s-c304bbad1:ななしさん 2021/01/17(日) 11:47:42.57
コロナ禍でも韓国人就活生が日本を目指すわけ
1/17(日) 9:59 毎日新聞

 「貴社、御社、弊社はそれぞれ何が違う?」

 「貴社は書く時に、御社は話す時に(使い)、弊社は自分の会社のことです」

 講師の問いかけに、20代の男女1人ずつがこう答えた。学生街の一角で毎週土曜の午後、日本人講師が10人程度の就職活動中の学生らにエントリーシートの書き方や就活に必要な知識を教えていく。日本企業に就職するためのよくあるセミナーの風景だ。私も7年前に受けたことがある。

 ただ、ここはソウル。受講生は全員韓国人だ。近年、日本への就職を希望する学生が急増していると聞き、私は2020年12月、ソウル市新村で日本への就職あっせん事業を行う「KOREC」を訪れた。KORECでは、韓国人就活生たちに日本企業の採用情報を提供したり、就活に関する教育などを行ったりしている。

 韓国産業人力公団によると、15年に韓国から日本企業に就職した人は632人だったのに対し、19年は2469人と4倍近く増加した。徴用工問題や日本の対韓輸出規制などで両国関係は国交正常化後最悪と言われているうえ、20年は新型コロナウイルスの感染拡大で両国の民間往来は激減した。それでも日本への就職希望者は減っていないという。

 なぜ韓国人は日本への就職を目指すのか。就活生を取材すると、韓国の厳しい競争社会と日韓の就活事情の違いが見えてきた。




 ◇競争の激しい「スペック社会」


 KORECは、代表の春日井萌さん(29)が17年に事業を立ち上げ、19年に法人化した。法人化以降、KORECのセミナーを受講した就活生は約200人に上り、延べ300人以上の内定を出している。

 私が見学したセミナーは約2時間で、就活初心者を対象にした入門講座だった。生徒に書いてきてもらった自己PR文を参加者同士で添削しあったり、講師が就活における重要単語を解説したりした。講師の説明や、生徒が書いてきた自己PR文はすべて日本語だ。現在ソウルに留学し、韓国語の勉強に四苦八苦している私は学生たちの語学力の高さに驚くばかりだった。だが、みんなどこか不安げだった。

 セミナーを受け終わった学生たちに話を聞くと、「とにかく就職するのが大変。(韓国では)3~4年就活するのは普通です」というのだ。確かに、18年の大学生の就職率は64・2%にとどまっている。調査方法が異なるため単純な比較はできないものの、日本の98%(20年春卒業)と比べるとその低さが際立つ。

 背景として、参加者全員が口をそろえて大変さを語ったのが「スペック」の存在だ。韓国で就職するには自分の能力を示す資格や経歴が必須で、それらを総じてスペックと呼んでいる。韓国は日本以上の学歴社会であるため、まず大学名が重要になる。そのうえで▽TOEIC800点以上、文系なら900点以上▽コンピューター活用能力試験▽韓国史に関する国家試験を持っていること――がマスト。最近は中国語検定「HSK」をとる人も多い。

 また、韓国の企業は大学での専攻と職務内容がマッチするかどうかを重要視する。このため就活生は自分の専攻に関係ある資格、例えば貿易に関する資格やプログラミングの資格なども取らなければならない。この他、インターンの経歴やボランティアの活動歴などもスペックに入る。スペックの多さが勝敗を分けるため、厳しい受験競争を経て大学に入学した直後から、今度は就活に向けてスペック獲得のため奔走する学生もいるという。

 セミナーに参加していたソウル市の女性(22)は「スペック集めにはお金がかかるのが大きな問題です。私を含めて友人たちは皆、TOEIC受験のための塾に通っていました。(金銭的に)親に支援してもらいながら必死です」と話した。

 大学4年生の崔世鎮(チェ・セジン)さん(26)は「自分は何が好きか、何をしたいかということよりも、就職に役に立つか否かで学部や進路を決める人が多い」と語る。崔さんは航空業界で働きたいと考え、航空電子工学などを学べる学部を専攻した。日本は航空分野が優れているとして、日本企業への就職を希望している。夢と大学での専攻が結びついているケースだが、そうでない学生も多いそうだ。崔さんの友人には「専攻を生かせる企業に就職したくても、そうした企業があまりなかったり、専攻が自分と合わない」といった悩みを抱える人もいるという。

 ◇強い大企業志向、何年も就活


 なぜこれほどまでに厳しい就職競争が繰り広げられているのか。

 韓国では、若年層の失業率の高さが深刻な社会問題となっている。韓国経済研究院によると、19年の若年層(15~29歳)の失業率は8・9%に上る。研究院によると、この年の日本の失業率は3・6%にとどまっており、倍以上だ。コロナ流行後はさらに厳しさが増している。20年5月現在、最終学校卒業者のうち未就業者は166万人で、07年以降過去最多を記録した。

 だが、専門家からは意外な指摘を耳にした。労働問題に詳しい韓国中央大学の李秉勳(イ・ビョンフン)教授によると、「就職競争が深刻なのは大企業や公共機関などで、中小企業などではむしろ人手不足」というのである。李氏はさらにこう続けた。「大卒者の期待に応えられる雇用が不足し、非正規職などが多いことが最も大きな原因」。つまり、学生たちと企業側のミスマッチがあるという分析だ。韓国では日本より、大企業と中小企業間の賃金や福利厚生の格差が大きい。このため、大企業や公共機関、半官半民企業の競争率が高くなるというわけだ。

 また李氏は、「幼い頃からの成績競争や入試競争など、競争文化を当然視する風土」も一つの要因だとの見方を示した。歴史的には、20世紀に近代化する過程で以前の身分階層が崩壊し、誰もが階層上昇への欲求を持つようになったことも影響しているという。

 先述の崔さんは、李氏の解説を裏付けるようにこう打ち明けた。

 「中小企業に勤める友達は、大企業に就職した友達と遊んでいる時に、自分がみすぼらしい人間だと感じたそうです。親が『うちの息子はサムスンに就職した』とか『誰かの娘は(韓国最大手通信企業)KTに就職したんだって』といった話をするのを子供たちは小さい頃から聞いて育っています。このため、自然と大手企業への就職を希望する傾向が生まれてしまうのではないでしょうか」

 ソウル市の男性(28)も、「みんながその学校や企業の名前を知っているかどうか、という価値観を大事にしている人が多い。大企業にいくために何年間も就活をしている後輩や同期もいる」と教えてくれた。この男性は、すでに韓国の会社で働き始めているが、日本での就職が決まれば日本に行くつもりだという。「韓国には数年前から、自虐的な意味を込めた『脱朝鮮』という言葉が若者の間ではやっています。最近はソウルの家賃が高騰し、一生働いても自分の家が持てないと言われています。海外に出ようとする動きは今後加速すると思います」

 ここまで読んで気付いた人もいるかもしれないが、就活生の年齢は20代半ばから後半と、日本であれば一般的には就職して数年たっている年齢だ。これは決して彼らが出遅れているためではない。スペック獲得のために留学している人が多いうえ、韓国の大学は日本と比べると課題に追われて多忙なため、いったん休学して就職活動をすることも珍しくない。

 韓国の男性には、兵役という大きな壁もある。19歳以上の男性は1年半~2年近くを軍隊で過ごす義務がある。キャリア形成の序盤の時期に重なることになる兵役について、前述の28歳の男性は、「同期の女性より2年間も遅れるのがすごく不安でした。その間女性は語学の勉強や職務経験をしたり、ボランティア活動などでスペックを積み重ねることができるので不公平だと感じました。除隊後、社会的に保障されるシステムであれば(兵役で)2年間、家族と国のために奉仕できますが、最近はただ出遅れるだけというイメージが強い」と不満を漏らした。

 ◇日本の「ポテンシャル採用」に可能性感じ


 こうした競争の激しさと日本への就職希望者増はどう結びついているのか。海外で就活をするなんて、自国で就職するよりさらに大変ではないだろうか。

 その理由を就活生に尋ねると、日本企業の「ポテンシャル採用」に魅力を感じる人が多いことが分かった。韓国ではマーケティング職、営業職などと職務ごとに採用するケースが一般的だ。このため、大学の専攻や資格が重要視され、その職務の専門的な知識や能力がある人が優先的に採用されるという。

 一方、日本の場合、多くの企業は総合職として一括採用した後、入社後に育成する。つまり、大学での専攻に関係なく就職するチャンスがある。このように、自分のスペックだけではなく、ポテンシャル(可能性)を見てくれる日本企業は韓国の就活生にとっては魅力的だという話だった。大学4年の女性(22)は「韓国の企業は即戦力になる人を採用します。しかも自分の代わりの人材は他にもたくさんいるので、いつ首になってもおかしくない環境です。しかし、日本は長く一緒に働ける人を採用していると感じます」と日本企業に人間味を感じるという。

 日本のITベンチャー企業に就職が決まった女性(26)は、「私のような文系の人間が韓国でIT企業に就職できることは、まずありえないです」と笑った。この女性は「就職に有利だ」という親の希望もあり経済学部に入学したが、「自分が楽しいと思えない勉強に力を注げない」と、別の大学の日本文学科に入り直した。就活開始当初は韓国国内での就職も考えていたが、外国語専攻だと就職先の幅が狭まる。次第に、元々文化が好きだった日本に住みたいという気持ちが強くなり、日本での就職に的を絞った。日本の中小企業に就職した人の話を聞くうちに徐々に視野が広がり、「この会社だから入りたい」と思える企業を見つけた。19年秋、見事内定を獲得した。

 19年といえば、韓国では日本による対韓輸出規制で対日感情が急速に悪化した時期である。そんな中、日本に就職することにためらいはなかったのか。私がそう尋ねると女性は「個人的には迷いはあまりありませんでした。親も応援してくれました」とあっけらかんとしていた。コロナにより入社時期は確定していないものの、既にオンライン研修を受けるなど手厚いサポート体制に支えられていると満足そうだ。

 韓国産業人力公団の統計をみると、前年と比べても19年の日本での就職者数は1.4倍に増えている。KORECの春日井氏は、「日本企業の不買運動が起きた時は採用企業が少し減り、学生も日本企業の就活をしていると言いにくい雰囲気はありました。しかし、やはり国内の就活が苦しいので、そうは言っていられないのでしょう」と就活生たちの気持ちを推察する。

 ◇コロナ禍でも日本への流れ変わらず


 KORECの受講生は、楽天、ソフトバンク、みずほフィナンシャルグループ、ローソン、三井不動産、アサヒビールといった大手企業から次々と内定を獲得している。アマゾンジャパンの内定者は20年だけで8人に上るという。

 韓国政府も、若者の就職難対策として外国への就職あっせんに力を入れている。韓国産業人力公団によると19年の国外就職者は計6816人で、15年の2903人から倍以上も増えた。19年の国家別で最も多いのが日本の2469人で、米国1524人▽シンガポール473人▽オーストラリア340人――と続く。

 だが、新型コロナの流行により、ビザが発給されないなどの事態に直面、海外への就職を諦める就活生が続出した。危機感を抱いた韓国政府は、KORECと共同で20年12月にキャリアフォーラムを開催したほどだった。政府主催のフォーラムは例年日本企業だけで100社以上が参加するが、今年はオンラインで20~30社ほどの参加にとどまった。ただ、春日井氏によると、依然として日本企業の関心は高いという。

 「これだけ語学能力が高く、働く意欲のある人材は日本でもそう多くありません。韓国人を対象にした3泊4日のインターンを、旅費などをすべて負担して開催するような会社もあります。1回採用した企業のうち、半分はまた採用したいと言ってくれます」と日本企業が韓国人学生に目をつける理由について説明してくれた。春日井氏は、コロナが終息すれば、さらに日本への就職希望者は増えるとみている。

 就活生の李仲訓(イ・ジュンフン)さん(25)は、「コロナで日本企業のイベントやセミナーがオンライン化し、韓国にいながら参加することができる利点もあります。企業の採用担当者から『韓国からわざわざありがとうございます』と言われたこともありました。このような状況ですが、自分次第で突破口は見つかると思っています」と前向きだった。

 ただ、やはり韓国企業への就活と同様に、日本でも大企業を希望してなかなか視野を広げられない就活生も多いという。「韓国では中小企業というと経営が不安定で待遇が悪いイメージが強いので、やはり日本でも大企業に入りたがります。大企業を目標にしたマインドセット(思考様式)になっている就活生の考え方を変えるのは簡単ではありません」(春日井氏)

 就活生の不安げな様子、ポテンシャル採用ならもっと自分の中身を見てくれるのではないかと期待する姿、エントリーシートに「就活のために頑張ったこと」をちゅうちょせず書いてしまう学生たち――。私はそんな彼ら、彼女たちに切なさを感じた。韓国のある大学関係者は、「学生たちはとにかく自信なさげだ。褒めても全く喜ばず、むしろ『うそ言わないでください』と言わんばかり」と困惑していた。コロナの影響で彼らの不安はますます大きくなっている。

 就活生の中には「競争があるから国が成長するのです」と胸を張る人もいた。確かにそうかもしれない。でもそのために学生たちがこれだけ不安を抱え、自分のしたいことを犠牲にしながら頑張らないといけないのだろうか。韓国の政治はもちろん、企業や民間の人々も彼らの不安に寄り添い、明るい未来を描けるような環境を作ってほしいと願わずにはいられない。【日下部元美】

https://news.yahoo.co.jp/articles/a23d29ffe1d1116cc24e46c3ea35c0c31aae92bb

2:ななしさん
NO JAPANなんだろ?来るなよw

3:ななしさん
「とにかく就職するのが大変。(韓国では)3〜4年就活するのは普通です」

9:ななしさん
ムンムンを信じろ
No Japanを貫け

14:ななしさん
採用したら訴えられ、解雇したら訴えられ

16:ななしさん
アメリカ行け!

21:ななしさん
言行不一致民族の言葉の軽さよ

23:ななしさん
後の徴用工である。

24:ななしさん
中国やアメリカに行けばいだろ

32:ななしさん
我々は強制連行された

53:ななしさん
後の徴用工