1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 18:21:37.59 ID:LgRH4uHn0
響「どうしたプロデューサー」

P「いや、今のセリフもう一回だけ言ってみてよ」

響「なんで?」

P「いや、頼むよもう一回だけだから」

響「じゃあ、言うけど……」

響「自分、完壁だからな!」ドヤッ

P「ぷっ……うははははは!」

響「!?」

P「そうかそうか、完璧なのか!」

響「そ、そうだぞ!なに笑ってんのさ!?」

P「い……いや。なんていうかその……うはははっ」

響「なんだよー!なんで笑ってんのか教えろよプロデューサー!」

P「自分、完壁だからな(ドヤッ……」

P「たまんねー!」

響「うぎゃーっ!プロデューサー!答えろ!答えるんだー!」

引用元: 響「自分、完壁だからな」P「はいはい……ん?」 



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 18:27:23.25 ID:LgRH4uHn0
P「わかったわかった……教えるから首元から手を離せ」

響「……」

P「いや、完璧とかいいつつ璧と壁間違ってんじゃん」

響「え……?」

P「ほら、1レス目よく見返してみ?」

響「あっ!こ、これは……」

P「プ―くすくす」

響「じ、自分、プロデューサーが勘違いしてないか試しただけだぞ!?」

P「あーいるよね、そういう先生。計算間違ったのを『お前らを試したんだ』とか言うの」

響「だから!自分間違ってなんかない!」

P「うん」

響「やけに素直だな……なんか裏があるんじゃないか?」

P「いや、別にないけど」

響「なら、いいけど……」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 18:32:59.41 ID:LgRH4uHn0
P「で、用って何だよ」

響「あ、うん。そのことなんだけどさ」

P「ん?」

響「自分、貴音に眼鏡を買ってあげようと思うんだけど……」

P「あー……。そうね、あった方がいいかもね」

響「でしょ?だからさ、プロデューサーにも眼鏡選び手伝ってほしいんだよ」

P「なんで俺が?」

響「ほら、プロデューサー眼鏡かけてるし」

P「あー……。そうね、そういうことね」

P「でも律子も眼鏡かけてんじゃん」

響「律子は竜宮の担当プロデューサーじゃん」

P「あー……。そうね。貴音は俺の担当だもんね」

響「……さっきからなんか投げやりじゃない?」

P「そんなことはない」

響「なら、いいけど……」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 18:38:28.56 ID:LgRH4uHn0
P「じゃあ、今行く?」

響「えっ?今はちょっと……」

P「いいじゃん。今事務所暇だし。響もレッスン終わったばっかりだし」

響「だから!汗臭いじゃん自分」

P「だがそれがいい」

響「!?」

P「じゃあいつにするよ?」

響「な、なんか今変な発言聞いたような気がするけど……」

P「出来れば今日がいいな。明日からまたちょっと立て込みそうだし」

響「じゃあ、このまま自分の家に一旦よってよ。着替えてくるからさ」

P「うん、オッケー」

響「よし……じゃあそういうことで」

P「あ、あとさ」

響「?」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 18:42:56.58 ID:LgRH4uHn0
P「このこと、貴音には伝えてあるん?」

響「いや、一応サプライズのつもりで考えてるから、未だ誰にも言ってないぞ」

P「そうかそうか。ということは今日の予定も……」

響「今決まったばっかりだけど」

P「……」ニヤリ

P「よし、善は急げだ。直ぐに準備するぞ」

響「あ!ちょっとまってよプロデューサー!」

P「小鳥さん!それじゃあ響送ってったらそのまま直帰するんで!」

小鳥「あ、はい。分かりました」

P「ほら響!はやくっはやくっ」

響「う、うん。いま準備できた」

P「そいじゃ、お先に失礼しまーす!」

響「おっさきー!」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 18:53:08.73 ID:LgRH4uHn0
P車内

P「なんで急に眼鏡とか言い出したん?」

響「最近さ、貴音が台本とか読むときに結構見ずらそうな感じにしててさ」

P「そうかそうか」

響「だから、眼鏡買ってあげようかと思って」

P「あれ?」

響「ん?どうしたんだ?」

P(これって貴音いないと眼鏡作る意味ないんじゃね?)

響「喜んでくれるかなー」ニヤニヤ

P(響……アホの子……!!)

P(しかし、今ばらしてしまえば意味がない。なんとかして響の家に上がる口実を守らねば!!)

P「そうだねーきっとよろこんでくれるだろうねー(棒)」

響「だろー?自分の完璧さ具合に身震いしてるぞ」

P(響ちゃんアホの子可愛い……!!)

響「んー。どういうのがいいかなー」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 18:58:38.11 ID:LgRH4uHn0
響宅

P「こ、ここが……」ゴゴゴゴゴ

響「プロデューサー自分のうちに来るの初めてだっけ?」

P「あ、うん」

響「ちょっと散らかってるけど、まぁ上がってゆっくりしててよ」

P「それじゃあお邪魔します」

響「お構いなくー」

P「うおお!ペットいっぱいだな!」

響「皆自分の家族だからな!」

ペット一同「……」

響「それじゃあ自分、シャワー浴びてくるから」

P「う、うん。わかったよー絶対覗かないから安心してねー(棒)」

響「あたりまえだぞ!自分のシャワーなんか覗いてなんになるんだよ」

P(我々の業界ではご褒美です)

響「じゃあ、絶対に覗くなよ!分かった!?」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 19:03:51.58 ID:LgRH4uHn0
ジャー

P「……」

P「むふっ……?」

P「しかたないなーこれじゃあシャワー覗けないなー(棒)」

P「あっ!なんということだー!気付いたら脱衣所に来てしまったぞ!(棒)」

P「あっ!しかもこんなところに洗濯ものがたまってるぞ!(棒)」

P「まったくもーしかたないなー代わりに洗濯機まわしといてやるか―(棒)」

P「……」

P「くんかくんか!響の   くんかくんか!!」

P「あーたまんねー!このために生きてきたと言っても過言じゃねー!」

P「くんかくんか!すーはーすーはー!」

P「……うっ」

P「……」

P「何やってんだ俺は。ささ、戻ろうか」

 

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 19:57:28.18 ID:LgRH4uHn0
<あー!

P「ん?」

響「洗濯物がぐちゃぐちゃになってるぞ!」

P「ああ、動物たちが遊んでぐちゃぐちゃにしてたぞー(棒)」

動物たち「!?」

響「本当か!?お前たち!」

動物たち「!!」フルフル

P「俺は一生懸命止めたんだけどなー(棒)」

響「むむむ!罰として今日は晩御飯抜きだぞ!」

動物たち「!!(悲嘆)」

響「え?なになに?本当はプロデューサーがやってた?」

P「ビクッ」

響「プロデューサーがいくら変 でもそこまでやるわけないだろ!何言ってるんだよ!」

動物たち「!!(激怒)」

P「~~♪」ニヤリ

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 20:01:21.88 ID:LgRH4uHn0
P車内

響「まったくもう!ちゃんとしつけておかないとダメだな!」

P「そうだぞ!まったくもう!」

響「なー?」

P「んー?」

響「くー?」

P「あ、そういう流れ?」

響「あ、違うのか……」

P(勘違い響可愛い)

P(しかし動物たちよ……貴様らの尊い犠牲は無駄ではない)

P(おかげで洗濯前   ゲットしたぞ!(装着済み))

P「……むふっ……?」

響「どうかしたプロデューサー?」

P「いや、なんでもない」キリッ

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 20:05:37.87 ID:LgRH4uHn0
眼鏡屋

P「さて、着いたぞ」

響「ここは?」

P「俺が普段利用してる弐○萬円堂」

響「へぇ」

P(さて、ここからどうやって貴音を呼び出すか……)

P(でないと迂闊さに気付いた響が傷付いてしまうからな)

P「響……ちょっと俺電話を……」

貴音「こんばんわ、お二人とも」

響「貴音!?」

P「!?どうしてここに?」

貴音「月の光に連れられて、ここまでやってきました」

響「あ……そうか」

P(なんてタイミング!響が混乱している!)

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 20:11:02.64 ID:LgRH4uHn0
響「あぁ……もういいか!」

響「貴音!自分、貴音に眼鏡をプレゼントしてやるぞ!」

貴音「なんと!」

響「貴音には普段お世話になってるからな!ホントはサプライズのつもりだったけど、しかたないし」

貴音「響……」ギュッ

響「うぉあ!貴音!?」

貴音「私、このうれしさをなんと申し上げればよいか……」

響「ちょ……貴音……プロデューサーがこっち見てるよ」

P「……」ギリギリ

P(チックショー!貴音め!俺の響になんてことを!)

P(っていうかあれ?貴音がいるってことは、俺完全に空気じゃね?必要なくね?)

貴音「……」ジーッ

P「?」

貴音「ふっ」ニヤリ

P「!!」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 20:17:20.55 ID:LgRH4uHn0
P(なんだ!?あの貴音の勝ち誇ったような不敵な笑みは?)

貴音「それでは響、参りましょうか」

響「あ、ちょっとまってよ貴音ぇ」

P(いかん、このままでは響を取られてしまう!)

P「そうだぞ!二人とも、慌てたらいかん」

響「あ、今日はプロデューサーも一緒に選んでくれるぞ!」

貴音「そうですか……」

P「おう、俺のセンスあふれる眼鏡選びを……

貴音「チッ」

P「!?」

P(今、この子舌打ちした!明らかに俺を見て舌打ちした!)

P(むむむ、こうなってはなんとしてでも響を取り返さねば!)

<いらっしゃいませー

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 20:27:20.22 ID:LgRH4uHn0
響「これなんてどうだ?」

貴音「かけてみましょうか」

響「おお!似合ってるぞ!」

貴音「ふふふ」

響「やっぱり自分のセンスは完璧だな!」

P「……」

響「でもなんだこの眼鏡、D&Gって書いてあるな」

貴音「なんでしょうか」

P「ドルガバだな、それ」

響「ドルガバ?何それ?」

P「ああ、ドルガバってのはドルチェ&ガッバーナの略でな……」

響「へぇ……」

貴音「……」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 20:31:05.98 ID:LgRH4uHn0
P「……っていう世界的なブランドだ」

響「へぇ……プロデューサー詳しいな。自分見なおしたぞ!」

P「そうか、もっと見直してくれてもいいぞ」

響「プロデューサーすごいぞ!」

P「むふふ」

貴音「……」

P「……」

P「ふっ」ニヤリ

貴音「!!」

響「どうした二人とも。なんか火花散ってるぞ」

貴音「い、いえ、何でもありません」

P「うん、なんでもない」

響「?」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 20:39:00.56 ID:LgRH4uHn0
貴音「では、この『響の選んでくれた眼鏡』にしましょうか」

響「これでいいのか?」

貴音「ええ、『響が』選んでくれたのですから。これ以外あり得ません」

響「そうか、じゃあこれにするぞ!」

響「すいませ~ん!これください!」

店員「5万円になります」

響「え……?」

店員「5万円です」

貴音「どうしました?」

響「ちょっと……手持ちが足りないぞ……」

貴音「!!」

P「あ、俺が出すよ」

響「!!」

P「『俺』が、『響』のために一肌脱ぐよ」

貴音「……」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 20:46:49.56 ID:LgRH4uHn0
P「だって仕方がないもんなあ」

貴音「……」

P「貴音だってそうだろ?『これ以外あり得ない』んだろう」

貴音「それは、そうですが……」

貴音(それでは……せっかくの響からの贈り物が、ぷろでゅーさーからの贈り物に……)

P(ふふふ……響からのプレゼントなどやるものか!貴音!)

貴音「響、またの機会に……」

響「でも……」

P(響の性格では、こんなところで引き下がれまい……)

P(気持はともかく、響からのプレゼントという事実を残してはならんのだ!)

P(すまんな、貴音……」

響「ん?なんか言ったプロデューサー」

P「あ、いやいや、なんでもない」

貴音「この……!」チッ


51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 20:51:44.27 ID:LgRH4uHn0
<ありがとうございましたー

貴音「……」

響「ありがとうプロデューサー」

P「いえいえ、なんのその」

貴音「響!」

響「ん?どうしたんだ?」

貴音「この『響』からの贈り物、大切に使わせていただきます」

響「ん、そういってくれると嬉しいぞ!」

貴音「ふふ……」

P「金を出したのは俺だけどなー(棒)」ボソッ

貴音「……!」

P「じゃあ、二人とも送ってくよ。車にのってくれ」

響「ありがとうプロデューサー」

貴音「……」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 20:59:32.98 ID:LgRH4uHn0
P「じゃあ響は助手席に……おい?」

貴音「なんでしょうか」

P「なんで助手席に座ってんの?」

貴音「ぷろでゅーさーは、私の家を知らないでしょう?」

P「まぁ、そうだけどさ……」

貴音「道案内をするならば、助手席に座るのは当然でしょう」

P「……」

響「じゃあ自分、後ろに座るぞ!」

P「!!」

貴音「ふっ……」ニヤリ

P「このっ……」

響「どうしたんだ?早く行こうよ」

貴音「だそうですよ、ぷろでゅーさー殿?」

P「くっ……仕方ないな」

貴音「……」ニヤリ

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 21:04:10.76 ID:LgRH4uHn0
貴音「……やはり、私も後ろに座りましょう」

P「!!」

響「いいのか?貴音?やっぱり自分が前に……」

貴音「よいのです。ささ、早く出発を」

P(この……これを狙ってやがったな貴音……)

響「貴音とこうしているの、なんか久しぶりだな」

貴音「ええ、私もこうしていられて、幸せですよ」

P「……」ギリギリ

貴音「おやおや、血の涙を流してどうしたのですか?」

P「な”ん”でも”な”い”でず!!」

響「よーし!それじゃあ出発ぅ!」

貴音「ふふ……」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 21:08:35.49 ID:LgRH4uHn0
響宅前

響「ありがとうプロデューサー!」

P「……おう。それじゃあな」

貴音「また明日、響」

響「うん、それじゃあね!」

バタン

P「……」

貴音「……」

P「貴音」

貴音「なんでしょうか、ぷろでゅーさー『殿』」

P「二人きりなんだからあなた様でいいだろう。あとその殿やめれ」

貴音「……」

P「まぁ、助手席に移れよ」

貴音「……よいでしょう」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 21:13:20.98 ID:LgRH4uHn0
P「……」

貴音「……」

P「……なにか言うことはないのか?」

貴音「……そちらこそ」

P「なんで今日いきなり現れたんだよ」

貴音「……分からないのですか?」

P「ああ、分からんな」

貴音「これだから……全く」

P「!!」

貴音「私は響のことならなんでもお見通しなのです」

P「なに!?」

貴音「先日から、『眼鏡にあいそうだなー』とか、『この中だったらどの眼鏡がいい?』とか聞かれれば、嫌でも気付きます」

P(響……分かりやす過ぎるだろ!アホの子!でもそこがかわいい!)

貴音「それをあなた様は……」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 21:18:11.29 ID:LgRH4uHn0
P「それを言えば俺だって」

貴音「はい?」

P「今日は響の家に上がったんだぜ」

貴音「!?」

P「いやぁ、美味しかったよ、響の作るゴーヤチャンプルー(誇張)」

貴音「なんと!!」

P「貴音はまだ響の家に上がったことないんだっけ?」

貴音「……」

P「いやぁ参ったなー親友の貴音さんより先に響の家に上がっちゃったな―(棒)」

貴音「……なにかおかしな真似はしていないでしょうね?」

P「そんなわけないだろ。響とは清く正しい関係を維持している」

貴音「なら……よいのですが」

P「あーでも響の家は響のいいにおいでいっぱいだったな―」

貴音「!?」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 21:26:14.78 ID:LgRH4uHn0
貴音「……」

P「……」

コンコン

P「!?」

貴音「!?」

響「あの……さ」

貴音「どうしたのです、響」

P「どうしたんだ、響」

響「さっきからずっと車が動かないから、何かあったのかと思って……」

P・貴音「!!」

P(ほら!響を心配させちまったぞ貴音!)ボソッ

貴音(それはあなた様が……)ボソッ

響「なにもないならいいけど……」

響「二人とも、今日は本当にありがとう!」ニカッ

P・貴音「!!」ズキューン

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 21:29:06.81 ID:LgRH4uHn0
響「ちゃんと気をつけて帰るんだぞー!」

P「お、おう……」ニヘラ

貴音「お気づかいどうも、響」ニヘラ

バタン

P「……」

貴音「……」

P「……今日のところはこれぐらいにしといてやる」

貴音「ええ、こちらこそ」

ブロロロロロロ


72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 21:32:54.58 ID:LgRH4uHn0
P自宅

P「ああ、今日も響は可愛かったなー」

P「……」スッ

P「ほわぁぁぁあああ!響の生   だー!」

P「ほわああああ!たまんねー!家宝にするぞー!」

P「くんかくんかスーハースーハーくんかくん……!」

P「……うっ」

P「……」

P「ふう、何やってんだ俺は。馬鹿馬鹿しい」

P「明日も早い。響抱き枕(自作)と一緒に寝よう」

P「……zzz」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 21:37:58.68 ID:LgRH4uHn0
貴音自宅

貴音「全く……あの方は差し出がましい真似を……」

貴音「しかし、これはうれしい贈り物をいただきました……」

貴音「嗚呼、響。なんと心の美しい娘でしょうか……」

貴音「なぜ、これほどまでに私を狂わせるのでしょう……」

貴音「……せっかくだからかけてみましょう」スッ

貴音「ふふ……」

P『金を出したのは俺だけどなー(棒)』ボソッ

貴音「うっ……嫌な記憶が……」

貴音「さて、明日も早いですね。響シーツ(特製)に包まれて眠るとしましょう」

貴音「……zzz」

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 21:43:24.80 ID:LgRH4uHn0
響自宅

響「あれ?自分の   がないぞー?」

響「お前たち、どこにやったんだー?」

ハム蔵「ジュジュジュジュイッ!」

響「ん?なに?」

ハム蔵「あのプロデューサーの野郎が穿いて行きやがったんだよ!(意訳)」

響「いくらプロデューサーが変 でも、そんなことする訳ないだろ!」

響「全く……」

響「……」

響「貴音、喜んでくれたかな?」

響「そうだといいなぁ……」

響「プロデューサーもいてくれて助かったぞ……」

響「今度、何か御馳走してやらないとな」

響「あ、もうこんな時間!早く寝なきゃ!」

響「それじゃあお休み、みんな……」

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 22:01:07.79 ID:LgRH4uHn0
翌日 765プロ

P「おはようございます」

小鳥「おはようございます」

律子「おはようございます、プロデューサー」

P「うわーくそだるいわ……寝不足だわ」

P「さてと、今日の予定は……」

ガチャ

響「はいさーい!」

小鳥「おはよう、響ちゃ……」

P「は い さ ー い ! !」ガタッ

律子「!?」

響「お、プロデューサー今日も元気だな!」

P「おう、当たり前だろ!」

律子(なんなのこのテンション)

小鳥(いつものことでしょうに……)

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 22:11:24.04 ID:LgRH4uHn0
P「さて、今日の予定だけど……」

P「げっ!」

響「どうしたプロデューサー」

P「今日はグラビア撮影だよ……」

響「おお!なんか久しぶりだな!」

P「うん……」

響「なんかさっきと一転して元気ないな。どうしたんだよ」

P「いや、そのね、貴音も一緒だから……」

響「お!貴音かー!」

P(なんで俺こんな予定組んじゃったんだろう……)

響「貴音、眼鏡かけてきてくれるかなー?そうだといいなー!」

P「うん、そうだね(棒)」

ガチャッ

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 22:18:19.50 ID:LgRH4uHn0
貴音「おはようございます」

P「……うす、おはよう」

貴音「……どうも」

小鳥「あら、貴音ちゃんどうしたのそれ!」

貴音「ええ、『響』からの『気持ち』のこもった『私』への贈り物です」

P「ちっ」

響「貴音!かけてきてくれたのか!」

貴音「ええ!」ニコリ

響「うん、やっぱり似合うぞ!その眼鏡」

貴音「響が選んでくれたのですから、当然ですよ」

響「やっぱり自分、完璧だからな!」

貴音「ふふふ……」

P「金出したのは俺だけどなー」ボソッ

貴音「!!」キッ

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 22:26:08.46 ID:LgRH4uHn0
律子「ほらほら、二人とも。揃ったらさっさと現場に行ってください」

響「はーい」

P「……」

貴音「……」

響「二人とも、早く行くぞ?」

P「ん、ああ。そうだな」

貴音「参りましょう、響」

響「久々だと緊張するなー」

P「なにが?」

響「いや、ちょっとプロポーションとか気になるし」

P「何言ってんだよ、響は完p

貴音「響は完璧なのですから、何も問題ありませんよ」

響「そうか!そう言ってくれると安心するな」

P「……!」

貴音「……」ニヤリ

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 22:35:39.77 ID:LgRH4uHn0
P「……」

貴音「……」ドヤッ

響「?」

P「なんで助手席座ってんだよ……」

貴音「私、車酔いしますので」

P「この……」

響「そうだったのか、貴音?」

貴音「ええ」

響「じゃあ今度から自分が後ろに座るから、貴音はずっと助手席だな」

貴音「!!」

P「そうだなぁ。響の隣の後部座席じゃ車酔いするかもしれないからなぁ。しかたないなぁ」

貴音「なんと……なんと……」

P「墓穴ったな、貴音!」

貴音「くっ……」

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 22:45:34.98 ID:LgRH4uHn0
撮影所

響「よろしくおねがいしまーす!」

カメラマン「いいよいいよー!響ちゃん元気いっぱいでいいよー!」

貴音「よろしくおねがいします」

カメラマン「いいよいいよー!貴音ちゃん今日もあふれ出る  スがいいよー!」

P「それじゃあ、後を頼みますね」

カメラマン「はい、私にかかればちょちょいのちょいですよ!」

カメラマン「最高の撮影にしてみせますから」

P「ええ」

カメラマン「それじゃあ響ちゃんからいってみようか」

響「うん!準備ばっちりだぞ!」ポイン

P「oh……」

P( 揺れたまらんです!)

貴音「……」

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 22:50:59.16 ID:LgRH4uHn0
カメラマン「いいよいいよー!」

響「こんなポーズはどうだ?」

カメラマン「おお!たまらんね!読者釘付けだよこれ!」カシャカシャ

響「こんなのも出来るぞ!」

カメラマン「おおーすごいねー!じゃあ次はオーメンスタイルでいこうか」

響「?」

カメラマン「ほら、ブリッジだよブリッジ!」

響「えっ」

カメラマン「早くしてよ!時間ないよ!」

響「うう……なんか恥ずかしいけど……えいっ!」

カメラマン「よし!そらきた!これヤバいよマジで」

P「カメラマンさん」

カメラマン「何ー!?」

P「その股のドアップ、あとでください」

カメラマン「いいよいいよー……えっ?」

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 23:00:57.02 ID:LgRH4uHn0
カメラマン「分かりましたけど、いくらです」

P「こんなもんでどうです?」スッ

カメラマン「わかりました任せてくださいポロリまで持っていきます」

P「さすが、話が分かりますなぁ……」ニヤリ

貴音「……」

P「むっふっふ……」

カメラマン「じゃあ響ちゃん、つぎ女豹のポーズ行ってみようか」

響「こうか?」

カメラマン「おおいいよいいよー!もっと近くで撮ってみようか」

響「ちょ……近すぎじゃない?」

カメラマン「これぐらいのほうが迫力あるから!ほら!」

響「うう……なんか恥ずかしいぞ……」

カメラマン「そうれ!」シュルリ

響「うわぁ!なんだ急に」ポロリ

P(カメラマンGJ!!!!)

123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 23:07:17.07 ID:LgRH4uHn0
カシャカシャカシャカシャ

響「ちょっと!なにとってんのさ!」

カメラマン「大丈夫大丈夫!ちゃんと上手いことやっとくから!」

カメラマン(こんなんでどうですか!?)チラッ

P(正直たまらんです!)グッ

響「うう……すごく恥ずかしかった……」

カメラマン「響ちゃんありがと―!すごくいい写真が撮れたよ!」

カメラマン「じゃあ次は貴音ちゃん行ってみようか!」

貴音「ええ……」

P「響、大丈夫だったか?(棒)」

響「うう……あのカメラマン変 だったさ……」

P「仕方ないな後で俺からきっちり文句を言っておく(棒)」

響「ありがとうプロデューサー」

P「俺に任せろ!響のためなら何だってするぞ!」

貴音(痴れ者どもが……!)

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 23:13:26.06 ID:LgRH4uHn0
カメラマン「よし、これで撮影は終了ですね!」

P「ありがとうございました」

P(先ほどの件は、分かっていますね?)

カメラマン(ええ、もちろんです)

P「それじゃあ響と貴音は先に車に戻っててくれ」

響「分かったぞプロデューサー」

貴音「……」ゴゴゴゴゴゴゴ

響「貴音?どうしたんだ?すごい怖い顔してるぞ」

貴音「私は……どうやら天誅を下さねばならないようです」ゴゴゴゴゴ

響「天誅?なんだそれ」

貴音「待っていてください、響。あなたの敵は私が必ず……」

響「なんか良く分からないけど……無茶はするなよ!」

貴音「ええ、御首級をあげて見せましょう……」ゴゴゴゴゴゴゴ

127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 23:20:36.37 ID:LgRH4uHn0
カメラマン「へっへー!こりゃあ大儲けだぜ……」

貴音「そこの不届き者」ゴゴゴゴゴゴ

カメラマン「あ?貴音ちゃん?今日の撮影すごくよかったよ!」

貴音「そうですか。それは良かったです」

カメラマン「うん、久々にベストショットを……

貴音「あなた様が最期の撮影を楽しまれて何よりです」

カメラマン「うんうん……って、最期?」

貴音「あなた様の罪は、あまりにも重い」

カメラマン「え?何の話?次の撮影のコンセプト……?」

貴音「あなた様は幸せ者です。何も知らずに逝けるのですから」

カメラマン「さっきからどうしたの貴音ちゃん」

貴音「……」ゴゴゴゴゴ

カメラマン「貴音……ちゃん?」

貴音「天誅!!」

131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 23:27:28.07 ID:LgRH4uHn0
<ギャオー!

P「ん……?」

P「カメラマンの霊圧が……消えた……?」

P「……まあいいか」

P「しっかし、貴音もいい尻してたな」

P「そうだ、尻のドアップももらっとこうか」

P「あいつも、響さえ取り合ってなかったら悪くはないんだけどな」

P「だが、響の件に関してだけは一歩も譲れん!」

P「さて、カメラマンはどこにいる……?」

響「おーい、プロデューサー!」

P「あれ?響どうしたんだ?貴音と車に戻ったんじゃなかったのか?」

響「車には戻ったんだけど、なかなか貴音が戻ってこないから……」

P「は?貴音どこいったん?」

響「それが分からなくて探してるんだけど……」

P「全く……あいつはどこをほっつき歩いてるんだか……」

133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 23:34:10.43 ID:LgRH4uHn0
貴音「お待たせいたしました」

P「どこ行ってたんだよ!響に心配かけさせてからに!」

貴音「少し、犬の躾をしておりました」

響「犬!?どこにいるんだ!自分もみたいぞ!」

貴音「よしなさい響。あの者は狂犬です」

響「あー、ちゃんと予防接種受けさせなきゃだめなのにな」

P「それより、誰かカメラマンの行方を知らないか?ちょっと用があるんだけど」

貴音「さて、今頃は三途の川を泳いでる頃かと」

P「?」

響「あ、カメラマンだ」

貴音「!!」

P「え?なんかボロボロに……」

カメラマン(犬)「貴音様ああああ!もっと私めをののしってくださいませぇぇぇぇぇえええ!!」

響「うゎあ!なんか気持ち悪い!!」

P「どうなってんだよおい……」

134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 23:38:41.76 ID:LgRH4uHn0
貴音「あの者は……」

貴音「二人とも、先に車に戻っていてください」

P「え、だけど……」

響「なんかカメラマンおかしいぞ……」

貴音「構いません、早く」

P「おい貴n」

貴音「早く!!」ゴゴゴゴゴゴゴ

響「プ、プロデューサー。なんか貴音怒ってるから早く行こう?」

P「あ、ああ……」

P(なんであんなに怒ってるんだ……まさか……)

貴音「あなた様」

P「!!」

貴音「首を洗って、待っていてくださいませ。直ぐに参ります」ゴゴゴゴゴゴゴ

P「」ブルッ

響「プロデューサーは別に首元汚れてないぞ」

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 23:44:19.06 ID:LgRH4uHn0
P車内

P「……貴音はまだか」

響「もう20分も経った……」

P「やっぱり様子を見に……」

コンコン

響「あ、貴音!」

貴音「お待たせいたしました。さて、帰りましょうか」

P「お、おう……」

響「貴音、頬に何かついてるぞ……」

貴音「なんと!……これはケチャップですね」

P「ケチャップ?」

貴音「ええ、ケチャップです。飛沫血痕などではありませんよ、断じて」

響「貴音は食いしん坊だなー。どっかで寄り道して食ったんだろ!」

貴音「ええ、喰 い ま し た」

P「!!」

142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/22(日) 23:54:39.68 ID:LgRH4uHn0
P「きょきょきょ今日は疲れただろう!貴音は直帰していいぞ!」

響「えー?自分も今日はなんだか疲れたぞ」

貴音「だそうですよ、あなた様」ギロリ

P「……しかたない、二人とも送ってく」

響「やっほーい!」

貴音「あなた様、このあと少し付き合っていただけますね?」

P「い、いや、俺はこの後かえって仕事が……」

貴音「……付き合っていただけますね?」

P「はい」

響「え?なに?二人でどっか行くの?自分も付いて行くよ!置いてけぼりにしないでよ」

貴音「響、これから大事な話し合いがあるのです。ですよねあなた様」

P「お、おう。そうなんだ。これからの活動について話し合わなきゃならないからな」

貴音「ええ、文字通り腹を割った話し合いを……」

P「……!」

響「……それじゃあ仕方ないな……うん」

144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 00:01:31.21 ID:vDDtIHB30
響宅前

響「それじゃあ二人とも気をつけてなー!」

貴音「ええ、それではまた明日」

P「……」

P(頼む……響……!行かないでくれ……貴音と二人きりにしないでくれ……)

貴音「さてと、それでは参りましょうか、二十郎に」

貴音「私、大変おなかが空きましたので、腹ごしらえを」

P「そ、そうね。あは、腹ごしらえね(緊迫)」

貴音「腹が減っては戦は出来ぬと言いますし」

P「!!」

貴音「安心なさい、峰打ちです」

P「へ?」

貴音「先ほどのかめらまんは、勝手に暴れて怪我をしただけです(棒)」

貴音「私は、直接手を下したわけではありません(棒)」

P「お、おう……」

145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 00:08:48.07 ID:vDDtIHB30
二十郎

貴音「麺カタ辛め野菜ダブルにんにく脂増し増し」

P「なんだよその呪文は……」

貴音「あなた様はいかがなさいますか」

P「じゃあ俺は…」

貴音「同じものを」

P「なんで一回聞いたんだよ」

貴音「どうせあなた様は注文出来ないでしょう?」

P「まぁ、何言ってるかわかんないし」

貴音「響をめぐって争う間柄でありながら、この程度で根をあげるつもりですか?」

P「……おんなじの」

店主「……あいよ」

P「ふぅ……」

148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 00:18:03.30 ID:vDDtIHB30
P「うぇっぷ……」

貴音「……」

P「喰いきったぞ、おい」

貴音「……当然です」

P「うー苦しい……学生時代でもこんなに喰ったことないってのに」

貴音「なんとだらしのない」

P「!!」

P「さっきから言わせておけ……うぇっぷ……」

貴音「先ほどの件ですが」

P「ん?」

貴音「かめらまんの件」

P「!!」

貴音「写真をすべて私によこすなら、今回は特別に許してあげましょう」

P「貴音……なんだかんだでお前もそういうの好きなのな」

貴音「!!」

151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 00:25:00.98 ID:vDDtIHB30
貴音「私は別にそういうわけでは……」

P「安心しろよ。まだ俺は写真をもらったわけじゃない」

貴音「……」スッ

P「だからあのカメラマンが……って、手に持ってるそれ何?」

貴音「あの下賤なものがもっていたかめらの、えすでぃーかーどです」

P「……」ゴクリ

貴音「こんなものは、こうしましょう」バキッ

P「ああっ!なんてこと!なんてことを!」

貴音「こんなものがなくとも、私たちの目の前には響本人がいるでしょう」

貴音「たかがこれっぽっちのもので、響が辱められる必要はありません」

P「……まあ、それはそうだが」

貴音「……」フフーン

P(貴音のドヤ顔なんか腹立つ……!)

152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 00:31:48.44 ID:vDDtIHB30
P「この際だからはっきりさせようか」

貴音「何をでしょう」

P「響についてだ」

貴音「……」

P「俺は響を愛してる」

貴音「愛ならば私のほうが勝っています」

P「でもお前は女だ」

貴音「貴方様もプロデューサーという立場でしょう」

P「……」

貴音「……」

P「なに、芸能関係者同士の交際なんて、数ある話だろ」

貴音「響はアイドルです、そのような話は御法度では」

P「もちろん俺だってそんな公にするつもりはない」

P「それよりも、女同士の関係ってのを、響が容認するかどうかだろう」

貴音「きっと響は……私を受け入れてくれるはずです」

156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 00:46:17.34 ID:vDDtIHB30
P「はず……?」

貴音「私は、961ぷろにいたころから響とともにいるのです」

貴音「なら、私の気持ちも、必ずや……」

P「貴音にも、はっきりしたことは分からないのか」

貴音「純真無垢な輝きこそ、響の魅力ですから」

貴音「それゆえ、何人たりとも彼女の動きを知ることなどできません」

P「……」

貴音「……」

P「今度な、響チャレンジで無人島滞在やるんだよ」

貴音「!?」

P「期間は1週間。ちょうど放送の合間にずっと滞在する形になるな」

貴音「そのような危険なこと……」

P「なに、ちゃんと事前に下調べしてあるし、安全は確保済みだよ」

P「だからさ、ひとつ提案があるんだ」

貴音「提案、ですか?」

158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 00:54:46.14 ID:vDDtIHB30
P「俺は、響が無人島に行く前に告白しようと思う」

貴音「なんと!?」

P「お前も告白するんだよ。もちろんずっとそばにいようねなんて生易しい言葉じゃない」

P「もっと人間のエグさとか、中身を全部さらけ出すような、本気の告白を」

貴音「なるほど……」

P「ちなみに、今の俺は響の   を穿いている」

貴音「!?」

P「つまり、身も心も響と同化していると言っても過言ではない」

貴音「どうかしているのはあなた様の頭では」

P「上手いこと言ったつもりか」

貴音「どや顔だぶるぴーす」ドヤッ

P「どこでそんな言葉覚えたんだよお前は」

貴音「双海真美、亜美に教えていただきました」

P「何やってんだよあの二人は……」

貴音「人の 着を履いている人が何を言いますか」

161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 01:03:07.97 ID:vDDtIHB30
貴音「つまり、こういうことですか」

貴音「無人島に行く前に、私とあなた様で響に告白をする」

貴音「1週間の期間で、その答えをじっくり考えてもらい……」

P「無人島から戻ってきたら、答えを聞く」

P「どうだ。これでいいんじゃないか」

貴音「……」

P「それともあれか。勝ち目がない勝負はしないタイプか?」

貴音「勝ち目がないなどと……」

P「……」

貴音「分かりました、受けて立ちましょう」

P「それでいい。真っ向勝負、真剣勝負だ」

貴音「響が私を選んだとしても、恨まないでくださいませ」

P「安心しろ。これでも俺は人並みのプロデューサーだ」

P「もし、万が一負けたとしても、貴音のプロデュースを手抜きにするつもりはない」

貴音「ふふ……そうですか」

164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 01:08:08.08 ID:vDDtIHB30
貴音「話はまとまりましたね」

P「ああ。それじゃあ出ようか」

貴音「ええ。腹も膨れたことですし」

貴音「それと、あと一つお話が」

P「ん?どうした」

貴音「先ほどの、響の 着は一体どこで手に入れたのですか……?」

P「ギクッ」

貴音「まさかあなた様は……」

P(なんでしゃべっちゃったんだろう俺!)

貴音「やはり天誅を下さねばならないようですね……」ゴゴゴゴゴゴゴ

P「ちょちょっとまて貴音!長くなるが、話せばわかる!」

貴音「問答無用!!」

<ギャオー!

166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 01:12:05.60 ID:vDDtIHB30
響自宅

<ギャオー

響「ん?なんか獣の遠吠えみたいのが聞こえたような……」

響「まあいいか」

響「貴音も、あの眼鏡かけてくれてたし、選んだ甲斐があったなー」

響「……」

響「貴音も、プロデューサーも最近なんかぎくしゃくしてるよな……」

響「二人には……仲良くしてほしいぞ……」

響「……」

響「……zzz」

168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 01:19:53.50 ID:vDDtIHB30
撮影当日

P「準備はいいか、響」

響「うん、サバイバルセットは持ったし、連絡用の電話もちゃんとあるし」

P「そうか……」

響「プロデューサー?なんか様子がおかしいぞ」

P「あのさ、響……」

響「うん?」

P(あああ!貴音の前では大見栄張ったけど、いざとなったら緊張する……)

P「あのさ、驚かないで聞いてくれよ……」

響「早くしてくれよプロデューサー。自分、じらされるのは嫌いだから」

P「すすすす……」

響「煤?」

P「好きです……」

響「!?」

P「好きです……つぼ八」

169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 01:25:14.59 ID:vDDtIHB30
響「は?」

P「い、いやぁ……つぼ八っていう居酒屋が好きでなぁ……」

響「そ、そうなんだ……」

P「いつか、響と一緒に行きたいなぁなんて」

P(ああ!俺のバカ!なんで話しそらしちゃってんの!?)

響「自分未成年だから、そういうのはまだ……」

P「あ!おつまみとか豊富なメニューがあるし、別にお酒を飲まなくても……」

響「……プロデューサー、さっきから何が言いたいんだ?」

P「あ……えっと、その……」

P(勇気をだせ!あと一歩だぞ俺!)

P「あの……えー……」

響「……」

P「が、頑張ってこい響!期待してるぞ!!」

響「うん」

170: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 01:30:11.12 ID:vDDtIHB30
P(結局響には思いを伝えられなかったまま、無人島に旅立ってしまった)

P「終わった……俺の人生……」

P・貴音「はぁ……」

P「うわぁ!貴音!いつからそこにいた!?」

貴音「あなた様こそ、いつからそこに……」

P「ずっとだよ」

貴音「私もです」

P「……どうだったよ、告白」

貴音「……あなた様こそ」

P「先に言えよ」

貴音「聞いたものから答えるのが礼儀では」

P「……失敗した」

貴音「……私もです」

P「そうか……」

貴音「ええ……」

174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 01:42:28.66 ID:vDDtIHB30
P「なんていうかさ」

貴音「はい」

P「こう……響にまっすぐ見つめられると、上手く言葉に出来ないというか」

貴音「はい」

P「全く……徹夜で考えたのに」

貴音「告白をですか?」

P「うん。最期は『俺の子供を産んでくれ!』でカッコよくしめるはずだったんだが……」

貴音「なんと、……面妖な」

P「そういうお前こそ失敗したくせに」

貴音「私も、まさかこのような結末になろうとは……」

P「ああ……全く。勝負はお預けだな……」

貴音「ええ……」

P(響……今は無事を祈るしかない)

貴音(帰ってきたら、今度こそは私の気持を……)

177: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 01:49:14.02 ID:vDDtIHB30
無人島

響「それじゃあ、始めるぞ」

船員「頑張ってくださいね」

響「うん!自分の活躍、テレビで楽しみにしててよ!」

響(さてと……カメラの準備をして……)

響「はいさーい!今自分は、無人島にいまーす」

響「自分撮りっていうのかな?ここからは自分が一人で頑張っていくぞ!」

響「これからの活躍、期待して待っててね!」

響「……ふう。最初はこんな感じでいいかな」

響(……)

響(プロデューサーも、貴音も、なんか出発前に自分を呼び止めた割には……)

響(もじもじしてばっかりで、なんかよくわからない応援を受けたけど……)

響(なんか二人して秘密でも持ってるのか?)

響「……帰ったら聞いてみよ」

180: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 02:01:50.08 ID:vDDtIHB30
2日後 765プロ

P「あー……」

貴音「……」

小鳥「なんか二人とも、二日前からそんな感じですね」

P「あー……そうね。そうかもね」

貴音「……私の、自身の不甲斐無さに打ちひしがれているのです」

小鳥「はぁ……」

小鳥「プロデューサーさん、ほら、元気出してくださいよ」

P「あー……ああ」

貴音「……ああっ」

小鳥「……どうなってるのよ……もう」

TV『続きまして、次のニュースです』

TV『現在、大型の台風が日本列島に接近中ですが、予想では進路を大きく変え……』

P「あー……   くんかくんかしたいなぁ……」

貴音「この痴れ者……!」

181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 02:06:14.53 ID:vDDtIHB30
4日後 無人島

響「なんだか風が強くなってきたな……」

響「嫌な予感がするぞ……」

響「貴音……プロデューサー……」

響「無事を祈っててね……お願いだよ」

183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 02:15:03.61 ID:vDDtIHB30
TV局

P「台風が接近中!?」

貴音「!!」

TV局スタッフ「ええ、台風の進路が予想を大きく外れまして……」

TV局スタッフ「このままでは、無人島を直撃する恐れが……」

P「なんとかして迎えに行けないんですか!?」

TV局スタッフ「波が高くて風も強いですし……なかなか民間の業者では……」

P「……分かりました」

貴音「……」

TV局スタッフ「どうするんです?」

P「俺が、迎えに行きます……」

貴音「!?」

TV局スタッフ「無茶ですよ!」

P「黙ってみてる訳にはいかない!なんとかして救い出さないと!!」

184: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 02:24:23.79 ID:vDDtIHB30
ちょっと寝ます。もし残ってたら9時か10時ごろには書き始めます。

207: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 08:06:24.39 ID:vDDtIHB30
おはようございます。もうちょっとしたら書きます。

保守ありがとうございました。

210: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 08:14:03.71 ID:vDDtIHB30
P車内

P(こうしちゃいられない!早く響を迎えに行かないと……)

バタン

P「……」

P「……なんで助手席に座ってんだよ、貴音」

貴音「そんなことはどうでもよいのです。早く発進を」

P「お前はこれから撮影があるだろう!」

貴音「響の一大事なのですよ!のうのうと撮影など受けられるわけがありません」

P「だけど!危険すぎる!これから大荒れの海に行くんだぞ!」

貴音「わかっています。それを承知でここにいるのです」

貴音「もし響になにかあったら……」

貴音「響のいない世界など、糞ほどの価値もありません」

P「……ええい!仕方ねぇ!ここでグダグダ話してても時間の無駄だ!」

P「ぶっとばして行くからな、しっかりつかまってろ!」

貴音「ええ!」

214: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 08:27:27.75 ID:vDDtIHB30


P「着いたぞ、早く行くぞ」

貴音「ええ」

貴音「……これは……!」

P「まだ誰にも言ってなかったな。こいつはYF-24!言っとくがマクロスじゃねえぞ!」

貴音「まくろす……?」

P「貴音にゃ分からんかったか……」

貴音「このような船を、いつの間に……」

P「響と洋上ラブラブデートしようと思って、中古だけど買ったんだよ!まだまだローン地獄だけど」

貴音「なんと……!」

P「畜生……初めて乗せる女は響って決めてたのに……」

貴音「私では不満ですか?」

P「響さえあきらめてくれりゃあ不満はないが……」

貴音「ならば、その不満を一生抱えてもらいましょう」

P「言ってくれちゃって……まあいい、行くぞ!」

218: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 08:39:57.59 ID:vDDtIHB30
洋上

P「波が高いな……こりゃ正直きついぞ……」

貴音「……」

P「おい、大丈夫か?」

貴音「……げろっぱ」

P「!!」

貴音「申し訳ありません、あなた様……私もう……(xxx目)」

P「ちょっとまて!吐くのか!吐きそうなんだな!?」

貴音「……らぁめんを食べすぎました」

P「おいおい頼むよ!吐くならせめて船外に……」

貴音「」ダッ

<オエーッ

P「ふぅ……間に合っ……ってねぇ!デッキで吐くなよ!」

貴音「すっきりしました。早く参りましょう!」キリッ

P「畜生……ちくしょー!待ってろよ響!今迎えに行くからな!!(涙目)」

220: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 08:46:53.30 ID:vDDtIHB30
無人島

響「どうなってんだよ……これ……」

響「波が高いってレベルじゃねーぞ……」

響「そうだ、電話……!」バッ

響「電池は……まだある!」

ペッポッパ

prr prr prr

響「お願い……誰か出て……」

響「プロデューサー……貴音ぇ……」

響「助けてよ……」

223: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 09:00:36.12 ID:vDDtIHB30
P船内

prr prr prr

貴音「!!」

P「電話だ!代わりに出てくれ!今手が離せない!」

貴音「はい!」ピッ

貴音「もしもし!響ですか!?」

響『あ!……あれ?貴音か!?』

貴音「はい、私です!そちらは大丈夫ですか!?」

響『今のところはなんとか……』

P「貴音!響はなんだって!?」

貴音「どうやらまだ無事なようです!」

響『え?そばにプロデューサーもいるのか!?』

貴音「ええ、今、船でそちらに向かっているところです」

響『船!?無茶だよ!こんな荒波で……!!』

貴音「無茶などではありません!響のためならどこへだって向かいます!」

224: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 09:08:37.18 ID:vDDtIHB30
P「そうだ!無茶なんかじゃない!」

P「貴音!響に伝えてくれ!必ず迎えに行く!だから安心して待っていてくれって!」

貴音「響、聞こえましたか?」

響『うん、聞こえたよ!』

P「あと30分もしないうちに着くはずだから、それまではなんとか持ちこたえてくれ!」

貴音「あと30分の辛抱です、決してあきらめないでください!」

響『うん、分かった。……自分もなんとか頑張ってみるよ』

貴音「それでこそ響です……それではまた後ほど!」

響『うん!待ってるよ』

ピッ

P「よかった……響はまだ無事だったか……」

貴音「さあ早く!れでぃをあまり待たせるものではありません!」

P「船長は俺だぞ!指図すんなよ!」

貴音「船長!どうか……」

P「分かってるさ!貴音も、無事を祈ってろよ!」

227: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 09:18:10.49 ID:vDDtIHB30
30分後

P「見えた!」

貴音「あれが……無人島……!」

P「貴音!響に連絡しろ!もうすぐ着くから、波にさらわれない程度に桟橋の近くにいてくれって」

貴音「言われなくとも!」

ペッポッパ

響『もしもし!?』

貴音「響!もうすぐ着きますから、波にさらわれない程度に桟橋の近くへ……」

響『うん、わかった。あとはどうすればいい!?』

貴音「あなた様!他に何かすることは!?」

P「操縦初心者の俺が、上手く桟橋に付けられるように祈っててくれ!それぐらいだ」

貴音「私たちが、無事に到着できるよう祈っててほしいと……」

響『大丈夫、二人とも信じてるよ!気をつけt』ブツッ

貴音「響!?もしもし!響!?」ツーッツーッ

貴音(響自身が大変な状況だというのに、私たちの心配を……)

228: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 09:28:09.80 ID:vDDtIHB30
P「よし……!アレは……響!」

貴音「響っ!!」

響「ぉぉーぃ……ぉぉーぃ……」

P「待ってろよー!今すぐ船をつけるからな!」

貴音「あなた様早く!」

P「分かってるよ!ええいくそっ!なかなか位置が定まらん……!」

貴音「何をしているのです!響はすぐそこにいるのですよ!」

P「船の操縦ってのは車みたいにすんなりいかねぇんだよ!貴音こそデッキで待ってろ!」

貴音「」ダッ

P「くそっ……もうちょっとだ……」

響「おおーい!もう少しだぞー!」

貴音「響……響!!」

P「貴音、もう少ししたら、響に飛び移るように言ってくれ!」

貴音「ええ!」

貴音「響!船が接近したら、こちらに飛び移ってください!!」

229: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 09:34:39.25 ID:vDDtIHB30
貴音「分かりましたか!?」

響「わかったぞー!」

響(すごい……本当に二人とも、来てくれた……!!)

響(でも、船の動き、すごく危なっかしいぞ……?)

P「次のタイミングで、一気に接近する!いいか!?」

貴音「ええ!響!準備はいいですか!?」

響「オッケー!」

P「もうちょっと……もうちょっとだ……」

貴音「……」

響「……!!」

P「いまだ!飛び移れ!」

貴音「響!今です!さあ!!」

響「ぃいっくぞぉー!!」ダッ

ザバーン

P(……!!)

234: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 09:45:14.53 ID:vDDtIHB30
P(船が……離れる!)

響「とうっ!」バッ

貴音「響!!」

響「たかねぇぇぇぇぇえええっ!!」

P「貴音!響を捕まえろ!」

貴音「くっ!」バッ

貴音「響!私の手をつかんでください!」

響「うぉおおおおあああああ!」

貴音「!!」

ガシッ!!

P「やった!」

貴音「響!手を離さないで!!」

響「ぐぬぬ……」グイッ

響「……はぁっ……はぁっ」

貴音「響……ああ、響……よかった……!!」

236: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 09:56:56.69 ID:vDDtIHB30
P「響、無事か!?」

響「うん、なんとか……」

貴音「響……無事でよかった……」

響「ありがとう……貴音、プロデューサー」

P「気にするな!響のためだったら何だってしてやる!なぁ貴音」

貴音「ええ、その通りです」

響「怖かったぁ……」

貴音「そうでしょう、怖かったですね……もう大丈夫ですよ」

P「よし、じゃあ直ぐに戻るぞ!これ以上は危険すぎる」

貴音「安全運転で頼みます、船長」

P「おう、任されよ!」

響「プロデューサー、いつの間にこんな船……」

P「そりゃあお前とラブラブデー……いっ!」ギュッ

貴音「あなた様?抜け駆けは許しませんよ……!」ギチギチギチ

P「あいでででで!わかった!分かったから足をどけろ!!」

237: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 10:07:29.03 ID:vDDtIHB30
P「……」

貴音「……」

響「……」

響「あのさ……」

P「ん?どうした?」

響「前から気になってたんだけどさ、二人って……」

貴音「?」

響「付き合ってるのか……?」

P「!!」

貴音「なにを!?」

響「だって、なんだかんだ言って二人ともよくそばにいるし……」

P「それは仕事だから!!ほら、結構仲悪いし!」

貴音「そうです!私は、このような下賤なものと好きあってなど……」

響「でも、ケンカするほど仲がいいともいうぞ……」

P「それはだな……」

239: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 10:20:31.95 ID:vDDtIHB30
ガクン

P「!!」

響「なんだ!?急に加速したぞ!」

P「くそっ!なんだこれは……」

貴音「何事ですか!?」

P「くそっ!くそっ!!」ガチャッガチャッ

響「どうしたんだよプロデューサー!」

P「スロットルがいかれた……言うことをきかない……!」

P「荒波でやられたか……!?」

貴音「どうするのです!?」

P「どうするもこうするも、どうしようもねぇよ!!」

貴音「どうにかしてください!船長でしょう!?」

P「うわ!うわあ!どうしよう!やっぱりおかしいと思ったんだよ!妙に安かったと思ったら船外機が糞なのかよ!!」

響「うぎゃー!どうするんだよこの状況!!」

P「マジでどうしよおおおおお!!」

242: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 10:32:23.11 ID:vDDtIHB30
P「!!」

貴音「どうしたのです」

P「仕方ない!このまま砂浜に向かう!」

響「不時着するの?」

P「不時着じゃないけど、似たようなもんだよ」

貴音「上手くいくのですか!?」

P「保証はないけど、これしか思いつかんかった!多分大丈夫!」

響「なんで!?」

貴音「……それ以外に、方法はないのですね?」

P「今のところはな」

貴音「なら、やりましょう」

P「しっかりつかまってろよ!」

245: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 10:50:59.78 ID:vDDtIHB30
P「砂浜が見えたぞ!二人ともしっかりつかまってろよ!」

貴音「響……!」

響「貴音……」ギュゥウ

P「ふんっ」クイッ

ゴゴゴゴゴゴゴ

ドッシャーン

P「うぉおおっ!」

貴音「ぬぅっ!!」

響「うぎゃっ!!」

P(あ……船ごと飛んでるわ―(棒))

貴音(なんと……面妖な(達観))

響(みんな……ごめんね……(悲嘆))

ドゥゥッゥウン!

246: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 10:58:49.60 ID:vDDtIHB30
病院

P「うっ……ここは……」

高木「目を覚ましたかね、君」

P「あ、社長。お疲れ様です」

高木「お疲れ様じゃないよ……」

高木「全く、なんて無茶なことをしてくれたんだ……大変だったんだよ、あのあと」

P「あのあと?」

高木「君が船で砂浜に突っ込んでからの話し」

P「あー、そんなことありましたねぇ(棒)」

高木「幸い、他の二人は大した怪我ではなかったが……」

高木「君だけ見事に両腕骨折とは……」

P「え?……うわぁなんだこのギプス!!」

高木「君、気づいてなかったのかい?」

P「ええ、恥ずかしながら……」

249: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 11:15:56.82 ID:vDDtIHB30
P「皆も、見舞いに来てくれてたんですか……?」

高木「ああ、そうだよ」

P(ギプスに落書きとか、べたなことやっちゃってくれて……)

高木「さて、私も仕事があるのでね、これで失礼するよ」

P「あ、はい。どうもありがとうございました」

高木「しばらく休んでいたまえ」

P「はい……」

ガラガラガラ ピシャッ

P「響と貴音は……どこだ?」

響「ここにいるよ」

P「!!」

P「響、そこにいたのか……」

響「3人とも同じ病室なんだよね」

P「…ってことは……チッ」

貴音「……」

255: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 11:29:10.94 ID:vDDtIHB30
貴音「私もいますが」

P「響から離れろ。なんでくっついてんだよ」

貴音「私たちは幸いにも軽傷で済んだので、自由に動けるのですよ」

P「ぐぬぬぬぬ……」ギチギチギチ

P「!!」

P「あー、喉が乾いちゃったな―(棒)」

貴音「!?」

P「あ、なんてことだー両手が使えないからこれじゃあ飲めないぞー困ったなー(棒)」チラッ

響「なんだよ、自分に言ってくれれば……はい、あーん」

P「あーん(天国)うわー響に飲ませてもらうお茶マジで美味だわ―」

P「……」チラッ

貴音「……」ワナワナ

P「ふっ」ドヤッ

貴音「!!」

響「まったく、仕方ない奴だなプロデューサーは……」

257: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 11:34:47.31 ID:vDDtIHB30
貴音「ひ、響!私にもお茶を……」

響「そこにあるじゃん。好きなの飲んでいいよ」

貴音「そ、そんな……響に飲ませてもらいたいのですが……」

響「?」

P「仕方ないもんなー貴音は自由に動けるんだからなー(棒)」

貴音「!!」

貴音「響!どきなさい!私が代わりに!!」

響「え?あ、うん……」

貴音「どうぞ、私からの気持ちです」グイッ

P「むぐっ!」グビグビ

貴音「どうです、雪歩からの贈り物であるセンブリ茶のお味は?」

P「むぐぐぐぐぐぐごぼぼ!」

響「……」

響「やっぱり、ふたりは仲いいんだなー」

P・貴音「!?」

259: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 11:45:38.47 ID:vDDtIHB30
P「なにを言う!」

貴音「冗談にしてはすぎますよ、響」

響「だってさー、こうしてさっきからなんかいちゃいちゃしてるしさ」

響「どう見たって仲いいって」

P「……」

貴音「私は……ずっと響一筋です」

P「あ!てめこの……むぐっ」グビビ

貴音「黙らっしゃい」

響「うん?」

貴音「私は、あなたのことを好いております」

響「自分も!貴音のことは好きだぞ!」

P「!!」

貴音「ああ、響……抱きしめてもよろs

響「貴音は大事な大事な親友だからな!」

貴音「」

264: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 11:54:09.42 ID:vDDtIHB30
P「ぷぷぷ」ニヤリ

貴音「そう、……ですね。響は私の大切な……親友です……」

P「そうだそうだ。『親友』になれるなんてうらやましいなーもう(棒)」

貴音「……」

貴音「少し、散歩に行ってまいります」

P「そうかそうか、気をつけるんだぞー」

響「自分、なんか貴音に変なこと言った?」

P「いや、響は何も間違ってない。それでいいんだ」

響「そうかな?なんか貴音、すっごく落ち込んでたけど……」

P「うれしさの裏返しだろ」

響「うーん」

P「……」

P「やっと、ふたりっきりになれたね」キリッ

響「え?」

P「この時を、ずっと待っていたんだ……」

266: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 12:06:41.02 ID:vDDtIHB30
P「響」

響「うん?どうしたんだ?」

P「実は……俺……」

響「うん」キョトン

P(いけ……今なら言える……貴音も言えたんだ……俺だって……)

P「ずっと……言いたかったことが……」

響「つぼ八?」

P「そうじゃなくて……うっ」

P(急に尿意が……貴音に飲まされたお茶のせいか……?)

P「尿意が……」

響「!?」

響「どどどどうしよう!」アタフタ

P「あの、看護婦を呼んでくれればうれしいかも……」

響「待ってろプロデューサー!今尿瓶用意したから……それ!」グイッ

P「あっ///ちょ……待って……!積極的なのはうれしいけど……」

269: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 12:12:56.55 ID:vDDtIHB30
響「……」ポカーン

P「……いやん///」ペロン

響「ぎゃー!なんで自分の 着穿いてるのプロデューサー!」

P「しまった!勝負 着そのまんまだった!!」

響「変 !変 !この変 プロデューサー」

P「ちょっとまって響、これには深い深い事情が……」

響「よるな!さわるなー!」ポコポコ

P「ちょ……いたっ!まって!痛い!マジで……ちょっと!」

響「うわあああん!たかねぇー!プロデューサーが自分の 着を!」ダッ

P「……」

P「ああ、行ってしまった……」

P「……」

P「ちょっと……尿意がヤバい……誰か!看護婦さーん!」

看護婦「はいはい……って、きゃああー!」ダッ

P「待って!行かないで!もう限界なんです!逃げないでくださーい!」

271: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 12:21:36.03 ID:vDDtIHB30
半年後

P「えらい時間が飛んだな」

貴音「ええ、あれからいろいろありましたから」

P「そうだな。警察の事情聴取、番組の一時中断、そして残ったのはYF-24の残骸と借金」

貴音「それと、私たちの失恋です」

P「だな……」

貴音「……ええ」

P「俺は、未だチャンスはあると思う」

貴音「何を言いますか。あれからしばらく響には口を聴いてもらえなかったというのに」

P「最近、やっと会話してもらえるようになった」

貴音「なんと(棒)」

P「むかつくなぁその言い方」

貴音「お互い様です」

P「そうか……」

276: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 12:36:02.78 ID:vDDtIHB30
P「そうだよ。アイドルは皆のアイドルなんだよ。独り占めしようってのが間違いだったんだ……」

貴音「それでも私は……」

P「往生際が悪い」

貴音「私、目指すものには妥協を許さない性格ですので」

P「そうね。そうだったね……」

P「ラーメンでも食いに行くか?」

貴音「よろしいのですか?」

P「ああ、もう恋敵でもないし、かまわんだろ」

貴音「ならば、御一緒いたします」

P「流石に麺かた云々は勘弁な」

貴音「手加減いたします」

P「じゃあいこうか」

貴音「ええ……」

響「おーい!貴音!プロデューサー!」

P・貴音「!!」

278: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 12:47:27.79 ID:vDDtIHB30
響「はぁ……はぁ……」

P「どどどどうしたんだ響」

貴音「何事です?」

響「ほら、これを渡そうと思って……」

貴音「これは……眼鏡ですか?」

響「うん。この前の台風のとき、壊れちゃったでしょ?だから新しいのを買ってきた」

貴音「なんと……なんと……」

P「……よかったじゃないか、貴音」

貴音「ええ、よい贈り物をいただきました」

響「かけてみてよ!」

貴音「はい……」スッ

貴音「素晴らしい……」

響「えへへ……喜んでくれてうれしい……」

P(これは……俺の完全敗北かな……)

280: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 12:55:20.65 ID:vDDtIHB30
響「あと、プロデューサーにも」

P「これは……」

響「ほら、まえに編み物してた時に、プロデューサーも何か作ってほしいって言ってたでしょ?」

P「これが……響の……手作りのセーター」

響「サイズが合うといいんだけど……」

P「うん、ぴったりだ……だけど」

P「今は夏だから、普段から着るのはちょっと先になるかな……」

響「そうだね……でもよかった」

P「うん……ありがとう。家宝にするよ」

響「それはちょっと大げさかな……」

P「そんなことないよ。本当にうれしい」

響「あと、もう自分の 着の件、許すから」

P「本当か!?」

285: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 13:07:50.98 ID:vDDtIHB30
P「あ、じゃあ、響の家の 着だけじゃなくて靴下も盗んでたの許してくれる?」

響「えっ!?」

貴音「この……!」

響「……仕方ないぞ。今後一切そういうことしないって言うなら許す」

P「マジか!いやっほーい!」

貴音「よいのですか?」

響「うん……本当に特別」

響「台風のときに助けてもらったけど……ほんとうに二人ともかっこよかったし、すごく感謝してる」

P「響……お前本当にええ子や……」グスッ

貴音「本当に、響は心の優しい子ですね」

響「そんなこと言ってももう何も出ないぞ……///」

P「このっ!このっ!」

響「プロデューサー!やーめーろーよー!」

貴音「わ!私も!」

響「貴音もやーめーろー!」

286: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 13:16:48.58 ID:vDDtIHB30
P「響もラーメン食べに行くか?」

響「いいのか?」

貴音「ええ、ぜひとも一緒に」

響「じゃあいくよ!どこ?」

P・貴音「二十郎に」

響「えっ」

P「覚悟しろよ、響」

貴音「響といえど、一歩二十郎に足を運んだならば、そこは戦場なのですから」

響「うん、なんくるないさー。……多分」

P「あははは」

P(響は、やっぱりこうして朗らかに過ごしているのが一番輝いてるな)

貴音(独り占めしてしまうなど、もったいないことなのかもしれませんね)

響「二人とも、大好きだぞっ!」

終わり