたんだ。 

妹「クリスマスプレゼント、もらえる?!」 
カーチャン「何がほしいの?」 
トーチャン「俺、サンタクロースやろうか?」 
俺「え?何?プレゼントを配るってこと?」 
トーチャン「うん。いや、サンタクロースの服、買って来ようかな。」 
俺「そっち?!本格的な方?!」 
トーチャン「たまにはね」 
俺「過去にやったことあったっけ」 


トーチャン、本当にでかけた。
738: :2010/11/05(金) 02:36:16.11 ID:
トーチャン意外に行動派である
739: :2010/11/05(金) 02:40:51.17 ID:
カーチャンは、買い物にでかけるってことで、 
荷物、持つよって言って、一緒に付いてった。 

カーチャンの1番の目的は、ケンタッキー。うちの毎年の定番だった。 
値段の張り具合にビックリしたが、カーチャン、顔色1つ変えなかった。 

ケーキは、今年は買うことにした。 
フルーツケーキ!いちごが乗ったやつ。 

俺「奮発して、大丈夫なの?」 
カーチャン「年に1度だから♪」 
俺「そうだけど…平気かなぁ」 

カーチャン「…そのうち、俺も彼女とか作って、クリスマスは 
一緒にいられないだろうからね~。今のうちだけだねww」 

俺「カーチャン…」
740: :2010/11/05(金) 02:46:59.27 ID:
家に着くと、トーチャンはすでに帰ってた。 
赤い服が棚の上に乗ってた。 
あえて何も突っ込まなかった。 

クリスマスは別として、俺は年末年始の雰囲気が好きなんだ。 

特番ばかりやるTV。 
お正月のBGM。 
新年の予定を立てる楽しさ。 

俺は年始よりも、年末が好きだな。
743: :2010/11/05(金) 02:52:02.53 ID:
全員席に着いて、豪華料理を目の当たりにした。 

すぐにでも食べつきたかった。 
でも、トーチャンが身支度に時間、かかってた。 

俺「なにやってんだよww」 
トーチャン「引っ張んなって…!!」 


『乾杯!!!』 
カーチャンはワイン 
トーチャンはビール 
俺と妹は、シャンメリーを片手に、乾杯した。 

余談だけど、シャンメリーの量、少ないww 

この時期の雑談の時間は、大好きなんだ。
746: :2010/11/05(金) 03:01:07.89 ID:
いきなり急展開を迎える。 



トーチャン「来年の目標とか、みんなあるかい?」 
俺「そりゃぁ、ねぇ」 
妹「たぶん…」 
トーチャン「なにかあるだろ…?あるって言ってくれよ…」 
俺「じゃぁ、ある」 
妹「あるよ」 
トーチャン「じゃぁ、言っていこう!」 
俺「仕方ないなぁ」
747: :2010/11/05(金) 03:01:18.32 ID:
うちのトーチャンカーチャンも自慢できるめっちゃいい親だぜ 
今後も元気でいてもらいたい 
俺はまだバイトで就職してない屑だが
750: :2010/11/05(金) 03:09:51.20 ID:
俺「社会に出る前に、大学の講義で、経済学とか科目があるから、そういうの 
取って、経済の勉強したい。」 

確かに目標だが、それ以上の目標があったけど、伏せておいた。 

妹「高校入試で、志望校の為に英語頑張る。」 

トーチャン「仕事があんまりうまくいかないから、業績を伸ばすことだな」 

俺「トーチャン、あんまり考えてなかったでしょww」 

トーチャン「考えて、たよ?」 

ほんとかよ… 


カーチャンの番だった。 
当時、聞きたくないことだった。
753: :2010/11/05(金) 03:19:23.28 ID:
カーチャンは、しばらく黙っていた。 

が、目標を伝えた。 

カーチャン 
「来年も、元気でいられること。 
楽しく、いられること。 
俺や妹やお父さんと、一緒に頑張れること。 
生きていられること。」
756: :2010/11/05(金) 03:23:58.73 ID:
俺「…え?」 

カーチャン「最近、元気でいられるのは、俺やみんなのおかげだよ。 
今、すごい楽しいよ♪ 
来年も、いっぱい遊んだり、思い出、作ろうねw」
757: :2010/11/05(金) 03:26:59.12 ID:
この時はそれ以上、追求、できなかった。 

あまりにも、壁が大きかった。 

聞いてはいけないようなことを聞いたような…聞かなくちゃいけなかったような… 
すごかった。頭が追いつかなかった。
840: :2010/11/05(金) 20:39:59.40 ID:
俺は、その言葉の意味をすぐにでも聞きたかった。 

聞いて、安心したかったんだ。 
俺はいつも、そう。 
相手から安心する言葉を求めて、期待通りの返事が返ってきたら、安心しちゃうんだ。 

でも、"もし"、逆の…意味だったら…。 
他のなんでもない。カーチャンのことなんだ。 
1%の可能性でもある限り、聞くのが怖かった。 

怖かったんだ。 


俺は息を飲んだ。
844: :2010/11/05(金) 20:49:40.12 ID:
カーチャンは、次の言葉を発しなかった。 

でもそれ以上にびっくりしたのは、トーチャンも…間を残しつつ、 
次の言葉を飲んだ。 

俺や妹は、動けなかった。 

ご飯だけを食べる状態が続き、しばらくは何も話さなかった。 
話すことが、できなかった。 

でも沈黙のあと、トーチャンは、プレゼントを出してくれた。 

トーチャン「メリーメリークリスマス!!!」 

カーチャン「メリー・クリスマス♪」
846: :2010/11/05(金) 20:55:22.93 ID:
中を開けてみると、服だった。 
新春用だった。 
サイズもぴったりだった。 

カーチャンやトーチャンは… 
俺の服のサイズも靴のサイズも、 
身長に体重、誕生日、赤ちゃんの時にしてたクセ。 
よくやっていた好きな遊び。好きな食べ物。 
好きな動物…。 


全部知っている。覚えてくれている…。 
カーチャンは特に、いつもいろいろ気にかけてくれているんだ。 

なのに、カーチャンは何か隠している…。 
きっと、みんなに迷惑をかけないように。
847: :2010/11/05(金) 21:01:04.18 ID:
でも俺は追求しなかった。 

カーチャンが、話したがっていない。 
それは確かなんだ。 



なぁ… 
俺は今、どんな選択をすれば最善なんだ? 
本当のことを教えてもらうこと? 
知らないフリ? 
それとも、カーチャンから話してくれるのを待つの? 

カーチャン、元気になってきたんじゃないの?
848: :2010/11/05(金) 21:06:33.54 ID:
カーチャンは、みんなでパーティーをやっているところを 
カメラで撮ろうとした。 

俺は素早くカーチャンの元へ駆け寄った。 

俺「カーチャンが写って!」 
カーチャン「俺が写りなさい。カーチャン、撮りたいからw」 
俺「いつも撮ってるんだから、今回は、いいじゃん。」 
トーチャン「俺が撮って良いんだぞ。お前、写りなさい。」 



結局、カーチャンが撮った。 


微妙にクリスマスは、終わっちゃったんだ。 


俺は、早速行動に出た。
849: :2010/11/05(金) 21:13:36.84 ID:
19歳大学1年生。1月。 

お正月だ。 

トーチャンは、みんなでお参りに行こうと、深夜から遠出した。 
年末年始で気持ちも高ぶっているし、みんな、「行きたい!」と言って、 
すぐに車は出た。 

カーチャンは、すごい。 
行くって決めてからの、ドライブの準備が早い。 

深夜だけど、炊飯器をすぐに開けておにぎりを作った。 
みんなの上着を用意した。 
水筒に、熱いコーヒーとお茶を準備した。 

10分もかからず、みんなが準備が終わる前にカーチャンの準備は終わっていた。
850: :2010/11/05(金) 21:17:54.20 ID:
まるで、カーチャンは魔法使いだ。 
ふと見た時には、準備完了で正座して待ってた。 

本当に俺の親なのかと思った。 


親って、偉大すぎて……。 



車を走らせた先、神社の手前は、大混雑だった。 

有料駐車場も、いっぱいだった。 
トーチャンは、近くでみんなを降ろし、トーチャンだけ 
遠い駐車場に停めに行ってくれた…。
851: :2010/11/05(金) 21:24:22.19 ID:
ここぞとばかりに屋台、屋台、屋台の連続だった。 

カーチャンは、「買ってあげるよ♪」と言ってくれてた。 



なんで、カーチャンってこんなに、あったかいんだろうって。 
いつもいつでも365日、俺のコト、考えてくれるんだろうって…。 
年から年中、子どものコトばっかり考えて、疲れないんだろうかって…。 

そんなことを考えながら、奉納の列を並んでいた。
852: :2010/11/05(金) 21:29:33.03 ID:
カーチャンと一緒に、奉納、お参りした。 

俺は力強く鈴を鳴らし、土下座の勢いでお願いした。 

もちろん、願うことはたった1つだった。 
他に考えることは、なかった。 

カーチャンは、すごい長い時間、お祈りしていた。 

俺「カーチャン?どうしたの?」 

カーチャンは目を開けた。 

カーチャン「ごめんwさ、後ろにもみんな並んでるから、行こうか♪」
853: :2010/11/05(金) 21:38:07.35 ID:
おみくじ売場にて 


俺「カーチャン?さっき、お願い事長くなかった?」 

カーチャン「そう?長くないよw短くてお願いが途中で切れちゃうくらいにw」 

俺「1つじゃないと、お願い、かなわないよ?」 

カーチャン「だって…1つとか、ムリだもん…。 
お父さんや俺や妹が、健康で暮らせますように。 
妹が、受験で合格しますように。 
俺が、大学で楽しく勉強できますように。 
お父さんが、会社で活躍できますように。 
子どもたちが、幸せに、結婚できますように。 
みんな、いつまでも幸せでいられますように。」 

カーチャン「…ね?無理でしょ…?優劣なんてつかないんだもん…。」 


俺「……ありがとう、カーチャン。」 
カーチャン「え?どうしたの?(聞こえなかった)」 
俺「なんでもない。おみくじひこうよ。」 


カーチャン…。カーチャン、1つくらい、自分のお願い、入れてくれよ…。
854: :2010/11/05(金) 21:49:15.84 ID:
カーチャンとおみくじを引いた。 
俺は中吉だった。 
でも俺のおみくじの級等よりも、カーチャンのおみくじが、気になって仕方なかった。 

カーチャン「”学問”が今年は良いんだって!! 
なにか勉強、してみようかなwwちょっぴり、遅いかな?w」 

俺「”生活”の部分も良いみたいだよ、カーチャン。 
いろいろと、模様替えしてみたりすると気分一新、するんだって。」 

俺はこんなこと言いながらも、”病気・やまい”の部分を速攻で覗きこんだ。 

『やまい、なし。健康に気を付けるべし。』 

次いで、”旅行”確認。 

『出先に幸運あり。期待できる。』 



カーチャンのおみくじは、『大吉』、だった。
856: :2010/11/05(金) 21:56:43.46 ID:
カーチャン「やった♪今年は、絶好調だねw」 
俺「良かったね、カーチャン。なんでも、挑戦できるって書いてあるよ。」 
カーチャン「ほんとだw何か習い事でもしてみよっかなーww」 


カーチャンには内緒に、おみくじの内容を確認した。 

”病気”の項目を気にしてると、カーチャンも、イヤだろう…。 


でも、カーチャンの顔色があんまり良くない気がしたんだ。 

俺は、今日は早めに撤退した方が良いんじゃないかと思った。 

予感は的中することになった。
858: :2010/11/05(金) 22:04:05.40 ID:
今日は次辺りが、俺の記憶、体験で、比較的新しいところです。 

カーチャンとの、お話です。
859: :2010/11/05(金) 22:04:58.90 ID:
楽しみだ
868: :2010/11/05(金) 23:06:12.24 ID:
続きです。 


カーチャン、一気に顔色が悪くなった。 

カーチャン、その場にしゃがみ込んでしまった。 

俺はトーチャンと、急いで車まで連れて行き、自宅まで連れ帰った。 

カーチャン、病院に行きたくないって、言った…。
869: :2010/11/05(金) 23:10:44.03 ID:
正月、カーチャンを安静に寝かせた。 
カーチャンは、家事をしようと、動きまわろうとする。 

トーチャンは、急いでそれを阻止していた。 
カーチャンを、絶対に、働かせようとはしなかった。 

トーチャン、おかゆつくったり、有給とって休んだり、 
だからと言って俺たちにはお好み焼きや野菜たっぷりの 
ラーメンを作ってくれたりした。 

トーチャンの顔は、真剣そのものだった。 

お好み焼きも、決して手を抜くわけではなく、 
具だくさんの、屋台顔負けの味だった。
870: :2010/11/05(金) 23:12:36.99 ID:
カーチャンは、その姿を見つめていた。 

俺は、この2人に絶対一生かなわないと思うと同時に、 
自慢の両親だと、心から、そう思った。
871: :2010/11/05(金) 23:12:40.10 ID:
なんか涙出てきた
872: :2010/11/05(金) 23:20:34.92 ID:
俺「トーチャン…」 

トーチャン「うん?どうした」 

俺「トーチャン、忙しくて忙しくてたまんないのに… 
俺らのご飯まで、頑張って用意すること、ないよ 
なんか簡単に作るし、作れないときはお弁当とか買うから」 

トーチャン「ばか、それじゃ栄養が偏っちまうんだ。 
お前たちは、俺の大事な大事な、こどもなんだ。かけがえが、ないんだ。 
お母さんのこと、確かに大切だ。 
でも、おまえらのことも、大切なんだ。 
俺には、お前たちに栄養たっぷりのものを食べさせる『権利』があるんだ。 
決して『義務』なんかじゃない。俺は、『義務』だと思ってないからな。 

それに、家族と一緒にいるんだ。全然、忙しくなんかない。 
楽しいぞ。」 

俺「………うん……。」
873: :2010/11/05(金) 23:26:53.70 ID:
カーチャンは、寝ていると思ったのに、その話を聞いていた。 

トーチャンがご飯を作っている時に、カーチャンは話しかけてきた。 

カーチャン「お父さんね、俺や妹のことが、かわいくてかわいくて 
仕方ないんだよ。きっと、やりたいことをやっているだけだと思う。 
お母さんも、お父さんのああいう料理、俺が生まれる前はしょっちゅう食べてたよ♪ 
おいしいでしょ♪ 
みんな、食べてあげてねw」 

俺「うん、わかった。 
おいしいんだけど、邪魔しちゃってる気がしてさ…。」
874: :2010/11/05(金) 23:32:52.93 ID:
カーチャン「きっとね、俺も、私たちみたいに思う日がきっとくるよw 
子どもができた時にwかわいくてかわいくて、仕方なくなっちゃうから!」 

俺「そう、なのかなぁ」 

カーチャン「そうそう♪」 


カーチャンは、具合が悪いのに、頑張って俺と話してくれた。 
笑顔を絶やさなかった。 

俺は、カーチャントーチャンの言ってることが、 
本当に、何1つ偽りのない言葉だって、信じて疑うことはなかった。
877: :2010/11/05(金) 23:44:54.04 ID:
でもカーチャンの調子は、悪くなっていった。 

カーチャンは、「行きたくない…」って言っていたんだけど、 
病院へ行くことにしたんだ。 


思ったより、悪くなっていた。 

カーチャン、やっぱり、ムリしてたんだ…。 

入院はしたがらなかったカーチャン… 
薬の処方を、大量にもらった。 

こんな量を、カーチャンは食後に飲まなきゃならないんだ。
880: :2010/11/05(金) 23:56:30.79 ID:
カーチャン 
「離れて暮らすのは嫌だよ… 
せっかく新年のあいさつもして、お願いもしたのに…」 



カーチャン…わかってくれ… 

カーチャンと会えないのはみんなだって寂しいさ… 

でも、このまま病気の進行が続いたら、どうなる? 

カーチャン、元気になって戻って来たら、またみんなと 
ボーリングできるじゃない。ドライブ行けるじゃない。 
ピクニックに行けるよ。夜はこたつでみんなでトランプできるよ? 
みんなで、お祝いごとも祝えるよ? 

みんなの願いは1つだよ… 

病気が治って、健康になってほしいんだ。 

みんな、さみしいけど… 


何より、みんなが年越しでお祈りしたことだと、思うんだ。
883: :2010/11/06(土) 00:03:17.77 ID:
カーチャンは、とりあえず入院することになった。 

カーチャンに、これからもずっとずっと…"カーチャン"でいてもらうために。 

お願いして、みんなで治すって、そうきめたんだ。 


みんなで、治していくんだ。 


俺は、バイトの掛け持ちを始めた。
884: :2010/11/06(土) 00:05:22.60 ID:
なんか…なんか胸騒ぎがする… 
やだなやだな。。
886: :2010/11/06(土) 00:12:05.35 ID:
大学生+バイト掛け持ちは、並大抵の覚悟ではできないなと思った。 

でも俺は違う。 

目標があるから。 

『温泉旅行』 

目標があるから、頑張れた。 
普段の俺なら、すぐ辞めてた。 
なにより、なによりも…カーチャンの喜ぶ顔が見たかった。 

俺は、こういうことでもカーチャンの治療につながるんじゃないかと考えたからだ。 

喜ぶこと、嬉しいことをされて、少なくとも悪い影響を与えることはないだろう。 

俺は、やれることはやってみたいんだ。
889: :2010/11/06(土) 00:19:48.88 ID:
なぜか俺の大学の学生の親たちは、バイト否定派だった。 

なにかしらで学業に支障をきたすからって。 

俺の両親は、肯定派だった。 
社会の勉強を先にできるからって。 
俺も、バイトしたかった。 

さすがに掛け持ちはやばいかなと思ったが、 
軽い就労時間のやつを見つけて、働いた。 

不思議と、楽しかった。 
『目標』が、楽しい目標、だったから。 

一刻も早く、喜ぶ顔を見たかった。
890: :2010/11/06(土) 00:26:34.81 ID:
俺は働いてる間も、目標を胸に、頑張った。 



カーチャン、産んでくれて、ありがとう。 

カーチャン、いつも笑ってくれて、ありがとう。 

カーチャン…いつもご飯作ってくれて、ありがとう。 

カーチャン…こんな俺と、一緒に泣いてくれて…ありがとう…。 

カー…チャン…こんな俺と…一緒にいて、くれて…あり…がとう… 

カー…チャ…ン… 


泣きながら仕事してた時もあった…。
891: :2010/11/06(土) 00:36:17.62 ID:
カーチャン、本当は、こんなことしてる間も… 
一緒にいた方がいいのかな? 

俺も、カーチャンと会いたい… 
でも、バイトしている。 
正直、どっちが良いのか、わからない…。 

だけど、俺はバイトして温泉旅行行きたいって、思った。 

カーチャンに喜んでもらえると思ったから…。 

カーチャン、喜んでくれるかな? 

俺、カーチャンの描いた息子に、なれてるかな? 

楽しみに、してるよ。 

温泉…楽しみ。 

それまで、頑張って。
892: :2010/11/06(土) 00:44:31.28 ID:
トーチャンの業績は伸びた。 
トーチャン、逆光に強い男。 
トーチャン、決してメンタルが強いわけではなくて、 

『自分の大切な人のために、何ができるか』 

を考えて、頑張っているんだ。 

トーチャンの気持ち、わかる気がするな。 

トーチャン、こんなに頑張ってるんだもん。 

きっと、よくなるね。 
カーチャンの悪いところなんて、すぐ、消えるね。 

カーチャン、頑張ってる俺らのこと、見てくれてるかな。 

伝わるかな? 
励みになれるかな…? 

がんばれ、カーチャン。
893: :2010/11/06(土) 00:47:36.59 ID:
有言実行のトーチャンかっこいいな
894: :2010/11/06(土) 00:52:58.79 ID:
俺は大学の講義もきちんと受けた。 

バイトもさぼらなかった。 


俺はいつしかこう思うようになっていった。 


『カーチャンに、恩返しをしていきたい』 



でも、カーチャン生きてなきゃ…恩返しできないんだよ? 
生きてなきゃ、楽しくないよ? 
俺たちと、会えなく、なっちゃうよ…? 

カーチャンは、元気でいなくちゃ、ならないんだよ。 

こんなにも、頑張ったじゃない。 

これからは、元気で楽しくいないと、いけないんだよ。
901: :2010/11/06(土) 01:04:10.21 ID:
お見舞いに行った。 
カーチャン、やせてた。 
でも、笑顔で出迎えてくれたんだ。 

カーチャン、窓際のベッドじゃなかった。 
カーチャンに、窓際になってほしかった。 
青空が、きれいだから。 
小鳥も、飛んでくるから。 
カーチャン、鳥、好きなのにね。 

俺、カーチャンに何かあげたいなって思った。 

病院って、退屈そうだから…
904: :2010/11/06(土) 01:10:57.56 ID:
俺はばかだから、知恵の輪をあげた。 

でもカーチャン、「解いてみるwww」って、嬉しそうだった。 

福引きで当たった、ルービックキューブも持って来ようかな…。 

カーチャンに、何でもしてあげたかった。 
やせ細ったカーチャンをみて、俺は泣き崩れそうだったんだ…。 

何かないかな、なにか…って、ずっと考えてた。
906: :2010/11/06(土) 01:13:37.26 ID:
涙止まらん… 
もう許してれ…
907: :2010/11/06(土) 01:23:14.99 ID:
カーチャンはこう言うんだ。 

「俺、来てくれてありがとう。 

ねぇ、百羽鶴のこと、覚えてる? 
俺が折って持ってきてくれた、百羽鶴。 
あれ、私の自慢だった。 
病室の人たちに、自慢してた。 
色とりどりの、鶴たちだったねw 

今までのみんなとの思い出、たくさんありすぎて、お母さん幸せだねww 

自転車、よく練習しました! 

イモ掘り、はしゃぎ過ぎたねw 

トーチャンが入院した時は、みんなで、泣いちゃったね。 

みんなでやったバーベキュー、とっても、おいしかったね! 

俺は、お母さんの大切な、大切な…たからものです。」
909: :2010/11/06(土) 01:28:36.01 ID:
10秒ほどの沈黙が入った。 

俺「…カーチャン。」 

カーチャン「…うん?」 

俺「楽しかったよ。全部、楽しかった。 
でも、これからも、楽しいんだ。 
今、思い出を振り返る時じゃ、ないんだ。 
今からだって、たくさん、できるじゃないか。 
今そんなこと、言わないでくれよ。」 

俺「また、バーベキュー、やろう。」 

カーチャン「………うんw」
917: :2010/11/06(土) 01:47:51.38 ID:
院内、中庭を一緒に散歩したかったのだが、 
今日は散歩の許可が下りず、ベッドの上で話すだけになった。 

カーチャンも、もともと活発な人で、動きまわりたい人なんだ。 
かわいそうだった。 

カーチャンと、普段あまりしなかった、たわいもない話をした。 


「大学の講義でね~、この難しい問題で当てられちゃって…」 
「この講義の先生さ、面白くてさぁ」 
「バイト先でかっこいい服見つけた!!」 
「今日はバイトでミスっちゃって…上司に怒られたんだ…」 

全部、真剣に聞いてくれたんだ。 
全然、めんどくさがらないでいてくれた。 
こんなにどうでもいい話なのに… 
カーチャンは、凹んで笑って、聞いてくれた。
918: :2010/11/06(土) 01:52:09.15 ID:
やっぱり、温泉旅行のこと、言わないでおいた。 

退院記念に、行きたかった。 

どうしても、行きたいな。 

お金は、あるんだよ。カーチャン。 

絶対、行きたいよね?未来の、カーチャン。 

必ず、行こうね。
919: :2010/11/06(土) 02:01:10.88 ID:
バレンタインの季節がやってきた。 

バレンタインにと、俺はカーチャンに、買ってきてと頼まれた。 
カーチャン…そこまでして、律儀にプレゼントしなくて、いいんだよ。 
トーチャンだって、わかってるさ…。 

でも、カーチャンらしいね。 
そんなカーチャンのこと、俺もトーチャンも、好きだもんね。 

結局、クッキーを買ってきた。 


俺「カーチャン、来年は、手作りできるよ!!」 

カーチャン「もちろん♪なに言ってるのww」 

俺には、なんかお酒の入ったワイン、くれた。 
ほろ苦くて、とってもおいしかった。
937: :2010/11/06(土) 02:25:51.52 ID:
カーチャンは、日々痛みと戦っているらしい。 
病気に多いんだけど、昼はそうでもなくて、夜にかなりの痛みが来るんだって… 

そりゃ、やせるよね。 

でも、会いに来たら、いっつも笑顔。 

また、鶴、折ろうかな。
972: :2010/11/06(土) 03:20:10.07 ID:
とりあえず誰かスレ立てろよ 
(オレ規制で無理ぽ)
983: :2010/11/06(土) 03:44:56.30 ID:
なんとか立ったようだ
985: :2010/11/06(土) 03:47:06.85 ID:
ありがとう。 
手間をかけさせてしまって、すみません…。
986: :2010/11/06(土) 03:47:57.64 ID:
こっちどうすんだ埋めちまうのか
988: :2010/11/06(土) 03:48:37.09 ID:
埋めましょうか… 

本当にみんな、感謝です。
989: :2010/11/06(土) 03:49:12.85 ID:
久々に泣いた埋め
1000: :2010/11/06(土) 03:52:07.45 ID:
カーチャン

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