1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 10:38:47.55 ID:EI7FBpN60
ルルーシュ「お願いします……うぅ……」

咲世子「では、失礼いたします」

ルルーシュ「え?」

咲世子「んー……」

ルルーシュ「咲世子さん!!何を!!」

咲世子「日本で熱を測る場合、額と額を合わせるのが普通です」

ルルーシュ「そ、そうなのか……」

咲世子「はい」

引用元: ルルーシュ「苦しい……」咲世子「熱を測りましょう」 




2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 10:41:17.18 ID:EI7FBpN60
咲世子「では、まいります」

ルルーシュ「あ、ああ」

咲世子「んー……」

ルルーシュ(顔が近い……)

咲世子「ルルーシュ様……あの、目は閉じておいていただけると……」

ルルーシュ「そ、そうだな……気が利かなくてすまない」

咲世子「いえ」

ルルーシュ「……」

咲世子「……」ピトッ

ルルーシュ「……っ」ピクッ

咲世子「……」

ルルーシュ(今まで意識したことがなかったが、咲世子っていい匂いがするんだな……)

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 10:44:00.58 ID:EI7FBpN60
咲世子「……」

ルルーシュ「……」

咲世子「ふぅー……」

ルルーシュ(咲世子の吐息が……!!)

咲世子「……」

ルルーシュ(少し顔を動かせば唇が触れてしまいそうだぞ……。いいのか……!!)

咲世子「……」

ルルーシュ「あの……」

咲世子「黙っていてください」

ルルーシュ「はい」

咲世子「……」

ルルーシュ(いつになったら終わるんだ……!!)

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 10:48:18.78 ID:EI7FBpN60
咲世子「―――37.5℃でしょう」

ルルーシュ「はぁ……そうか」

咲世子「安静にしていれば問題ないと思います」

ルルーシュ「ありがとうございます」

咲世子「いえ。体調管理もメイドの務めですから」

ルルーシュ「……」

咲世子「何か?」

ルルーシュ「咲世子さんっていい匂いがするなと思って」

咲世子「はい。体臭で主を不快にさせてはいけませんので。気を遣っております」

ルルーシュ「そうか」

咲世子「では、後ほど」

ルルーシュ(よかった。大したことはなさそうだな)

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 10:52:35.31 ID:EI7FBpN60
咲世子「……」

ナナリー「咲世子さん。お兄様の様子はどうでしたか?」

咲世子「いい匂いだなんて……はぁ……」

ナナリー「咲世子さん」

咲世子「いつも体の隅々まで念入りに洗っておいてよかった……ルルーシュ様……」

ナナリー「咲世子さん!」

咲世子「え、はい!?なんでしょうか!?」

ナナリー「お兄様の様子はどうなのですか?」

咲世子「ああ、申し訳ありません。疲労による発熱かと思います」

ナナリー「大事はないのですね?」

咲世子「ご安心ください」

ナナリー「よかったぁ。では、私がお兄様の看病を―――」

咲世子「いけません!!」

ナナリー「え?」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 10:55:42.84 ID:EI7FBpN60
ナナリー「ただの熱なのでしょう?」

咲世子「はい」

ナナリー「なら、私が看病を―――」

咲世子「ナナリー様。それはメイドである私の務めです」

ナナリー「でも、私もお兄様の看病をしたいのですが」

咲世子「私もしたいです」

ナナリー「……」

咲世子「……」

ナナリー「えっと……」

咲世子「それにナナリー様は午後から授業がありますから」

ナナリー「まだ午前中ですよ?」

咲世子「ほら、あの、支度をしないといけませんし」

ナナリー「もうできてます」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 10:58:23.62 ID:EI7FBpN60
咲世子「とにかく。ここは私にお任せください」

ナナリー「そ、そうですか……」

咲世子「ええ」

ナナリー「分かりました。そこまで言うのでしたら」

咲世子「ありがとうございます」

ナナリー「……」

咲世子「さてと、お水を持っていきましょうか」

ナナリー「……」

ナナリー「……」ピッ

ミレイ『―――はーい、ミレイ・アッシュフォードでーす』

ナナリー「ミレイさん、大変なことが」

ミレイ『なになに?どうしたの?』

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 11:01:51.81 ID:EI7FBpN60
咲世子「失礼いたします」

ルルーシュ「どうしました?」

咲世子「お水をお持ちしました」

ルルーシュ「ああ。助かります」

咲世子「どうぞ」

ルルーシュ「どうも」

咲世子「ご気分はどうですか?」

ルルーシュ「まだ気分が優れませんね」

咲世子「もう一度、熱を測っておきましょうか」

ルルーシュ「え……」

咲世子「おでこを……ルルーシュ様……」

ルルーシュ「じゃあ……」

咲世子「ふふ……」

ルルーシュ「……」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 11:06:08.07 ID:EI7FBpN60
ルルーシュ「どうですか?」

咲世子「少しばかり熱が上がっているようですね」

ルルーシュ「やはり……」

咲世子「吐き気は?」

ルルーシュ「いや、そこまでは……」

咲世子「そうですか」

ルルーシュ「あの」

咲世子「はい?」

ルルーシュ「測れたなら……あの……離れてください」

咲世子「あ。申し訳ありません」バッ

ルルーシュ「……」

咲世子「あの……」

ルルーシュ「水をくれますか」

咲世子「口移しですね」

ルルーシュ「違います」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 11:09:36.15 ID:EI7FBpN60
咲世子「では、コップを持ってきます」

ルルーシュ「……」

ルルーシュ(咲世子め……病人を何だと思っているんだ)

ルルーシュ(まあ、あいつの献身には俺だけでなくナナリーも助けられているわけだしな)

ルルーシュ(多少の天然な言動は大目に見よう……)

ピリリリリ

ルルーシュ「ん……?」

ルルーシュ「はい?」

ミレイ『ルルーシュ。元気?』

ルルーシュ「あまり元気ではないですね」

ミレイ『今からお見舞い行くから』

ルルーシュ「いや……別に……」

ミレイ『行くから!!』

ルルーシュ「は、はい……お願いします……」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 11:12:14.13 ID:EI7FBpN60
ピンポーン

咲世子「あら。誰でしょう」

ナナリー「……」

咲世子「はい?」

ミレイ『私』

咲世子「ミレイ様。どうぞお入りください」

ミレイ「―――お邪魔します」

咲世子「どうしたのですか?」

ミレイ「ルルーシュは?」

咲世子「今、お部屋でおやすみ」

ミレイ「ありがとう」

咲世子「あ、あの……」

ナナリー「……」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 11:16:56.00 ID:EI7FBpN60
ミレイ「ルルーシュ。入るわよ」

ルルーシュ「どうぞ」

ミレイ「大丈夫?」

ルルーシュ「大したことはありませんよ」

ミレイ「……」

ルルーシュ「会長?」

ミレイ「あ、ごめん。はい。これ、お見舞いの品」

ルルーシュ「フルーツの盛り合わせなんて……気にし過ぎですよ」

ミレイ「ううん……こんなことしかできなくてごめんね……」

ルルーシュ「……」

ルルーシュ(なんだ。随分と元気がないようだが……)

ミレイ「ルルーシュ。汗かいてない?拭いてあげようか?」

ルルーシュ「い、いいですよ!!」

ミレイ「そ、そう……」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 11:21:33.37 ID:EI7FBpN60
ミレイ「このこと、シャーリーやカレンに伝えた?」

ルルーシュ「いえ」

ミレイ「スザクくんやリヴァルにも?」

ルルーシュ「伝えてないですね」

ミレイ「そう……そうよね……ルルーシュってそういうとこあるもんね」

ルルーシュ「別に知らせることじゃないですからね」

ミレイ「ねえ、ルルーシュ。私とお見合いの話が持ち上がったとき、あったわよね」

ルルーシュ「ええ」

ミレイ「両親はアッシュフォードのためだって言ってた。そりゃそうよね。皇子と結婚できれば、家の株はうなぎ上りだもんね」

ルルーシュ「会長はそういうの嫌いだったんでしょう。だから、俺は……」

ミレイ「ショックだったのよ?」

ルルーシュ「え?」

ミレイ「ルルーシュにふられたんだぁって思った」

ルルーシュ「何を言っているんですか、こんなときに」

ミレイ「こんなときだからじゃない」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 11:25:18.65 ID:EI7FBpN60
ルルーシュ「……」

ミレイ「ルルーシュ……どうして……」

ルルーシュ(なんだ……様子が変だぞ……)

咲世子「ルルーシュ様。失礼いたします」

ミレイ「あ……」

ルルーシュ「咲世子さん。すいません」

咲世子「いえ。どうぞ、お水を飲んでください。少しは楽になると思います」

ルルーシュ「そうだな」ゴクゴク

咲世子「……」

ミレイ「あの……咲世子さん」

咲世子「なんでしょうか、ミレイ様」

ミレイ「私にもできること、ある?」

咲世子「え……」

ミレイ「ルルーシュの看病をさせて」

咲世子「そ、それは……」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 11:28:40.25 ID:EI7FBpN60
ルルーシュ「会長、授業はどうするんですか?」

ミレイ「そんなのどうでもいい!」

ルルーシュ「!?」

咲世子「ミレイ様……あの……」

ミレイ「ねえ、ルルーシュ。できるだけのことをしたいの」

ルルーシュ「会長?」

ミレイ「なに?」

ルルーシュ「お気持ちはありがたいですが、俺には咲世子さんがついていますから」

ミレイ「でも……」

ルルーシュ「気にしないでください。熱が下がればまた生徒会に顔を出しますから」

ミレイ「……っ」

ルルーシュ「会長?」

ミレイ「咲世子さん」

咲世子「はい?」

ミレイ「少し……5分でいいから……ルルーシュと二人きりにしてほしいの……」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 11:30:26.63 ID:EI7FBpN60
咲世子「わ、わかりました。では……」

ルルーシュ「どうしたんですか?演劇でもやるんですか?」

ミレイ「ねえ……ルルーシュ?」

ルルーシュ「はい?」

ミレイ「……この際だから、あの……言っておきたいことがあるんだけど……」

ルルーシュ「な、なんですか……?」

ルルーシュ(また下らないことを頼まれるのか……!!)

ミレイ「私ね……ずっと、ルルーシュのことが……」

ルルーシュ「……」

ミレイ「好き、でした……」

ルルーシュ「……は?」

ミレイ「……さよなら」

ルルーシュ「会長!!」

ルルーシュ「うっ……眩暈が……」

ルルーシュ(なんだ……どうしたというんだ……なんのイベントだ……これは……!!)

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 11:33:33.54 ID:EI7FBpN60
ミレイ「……」タタタタッ

咲世子「ミレイ様!?」

ミレイ「咲世子さん!ありがとう!」

ナナリー「ミレイさん!どちらへ?!」

ミレイ「ナナリー……ごめん……私には無理……」

ナナリー「そんな……」

咲世子「どうしたのでしょうか……」

ナナリー「……」

咲世子「あ、そーだ。そろそろ、ルルーシュ様のお召し物を替えて差し上げませんと」

ナナリー「……」

ナナリー「……」ピッ

シャーリー『―――どうしたの、ナナちゃん』

ナナリー「シャーリーさん、一大事です!!」

シャーリー『え?』

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 11:36:57.59 ID:EI7FBpN60
咲世子「ルルーシュ様、着替えをお持ちし―――」

ルルーシュ「はぁ……はぁ……」

咲世子「ルルーシュ様?!」

ルルーシュ「うぅ……」

咲世子「酷い汗……熱は……」ピトッ

ルルーシュ「はぁ……さよ、こ……」

咲世子「ルルーシュ様……悪化していますね。何かあったのですか?」

ルルーシュ「うっ……はぁ……はぁ……」

咲世子「とにかく、今お着替えを―――」

ピンポーン

咲世子「こんなときに……!!」ダダダッ

ルルーシュ「はぁ……はぁ……」

ルルーシュ(会長……どういうことだ……)

ルルーシュ(いつもの悪ふざけか……くそ……)

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 11:40:13.51 ID:EI7FBpN60
シャーリー「咲世子さんっ!!」

咲世子「シャーリーさん!?」

シャーリー「ルルは?!ルルは大丈夫なんですか?!」

咲世子「今、大変なのです」

シャーリー「お邪魔します!!」

咲世子「シャーリーさん!?」

ナナリー「シャーリーさん、こんにちは」

シャーリー「ナナちゃん!!ルルはどこ?!」

ナナリー「お部屋で療養中です」

シャーリー「ありがとう!!」ダダダッ

咲世子「シャーリーさん!!何事ですか?!」

シャーリー「咲世子さん!!すいません!!少しだけ時間をください!!」

咲世子「しかし!!今からルルーシュ様のお着替えを……!!」

シャーリー「私がやります!!いえ、させてください!!」

咲世子「なっ……!?」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 11:44:24.78 ID:EI7FBpN60
ルルーシュ「はぁ……喉が……乾いた……」

シャーリー「ルルー!!」タタタッ

ルルーシュ「シャーリー!?」

シャーリー「大丈夫!?えっと……あの……!!」オロオロ

ルルーシュ「お、落ち着け……水でも飲め」

シャーリー「う、うん……」ゴクゴク

シャーリー「ふぅ……」

ルルーシュ「どうした?」

シャーリー「ルル、どうして言ってくれないの?!」

ルルーシュ「こんなことで言うわけないだろ」

シャーリー「酷い!!酷いよ!!ルル!!」

ルルーシュ「ど、どうした……?あと、大声を出すな……頭に響く……」

シャーリー「ご、ごめん……」

ルルーシュ「シャーリー……どうした?」

シャーリー「……ルル……あの……その……」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 11:49:07.75 ID:EI7FBpN60
ルルーシュ(会長といいシャーリーといい……何が目的だ……?というか、俺が体調不良であることを誰が伝えた……?ナナリーか?)

シャーリー「あ、汗すごいね……今、拭いてあげるから」

ルルーシュ「やめろ!そういうことは咲世子にさせる!!」

シャーリー「そう……」

ルルーシュ「水をくれ……」

シャーリー「う、うん!!ちょっと待ってね!!」

ルルーシュ(探ってみるか……。何も知らずに地雷原に踏み込むのは御免だしな)

シャーリー「はい、ルル」

ルルーシュ「悪いな」ゴクゴク

シャーリー「……果物、切ろうか?」

ルルーシュ「シャーリーの指が切れるだろ」

シャーリー「なんでそういうこというかなー」

ルルーシュ「俺のこと誰から聞いた?」

シャーリー「ナナちゃんから……さっき、電話がかかってきて」

ルルーシュ「ナナリーから?どこまで聞いた?」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 11:57:25.48 ID:EI7FBpN60
シャーリー「……もうすぐ……死ぬって」

ルルーシュ「……」

シャーリー「今までずっと隠してたんでしょ……?」

ルルーシュ(死ぬ……だと……)

シャーリー「スタミナがないのも……色んな臓器を摘出した所為だってことも……聞いたよ」

ルルーシュ「そうか……」

シャーリー「ルル……どうして隠してたの……?」

ルルーシュ(ナナリーはどうしてそんな嘘を……)

ルルーシュ(いや、ナナリーがそんなつまらない嘘をつくはずがない。つまりこれは……会長なりの見舞いか)

ルルーシュ(どうせ普通の見舞いはしたくないとか言い出したのだろう……。ならば、逆に俺が皆をひっかけてやる……!!)

シャーリー「ルル、もうどうにもならないの?」

ルルーシュ「ああ……余命も僅かだ。体の中は老人のそれと変わらないといわれたよ」

シャーリー「え……」

ルルーシュ「明日の朝日が眺めるられるかもわからない」

シャーリー「そ、そんなぁ……そんなのってないよ……ルルゥ……」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 12:02:03.92 ID:EI7FBpN60
ルルーシュ「シャーリー……」

シャーリー「ルルー!!」ギュッ

ルルーシュ「シャーリー!!おい!!」

シャーリー「私……私……ルルのこと……ずっと好きだったの……!!」

ルルーシュ「おい!!離れろ!!今、俺は汗をかいていて……!!」

シャーリー「ルル……」

ルルーシュ「シャーリー……おい……」

シャーリー「ルルの汗の匂いも……好き……」

ルルーシュ「何を言っている!?離れろ!!」

シャーリー「ルル……最後に……」

ルルーシュ「おい?!」

咲世子「シャーリーさん!!何をされているのですか?!」

シャーリー「咲世子さん?!」

咲世子「ルルーシュ様の体調が優れないというときに大声を出させるなんて、非常識です!」

シャーリー「ご、ごめんなさい!!」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 12:04:58.13 ID:EI7FBpN60
咲世子「どいてください」

シャーリー「あ……」

咲世子「ルルーシュ様、大丈夫ですか?」

ルルーシュ「あまり……大丈夫ではないな……」

咲世子「顔色が更に悪くなっていますね。今、汗を拭きます」

ルルーシュ「あ、ああ……お願いします」

シャーリー「あの……ルル……私……」

ルルーシュ「シャーリー……悪いがここまでだ」

シャーリー「……!」

ルルーシュ「ありがとう」

シャーリー「ルル……ルル……!!」

咲世子「では、背中から」

ルルーシュ「ああ」

シャーリー「うわぁぁぁん!!!」ダダダッ

ルルーシュ「シャーリーめ……演技派だな」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 12:09:49.20 ID:EI7FBpN60
シャーリー「ナナちゃん!!」

ナナリー「シャーリーさん。お兄様は?」

シャーリー「もう……私……だめ……」

ナナリー「……」

シャーリー「どうしたらいいか……わからないよ……ナナちゃん……」

ナナリー「……」

シャーリー「うぅ……ルルが……ルルが死んじゃう……いや……そんなの……」

ナナリー「……」ピッ

カレン『―――はい、カレンだけど』

ナナリー「カレンさん。お兄様が危篤状態です。すぐに来てもらえますか?生徒会のみなさんも連れて」

カレン『ルルーシュが!?う、うん……わかった……。だけど、スザクくんは今日、仕事だって……』

ナナリー「スザクさんには私のほうから連絡をしておきます」

カレン『わかった。それじゃあ、あとでね』

ナナリー「……」ピッ

ナナリー(咲世子さんだけには……)

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 12:12:47.50 ID:EI7FBpN60
スザク「ロイドさん、休憩に入ります」

ロイド「はぁーい」

ピリリリ

スザク「ん?ナナリーからだ」

スザク「はい?」

ナナリー『スザクさん……』

スザク「ナナリー?どうしたんだ?」

ナナリー『お兄様が……お兄様が……』

スザク「ルルーシュがどうした?!」

ナナリー『うぅ……うぅぅ……』

スザク「ナナリー!!」

ナナリー『もう……ダメのようです……』

スザク「ダメって……?」

ナナリー『実はお兄様、ずっと重い病を抱えていて……』

スザク「な、なんだって……だって……ルルーシュは……一言も……」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 12:17:01.71 ID:EI7FBpN60
ナナリー『すぐにこちらへ来てもらえますか……?』

スザク「……ああ。分かった」

ナナリー『お願いします』

スザク「……」

セシル「あ、スザクくん。ゴーヤをジャムで和えたものを作ってみたんだけど、食べる?」

スザク「セシルさん」

セシル「は、はい?」

スザク「今日は早退します」

セシル「何を言っているの?!」

スザク「ロイドさん」

ロイド「ん~?」

スザク「副総督とお話はできますか?」

ロイド「どうして?」

スザク「お願いします」

ロイド「ちょっとまってよ……うちらはそんな権限ないからね……無理かもしれないよ?」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 12:21:36.12 ID:EI7FBpN60
スザク「ルルーシュのことでと伝えてください」

ロイド「ルルーシュ?誰、それ?」

スザク「それできっと話は聞いてもらえるはずです」

ロイド「わかった……聞いてみるよ」ピッ

ロイド「あ、すいませ~ん。ちょっとよろしいですか?」

セシル「あの……どういうこと?」

スザク「……僕の古い友人が学園いるって話はしましたよね?」

セシル「ええ。いいお友達なんでしょ?」

スザク「その友人は……皇族なんです」

セシル「はぁ?!」

ロイド「スザクくん。ユーフェミア副総督が是非ってさ」

スザク「ありがとうございます」

ユフィ『スザク……どういうことですか?ルルーシュって……』

スザク「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアです。ルルーシュは死んだことになっているはずですが……ずっと生きていました」

ユフィ『……』

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 12:25:20.91 ID:EI7FBpN60
コーネリア「ギルフォード!!」

ギルフォード「はい」

コーネリア「お手洗いに行って来る」

ギルフォード「はい」

コーネリア「……」スタスタ

ユフィ「お姉様!!」

コーネリア「こら、ここでは総督と―――」

ユフィ「ルルーシュが生きていました!!でも、死にそうです!!」

コーネリア「何を言っている?」

ユフィ「で、ですから、ルルーシュは生きていたんです!!でも、もう死にそうなんです!!」

コーネリア「まてまて。要領をまるで得ないぞ」

ユフィ「ですから!!ルルーシュはずっと生きていたんです。死んだなんて嘘だったのです」

コーネリア「なんだと……」

ユフィ「でも、重い病気を患ってしまったようで……もう余命も僅かだと……」

コーネリア「バカな……そ、そんなことが……!!」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 12:30:18.40 ID:EI7FBpN60
シュナイゼル「では、カノン。この案件はこれでいいから、処理をしておいてほしい」

カノン「わかりました」

シュナイゼル「……ん?皇室専用チャンネル?」

シュナイゼル「はい?」

コーネリア『兄上……』

シュナイゼル「コーネリア、どうしたんだい?目が真っ赤だよ?」

コーネリア『ルルーシュが……生きていました……』

シュナイゼル「なんだって?」

コーネリア『でも……もう……手遅れです……』

シュナイゼル「コーネリア。泣いていたらわからない。詳しく教えてくれないか?」

コーネリア『ぐすっ……』

シュナイゼル「ただ事ではないようだね……」

コーネリア『い、今から……ユフィと……ぐすっ……ルルーシュの……お見舞いに……いって……き、ます……』

シュナイゼル「分かったよ。私もすぐにそちらへ向かおう」

コーネリア『お、おねがいします……』

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 12:34:53.25 ID:EI7FBpN60
咲世子「―――これでよし」

ルルーシュ「ありがとうございます」

咲世子「いえいえ」

ルルーシュ「咲世子さん」

咲世子「なんでしょうか?」

ルルーシュ「……いつも献身的に尽くしてくれて、本当に感謝しています」

咲世子「いえ。メイドとして当然のことですから」

ルルーシュ「咲世子さん……」

咲世子「いえ、ルルーシュ様……咲世子、で結構です」

ルルーシュ「咲世子……」

咲世子「はい……」

ルルーシュ「これからもずっと―――」

咲世子「え……」

ピンポーン

咲世子「こんなときに……。ルルーシュ様、申し訳ありません。すぐに戻ります」

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 12:38:08.47 ID:EI7FBpN60
カレン「お邪魔します!!」

咲世子「み、みなさん!?」

リヴァル「ルルーシュは!?ルルーシュはどうなったんですか?!」

ニーナ「あの……えっと……ご愁傷様です!!」

咲世子「まだ亡くなってません!!!」

ニーナ「ああ!!ごめんなさい!!」

ナナリー「お待ちしていました」

シャーリー「みんな!!」

リヴァル「シャーリー!!会長も誘ったんだけどよ。どうしても行きたくないって……」

シャーリー「そう……」

カレン「とにかく様子だけでも」

ニーナ「うん」

咲世子「あの……あまり勝手なことをされると困るのですが……」オロオロ

ナナリー(咲世子さんとお兄様を二人きりにさせるわけには……)

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 12:43:20.71 ID:EI7FBpN60
ルルーシュ「……ん?」

カレン「ルルーシュくん、入るよ?」

ルルーシュ「ああ」

リヴァル「ルルーシュ!!おい!!聞いたぜ!?どうして今まで俺にまで黙ってたんだよ!!」

ルルーシュ「……悪いな」

ニーナ「ルルーシュ……本当にどうにもならないの?」

ルルーシュ「ああ……」

カレン「……」

リヴァル「俺の所為か?!俺が無理やり賭けチェスでお前の脳を酷使させたから?!」

ニーナ「わ、私の存在がストレスになったんだよね……ごめんなさい……」

カレン「あのときは……平手打ちして……ごめんなさい。まさか……そんな体だったなんて……知らなくて……。ううん、知らないは言い訳にならないよね……」

ルルーシュ「よせ。誰の所為でもない。これが俺の寿命だったんだよ」

リヴァル「ルルーシュ!!そんなこというなよ!!!」

ルルーシュ「やめろ。耳元で騒ぐな。頭が痛いんだ」

リヴァル「わ、わるい……」

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 12:48:35.44 ID:EI7FBpN60
カレン「何かできることはある?」

ルルーシュ「いや……何もない」

ニーナ「ルルーシュ……」

リヴァル「ルルーシュ。俺、お前に出会えて……本当によかって思える!!」

ルルーシュ「そうか」

カレン「ルルーシュくん」

ルルーシュ「なんだ?」

カレン「私を生徒会に誘ってくれてありがとう……。おかげで、少し学園に来るの楽しくなった」

ニーナ「ルルーシュ……こんな私にも優しくしてくれて……その……嬉しかったよ?」

ルルーシュ「ニーナ……」

ニーナ「あの……こんなときに言うのも……あれだけど……私ね……ルルーシュのこと少しだけ、好きだったの」

カレン「そうなの?!」

ニーナ「あ、でも、今は全然っていうか!!他に好きな人もいるし……」

ルルーシュ「ありがとう、ニーナ。想ってくれていたのに特別なことをしてやれなくて、すまなかったな」

ニーナ「いいの!!そんなの……。私が勝手にいいなって思ってただけだし……」

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 12:53:01.52 ID:EI7FBpN60
カレン「スザクくんにも言ってないんだってね」

ルルーシュ「……」

カレン「どうして?」

ルルーシュ「親友にだからこそ、言えないこともある」

リヴァル「ルルーシュ……」

ルルーシュ「リヴァル。会長に黙っていてごめんと伝えてくれ」

リヴァル「ああ……伝える!!絶対に!!」

ルルーシュ「ニーナ。色々と専門知識を教えてくれて助かったよ」

ニーナ「ううん……私にできるのは……それぐらいだから……」

ルルーシュ「カレン。お前を学校で見ることができるようになって嬉しかった」

カレン「え……」

ルルーシュ「……さあ、もういいだろう。少し休ませてくれ」

リヴァル「ルルーシュ……ありがとう……今まで……」

ニーナ「私も……ありがとう……」

ルルーシュ「ああ……」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 12:57:13.52 ID:EI7FBpN60
カレン「ルルーシュ」

ルルーシュ「どうした?」

カレン「……私も好き」

ルルーシュ「なに……」

カレン「さようなら、ルルーシュ。きっと……好きだったと思う……」

ルルーシュ「おま……」

カレン「こんなときに告白なんて……ずるいか……。ごめんなさい」

ルルーシュ「……」

カレン「ありがとう。ルルーシュ」

ルルーシュ「……」

ルルーシュ(おい……なんだこれは……)

ルルーシュ(カレンまで会長の悪ノリに付き合っているのは驚きだったな……)

咲世子「ルルーシュ様、お体のほうは?」

ルルーシュ「また少し熱が上がったようだ……水を」

咲世子「今、お持ちします」

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 13:00:26.89 ID:EI7FBpN60
ナナリー「え?お帰りになるのですか?」

カレン「うん……」

ニーナ「伝えたいことは伝えたから」

リヴァル「あとはナナリー……たのむな」

ナナリー「いえ……あの……できればずっと……」

カレン「行こう。シャーリー」

シャーリー「うん……。ナナちゃん、またね」

ニーナ「生徒会室で待ってるから」

リヴァル「くそぉぉ!!!」

ナナリー「そんな……」

咲世子「お水っ。お水っ」タタタッ

ナナリー「……」

ナナリー(あとはスザクさんに頼るしか……)

ナナリー(スザクさんならきっと泊まって看病をしてくれるはずです)

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 13:04:00.45 ID:EI7FBpN60
C.C.「すぅ……すぅ……ピザ……くえ……ルルーシュ……うまいぞぉ……ふふ……」

ゴォォォォ!!!!

C.C.「ん!?」ガバッ

ざわざわ……

C.C.「外が騒がしいな……」

C.C.「一体、何事だ……?」


ランスロット『ユーフェミア副総督、足下に気をつけてください』

ユフィ『はい』


C.C.「あれは……」

C.C.「……」

C.C.「ぼうやに何かあったか?」

C.C.「まずは情報を集めないとな」

C.C.「全く……」

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 13:08:17.45 ID:EI7FBpN60
ルルーシュ「咲世子、ありがとう」

咲世子「いえ。ところで……あの……」

ルルーシュ「どうした?」

咲世子「先ほどの続きを……お聞かせくだされば……なんて……」モジモジ

ルルーシュ「え?」

咲世子「ほら……ずっと……なんですか?」

ルルーシュ「ああ。これからもずっと咲世子に―――」

咲世子「はいっ」

ピンポーン

咲世子「……」

ルルーシュ「今日は客が多いな」

咲世子「そのようです」

ナナリー「お兄様!!大変です!!」

ルルーシュ「どうした?」

ナナリー「ユフィ姉様が……お見えに……」

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 13:13:25.38 ID:EI7FBpN60
ルルーシュ「……」

ユフィ「ルルーシュ、久しぶりですね」

ルルーシュ「……」

スザク「ルルーシュ……」

ルルーシュ「スザク……どういうことだ……?」

スザク「それは僕の台詞だ。ルルーシュ」

ルルーシュ「なんだと……?」

スザク「どうして……黙っていたんだ……?この僕に……重い病気のことを……!!」

ルルーシュ「え……」

ユフィ「もう余命も僅かだと、スザクから聞きました。スザクは最後だからと……私たちに貴方のことを教えてくれたのです」

ルルーシュ「まて……スザク……何を……」

スザク「ルルーシュ……せめて……もっと早く言ってくれれば!!」

ユフィ「最新の医療技術で治療も行えたのに……」

ルルーシュ「……」

ルルーシュ(スザクは俺が完全に死ぬと思い込んでいる……!!会長の嘘を真に受けたのか……!!まずい……まずいぞ……!!)

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 13:21:13.68 ID:EI7FBpN60
ユフィ「貴方の間違った優しさは……いけないと思います……」

スザク「ルルーシュ!!どうして……!!どうしてぇぇ……!!」

ルルーシュ(ここで嘘を正すか……。いや、口で説明しても信じてもらえるような状況ではない)

ルルーシュ(それにユフィが知っているということは……当然、実姉であるコーネリアの耳にも―――)

『ルルゥゥゥゥゥシュゥゥゥゥ!!!!!!!私だ!!!コーネリアだぁぁぁ!!!!ルルーシュゥゥゥ!!!!』

ルルーシュ(やはり来たか……!!コーネリア!!)

ユフィ「あ、お姉様です。グロースターで飛ばしてくるって言ってから、今はこの周辺をぐるぐるしていると思います」

スザク「では、自分が迎えに行ってきます」

ユフィ「お願い」

スザク「イエス、ユア・ハイネス」

ルルーシュ「……」

ユフィ「お姉様、ルルーシュに見っとも無い顔を見せたくないから自室で涙を枯らしてから来るって言ってたんです」

ルルーシュ「そ、そうなのか……」

ユフィ「お姉様が一番、ルルーシュのことを心配していましたから。突然の悲しい知らせに戸惑いもあったと思います。だから、お姉様とできるだけ話をしてください」

ルルーシュ(引き返せない……!!どうすればいい!!)

129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 13:25:17.88 ID:EI7FBpN60
ガンガン

ユフィ「え?」

ルルーシュ「なんだ?窓を何かが叩いているのか……?」

ユフィ「あ!」タタタッ

ユフィ「お姉様!!」ガチャ

コーネリア「ルルーシュは?!」

ユフィ「あそこです」

コーネリア「ルルーシュ!!」ダダダッ

ルルーシュ「姉上!窓から入ってくるなんて非常識―――」

コーネリア「ルルーシュ……ルルーシュ……ぐすっ……」

ユフィ「お姉様。ハンカチを」

コーネリア「ああ……すまない……」

ルルーシュ「……」

コーネリア「悲しい……再会になってしまったな……ルルーシュ……」

ルルーシュ「え……ええ……そうですね、姉上……」

133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 13:31:43.47 ID:EI7FBpN60
コーネリア「今、お前にかける言葉が見つからない……。だが……総督として……いや、姉としてできることをしようと思う」

ルルーシュ「なんでしょうか?」

コーネリア「今日はずっと傍に居てやろう」

ルルーシュ「姉上……お気持ちは大変嬉しいのですが……」

コーネリア「お前と別れて8年。その失った時間を取り戻すことなどできない。しかし、少しでも多くの時間を共有したい」

ルルーシュ「姉上には総督としての仕事が……」

コーネリア「辞めてきた」

ユフィ「え!?」

ルルーシュ「は?!」

コーネリア「お前の傍にいると決めた。だから、総督の座は捨ててきた」

ユフィ「お姉様……」

コーネリア「すまないな、ユフィ。私は軍人としても一人の大人としてもダメだった……」

ユフィ「そんなことありません。私がお姉様の立場でも同じことをしました」

コーネリア「そういってくれるか。ありがとう」

ルルーシュ(俺は死ぬしかないのか……!!)

139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 13:36:29.23 ID:EI7FBpN60
スザク「総督」

コーネリア「よせ、枢木。私はもう総督ではない」

スザク「それは……」

ルルーシュ「姉上……しかし、そんな勝手なことをシャルルが許すとは……」

コーネリア「無論、皇位継承権も破棄した」

ルルーシュ「ごほっ!!おえっ?!」

スザク「ルルーシュ!!大丈夫か?!」

ユフィ「ルルーシュ!?」

コーネリア「お、おい……どうした?どこか痛いのか?」オロオロ

ルルーシュ「はぁ……はぁ……どうして……そこまで……」

コーネリア「そんなの……言わせるな……」

ユフィ「では、私も皇位継承権は破棄しましょう」

コーネリア「ユフィ」

ユフィ「私はいつでもお姉様と同じ道を歩みます」

コーネリア「ユフィ……愛している……」ギュッ

146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 13:43:23.62 ID:EI7FBpN60
スザク「ユーフェミア……様……」

ユフィ「もう私は一般人と同じです。ユフィと呼んでください」

スザク「ユフィ……」

コーネリア「ルルーシュ。ここで骨を埋めることもあるまい。どこか……海の綺麗な場所に行かないか?」

ルルーシュ「も、申し訳ありませんが……もう……歩くのも困難で……」

コーネリア「そ、そうなのか……すまない」

ルルーシュ「いえ……」

コーネリア「そうだ。ルルーシュ。兄上も来てくれるそうだ」

ルルーシュ「え……」

コーネリア「恐らく1時間もしないうちにエリア11に来ると思う」

ルルーシュ(シュナイゼルまで……!!!)

ユフィ「ルルーシュ?大丈夫ですか?」

ルルーシュ「あ、ああ……水を……」

スザク「わかった。待っててくれ」

ルルーシュ(ダメだ……どのルートを辿っても俺が生き残る未来が見えてこない……!!なぜだ……どこで拗れた……!!)

152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 13:47:31.47 ID:EI7FBpN60
シャルル「……」

シュナイゼル『―――ということです』

シャルル「そうか……。ルルーシュが……」

シュナイゼル『一応、お耳に入れておいたほうがいいかと思いまして』

シャルル「シュナイゼル……お前は、どうする?」

シュナイゼル『可愛い弟の顔を見に行きます。兄として当然の行動だと思いますが』

シャルル「そうか」

シュナイゼル『では』

シャルル「……」

アーニャ「……あなた」

シャルル「マリアンヌよ。ルルーシュの元にいけ」

アーニャ「そうね……そうした方がいいわね」

シャルル「ワシも支度を整えよう」

161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 13:54:00.48 ID:EI7FBpN60
シャーリー「はぁ……」

リヴァル「……」

ニーナ「ミレイちゃん……大丈夫かな……」

カレン「どうだろう……」

リヴァル「数日は顔を見せないかもな……」

ニーナ「ミレイちゃん……ルルーシュのこと……」

C.C.「ちょっといいかな?」

シャーリー「え、はい?」

カレン(え?C.C.……?)

C.C.「新聞部の者だ」

カレン「なんだ……。なんのようですか?」

C.C.「ルルーシュ・ランペルージのことで取材をしている。是非とも話を聞かせてくれ」

シャーリー「ご、ごめんなさい。今はちょっと……」

C.C.「なぜだ?」

リヴァル「……あいつは……もう……ダメなんだよ……」

164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 13:57:35.74 ID:EI7FBpN60
C.C.「ダメ?どういう意味だ?」

ニーナ「リヴァル!」

リヴァル「記事にはしないでくれ」

C.C.「……わかった」

リヴァル「ルルーシュは……もうすぐ死ぬんだ」

C.C.「……」

シャーリー「実は……ずっと重い病気を患っていたみたいで」

カレン「余命ももう残り少ないって」

リヴァル「明日の朝日も見れないかもって言ってたな」

ニーナ「ルルーシュ……うぅ……」

C.C.「おい」

シャーリー「は、はい?」

C.C.「それは本当なのか?」

シャーリー「は、はい……」

C.C.「いつからだ!!あいつはいつから病魔に蝕まれてた?!」

168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 14:01:15.95 ID:EI7FBpN60
カレン「ちょっと!」

C.C.「言え!!」

シャーリー「わ、私たちだって今日聞かされたんです!!知りません!!」

C.C.「なんだと……」

リヴァル「もういいだろ!!もう……放っておいてくれ……頼むよ……」

C.C.「嘘だ……」

ニーナ「……」

カレン「……」

シャーリー「うぅ……ルル……」

C.C.「くそ……そんなこと許すものか……」

リヴァル「お、おい」

C.C.「勝手に死なれたら、困るんだっ!!」

シャーリー「え?」

C.C.「……っ」ダダダッ

カレン「誰なの……あの人……」

172: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 14:05:42.38 ID:EI7FBpN60
咲世子「ああ……ルルーシュ様は……一体……」ソワソワ

ナナリー(お姉様がいるなら、何も心配はなさそうですね)

スザク「咲世子さん、水をお願いします」

咲世子「はい。……あの、スザクさん?」

スザク「なんでしょうか?」

咲世子「ルルーシュ様の容態は……?」

スザク「……元気ですよ」

ナナリー「あの……スザクさん……」

スザク「ナナリー。もう少し待ってて欲しい。コーネリア様にゆっくりと話をさせてあげてくれ」

ナナリー「は、はい」

咲世子「私が……看護を……」

スザク「さてと、水を―――」

ピンポーン

咲世子「また……次は誰ですか……」

ナナリー(もしかして……事態が大きくなっている……?)

177: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 14:10:25.04 ID:EI7FBpN60
咲世子「……」

シュナイゼル「突然の訪問、申し訳ありません」

咲世子「あなたは……」

シュナイゼル「神聖ブリタニア帝国第2皇子、シュナイゼル・エル・ブリタニアです」

咲世子「えぇ……」

シュナイゼル「こちらに義弟のルルーシュ・ヴィ・ブリタニアがいると聞いてきたのですが」

咲世子「は、はい……どうぞ、こちらに」

シュナイゼル「ありがとう」

ナナリー「……」オロオロ

シュナイゼル「……」

ナナリー(隠れなきゃ……)ウィィン

シュナイゼル「ナナリー?」

ナナリー「……」オロオロ

シュナイゼル「まあいい。また、あとでね」

ナナリー(シュナイゼル兄様まで……どうして……)

185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 14:15:33.75 ID:EI7FBpN60
シュナイゼル「ルルーシュ」

ルルーシュ「あ、兄上……!!」

コーネリア「兄上!」

ユフィ「お待ちしておりました」

スザク「シュナイゼル殿下!!」

シュナイゼル「ああ、楽にしてくれ」

ルルーシュ「お、お久しぶりですね……」

シュナイゼル「すっかりやつれて……かわいそうに……」

ルルーシュ「ふっ……また、心にもないことを」

シュナイゼル「酷いな。これでも本当に心配しているのだよ?」

コーネリア「そうだぞ。ルルーシュ。兄上の知らせを聞いたときの慌てふためく顔といったら」

シュナイゼル「コーネリア。それは秘密にしておいて欲しかったな。なら、言わせてもらうけどコーネリアも涙に涎に鼻水まで出して―――」

コーネリア「あ、兄上!!!」

シュナイゼル「はははは」

ルルーシュ(終わった……もう服毒自殺しか……ない……か……)

192: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 14:22:05.52 ID:EI7FBpN60
C.C.「はぁ……はぁ……!!」

V.V.「どこに行くの?」

C.C.「……!!」

V.V.「久しぶり。C.C.」

C.C.「お前……」

V.V.「シャルルから聞いて飛んできたんだ。ルルーシュが死ぬってね。僕もルルーシュのことは好きだから死ぬと悲しい」

C.C.「邪魔だ」

V.V.「ルルーシュはどうして死ぬんだい?」

C.C.「どうして?重い病に―――」

V.V.「重い病。それってどういう病気?癌?白血病?エボラ?エボラは病気じゃないか」

C.C.「それを今から確かめに行く」

V.V.「ならルルーシュに訊くより主治医に訊いた方がいいんじゃないかな?今まで黙っていたならきっと何か訳があると思う」

C.C.「そうだろうけど……」

V.V.「僕は嘘が嫌いだ。でも、嘘にひっかかるのはもっと嫌いなんだよ。だから、確かめないとね」

C.C.「……」

199: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 14:27:56.19 ID:EI7FBpN60
シュナイゼル「確かにそういうこともあったね」

コーネリア「ええ」

ユフィ「ふふ……ルルーシュとの思い出は尽きませんね……」

スザク「……」

ルルーシュ「……」

ユフィ「ご、ごめんなさい。余計なことを……」

シュナイゼル「気にしなくていいよ、ユフィ」

コーネリア「ああ……」

ユフィ「信じられないんです……こうして……また……会えたのに……会えたのに……」ウルウル

コーネリア「ユフィ……」

スザク「ルルーシュ……本当にもうどうにもならないのか?」

ルルーシュ「ああ……」

シュナイゼル「本国に戻って治療を受けてみないかい?」

ルルーシュ「もう無理なんですよ……兄上……全てが手遅れなのです……」

シュナイゼル「なんてことだ……無力な自分が恨めしいよ……」

204: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 14:32:24.22 ID:EI7FBpN60
ガンガン

ルルーシュ「ん?」

スザク「誰だ?!」ガチャ

アーニャ「……」

スザク「……」

アーニャ「入ってもいい?」

シュナイゼル「君は確か、ナイトオブラウンズの……」

コーネリア「アーニャ・アールストレイム卿か」

アーニャ「はい」

ユフィ「何用ですか?」

アーニャ「皇帝陛下から頼まれて」

シュナイゼル「何をだい?」

アーニャ「ルルーシュを本国まで運ぶようにと」

スザク「なんだって?!」

ルルーシュ「ま、まて……どういうことだ……!?」

210: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 14:36:02.93 ID:EI7FBpN60
アーニャ「貴方がルルーシュ?」

ルルーシュ「あ……ああ……」

アーニャ「どこかであってる?」

ルルーシュ「いや……」

アーニャ「そう」

コーネリア「ルルーシュの体は既に歩くこともできないほどに衰弱している。無理をさせるわけにはいかない」

シュナイゼル「ルルーシュには最後まで心穏やかでいてほしい」

アーニャ「命令ですから」

ユフィ「許しません!!」

スザク「悪いけど……邪魔をさせてもらう」

アーニャ「……」

ルルーシュ「お前たちもう……ごほっ!!ごほっ!!」

コーネリア「ルルーシュ!!」

スザク「しっかりするんだ!!」

アーニャ「あ―――」キュィィン

211: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 14:39:34.30 ID:EI7FBpN60
シュナイゼル「ルルーシュ、無茶はよくはない」

アーニャ「―――どいて」

コーネリア「何を!?」

アーニャ「ふふ……久しぶりね、コーネリア?」

コーネリア「は……?」

アーニャ「ルルーシュ……」

ルルーシュ「な、なんだ……!!」

アーニャ「すごい熱ね……。辛いでしょう?」

ユフィ「離れなさい!!」

アーニャ「私が代わってあげたい……」

ルルーシュ「誰だ……」

アーニャ「今は秘密……」

ルルーシュ「あのな……っ!!」ブルッ

スザク「ルルーシュ、どうした?」

ルルーシュ「いや……なんでも……ない……」モジモジ

215: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 14:44:29.43 ID:EI7FBpN60
コーネリア「お前……無礼であろう」

アーニャ「あーら、皇位継承権を破棄したのはどこの誰だったかしらぁ?」

コーネリア「くっ……」

アーニャ「頭はいいけど、妹や弟のことになると残念になるのよね」

コーネリア「言わせておけば……!!」

ユフィ「お姉様。でも、アーニャさんの言うとおり私たちに反論する権利は……」

コーネリア「そうだが……」

シュナゼル「あまり妹を苛めないでくれるかな?」

アーニャ「はーい」

スザク「ナイトオブラウンズ……噂以上に曲者が多いのか」

ルルーシュ「……」モジモジ

ルルーシュ(トイレに行きたい……!!)

アーニャ「あら、ルルーシュ?どうしたの?顔色が更に悪くなってるけど」

コーネリア「酷い汗だ……。すまない。横になってくれ」

ルルーシュ「あ……ああ……」

219: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 14:48:33.98 ID:EI7FBpN60
ユフィ「今、汗を拭きますね」

ルルーシュ「うぅ……ぅぅ……!!」モジモジ

スザク「ルルーシュ?!どうした?!」

コーネリア「ルルーシュ!!」

アーニャ「急変……」

シュナイゼル「まずいね……。主治医を呼ぼうか」

ルルーシュ「!!!」

スザク「自分が呼んできます」

シュナイゼル「お願いするよ」

ルルーシュ「ま……!!」

ユフィ「しっかりしてください!!ルルーシュ!!」

コーネリア「マウストゥマウスか?!」

ルルーシュ「……!!」モジモジ

アーニャ「ルルーシュ!!しっかりして!!」

ルルーシュ(死にたい……誰か……殺してくれ……!!!)

224: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 14:51:41.31 ID:EI7FBpN60
スザク「咲世子さん!!」

咲世子「は、はい!」

スザク「ルルーシュの容態が急変しました!!」

咲世子「なんですって?!」

ナナリー「え……」

スザク「主治医と連絡を取りたいのですが!!」

咲世子「わ、わかりました!!すぐに連絡をいたします!!」

ナナリー「スザクさん、どういうことですか?」

スザク「ナナリーも来るんだ。もう……ルルーシュは……」

ナナリー「そんな……!!」

スザク「こっちだ」

ナナリー「は、はい!!」ウィィィン

咲世子「もしもし」

『―――はい、なんですか?』

咲世子「あの……ルルーシュ様の容態に異変が。すぐに来てもらえますか?」

229: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 14:54:58.09 ID:EI7FBpN60
V.V.「失礼します」

咲世子「随分とはや―――え?」

C.C.「看護師だ」

V.V.「主治医です」

咲世子「あの……いつもの先生は……?」

V.V.「急用ができまして。私が代理です」

咲世子「と、とにかくこちらへ」

V.V.「わかりました」

C.C.「……」

シュナイゼル「ルルーシュ!!」

コーネリア「ルルーシュ!!しっかりしろ!!私がついている!!」

ユフィ「ルルーシュ!!嫌です!!がんばって!!」

スザク「生きろ!!ルルーシュ!!」

ナナリー「死なないで!!お兄様!!!」

ルルーシュ(トイレに行かせて……くれぇ……!!)

234: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 14:58:48.54 ID:EI7FBpN60
V.V.「どくんだ」

コーネリア「お前が主治医か?!」

C.C.「関係のないものは出て行ってくれ」

ユフィ「しかし……」

V.V.「ルルーシュを殺したいの?」

シュナイゼル「ここは言うとおりにしよう」

スザク「わかりました」

ナナリー「お兄様……」

ルルーシュ「ふぅー……!!ふぅー……!!!」モジモジ

V.V.「どう思う?」

C.C.「どうした?」

ルルーシュ「おまえ……」

咲世子「ルルーシュ様!!大丈夫ですか?!」

ルルーシュ「さ、よ……こ……」

咲世子「はい!!分かっています!!―――この尿瓶をお使いください」サッ

241: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 15:04:52.75 ID:EI7FBpN60
ルルーシュ「あ、ああ……!!」

咲世子「お礼などいりません。さあ、早くお脱ぎになってください」

C.C.「なんだ。そういうことか」

V.V.「ちょっとまって」

咲世子「はい?」

V.V.「ルルーシュ。どうしてこんな嘘を?」

ルルーシュ「なに……?!」ジタバタ

V.V.「コーネリアもユーフェミアもシュナイゼルも枢木スザクもC.C.もみんな悲しい思いをしたんだよ?」

ルルーシュ「そ、れは……俺の……せい……で、は……!!」

V.V.「君が真っ先に何でもないことをミレイ・アッシュフォードに伝えていれば何も問題はなかった。シャーリー・フェネットでもいい」

ルルーシュ「……!!」ジタバタ

咲世子「あの!!もうルルーシュ様は限界です!!」

V.V.「ダメだよ。これは罰だ。きちんとルルーシュに罪の意識を―――」

ルルーシュ「……」

C.C.「……ルルーシュ?どうした?」

250: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 15:10:15.17 ID:EI7FBpN60
V.V.「……」

コーネリア「先生!!ルルーシュは!!」

V.V.「亡くなりました」

ユフィ「……」フラッ

スザク「ユフィ!!」

シュナイゼル「顔を見せていただけますか?」

V.V.「私のほうで準備をするから、皆さんは外でお待ちください」

ナナリー「お兄様……は……?」

コーネリア「くそ……くそ……まだ……1日も……取り戻せていないというのに……!!」

スザク「ルルーシュ……!!」

シュナイゼル「……皇帝陛下に連絡を取ろう」

コーネリア「こんな……こと……!!」

ナナリー「お兄様ぁぁぁぁ……」

V.V.「……」

アーニャ(V.V.……)

256: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 15:16:33.06 ID:EI7FBpN60
ルルーシュ「……」

C.C.「いつまで部屋の隅で膝を抱えているつもりだ?」

ルルーシュ「黙れ」

咲世子「ところでC.C.様……先ほどの件ですが」

C.C.「事態は大きくなりすぎている。ルルーシュを殺したほうがマシだ」

ルルーシュ「……そうだな。ユフィはともかくコーネリアやシュナイゼルにまで生きていることがバレた。俺は死んだほうがいいな」

咲世子「では、ルルーシュ様の亡骸はどのように?」

C.C.「がんばれ」

咲世子「わ、私がするのですか?!」

C.C.「私は今からルルーシュを連れて雲隠れする。行き先は事前に教えておいてやるから、頃合を見てこちらに合流しろ」

ルルーシュ「咲世子……頼めるか?」

咲世子「はい。ルルーシュ様のためでしたら」

ルルーシュ「俺はもう存在しないことになっている。それでもお前は……」

咲世子「何を仰いますか。私はルルーシュ様に仕えているのです」

ルルーシュ「ありがとう……咲世子……」

264: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 15:22:20.07 ID:EI7FBpN60
咲世子「では、変身を」ゴソゴソ

ルルーシュ「これで俺はもうナナリーとは……」

C.C.「だが、お前がゼロであると誰も疑わなくなる」

ルルーシュ「それだけが救いだな」

C.C.「では、行くぞ。幸い、窓の外にはナイトメアが3機もある。選びたい放題だ」

ルルーシュ「バカか。ナイトメアは簡単に動かせないぞ」

C.C.「そうだったな」

アーニャ「C.C.」

C.C.「お前は……」

ルルーシュ「な!?」

アーニャ「あー、いいから。私は誰にも公言しないわ。はい、これ。私のナイトメアあげる。持って行って」

C.C.「いいのか?」

アーニャ「近く新型もらえるみたいだし。いいわよ」

C.C.「助かるよ」

アーニャ「バイバーイ」

266: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 15:28:23.65 ID:EI7FBpN60
V.V.「勝手に入らないでもらえますか?」

アーニャ「―――え?」

V.V.「すぐに出て行って」

アーニャ「ここは……」

V.V.「ほら、こっち」

アーニャ「あ、はい」

ルルーシュ「よし。変装完了」

ルルーシュ(あとはベッドに寝て、隙を見て脱出をすれば……)

ルルーシュ(棺に入れられたあとが勝負ですね)

コーネリア「あぁ……ルルーシュ……」

ルルーシュ(きた……呼吸も止めないと……)

スザク「……」

シュナイゼル「クロヴィスに続いてルルーシュまで……」

ナナリー「お兄様ぁ……どうして……どうして……こんなことにぃ……」

ルルーシュ(申し訳ありません……ナナリー様……)

275: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 15:35:38.20 ID:EI7FBpN60
シュナイゼル『―――ルルーシュが……息を引き取りました』

シャルル「そうか」

シュナイゼル『葬儀は』

シャルル「せんでよい」

シュナイゼル『……なんと言いましたか?』

シャルル「せんでよい、と言った」

コーネリア『父上!!どういうことですか!!息子が亡くなったのですよ?!』

シャルル「ルルーシュは7年前に死んでおる」

ユフィ『そんな……酷い……!!』

シュナイゼル『ルルーシュは生きていたのですよ?』

シャルル「知らんな」

コーネリア『シャルル……!!』

シャルル「コーネリアとユーフィミアは皇位継承権を破棄したらしいな……ならば、もう関係はないはず」

コーネリア『ええ……関係はない……ならば、好きにさせてもらいます』

ユフィ『お父様……継承権がなくても、私たちは生きています。それだけは忘れないでください』

280: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 15:42:20.72 ID:EI7FBpN60
黒の騎士団アジト

ゼロ「……俺のことはやはり国民には知らせないか」

C.C.「当然だな。お前は記録上、7年前に死んでいる」

ゼロ「葬儀をするだけ金の無駄か」

V.V.「ルルーシュの入った棺だけは本国に送られるみたいだけどね」

ゼロ「貴様は!?」

V.V.「やぁ」

C.C.「よく協力してくれたな」

V.V.「まあ、ルルーシュが大恥を晒してしまったのは僕の所為だからね。本当はあの場でナナリーたちに土下座をさせるつもりだったんだけど」

ゼロ「お前はシャルルの?」

V.V.「そういうこと。心配しなくてもゼロがルルーシュってことは言わないよ。どうせ誰も信じてくれないだろうし」

ゼロ「そうだな。これで安心してゼロを演じることができる」

V.V.「何を言っているんだい、ルルーシュ?」

ゼロ「え?」

V.V.「僕が君に安らぎを与えるとでも思っているのかい?君に心休まるときなんてないよ」

281: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 15:45:39.84 ID:EI7FBpN60
C.C.「どういうことだ?」

V.V.「入団希望者を連れてきたんだ」

ゼロ「入団希望者……だと……?」

V.V.「もうすぐ来るよ。それじゃあ」

ゼロ「待て!!誰を連れてきた!!」

V.V.「大丈夫。信頼はできるから」

ゼロ「……」

C.C.「V.V.め……何を考えている……」

扇「ゼロ!!」

ゼロ「どうした?」

扇「コーネリアとユーフェミアが来ている」

ゼロ「なんだと!?」

扇「しかも……黒の騎士団に入りたいと……」

ゼロ「……」

C.C.「V.V.……余計なことを……」

286: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 15:50:13.40 ID:EI7FBpN60
ゼロ「これはこれは。何のようですか?」

コーネリア「私を使え」

ゼロ「どういう意図があるのでしょうか?」

コーネリア「ブリタニアを潰す」

ゼロ「ユーフェミア、貴方も?」

ユーフェミア「私はお姉様と同じ道を歩みます。それに……」

ゼロ「それに?」

ユーフェミア「私はシャルル・ジ・ブリタニアを許すことができません」

ゼロ「……」

コーネリア「私の側近であるギルフォードとダールトンも入団させるつもりだ」

ゼロ「な……」

コーネリア「断るなら断ってもいい。そのときは独自の組織を作り、ブリタニアを討つまでだ」

ゼロ「……」

ユーフィミア「お願いします。ゼロ」

コーネリア「悪い話ではあるまい?」

291: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 15:54:47.48 ID:EI7FBpN60
隠れ家

ルルーシュ「……」

咲世子「あ、ルルーシュ様」

ルルーシュ「咲世子……戻ってきていたのか……」

咲世子「体調のほうは……?」

ルルーシュ「本調子ではない……」

咲世子「おやすみになってください」

ルルーシュ「……」

咲世子「食欲はありますか?簡単なものでよろしければすぐに作りますが」

ルルーシュ「ああ……」

咲世子「ふんふーん」

ルルーシュ(コーネリアの入団は断ったが……それでもいつか共闘するときが来る……)

ルルーシュ(ゼロの正体がバレないようにしなければ……。特にユーフェミアは危険だ……。より一層、振る舞いには気を配らないと……)

咲世子「ルルーシュ様。どうぞ」

ルルーシュ「ああ……悪いな……」

300: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 15:59:09.68 ID:EI7FBpN60
咲世子「あーん」

ルルーシュ「ん……」

咲世子「どうですか?」

ルルーシュ「ああ……美味しい」

咲世子「よかったです」

ルルーシュ「咲世子……本当に良かったのか……全てを捨てて……」

咲世子「はい。この身はルルーシュ様のために」

ルルーシュ「どうして……そこまで……」

咲世子「それは……」

ルルーシュ「お前はアッシュフォードに仕える身だ。俺のために……」

咲世子「私は……ルルーシュ様を愛しています。だからです」

ルルーシュ「……」

咲世子「……言ってしまいました……恥ずかしい……」

ルルーシュ「咲世子……」

咲世子「ですが、身分が違います。だから……この想いは墓まで持っていくつもりでした……」

304: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 16:07:32.50 ID:EI7FBpN60
ルルーシュ「そうだったのか……」

咲世子「恥ずべきことであるのは重々承知しております」

ルルーシュ「いや。今の俺に身分どころか、戸籍もない」

咲世子「あ……」

ルルーシュ「今なら……いや……今だからこそ……お前の想いに応えよう」

咲世子「ルルーシュさま!!」

ルルーシュ「咲世子、これからもずっと俺の傍にいてくれるか?」

咲世子「はいっ!お掃除お洗濯お料理お風呂お布団全部こなします!!」

ルルーシュ「咲世子……お前は俺にとって安らぎかもしれないな……」

咲世子「ルルーシュ様、そんな恐れ多い……」

ルルーシュ「俺の願いはナナリーのために世界を変えることだ。付き合ってくれるな?」

咲世子「私の願いはルルーシュ様に仕えることですから」

ルルーシュ「……っ」

咲世子「ルルーシュ様?!顔が紅潮しているようです!!熱を測りましょう!!おでこを!!」

ルルーシュ「ま、まて!!今、されると困る!!」

312: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 16:13:34.02 ID:EI7FBpN60
咲世子「そんなことを仰らずに……!!」

ルルーシュ「やめろ!!心の準備が!!」

C.C.「ただいまー」

咲世子「あ」

ルルーシュ「C.C.……」

C.C.「ほう?お前……随分と余裕だな……●●ボウヤのくせにこんな狭い一室でメイドと……」

咲世子「申し訳ありません……」

ルルーシュ「いや……咲世子はただ、熱を測ろうとしてくれただけで」

C.C.「顔を近づけてか?」

ルルーシュ「ああ」

咲世子「はい」

C.C.「こっちは諜報活動もしてやっているのに……私がバカみたいだな……」

ルルーシュ「感謝している」

C.C.「なら、もっと誠意を見せろ」

ルルーシュ「ど、どうすればいい?」

315: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 16:18:07.12 ID:EI7FBpN60
C.C.「そうだな。私にも熱を測らせろ」

ルルーシュ「それぐらいなら」

C.C.「どうすればいい?」

ルルーシュ「額を合わせるだけでいい」

C.C.「なるほどな。早くだせ」

ルルーシュ「我侭なやつめ……」

咲世子「……」

C.C.「ふふ……」

ルルーシュ「目をつぶれ」

C.C.「はいはい」

咲世子「ふっ!!」ガシッ

C.C.「な、何をする!?」

咲世子「C.C.様!!C.C.様はルルーシュ様のことをどう想っているのですか!?」

C.C.「な、なんだいきなり!?」

咲世子「私はルルーシュ様のことを愛しているからこそ、こうしてお傍にいます。あなたはどうなのですか?!」

317: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 16:22:25.73 ID:EI7FBpN60
ルルーシュ「咲世子!?」

C.C.「私とルルーシュは共犯者だ。それ以上でも以下でもない」

咲世子「ならば、ルルーシュ様の奉仕は私にお任せください」

C.C.「なんだと?」

咲世子「ただの共犯者様では荷が重いでしょうし、そこまで献身することはありません」

C.C.「お前……」

咲世子「というわけで、ルルーシュ様?」

ルルーシュ「あ、ああ……」

咲世子「おでこを……」

C.C.「やめろ!」

咲世子「なんですか?」

C.C.「なんだかわからないが、気分が悪い」

咲世子「C.C.様がルルーシュ様のことを愛しているなら、おでこの権利は渡してもいいのですが。しかし共犯者というだけでは……」

C.C.「この……!!」

ルルーシュ「落ち着け、二人とも。こんな狭い場所で喧嘩をするな」

321: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 16:28:54.59 ID:EI7FBpN60
咲世子「ルルーシュ様、お布団の中で熱を測りますね」

ルルーシュ「なぜだ?」

C.C.「待て。共犯者だからこそ、体調管理を行う。当然の権利だ」

咲世子「それはメイドの仕事です」

C.C.「いいや。共犯者の仕事だ」

ルルーシュ「おい」

咲世子「お掃除お洗濯お料理お風呂お布団は私にお任せを」

C.C.「ふっ。掃除洗濯料理風呂布団便所。私はこれだけできる」

咲世子「私もできます。朝の処理もできます」

C.C.「私は朝昼晩とできる」

咲世子「この……」

C.C.「お前のような小娘には負けないさ。なぁ、ルルーシュ?お前を満足させることができるのは、私だな?」

ルルーシュ「え……」

咲世子「ルルーシュ様。全てを私に委ねてください。必ずご期待に応えます」

ルルーシュ「いや……何の話だ……」

327: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 16:36:25.60 ID:EI7FBpN60
数日後 黒の騎士団アジト

ゼロ「……」

扇「ゼロ?聞いているのか?」

ゼロ「あ、ああ。悪い」

コーネリア「全く、しっかりしろ。同盟を結んだからには、ゼロ、お前の力にも期待させてもらうぞ」

扇「確認しておくが、貴方は俺たち黒の騎士団ではない。ただの同盟だ。命令権もなにもない。いいな?」

コーネリア「ああ。まあ、精々我々と敵対しないように気をつけるんだな」

ゼロ「分かっていますよ。……コーネリア」

ユフィ「……」ジーッ

ゼロ「なんですか?」

ユフィ「いえ」

コーネリア「では、今後の予定だが。我々は当面、戦力の補強を行う。そのため、黒の騎士団との共闘はできないし、近日中に戦闘を行うつもりもない」

ユフィ「ルルーシュはどう思いますか?」

ゼロ「そうだな。って、ユーフェミア、何を言っている?」

ユフィ「あ、ごめんなさい。まだ、ルルーシュの死から立ち直れないみたいで」

332: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 16:43:27.01 ID:EI7FBpN60
コーネリア「全く。失礼だぞ。故人を重ねるなんて」

ユフィ「申し訳ありません」

ゼロ「いや、気にしていない」

コーネリア「そうだ、ルルーシュ。ナナリーは兄上が匿ってくれるそうだ。今まで通りの生活を送ることができる」

ゼロ「そうか。それはよかった……って、なんの話ですか?私には少しも関係がない」

コーネリア「あー、そうか。悪い」

ユフィ「もう、お姉様こそ、失礼ですよ」

コーネリア「どうやら私もまだルルーシュの死を受け止められていないな」

ゼロ(なんだこれは……俺は本当に死んだことになっているのか……!!)

ユフィ「ゼロ?戦力の補強についてはキョウトと話ができますか?」

ゼロ「不可能ではない。私からも進言してみよう」

コーネリア「感謝するよ、ルルーシュ」

ユフィ「ありがとう、ルルーシュ」

ゼロ「ルルーシュというのはやめていただきたい」

ユフィ「あ、ごめんなさい。つい、うっかり」

346: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 16:51:20.62 ID:EI7FBpN60
V.V.「ただいま、シャルル」

シャルル「兄さん……何をしてきたのですか?」

V.V.「嘘のない世界のためにちょっとね」

シャルル「また、お戯れを」

V.V.「コーネリアとユーフェミアに真実を伝えただけ。僕は何もしていない」

シャルル「……」

V.V.「今頃、ルルーシュは脇汗で服を濡らしていることだろうね」

シャルル「コーネリアはなんと?」

V.V.「本当にルルーシュかどうかは自分の目で確かめるってさ。そして、ルルーシュだった場合……」

シャルル「場合……?」

V.V.「今度こそ、きちんと葬儀をするって言ってたよ」

シャルル「そうですか」

V.V.「ルルーシュの葬儀楽しみだなぁ。どんな顔で埋められるのか、楽しみだ」

シャルル「兄さん、悪趣味ですね」

V.V.「僕に嘘を吐かせた罰としては、甘いぐらいだと思うけど?」

356: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 17:05:38.41 ID:EI7FBpN60
シュナイゼル「では、ナナリー。また様子を見に来るから」

ナナリー「……あの」

シュナイゼル「代わりのメイドならそこにいるよ」

モニカ「あの殿下……私は、メイドではないのですが……」

ナナリー「それはいいんですけど」

シュナイゼル「何かな?」

ナナリー「お兄様の亡き今、私にできることはないでしょうか?天国にいるお兄様に恥ずかしく自分でいたいのです」

シュナイゼル「そうだね」

ナナリー「なんでもします」

モニカ「では、ナナリー様が総督になるとかどうでしょうか?そうすれば私も総督府で活動できますし」

ナナリー「それです」

シュナイゼル「考えておこう。―――モニカ・クルシェフスキー」

モニカ「は、はい」

シュナゼル「余計なことはいわないようにね」

モニカ「た、大変失礼しました……」

362: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 17:14:43.57 ID:EI7FBpN60
ルルーシュ(くそ……俺が何をした……コーネリアとユフィの追求をかわしながら、ゼロを演じるなんて……今まで以上のストレスが……)

ルルーシュ(いや……こういうときこそ咲世子に癒してもらうしかない……)

ルルーシュ「ただいま」

咲世子「ルルーシュ様。おかえりなさいませ。ご飯にしますか?咲世子にしますか?それとも……」

C.C.「私か?」

ルルーシュ「……」

咲世子「C.C.様。碌に家事をしないで、何を言っているのですか?」

C.C.「バカを言うな。家事をお前に譲ったんだ。つまり、夜の家事は私の務めだろう?」

咲世子「そんないいとこ取りなど、許しません!!」

ルルーシュ「咲世子……あの……俺は疲れて……」

C.C.「安心しろ、ぼうや。私が疲れをとってやる。一晩かけてな」

咲世子「ご冗談を。私ですよね、ルルーシュ様?」

ルルーシュ「ああ……咲世子だ」

C.C.「な……」

咲世子「やった」

368: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 17:19:22.70 ID:EI7FBpN60
ルルーシュ「頼むぞ」

咲世子「お任せください」

C.C.「ま、まて……」

ルルーシュ「もう寝ろ」

咲世子「おやすみなさい」

C.C.「まて!!ルルーシュ!!」

ルルーシュ「―――では、咲世子……頼む」

咲世子「はい」

ルルーシュ「やさしくな」

咲世子「分かっています」

ルルーシュ「うっ……」

咲世子「んっ……んっ……」

ルルーシュ「あぁ……いぃ……」

咲世子「んっ……気持ちいいですか……?」

ルルーシュ「あぁ……最高だな……やっぱり咲世子が……いいな……」

375: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 17:26:45.67 ID:EI7FBpN60
咲世子「では、次は―――足のマッサージを。んっ……んっ……」

ルルーシュ「くっ……」

咲世子「痛かったですか?」

ルルーシュ「いや。続けてくれ」

咲世子「はい」

ルルーシュ「咲世子」

咲世子「なんでしょうか?」

ルルーシュ「お前だけは俺の癒しであってくれ。これからもな」

咲世子「ルルーシュ様が苦しんでいるのであれば、私は全力でその原因を取り除いてみせます」

ルルーシュ「咲世子……少し、熱っぽいんだ。測ってくれるか?」

咲世子「それは大変です。おでこを」ピトッ

ルルーシュ「……傍にいろ。ずっとな」

咲世子「はい、喜んで」

C.C.「―――やめろ!!私はどうなる!!」

ルルーシュ「寝ろといっただろうが!!」

378: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 17:33:44.92 ID:EI7FBpN60
C.C.「私も熱を測らせろ!!」ガシッ

ルルーシュ「やめろ!!」

咲世子「やめてください!!

C.C.「ふんっ!!」ゴンッ!!!

ルルーシュ「がっ……?!」

咲世子「ルルーシュ様!!」

C.C.「私だって……お前のことを……その……愛していないわけじゃないぞ……」

ルルーシュ「……」

C.C.「おい。聞いているのか?一世一代の告白だぞ、今の」

咲世子「頭突きをかましておいて何を言っているのですか!!」

C.C.「熱を測るためには額をあわせるんだろ?今のルルーシュは平熱だったぞ」

咲世子「いいところだったのに……!!この!!」ゴンッ!!!

C.C.「つっ……!!やったな……!!」ゴンッ!!!

ルルーシュ「ぁ……」

―――ブリタニアの少年ルルーシュは遠のく意識の中で、額で熱を測る行為は禁じることを決心した。
                                                                END